「ちょっとだけ」のつもりで起動して、気づいたら窓の外が白んでいる。r/AskRedditの「文字通りやめられなかったゲームは?」というスレッドに、1700件を超える自白が集まった。工場を広げ続けた人、あと1ターンを繰り返した人、成績証明書に爪痕を残された人まで、被害報告の見本市になっている。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『ワールド・オブ・ウォークラフト』。周りが「ウォークラック」って呼んでたの、あれ冗談じゃなかったんだよ。サービス開始から拡張のリッチキング編が終わるまで、自分は完全に中毒者だった。今思い出しても背筋が寒い。
※ ワールド・オブ・ウォークラフト(WoW)=2004年に始まった世界最大級のオンラインRPG。「ウォークラック」は英語のcrack(薬物)をもじった、廃人を量産するゲームという定番のいじり方。公式の日本語版が出ていないこともあって、日本では名前のわりに遊んだ人が少ない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
ギルドのレイドが週3で夜8時集合だったから、バイトのシフトも飲み会も全部そこを避けて組んでた。今考えると、生活のほうがゲームに合わせられてたよね。順番が完全に逆だった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
正直あれ、面白かったから続けたわけじゃないと思ってる。次の装備まであと何回、次のレベルまであと何時間、って人参をぶら下げられてただけ。やめた瞬間に何も残らなかったし、今すぐ思い出せるのは待機画面の景色くらいだよ。
4. 名無しのReddit住民
『ファクトリオ』。ベルトコンベアを1本足すだけのつもりが、気づくと工場全体を建て直してる。あのゲームだけは起動する前に時計を見るのが怖い。
※ ファクトリオ=異星に不時着した主人公が資源を掘って工場を自動化していくゲーム。プレイヤーの間では「工場は拡張しなければならない」が合言葉になっている。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
わかる。搬入が詰まったラインが夢に出てくる段階まで行った。目を閉じるとベルトが流れてるんだよ。あれを健康な状態とは呼ばないと思う。
6. 名無しのReddit住民
『サティスファクトリー』。30分だけ手を入れて寝るつもりだったのに、次に時計を見たら4時間経ってた。しかもやったのは配管の整理だけ。何ひとつ前に進んでない。
※ サティスファクトリー=一人称視点で巨大な工場を建てていくゲーム。ファクトリオを立体にしたようなもの、と言われる。
7. 名無しのReddit住民
『バルダーズ・ゲート3』。初周は本当に朝から晩までやってても、そろそろやめようという気持ちが一度も湧かなかった。会話の選択肢を選んでるだけで時間が飛んでいく。
※ バルダーズ・ゲート3=2023年に出たロールプレイングゲーム。テーブルトークRPGのダンジョンズ&ドラゴンズが原作で、その年の賞を総なめにした。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
自分は仲間の会話を1つも聞き逃したくなくて、第1幕だけで40時間使った。雑談が発生するのを待つためにわざと寄り道して、意味もなく野営を繰り返してたからね。
9. 名無しのReddit住民
『スターデューバレー』。「あと1日だけ進めて寝よう」を7回くらいやった。作物の収穫日が見えちゃうと、そこまでは進めたくなるようにできてるんだよ。
※ スターデューバレー=ひとりの開発者が作った牧場ゲーム。畑を耕して住民と仲良くなるだけなのに、やめ時が見つからないことで知られている。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
自分は途中で怖くなってやめたよ。だってあれ、結局は締め切りのないやることリストを延々こなしてるだけなんだよね。楽しいというより、片付いてないものが視界にあるのが我慢できないだけだった。
11. 名無しのReddit住民
『ルーンスケープ』とか『エバークエスト』の世代なんだけど、あれはもう遊びじゃなくて数字を伸ばす作業だった。同じ時期に『ファイナルファンタジーXI』に沈んでた友達も同じことを言ってたな。楽しさじゃなくて、止めたら数字が増えない恐怖で続けてた。
※ ルーンスケープ=2001年に始まったブラウザで遊べるオンラインRPG。エバークエストは1999年開始のオンラインRPGの先駆けで、当時から「エバークラック」と呼ばれていた。どちらも日本では知名度が低い。
12. 名無しのReddit住民
『シヴィライゼーション』。あと1ターンだけ、という言葉はSNSより多くの時間を人類から奪ってると本気で思ってる。1から6まで、新作が出るたびに数週間は生活が乗っ取られた。
※ シヴィライゼーション=古代から現代まで自分の文明を育てるターン制の戦略ゲーム。1ターンが数十秒で終わってしまうので、区切りをつけられないまま朝になる。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
どの作品を選んでも結末は同じなんだよ。何時に始めたかに関係なく、気づいたら午前4時で、ガンジーが核を持ってて、自分の口は「あと1ターン」と言ってる。
※ シヴィライゼーションでは非暴力の象徴として登場するガンジーが、なぜか核兵器を撃ってくるという話が、プレイヤーの間で長年ネタにされている。
14. 名無しのReddit住民
2006年ごろの『オブリビオン』。大学の最終学年だったんだけど、3学期ぶん成績がめちゃくちゃになって、卒業に1年余計にかかった。公式の成績証明書に、今もその跡がはっきり残ってる。
※ オブリビオン=エルダースクロールズシリーズの4作目。広い世界のどこへでも歩いていける作りで、本筋を無視したまま何十時間も遊べてしまう。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
自分は『ディアブロ2』で必修を落とした。夜中にダンジョンへ潜って、狙った装備が出るまでやめられなくて、朝の講義に出た記憶がほとんどない。学費を払って何をやってたんだろうな。
16. 名無しのReddit住民
何年か前の話だけど、『スカイリム』を1日10時間、3ヶ月毎日やってた時期がある。恐ろしいのは、その3ヶ月に他に何をしていたのか具体的に思い出せないことなんだよ。
※ スカイリム=エルダースクロールズシリーズの5作目(2011年)。発売から10年以上たった今も新規プレイヤーが増え続けている。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
自分の症状は逆で、毎回キャラを作り直しては序盤の村を出たあたりで満足してやめる。それを何十回もやってるから、総プレイ時間だけは廃人並みなのに本編を一度もクリアしてない。『フォールアウト ニューベガス』でもまったく同じことをやった。
18. 名無しのReddit住民
子どものころの『マインクラフト』。最初の夜に穴を掘って隠れたところから始まって、気づいたら地下に街を作ってた。学校から帰る足が毎日速くなってたのを覚えてる。
19. 名無しのReddit住民
『エルデンリング』と『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は方向性が全然違うのに、症状だけは同じなんだよな。目的地へ向かう途中で崖の上の何かが見えて、そっちへ行って、そこからまた別のものが見える。1時間かけて一歩も進んでない日があった。
20. 名無しのReddit住民
『カウンターストライク』と『リーグ・オブ・レジェンド』は「あと1試合」で全部説明がつく。勝てば気分がいいからもう1試合、負ければ悔しいからもう1試合。理論上、終わる条件が存在しないんだよ。
21. 名無しのReddit住民
『パワーウォッシュ シミュレーター』。高圧洗浄機で汚れを落とすだけのゲームなのに、隅に汚れが一箇所でも残ってると寝られない。仕事より真面目に取り組んでる自分がそこにいた。
※ パワーウォッシュ シミュレーター=家や車の汚れを高圧洗浄機で落としていくだけのゲーム。敵も制限時間も出てこない。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
中毒性があることと面白いことは、たぶん全然別だよね。作業ゲーは達成感のスイッチを連打してるだけで、終わったあとに何も残らない。このスレの半分は名作の話じゃなくて、うまく設計された時間泥棒の被害報告だと思ってる。
23. 名無しのReddit住民
『バラトロ』。画面の中の麻薬だよあれ。「初期のジョーカーだけ確認したら寝る」って毎回言ってるけど、確認した結果が良かったら走り出すし、悪かったら引き直したくなる。寝られるわけがない。
※ バラトロ=ポーカーの役を作りながら特殊効果のカードを組み合わせて点を伸ばすゲーム。1回が短いぶん、やめる理由が永遠にやってこない。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
スマホ版を入れた日が人生の分岐点だったと思ってる。『スレイ・ザ・スパイア』も『バインディング・オブ・アイザック』も構造は同じで、1回30分だから安全だと自分に言い聞かせながら6時間溶かすんだよね。
※ スレイ・ザ・スパイア、バインディング・オブ・アイザックはどちらも1回ごとに構成が変わる短時間周回型のゲーム。負けても「次はうまくやれる」と思わせる作りが共通している。
25. 名無しのReddit住民
『フットボールマネージャー』。しかも自分は今作が好きですらないんだよ。それでも移籍市場を眺めてると平気で夜が明ける。やってることは選手の数値を見比べてるだけなのにね。
※ フットボールマネージャー=サッカークラブの監督になって、移籍や戦術を数字で管理するゲーム。試合映像より表計算ソフトに近い画面を延々と見ることになる。
26. 名無しのReddit住民
『レッド・デッド・リデンプション2』は本筋をまるで進めなかった。馬にブラシをかけて、釣りをして、酒場でピアノを聞いてたら数日過ぎてた。あの世界に居続けること自体が目的になってたんだと思う。
※ レッド・デッド・リデンプション2=19世紀末のアメリカ西部が舞台のゲーム。狩りや洗濯まで細かく再現されていて、寄り道の量が本編を軽く超える。
27. 名無しのReddit住民
『Sky 星を紡ぐ子どもたち』。ひどく落ち込んでいた時期に始めて、そこから3年間、1日も欠かさず遊んだ。2022年からずっと続けてる。やってることは、知らない誰かと手を繋いで飛んでるだけなんだけどね。
※ Sky 星を紡ぐ子どもたち=『風ノ旅ビト』を作ったスタジオの作品。会話がほとんどなく、見ず知らずの人と手を繋いで空を飛ぶことが中心になっている。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
それは中毒っていうより、しんどい時期の避難場所だったんじゃないかな。自分も似た時期に『デイヴ・ザ・ダイバー』ばかりやってた。昼に潜って夜に寿司を握るだけの生活が、当時の自分にはちょうどよかった。
※ デイヴ・ザ・ダイバー=昼は海に潜って魚を捕り、夜はその魚で寿司屋を切り盛りするゲーム。
29. 名無しのReddit住民
『マニック・マイナー』を40年以上、ほぼ毎日やってる。今まで遊んだ中でいちばんいいゲームだと本気で思ってるよ。若い人には絶対に信じてもらえないけどね。
※ マニック・マイナー=1983年にイギリスの8ビットパソコン、ZXスペクトラム向けに出たアクションゲーム。1画面ずつ攻略していく古典的な作り。
30. 名無しのReddit住民
この質問、ここ2日で3回は見てるんだけど、みんな毎回ちゃんと全力で答えてるのが面白いんだよな。結局、自分の人生を溶かしたゲームの話は何回でもしたいんだと思う。
まとめ
並んだ作品はジャンルがばらばらなのに、語り口だけはほとんど同じだった。挙がっているのは名作というより、区切りが来ない作りのゲームばかりだ。1ターンが数十秒で終わる、目標が常に半分だけ達成されている、次の周回が1分で始まる。プレイヤーが自分で「ここでやめる」と決めない限り、ゲームの側は絶対に終わらせてくれない。
もうひとつ目立つのは、失ったものの具体性だった。成績証明書に残った留年、記憶ごと抜け落ちた3ヶ月、出席しなかった朝の講義。その一方で『Sky 星を紡ぐ子どもたち』のように、落ち込んでいた時期の逃げ場として機能した例もあって、同じ「やめられない」でも中身は正反対だったりする。22番が言うとおり、中毒性と面白さは別物で、あとから思い出として残っているかどうかが分かれ目なのかもしれない。
皆さんが人生でいちばん時間を溶かしたゲームは何ですか? そしてそれは今でも、良いゲームだったと言い切れますか?

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