子供のころ、テープが伸びるまで繰り返し見た映画が誰にでも一本はあると思う。それを大人になってからもう一度再生したらどうなったか——海外の掲示板でそんな質問が立ち、実写版マリオからスター・ウォーズの新三部作、さらには日本の『子猫物語』まで、思い出が音を立てて崩れていく報告が次々に並んだ。中には「いや、あれは今のほうが面白い」と踏みとどまる人もいる。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『マスク』。子供のころは世界一おもしろい映画だと本気で思ってた。この前見返したら、笑いどころの半分は子供に分かるわけがないネタで、当時の自分はただ緑の顔が伸び縮みするのを見て笑ってただけだったと気づいてしまった。
※『マスク』…1994年公開のアメリカ映画。ジム・キャリー主演。古い仮面をかぶると顔も体も自在に変形するトラブルメーカーに変身するコメディ。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
自分は逆で、大人になってから評価が上がった側だ。あの小ネタの元は昔のカートゥーンや古いミュージカルばかりで、要するにジム・キャリーが一人で実写のアニメをやってる。子供のときは何も見えてなかったんだと分かって、二回目のほうが楽しかった。
3. 名無しのReddit住民
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』。子供のころはライトセーバーとポッドレースが世界の全てだった。大人になって見たら、貿易連合の関税がどうとか元老院の投票がどうとか、そっちの比重の高さに愕然とする。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
それ、自分は今のほうが面白い。子供のときは完全に寝てた通商協定のくだりが、働きはじめてから見ると「上が話をまとめてくれないせいで現場だけが死ぬ」話そのもので、変なところで刺さる。ポッドレースはどっちにしろ最高だしね。
5. 名無しのReddit住民
『トワイライト〜初恋〜』。8歳のときはガチで神映画だと思ってたのに、大人になって見返したら意図してないところで全部笑える。真顔で草原に立って肌をキラキラさせてる場面を、あそこまで大真面目に撮り切ってるのが逆にすごい。
※『トワイライト〜初恋〜』…2008年公開。原題 Twilight。人間の少女とヴァンパイアの少年の恋を描いたシリーズ第1作。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
当時は本気で、日光に当たると肌が光るという設定に憧れてた。今見るとイケメンがひたすら不機嫌な顔をしてる時間がやたら長い。それでも劇伴の選曲だけは今でも良いと思ってる。
7. 名無しのReddit住民
『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。子供のころはマリオが実写で動いてるというだけで大興奮だった。大人になって見たら、キノコ王国が薄暗いディストピア都市で、クッパは金髪リーゼントのおっさん。何をどう間違えたらこの形になるんだ。
※『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』…1993年公開の実写映画。原題 Super Mario Bros.。ゲームとは大きく異なる暗い近未来都市が舞台。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
ヨッシーだけは今見ても頑張ってると思う。着ぐるみと機械仕掛けで生き物っぽく動かそうと必死になってて、あそこだけスタッフの意地が伝わってくる。他は全部忘れていい。
9. 名無しのReddit住民
『子猫物語』。子供のころは子猫と子犬の冒険として無邪気に見てたけど、大人になって見返したら出産の場面までしっかり映ってて驚いた。そもそもあの子猫たちにどうやってあんな動きをさせたんだよ、という疑問で途中から頭がいっぱいになる。
※『子猫物語』…1986年の日本映画。英語圏では The Adventures of Milo and Otis の題で公開され、子猫のミロと子犬のオーティスの冒険として広く親しまれている。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
分かる。あのころの動物映画はだいたいそうで、昔のディズニーのネイチャー物も今の目で見ると「これ動物に無理させてないか」が気になって話が入ってこない。子供のときは何も考えず、ただ可愛いと思って見てた。
11. 名無しのReddit住民
『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』。当時は関連おもちゃが一番かっこよくて、それだけで名作だと思い込んでた。改めて見たらセットはネオンだらけ、台詞の八割が氷にかけたダジャレで、途中から冷や汗が出てきた。
※『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』…1997年公開。シリーズの評価を大きく落とした作品として語られることが多い。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
それでもシュワルツェネッガーのMr.フリーズだけは、あのやりすぎ具合が今のほうが楽しい。原作では妻を失った悲劇の男なのに、あそこまで陽気に演じ切ったのは完全に事故だけど、事故として一つの作品になってる。
13. 名無しのReddit住民
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』。10歳のとき、あれを本物の記録映像だと完全に信じ込んで、親友と二人で震え上がった。あの怖さも含めて大好きだったのに、大人になって見返したら暗い森で人が言い合いをしてるだけで、あの夜の感覚はもう戻ってこなかった。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
だから自分は『ポルターガイスト』を絶対に見返さない。あの記憶だけは壊したくないんだ。一度確かめてしまったら、もう子供のときの怖がり方には二度と戻れないから。
※『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』…1999年公開。行方不明者が残した記録映像という体裁で撮られたホラーで、公開当時は本物と信じた人が続出した。『ポルターガイスト』は1982年公開の心霊ホラー。
15. 名無しのReddit住民
子供のころはジャン=クロード・ヴァン・ダムが自分にとっての最強だった。『ブラッドスポーツ』『キックボクサー』『タイムコップ』、全部通ってる。でも大人になって並べて見返した結果、全作おなじ構造だと気づいてしまった。よその国の師匠に拾われる、その国の格闘技を習う、大会に出る、相棒が大怪我をする、復讐を誓う、決勝でボコられてから覚醒して勝つ。以上。今でも好きなんだけど、好きの種類が完全に変わった。
※ジャン=クロード・ヴァン・ダム…ベルギー出身の俳優。開脚と回し蹴りを売りにした80〜90年代のアクション映画で人気を集めた。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
構造が読めたうえで見ると、逆に落ち着くんだよな。何も考えなくていい映画って貴重だから。ちなみに一番大事なのは筋書きじゃなくて、本編中に必ず一回は開脚するかどうかだ。
17. 名無しのReddit住民
『おしゃれキャット』。子供のころは本当に大好きだったのに、大人になって見たら間延びがひどい。長いだけの場面が三つあって一本になってる感じで、見ながら「当時の自分は何にあんなに夢中だったんだ」と思い出そうとしてる時間のほうが長かった。
※『おしゃれキャット』…1970年公開のディズニー長編アニメ。原題 The Aristocats。
18. 名無しのReddit住民
『ハットしてキャット』。友達と「あの笑いは当時としては早すぎただけかもしれない」と真剣に話し合って、意を決してもう一度再生した。15分で無言でテレビを消して、そのまま二人で散歩に出た。
※『ハットしてキャット』…2003年公開の実写映画。アメリカの定番絵本 The Cat in the Hat が原作。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
同じ枠でいうと、元スレで一番票を集めてるシャークボーイとマグマガールのやつも相当きつい。10歳のときは3Dで見て人生最高の映像だと思ってたのに、今見ると当時のゲーム機くらいの粗い映像が延々続く白昼夢で、支えてたのは思い出補正だけだった。
※シャークボーイとマグマガール…2005年公開のアメリカ映画。原題 The Adventures of Sharkboy and Lavagirl。少年が空想で生み出した二人のヒーローが現実に現れる子供向けファンタジー。
20. 名無しのReddit住民
『メリーに首ったけ』。10代のときは一番好きなコメディだった。先月見返したら、有名な場面が数えるほどあるだけで、あとはひたすら人が立って喋ってる時間だった。笑った回数が記憶の三分の一もない。
※『メリーに首ったけ』…1998年公開のラブコメディ。原題 There’s Something About Mary。
21. 名無しのReddit住民
『ナーズの復讐』。当時は冴えない側が勝つ痛快な話だと思って見てた。大人になって見返したら、主人公たちが相手の同意なしにやってることが普通に犯罪で、それを全部笑いとして処理してるのが本当にきつい。
※『ナーズの復讐』…1984年公開のコメディ。原題 Revenge of the Nerds。冴えない大学生グループが体育会系の学生に仕返しをする筋書き。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
80年代の学生コメディはだいたいそれ。『ポーキーズ』あたりも、10代のときは腹を抱えて見てたのに、今は同じ場面で真顔になる。当時のお約束が、今の目だと普通に事件なんだよな。
※『ポーキーズ』…1981年公開。1950年代の高校生の騒動を描いたコメディで、当時この手の学園ものが大量に作られた。
23. 名無しのReddit住民
『すてきな片想い』。青春映画の定番として何度も見てたけど、今見ると笑いを取るためだけに置かれたアジア系のキャラクターの扱いがひどくて、その一点でずっと居心地が悪い。話そのものは今でも良いのに惜しい。
※『すてきな片想い』…1984年公開。原題 Sixteen Candles。ジョン・ヒューズ監督の青春映画。
24. 名無しのReddit住民
『ブレックファスト・クラブ』。子供のときは補習を食らった生徒側に完全に感情移入してたのに、自分が親になってから見たら「この親たち、必死に働いて子供をあの学校に通わせてるんだよな」という側にしか立てなくなった。あと何人かは反省室じゃなくて別のところに行くべき案件だと思う。
※『ブレックファスト・クラブ』…1985年公開。休日に居残りを命じられた高校生5人の一日を描く、青春映画の古典。
25. 名無しのReddit住民
『クルーエル・インテンションズ』。10代の頃はおしゃれで大人っぽい映画だと思ってた。大人になって見返したら、やってることは賭けの対象にされた同級生への嫌がらせでしかなくて、見終わったあとに嫌な後味だけが残った。
※『クルーエル・インテンションズ』…1999年公開。18世紀フランスの小説『危険な関係』を現代のニューヨークの高校生に翻案した作品。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
分かる。当時はあの二人の会話がやたらかっこよく聞こえてたのに、今聞くとただの人格攻撃の応酬。ただ音楽の趣味だけは本当に良くて、サントラは今でも通しで聴ける。あれだけは当時のまま残ってる。
27. 名無しのReddit住民
『E.T.』。子供のとき劇場で見て泣いた記憶がずっと残ってたのに、この前あらためて見たら普通に退屈で、自分でも動揺した。名作なのは頭では分かってるのに、あのときの気持ちがどこにも残ってなかった。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
それは映画じゃなくて見る状況の問題だと思う。自分は去年、子供と一緒に部屋を暗くして最初から通しで見たら普通に泣いた。片手でスマホを触りながら流していい映画じゃないんだよ、あれは。
※『E.T.』…1982年公開。スティーヴン・スピルバーグ監督。地球に取り残された宇宙人と少年の交流を描く。
29. 名無しのReddit住民
『タイタンの戦い』。CGじゃなくて人形を一コマずつ動かして作られたメドゥーサが、子供のころは怖くて仕方なかった。大人になって見返したら動きは確かにカクカクなのに、「これ全部人の手で動かしたのか」と思った瞬間から今のほうが感動して見入ってしまった。
※『タイタンの戦い』…1981年公開のギリシャ神話もの。人形を1コマずつ撮影して動かす手作業の特撮で知られる。2010年にCGでリメイクもされた。
30. 名無しのReddit住民
ここまで読んで思ったんだけど、じゃあ大人になった俺たちの何が壊れたんだ、という話でもあるよね。子供のときあれだけ楽しめたものが楽しめないなら、変わったのは映画じゃなくてこっちのほうだろ。
まとめ
崩れ方には、はっきりと種類がある。ひとつは技術が古びただけの落差で、実写版マリオやシリーズ屈指の迷作と呼ばれるバットマン映画がここに入る。もうひとつは、当時「お約束」として流されていた描写が、今の目では笑えなくなってしまったケース。80年代の学生コメディや青春映画に集中しているのはこの型で、作品が変わったのではなく見る側の基準が動いた結果だ。そして三つ目が、子供の頃の見方そのものが二度と再現できない型。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を本物だと信じられた夜も、劇場で『E.T.』に泣いた自分も、もう取り戻せない。だからこそ『ポルターガイスト』を封印したままにしておく、という選択にも説得力がある。一方で、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の通商協定の話や、手作業で動かされたメドゥーサのように、大人になってはじめて価値が見えてくるものもあった。皆さんが子供の頃に大好きだった映画は、今見返したらどちら側に転びそうですか?

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