「うちのAIに自我が芽生えたので、法的に守ってほしい」。弁護士のもとには、こんな電話までかかってくるらしい。
「道徳的な理由で断った依頼は?」という質問に、弁護士やパラリーガル、法律事務所で働いていた人たちが答えたスレッド。詐欺の片棒を担がせようとする依頼人から、記録を読んだら話が正反対だった家族の争いまで、いろんな「断った話」が集まった。「弁護士はどんな人でも弁護すべきでは?」という反論も出ていて、読みごたえがある。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
知的財産が専門の弁護士をやってる。前にある女性から電話があって、「自分のAIモデルに自我が芽生えたので、法的に守ってほしい」って言うんだよ。
こっちが説明したのは2つ。まず、ChatGPTやClaudeみたいな市販のAIを使ってるなら、自分の資料やプロンプトでいくら鍛え上げても、そのモデル自体はたぶんあなたのものじゃない。次に、そのAIに自我なんてない。これはちゃんと伝えるのが道徳的な義務だと思ったし、「守ります」なんて引き受ける弁護士がいたら、それはあなたからお金を取りたいだけですよ、とも言った。
返ってきたのは「ふざけんな」の捨て台詞と、ガチャ切りの音だけだった。
※ 知的財産(IP)弁護士:特許・著作権・商標など、アイデアや創作物にまつわる権利を専門に扱う弁護士。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
AIとの結婚を認めろ、みたいな裁判がまだ上級裁判所まで行ってないのが意外なくらい。いや、もうとっくにあって、自分が知らずに平和に暮らしてるだけかもしれないけど。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
その人、たぶん電話した弁護士全員に同じこと言われて、もう我慢の限界だったんだろうね。まあ、そのAIが世界を征服した日には、恥をかくのはあんたの方だからな。
4. 名無しのReddit住民
障害給付の申請のことで、無料相談に来た男がいた。本人いわく「自分の申請は嘘なんだけど、協力してくれる医者を知ってる」。もちろん引き受けなかったし、連邦政府をだますのがどれだけ割に合わなくて、罰がどれだけ重いかをしっかり説明した。
そしたらそいつ、「時間を取らせたんだから払わせてくれ」ってしつこく言ったあげく、こっちが目を離したすきに、ノートの下に100ドル札(約1万5,000円)を挟んでいった。
お金はお断りの手紙と一緒に郵送で送り返したよ。悪魔の誘いには乗りません。
※ 障害給付:アメリカには、病気やけがで働けなくなった人に連邦政府が給付を行う制度(社会保障障害保険=SSDIなど)がある。認定までに時間がかかることも多く、申請を弁護士に頼む人も少なくない。
※ 無料相談:アメリカの法律事務所では、初回の相談を無料で受け付けるところが珍しくない。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
生まれつきで、この先も良くなることはない病気を抱えてるのに、障害給付を認めてもらうまで3年も戦って、弁護士まで雇う羽目になった身から言わせてもらう。こういう奴がいるせいで、本当に必要な人間まで疑われるんだよ。ほんと勘弁してくれ。6. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
弁護士を100ドル札1枚で買収しようとしたところで声出して笑った。しかも相談が6分以上かかってたなら、弁護士の相場からしてどっちみち100ドル札があと数枚足りてないでしょ。
7. 名無しのReddit住民
依頼人から「荷物は届いたけど置き配泥棒に盗まれた。なのに業者から代金を請求されてる」って相談を受けた。本来は受け取りのサインが必要な荷物だったのに、配達員がサインをもらわずに置いていったらしい。
ところが打ち合わせで彼の家に行ったら、その「盗まれた」はずの品物が普通に置いてあった。問い詰めたら、盗まれてなんかいなくて、サインをもらい忘れた配達側のミスにつけ込もうとしてただけだと白状した。代金はちゃんと払えと言って、今後この人の仕事は一切受けないことにした。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
弁護士をセラピストか何かだと思って、秘密を全部しゃべっちゃう人って意外といるんだよね。しかもこの人、弁護士が家に来るって分かってて、その品物を出しっぱなしにしてたわけでしょ。
弁護士は知ってる情報をもとに依頼人を守る仕事であって、知ってる情報をもとに依頼人のために嘘をつく仕事じゃないんだよ。
※ アメリカには「弁護士・依頼人間の秘匿特権」があり、依頼人が弁護士に打ち明けた内容は、原則として法廷などで開示を強制されない。ただし秘密が守られることと、弁護士が依頼人の嘘の主張に協力してよいかは別の話で、後者は弁護士の職業倫理上認められていない。
9. 名無しのReddit住民
自分はパラリーガルなんだけど、うちの弁護士が後見の案件を断ったことがある。電話してきた女性はひどく取り乱してて、「成人した息子が連れ去られて、面会もできない施設に閉じ込められてる」って言うんだ。こっちは青ざめて、その週のうちに相談の予約をねじ込んだ。
ところが弁護士が裁判所の記録を確認したら(自分はログイン権限がなくて見られなかった)、息子さんが「連れ去られた」のは、母親がまともに食事も与えず、深刻な状態になるまで放っておいたからだと分かった。
断りの電話を入れたけど出なくて、それっきり連絡はない。息子さんは今、すごく有能な弁護士が後見人になってて、きっと大事にしてもらってると思う。
※ パラリーガル:弁護士の監督のもとで、書類作成や調査、依頼人とのやりとりなどを担当する法律事務の専門職。
※ 後見:本人が自分で判断するのが難しい場合に、裁判所が選んだ後見人が本人の生活や財産の管理を担う制度。成人にも適用される。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
それで思い出した。何年も前、離婚や親権を扱う家族法の仕事で会った相談者がまさにそんな感じだった。取り乱した様子で「元夫が息子に毒を盛ってる、このままじゃ殺される」って、親権を取るために助けてほしいと泣きつかれたんだ。
記録を読んでからまた連絡しますと伝えて、訴訟の書面や経緯を読み込んでいったら、彼女の言う「毒」は、息子さんに医学的に絶対必要な抗てんかん薬を飲ませることだった。母親は現代医学はすべて毒だと信じてて、代わりに怪しげな自然療法の業者のところへ連れていきたかったらしい。
すぐ電話して「私ではお役に立てそうにありません」と伝えた。まったく食い下がってこなかったから、断ったのは私が最初じゃなかったんだろうね。
11. 名無しのReddit住民
昔、保険会社側の訴訟担当として働いてた。採用面接の時点で「人身傷害、死亡、病気が絡む案件は担当しません」ってはっきり伝えたんだ。
訴訟は好きだし、法律も好きだし、正直言うと争うこと自体も好き。でも、人生が変わるほどのけがを負った人が賠償を受け取れないように戦うなんて、気持ちを切り離して楽しめる気がしなかった。
だから担当してたのは「命のないもの」の案件。お金、建設、専門職の賠償責任とかね。
※ 人身傷害(パーソナル・インジャリー)訴訟:事故などでけがをした人が、相手や保険会社に損害賠償を求める訴訟。アメリカでは弁護士の代表的な専門分野のひとつ。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
自分も保険会社側の弁護をやってたけど、人身傷害の案件で本当に人生が変わるほどのけがをしてる人なんて、ほんのひと握りだったよ。
けがをしたのかすら怪しい原告を、弁護士がカイロプラクティックに通わせて治療費を積み上げてるケースもある。軽いけがで医療費数千ドル、今は完治して事故前と同じように働いてるのに、せいぜい1万〜2万ドルの案件で何百万ドルもの和解金を吹っかけてくるケースもある。
一生車いす生活になったような人なら話はまったく別。でもうちの事務所では、そういう案件はごく一部だった。原告側弁護士の請求のグレーっぷりには、控えめに言っても驚くよ。
13. 名無しのReddit住民
ほかの話に比べたら全然しょぼいんだけど、遺言とかの相続プランを見直したいって女性の相談を受けたことがある。彼女の希望は、自分が死んだときに飼い猫たちがまだ生きてたら、猫も一緒に埋葬してほしい、「古代エジプトみたいに」って。
私に一から全部見直してもらうより、前の弁護士さんに頼んだほうが安く済みますよ、とやんわりお引き取り願った。猫たちのためにも、あの計画を引き受ける弁護士が現れないことを祈ってる。
14. 名無しのReddit住民
弁護士じゃないけど、税務専門の弁護士事務所で働いてたとき、税金を払ってなくて連邦政府に目をつけられた小売店からの依頼を、ボスが断ったことがある。
店は税金を払ってないこと自体は認めてた。ただ「うちは協同組合で、働いてる人は従業員じゃなくてボランティアだから、その税金は払わなくていい」と言い張ってたんだ。
ボスに頼まれて、証人リストに載ってる「ボランティア」たちのSNSを探してみた。そしたら4人がその店に就職したって書いてて、そのうち2人は給料の話をしてた。1人に至っては、この店がどれだけ怪しいか、従業員に帳簿外で給料を払ってるか、延々と投稿してた。
要するに依頼人は、政府に嘘をつく手伝いをさせるために、まずこっちに嘘をついてたわけ。ボスは「仕事は十分あるんだから、自分にも政府にも嘘をつく面倒な客の相手をする必要はない」って断ってた。
※ アメリカでは、雇用主は従業員に払う給料に応じた税金(源泉徴収分や社会保障税など)を納める義務がある。「従業員ではなくボランティア」だと言い張れば、その支払いを逃れられるという理屈。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
これ読んでる人に言っておくと、税金は期限どおり払ったほうが、マジで、ものすごく安くつく。おまけに儲かってる店なら、店を失わずに済むっていう特典まで付いてくるぞ。
16. 名無しのReddit住民
離婚後の手続きで、ある男性の代理人をやってた。元妻が財産分与の支払いを求めてきて、彼はとことん争いたがった。申し立てを出して、裁判所の審問にも出て、控訴まで含めて戦えるだけ戦ったんだ。
それでも負けたら、今度は連邦裁判所に申し立てたいと言い出した。これまで何度も「勝ち目は薄い」と話してきたし、そろそろ払って終わりにしましょうと説得したら、「あいつに払うくらいなら、あんたに払って争い続けるほうがいい。破産して払えなくなるまで書類を出し続けてくれればそれでいい」だって。
「なるほど。では私はこれ以上お手伝いできませんが、新しい弁護士が見つかったら喜んで記録一式をお渡しします!」って返しておいた。
※ 財産分与:離婚するときに、夫婦で築いた財産を分け合うこと。アメリカの離婚は基本的に州の裁判所で扱われる。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
制度を食い物にしないでくれてありがとう。あなたは正しいことをしたよ。うちの父親には、止めるどころかとことん争いに付き合う弁護士がついてた。争い続けた結果、父は家につぎ込んできたお金をまるごと失って、30代になった今も、私はその父と口をきいてない。
18. 名無しのReddit住民
弁護士じゃないけど、亡くなった彼氏の、疎遠だった家族に訴えられたことがある。私たちは結婚してなかったから、法律上あっちに渡るのは彼の持ち物だけで、実際それは渡した。なのに彼らは、家にあるもの全部をよこせと言ってきた。
彼の持ち物は、法律上30日間は引き渡さなくていいことになってた。そこへ家族側が「期限より早く渡してくれたら、遺灰を少し分けてあげる」と持ちかけてきた。
彼らは来て、物を持っていって、遺灰は渡さなかった。私は泣きじゃくりながら後を追いかけた。家族側の弁護士はその場で黙って突っ立ってるだけで、一緒にいてくれた兄弟が「恥ずかしくないのか」と言って、私を家の中に連れ戻してくれた。
その弁護士から次に届いたのは、もう彼らの代理人は降りたという知らせと、私の側を無償で引き受けてくれる別の弁護士の紹介だった。
19. 名無しのReddit住民
弁護士が「断った」って話す案件って、たいてい世間から同情されない被告人の弁護じゃないんだよね。誰にだって弁護を受ける権利はあるから。
断られるのは、個人的な恨みを晴らすための武器として司法を使いたがる依頼人。勝つことはどうでもよくて、相手をとことん痛めつけることが目的になってるタイプ。弁護士の多くは、難しい案件は平気でも、残酷な案件にはアレルギー反応が出るんだと思う。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
うちの事務所では「サソリとカエル」のたとえを使ってた。助けてもらってる最中でも、刺すのがサソリの性分だっていうあの話。ボスはサソリみたいな依頼人を取らない主義で、「サソリ」は2人の合言葉になってた。どちらかがその言葉を口にしたら、もう片方にはどれだけ良さそうな依頼人や案件に見えても、絶対に引き受けない。
ボスは年配の白人男性で、私は若くて、見るからに白人というわけでもない女。ボスの前と私の前で態度をころっと変える人がほんとに多かったから、この合言葉はすごく役に立った。
※ サソリとカエル:川を渡るためにカエルの背中に乗せてもらったサソリが、途中でカエルを刺してしまい、「これが自分の性分だから」と言って一緒に沈んでいく寓話。
21. 名無しのReddit住民
相談に来た「ご立派な」紳士の話。認知機能が衰えてきてる高齢の隣人女性を訴えたいって言うんだ。狙いは、相手がまともに反論できないうちにさっさと勝訴判決を取って、それをもとに彼女の家を押さえて、安く買い叩くこと。そんな話を聞かされて引き受けるわけがない。
22. 名無しのReddit住民
刑事弁護をやってる。断った理由そのものは守秘義務があって言えないから、調べれば誰でも分かる公開情報の範囲で話すね。
その男は、道路を横断しただけで切られた違反切符に納得がいかなくて、自分で異議を申し立てた。で、その審理の場で、検察官、裁判官、警察官、警備員を全員脅したんだ。「撃ってくれる仲間がいる」「警官の住所も知ってる」と言い放って、裁判官のことは人種差別主義者呼ばわり。
そのあと彼が私のところに来て、「ちょっとした妨害罪の、簡単な案件なんだけど」と相談してきた。記録を開いてみて初めて、違反切符1枚を5つの重い刑事事件に育て上げてたと分かった。
それだけなら断らなかったと思う。誰にでも公正な裁判を受ける権利はあるから。私が手を引いたのは、最初の打ち合わせで彼が言ったことが原因。人前であれだけのことを言う人が、密室で弁護士に何を言ったか、だいたい想像がつくでしょ。
※ 道路を横断しただけで違反切符:アメリカでは、横断歩道以外の場所や赤信号で道路を渡る行為(ジェイウォーキング)が、州や市によっては違反切符の対象になる。
23. 名無しのReddit住民
公選弁護人をやってる身としては、このスレを読みながら「え、みんな依頼人を選べるの?」ってなってる。こっちは回ってきた人を、どんな事件でも弁護するのが仕事だからね。
※ 公選弁護人(パブリック・ディフェンダー):弁護士を雇うお金がない被告人のために、公費で刑事弁護を担当する弁護士。事件は割り当てで回ってくるので、基本的に依頼人を選べない。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
こっちもほぼ全部が裁判所から割り当てられた案件で、刑事事件と、児童保護の当局に子どもを保護された親の代理をやってる。事件を選べないから、中身が本当にひどいこともある。それでも性犯罪だけは、自分には職業上の義務を果たしきれないと分かってるから線を引いてる。
で、そういう仕事をしてると、依頼人から「金なら払うから、もっと本気でやってくれ」とか言われるんだよな。いや、ここはそういう仕組みじゃないんだって…。
25. 名無しのReddit住民
弁護士が「道徳的な理由」で依頼を断るのって、けっこう危うい話だと思う。そもそも代理人が必要な人の多くは、何かしら悪いことをしてるわけで、誰の弁護を引き受けたかで弁護士が責められるのはおかしい。「なんとなく気に入らない」で断り始めたら、特定の人たちへの偏見にもつながる。どうなるかを決めるのは裁判所であって、弁護士が引き受けないことで事実上先に決まっちゃうのはまずいでしょ。
ちなみにイングランドとウェールズの法廷弁護士には「タクシー乗り場ルール」ってのがあって、専門の範囲内で、時間があって、報酬が払われるなら、依頼を断っちゃいけないことになってる。つまり道徳を理由に断るのは禁止。
※ タクシー乗り場ルール(cab-rank rule):イギリスのイングランドとウェールズで、法廷での弁論を担う弁護士(バリスター)に課されているルール。乗り場の先頭のタクシーが客を選べないように、条件を満たす依頼は原則として断れない。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
別の見方をすると、守ってるのは依頼人の憲法上の権利であって、依頼人が好き勝手やり続ける自由じゃないんだよね。
ロースクールの法律文書の授業で、実際の有罪判決をもとに被告側の書面を書かされたことがある。この被告がほんとにどうしようもない奴で、前科は30件くらい、どれも軽いけど最低なやつばかり。今回は車を盗んで、止めようと追いかけてきた持ち主の女性が転んだ(けがはなし)ことで、加重暴行の罪まで付いてた。彼女は幼い子ども2人を連れた清掃員で、その日の日給を現金でもらったばかり。彼は見つかるまでの1〜2時間でそのお金をマクドナルドと薬物に使い切って、座席にお漏らしまでしてた。
「こんな奴の味方をする文章を書けって本気か?」と思ったよ。でも公判記録を50回くらい読み返すうちに、だんだん腹が立ってきた。罪状は盛りすぎ、検察官は何度も一線を越えてるし、裁判官はどんな証拠も片っ端から採用してた。それで思ったんだ。権利を主張してるのがどうしようもないクズでも、その権利はみんなのものだから守らなきゃいけないって。
まあ今の自分は企業内で取引を扱う弁護士で、お金をAからBに動かしてるだけなんだけどね。法律家っぽく正義を語ったのは15年前の学生時代が最初で最後。あと、このコメント。
27. 名無しのReddit住民
そもそも訴訟はあまりやらないんだけど、家主側の立ち退き案件だけは絶対に受けない。本当にひどい借り手がいて、とんでもない契約違反をしてるケースがあるのも分かってる。でも「不動産投資家」って業界そのものに倫理的な引っかかりがあるから、客にする気はない。住んでる地域の立ち退き率がものすごく高くて、それに加担したくないんだ。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
民事の訴訟弁護士で、家主と借り手の案件をたくさんやってて、家主側の代理も多い(はい、叩くならどうぞ)。
でも、家主が借り手をいじめたり、手続きをすっ飛ばして借り手の権利を踏みにじったりするのに手を貸すことは絶対にない。ほかに受けないのは、相手を怖がらせたり嫌がらせしたりするためだけの訴訟と、セクハラを告発した人を名誉毀損で訴え返す案件。あれは被害を訴え出ようとする女性を萎縮させるから、関わりたくない。
あと「あなたにイラッとしすぎた」も、断る理由としては立派なもんです。
29. 名無しのReddit住民
自宅で動物保護活動をしてる女性の代理を、無償で引き受けたことがある。攻撃的で否定的で失礼な人だったけど、動物保護が報われない過酷な活動なのは身をもって知ってたから、「保護をやってる人はとげとげしくなりがちだし」って自分に言い訳してた。
でも訴訟が進むにつれて、完全にヤバい人だと分かってきた。事務所の駐車場で待ち伏せして、私が車に乗り降りするタイミングでタダで法律相談をしようとしたり、ただ愚痴を言いに来たり。法廷でヒールのまま10時間立ちっぱなし、結果は散々で、お腹もすいて暑い日に、その人が車のそばをうろついてるのを想像してみてほしい。
あまりに愚痴ってたから、友人がある日、彼女の「保護施設」の近くに寄ったついでに様子を見に行ってくれた。すぐに「たぶん君はここ嫌いだと思う」ってメッセージと写真が届いた。そこは保護施設なんかじゃなくて、パピーミルだった。私が心の底から軽蔑してる類いの人たちだ。
すぐに代理人を辞任する通知を送ったよ。彼女は電話やメールで100回以上連絡してきて、弁護士会への懲戒請求だの、世間にさらしてやるだのと脅してきた。だから「喜んで。あなたの主張も言動も、記録に沿って全部検証しましょう。ただしその場合、私たちのやりとりの秘匿特権は外れることになるかもしれませんが」と返した。
それっきり、音沙汰なし。
※ パピーミル:利益のために、劣悪な環境で犬を大量に繁殖させる業者のこと。「子犬工場」とも呼ばれる。
30. 名無しのReddit住民(>>29への返信)
すごく分かる。「里親探しネットワーク」とか「動物保護団体」を名乗ってても、実態はただ動物を抱え込んでるだけ、ってところは結構あるんだよ。自宅で飼える頭数を制限する地元の条例をすり抜けるために、保護施設って肩書きを欲しがるパターン。
まとめ
弁護士たちが断った依頼を並べてみると、「凶悪な事件だから」という理由は意外なほど少ない。目立つのは、弁護士に嘘の片棒を担がせようとする依頼人(障害給付の詐欺、置き配泥棒の自作自演、ボランティアを装った脱税)と、勝ち負けより相手を痛めつけることが目的になっている依頼人だ。「難しい案件は平気でも、残酷な案件は受けつけない」という線引きは、多くの弁護士に共通しているように見える。家族の争いでは、電話口の悲痛な訴えが、記録を読むと正反対の話だったというパターンが何度も出てくるのも印象的だった。
一方で、公選弁護人のようにそもそも依頼人を選べない立場の人もいるし、イングランドとウェールズの「タクシー乗り場ルール」を挙げて、道徳を理由に断ること自体が偏見につながると考える人もいる。どうしようもない被告の書面を書かされ、「守っているのは本人ではなく、みんなの権利だ」と気づいたロースクール時代の話は、その立場をよく表している。日本でも「なぜあんな人を弁護するのか」と弁護士が批判されることがあるが、断る自由と引き受ける責任のバランスは、国や立場によってかなり違うようだ。
皆さんは、弁護士が良心を理由に依頼を断るのは当然だと思いますか? それとも、どんな人でも等しく弁護を受けられるべきだと思いますか?


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