「人気スポーツのルールを一番小さく変えるだけで、劇的に面白くできるとしたら?」という問いかけに、海外の掲示板が2000近いコメントで応えていた。ところが集まったのは、どう見ても小さくない案ばかり。延長のピッチにボールを増やす、ゴルフに守備の選手を置く、五輪の全種目に一般人を1人ねじ込む——読んでいるうちに、こっちまで「たしかにそれは観たい」と思えてくるから困る。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
サッカーの延長戦とPK戦、あれを全部やめよう。90分で同点だったら、10分ごとにピッチへボールを1個ずつ追加していく。どちらかが点を取るまでずっとだ。3個目あたりで守備という概念が崩壊して、最高に見応えのある20分が生まれると思う。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
子どもの頃に出た大会がまさにそれに近くて、時間切れになった時点でまず両チームのGKをピッチから外した。そこから5分ごとに1人ずつ減っていって、最後は5対5。うちのチームは負けたんだけど、あんなに楽しい試合は後にも先にもあの一回きりだった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
面白そうなのは認める。でも延長のあのヒリつきって、ボールが1個しかないから生まれてるんだよね。取られたら終わり、という一点に全員の集中が集まっていく感じ。ボールを増やした瞬間にそれは消えて、ただの草サッカーの乱戦になる気がする。
4. 名無しのReddit住民
F1に近接ボイスチャットを入れてほしい。今はチームに向かって無線で毒を吐いてるだけだけど、あれが相手ドライバー本人にも届くようにする。抜かれた直後の第一声だけで、シーズン分の見どころが確保できる。
※ F1のチーム無線=走行中のドライバーとピットの会話。中継で音声が流されるため、レース中の愚痴や暴言がそのまま放送に乗ることで知られる。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
どうせならドップラー効果もちゃんと再現してほしい。並んで、抜いて、離れていくあいだに罵声の高さがぐいーんと下がっていくやつ。物理の授業でそのまま教材に使えるレベルの音声が毎周回とれる。
6. 名無しのReddit住民
アメフトは、タッチダウンを決めた本人が続く追加点のキックも自分で蹴ることにしよう。専門のキッカーに任せるのはナシ。決めた瞬間の歓声から、そのまま地獄の1分間が始まるわけだ。
※ アメフトではタッチダウン(6点)の直後に追加点のキックがあり、通常は蹴る専門の選手が担当して1点を加える。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
それ、体重130キロ級の巨漢がボールを持ち込んだときが最高だな。エンドゾーンで膝に手をついてゼーゼー言ってる男が、そのまま立たされてキックの体勢に入る。想像しただけで笑えてくる。
8. 名無しのReddit住民
バスケは、3ポイントラインの外から出したパスで決めたアリウープを3点にしていい。あんな空中の連携が普通のシュートと同じ2点なの、どう考えても割に合ってないでしょ。
※ アリウープ=味方が投げ上げた浮き球を、跳んだ選手が空中でそのままリングへ叩き込むプレー。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
だったらハーフコートからのシュートは5点にしよう。ついでにコート上の何箇所かに、入れば5点になるホットスポットを置く。「NBA Jam」が30年前にやっていたことを、そろそろ本物のリーグがやってもいい頃だと思う。※ NBA Jam=1990年代に流行した2対2のバスケットゲーム。連続得点でボールが燃えるなど、現実離れした演出で人気を集めた。
10. 名無しのReddit住民
どの競技もアイスホッケー式の選手交代を入れたら化けると思う。プレーを止めずに、ベンチから次の選手が飛び出してきて入れ替わるやつ。バスケがあれをやったら、もう別の競技になるはず。
※ アイスホッケーは試合を止めずに選手を入れ替える。1回の出場時間が短く、試合中ずっと交代し続けるのが前提の競技になっている。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
ついでに反則の罰もホッケー方式にしよう。やらかした選手を数分間ベンチに座らせて、その間はチームが1人少ないまま戦う。「一発退場」か「お咎めなし」の二択しかない競技が多すぎるんだよ。※ アイスホッケーの反則は2分間の退席が基本で、その間は5人対4人になる。人数で上回っている側の状態をパワープレーと呼ぶ。
12. 名無しのReddit住民
サッカーで、たいして接触もしてないのに大げさに転がって痛がった選手は、残り時間をピエロの靴で戦うこと。カードも罰金もいらない。ああいうのは恥ずかしさでしか止められないと思う。
※ 接触を大げさに演じて反則を誘う行為はシミュレーションと呼ばれ、警告の対象になっている。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
自分の案はもう少し事務的で、5秒以上ピッチに倒れたままなら重傷の疑いありとみなして、強制的に外へ運び出す。医療スタッフの検査が終わるまで最低15分は戻れない。もちろん本人の安全のために、ね。
14. 名無しのReddit住民
北米の主要リーグにも降格制を入れてほしい。シーズン最下位のチームは下部リーグ行き。ヨーロッパのサッカーがやっているのと同じ形にするだけでいい。消化試合という概念が丸ごと消えるよ。
※ 北米のアメフト・バスケ・野球の主要リーグは加盟チームが固定で、成績が悪くてもリーグから落ちない。Jリーグや欧州サッカーのような昇降格の仕組みがない。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
理屈としてはどのリーグもそうあるべきなんだけど、実現するには億万長者のオーナーたちが「自分の投資額を暴落させるかもしれない案」に自ら賛成票を投じる必要がある。だから残念だけど永遠に通らない。16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
降格制とドラフトとサラリーキャップを同時に成立させるのは無理だと思う。自分はどちらかというと後者2つを取る側で、弱いチームに良い新人が回っていく仕組みのほうが健全だと感じる。そもそも北米は本拠地になる都市の規模がバラバラだから、下部リーグごと作り直さないと形にならない。※ ドラフト=新人選手を成績下位のチームから順に指名できる制度。サラリーキャップ=チームの年俸総額に上限を設ける制度。どちらも戦力の偏りを抑えるための北米式の仕組み。
17. 名無しのReddit住民
オリンピックは全種目に、無作為で選ばれた一般人を1人だけ出場させるべきだと思う。比較対象がいないと、あの人たちがどれだけ異常なのかが誰にも伝わらない。裁判員制度みたいにある日通知が届いて、断れないやつでお願いします。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
それに近い動画があって、シェリー=アン・フレーザー=プライスが子どもの学校の運動会で保護者のかけっこに出てるやつ。周りのお母さんたちが普通に走っている横を、一人だけ違うフレームレートで通り過ぎていく。比較対象って大事なんだなと本気で思った。※ シェリー=アン・フレーザー=プライス=ジャマイカの女子短距離選手。オリンピックの100mを制したことのある選手。
19. 名無しのReddit住民
ゴルフに守備側の選手を1人置く。それだけでテレビの前に人が戻ってくると思う。静かに歩いているおじさんたちの横に、明確な敵が一人いるだけで全然違う競技になる。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
細則も考えた。守備側はグリーンには乗れない。使えるクラブは攻撃側がその打席で使ったものと同じもの限定。攻撃側が1打打つごとに、守備側も1打だけ打ち返せる。攻撃側がグリーンに乗ったらもう手出し無用、ただしパットが強すぎてグリーンの外へこぼれたら、また狩りの時間が始まる。※ グリーン=カップの周りの芝を短く刈った区域。パット=グリーン上でボールを転がしてカップへ入れる打撃。
21. 名無しのReddit住民
ゴルフのコースのハザードに地雷を認めてほしい。バンカーと池と地雷。しかも設置場所は毎回変える。プロの精密さというものの意味が根本から変わってくる。
※ ハザード=コース内に置かれた障害物。通常はバンカー(砂地)や池を指す。
22. 名無しのReddit住民
メキシコのサッカー実況者にゴルフを実況させる。案としてはそれだけ。ゴールが決まった瞬間の「ゴォォォォォル」と同じテンションで、カップインのたびに「ホォォォォォル」が中継に響き渡る。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
どの競技もあの実況を入れれば化けると思ってる。チェスにも導入しよう。盤面が静まり返ってる中で、アンパッサンが出た瞬間だけ絶叫が入る中継。おじいさん二人が対局してるだけの映像がスポーツになる。※ アンパッサン=チェスで、2マス進んだ相手のポーンを、1マスしか進まなかったかのように取れる特殊なルール。滅多に出番がない。
24. 名無しのReddit住民
カーリングは、相手チームもブラシを持って参加していいことにしよう。こっちが進めたい方向に掃いている横で、向こうは逆向きに掃く。接触も可、ただしストーンには触れない。あの静かな競技が氷上の押し合いになる。
※ スウィープ=ブラシで氷をこすり、ストーンの滑る距離や曲がり方を調整するプレー。基本的には投げた側のチームが掃く。
25. 名無しのReddit住民
スキージャンプの飛型点、あれをなくすだけで競技が変わる。腕を鶏みたいにバタつかせて2メートル伸びるなら、選手はバタつかせていいはずなんだよ。飛距離だけで決めよう。
※ スキージャンプは飛距離だけでなく、空中姿勢や着地の美しさを審判が採点する飛型点を合計して順位を決めている。
26. 名無しのReddit住民
競歩は靴の裏にセンサーを付けて、両足が同時に地面から離れた瞬間を機械が拾うようにする。回数が増えるほど重い罰則、最後は失格。しかも事前に告知せず、ある大会でいきなり導入する。たぶん誰もゴールできない。
※ 競歩は「どちらかの足が常に地面に接していること」がルールで、現在は審判の目視で判定している。
27. 名無しのReddit住民
野球のボールとストライクは全部機械判定でいい。球審はそのまま後ろに立っていてもらって、デッドボールやファウルチップ、走塁まわりの判定を担当する。人間が判定を巡って退場になる場面だけが静かに消えていく。
※ 自動判定システムは、投球の軌道をカメラで追ってストライクゾーンの通過を機械が判断する仕組み。メジャーやNPBの下部リーグで試験導入が進んでいる。
28. 名無しのReddit住民
テニスはセカンドサーブとレットを廃止したらいい。サーブ側が有利すぎるのを抑えれば、ブレイクがもっと起きるようになる。リターンとラリーの練習に時間を割く選手が増えるはずだし、最終セットのタイブレークみたいな雑な決着も要らなくなる。
※ セカンドサーブ=1本目のサーブが失敗したときに打てる2本目。レット=サーブがネットに触れて相手コートに入った場合のやり直し。ブレイク=相手のサーブの回に勝つこと。
29. 名無しのReddit住民
NASCARは出走ドライバーの半分を逆走させよう。同じ楕円を、片方は左回り、もう片方は右回り。ついでにコースを8の字にして、名前もN8SCARに変えればいい。
※ NASCAR=アメリカのストックカーレース。多くは楕円形のオーバルコースを、全車が同じ方向にひたすら周回する。
30. 名無しのReddit住民
スレ主は「一番小さい変更」って聞いてるのに、全員がとんでもない規模の改造を提案してるのが面白い。自分の案はバスケのトラベリングをちゃんと取ること。それだけ。3ポイントラインで最後のドリブルを突いた選手が、そのままダンクまで行ってるのが今の状態なんだよ。しかもこれ、すでにルールブックに書いてあることなんだけどね。
※ トラベリング=ボールを持ったまま規定より多く歩いてしまう反則。
まとめ
ずらりと並んだ案を眺めていると、みんなが本当に欲しがっているのは得点の多さではなく、「試合が止まらないこと」と「選手の素が出ること」なのがよく分かる。延長でボールを増やす案も、プレーを止めない交代も、行き着く先は同じで、待たされる時間を減らしたいという一点に尽きる。F1の近接ボイスチャットや、タッチダウンを決めた本人にキックを蹴らせる案にしても、完成された競技の裏側にいる生身の人間を引きずり出したい、という願望が透けて見える。
もうひとつ目立つのが、ルールそのものより運営への不満だ。降格制の話も、判定の機械化も、突き詰めれば「結果に責任を負う仕組みがほしい」という話になっている。もっとも、そこにはちゃんと反論も並んでいて、ボールを増やせば延長の緊張感が死ぬ、降格制より戦力均衡の仕組みのほうが健全、と冷静な声も上がっていた。日本から見ると、Jリーグの昇降格も、カーリングも競歩も飛型点も、わりと身近な話ばかりなのが面白いところだ。
皆さんなら、どの競技のどのルールを一つだけいじりますか?

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