趣味は体にいいもの、とは限らない。r/AskRedditで「長く続けるほど、静かに人を殺しにかかってくる趣味は?」というスレッドが立ち、集まった答えは模型・陶芸・油絵・木工・電子工作といった、部屋の中で完結するおとなしい趣味ばかりだった。危ないと気づいたときには、もう何年分か吸い込んだあとだった人たちの話を集めた。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
ちゃんと防護せずにレジンの模型を作ること。硬化前の液体は素手で触ってるとじわじわ効いてくるし、硬化したあとにヤスリで削れば今度はその粉が部屋中に舞う。それなのに「窓を開けてるから換気してる」で済ませてる人が本当に多いんだ。
※ レジン=液状の合成樹脂。プラモデルの改造パーツやアクセサリー作りで広く使われるが、硬化前は皮膚や気道への刺激が強いとされる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
レジン触ったことないんだけど、危ないのは蒸気と削り粉ってこと? 模型やってる友達が普通にリビングの机の上で作業してるから、急に心配になってきたんだが。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
自分はレジンアートを結局やめた。蒸気で肌が反応するようになって、そのたびにステロイドの塗り薬を1週間コースで塗る羽目になったから。換気扇と手袋を足しても変わらなくて、これは相性の問題だと諦めたよ。
4. 名無しのReddit住民
ラピダリー。石を削って磨いて、アクセサリーに仕上げるやつ。石の粉って一度肺に入ったら二度と出ていかないんだよ。しかも趣味でやってる人ほど防塵マスクをしない。何十年もかけて少しずつ溜まっていって、気づいたときには肺がまともに動かなくなってる。
※ ラピダリー(lapidary)=原石をカット・研磨して宝石やアクセサリーに仕上げる技術。欧米では個人の趣味としても定着している。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
ということは、所長は最初からデュフレーンに対して長期戦を仕掛けてたってことになるな。小さいハンマー1本渡して、あとはひたすら待つだけ。
※ 『ショーシャンクの空に』の主人公アンディ・デュフレーンは、小さなハンマーで独房の壁を何年もかけて掘り、脱獄する。掘り続けた石の粉をずっと吸っていたはず、という皮肉。
6. 名無しのReddit住民
陶芸。粘土の粉も対策しないと本当に肺をやられる。何も知らずに乾いた状態の作品をヤスリがけしたことがあって、そのあと1週間まるごとインフルエンザみたいな状態になった。通ってる教室の古株には、何十年も無防備でやってきて今は酸素ボンベを引いてる人が何人もいる。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
珪肺症、いわゆる石の肺ってやつだね。昔は、石を切る職人は孫の顔を見られないって言われてたらしい。
※ 珪肺症=細かい鉱物の粉じんを長年吸い込むことで肺が硬くなるとされる、古くから知られた職業病。
8. 名無しのReddit住民
木工。サンダーや電動工具から出る細かい粉が一番厄介で、木の種類によってはその木自体に毒を持ってるものもある。そこにテーブルソーのキックバックと指の話が乗ってくるわけで、趣味の中でも珍しく肺と手を同時に賭けてる。
※ キックバック=丸鋸の刃に材料が噛んで高速で跳ね返ってくる現象。木工の指切断事故で最も多い原因とされる。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
工具がうるさすぎて「静かな」殺し屋とは言いにくいけど、木工は本当にそう。周りのアマチュア木工勢、全員が自慢できる傷を持ってるか、指がどこか欠けてる。俺のは長さ10センチくらいで、縫うんじゃなくて医療用のステープルを40本打たれたやつ。
10. 名無しのReddit住民
油絵。ちゃんと換気できる部屋がないと神経にくる。20代前半のとき、狭いワンルームで毎日のように描いてたら1年くらい手の震えが止まらなくなった。どこかに出かけて帰ってくると、部屋がいつも溶剤くさいんだよ。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
おまえ鉛でも溶いてんのか(笑) 自分は強い溶剤をやめて、リンシードオイルとかグレープシードオイルに無理やり切り替えた。発色は少しおとなしくなるけど、まあ震えるよりはマシ。
※ リンシードオイル=亜麻仁油。油絵で古くから使われる乾性油で、揮発性の強い溶剤を使わずに絵の具を伸ばせる。
12. 名無しのReddit住民
油絵の面白いところは、外から見ると世界一穏やかな趣味に見えることだよ。アトリエで男が静かに絵を描いてるだけの絵面。実際にやってるのは、重金属と溶剤を使った化学の実験なんだけど。
13. 名無しのReddit住民
電子工作。俺みたいに換気を一切せず有鉛はんだを使ってるやつは、確実にこの話に入ってくる。……とはいえ、はんだとフラックスのあの匂いに勝るものはないんだよな。あれだけはどうしても代えがきかない。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
フラックスの煙は本当に無視できない。ただ鉛ははんだ付けの温度では蒸発しないから、立ち上ってる煙の正体はフラックスの方で、無鉛はんだでも同じように出る。鉛で気をつけるべきは吸う方じゃなくて口に入る経路だから、作業机で物を食べないのと、終わったら石鹸で手を洗うのを徹底するだけで血中の値はだいぶ違うらしい。
15. 名無しのReddit住民
屋内の射撃場、鉛の濃度がとんでもないところが普通にある。撃つ側は換気のことなんて考えたこともないし、そもそも建物の設計次第だから、利用者にはどうしようもないのがきつい。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
この前レンジで会った人が、健康診断の血液検査で鉛の値が引っかかって屋内には行かなくなったって言ってた。屋外の射場に切り替えたら数値は落ち着いたらしい。
17. 名無しのReddit住民
アンティークの収集や修復も、無警戒でやると危ない。古い塗料、古い陶器の釉薬、古い家具。鉛やアスベストが普通に混ざってた時代のものだからね。しかもきれいに磨いてる作業が、一番粉を出してる瞬間だったりする。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
古くて緑色のものには、とりあえず触らない。アンティーク趣味の心得はこれだけ覚えておけば大体合ってる。
19. 名無しのReddit住民
3Dプリンタは、あと数十年したらこのリストに載ってると思う。長期的にどうなるかのデータがまだ出そろってない段階だから、今は誰も気にしてないだけで。俺は最近になって、寝室から出して換気できる場所に移した。
20. 名無しのReddit住民
MMOみたいなオンライン専用ゲーム。2007年から今年の5月までで3万時間以上を溶かした。人生が壊れかけてたから全部まとめてスパッとやめたよ。もう楽しくもなかったし、正直むしろ嫌いになってた。それでも続けてたのは、終わりのないゲームに対してコンプリート癖を発動させてたからで、今考えると本当に馬鹿げてる。今は読書とレトロゲームに戻って、ずっと機嫌がいい。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
クラシックとハードコアが来たときに『World of Warcraft』に戻ったけど、どっちも1〜2か月でやめた。ギルドに「これ以上は払えないかもしれない」って言ったとき、あれ月額料金の話じゃなかったんだよね。
※ 『World of Warcraft』=20年以上続く月額制のオンラインRPG。当時の環境を再現した「クラシック」、一度死ぬとキャラが失われる「ハードコア」など復刻版が繰り返し出ている。
22. 名無しのReddit住民
一日中座ってスクロールしたりゲームしたりするのって、やってる最中は無害な気がするんだよ。自分の趣味が、体を動かす時間を全部静かに置き換えてたことに、あとから気づくまではね。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
以前は一日おきに散歩してたんだけど、しっかり落ち込んだ時期に逃げ場としてゲームに戻って、そこからはほぼ一日中やるようになった。体重の増え方が想像以上で、今それを戻すのにすごく時間がかかってる。画面の前で何時間動いてないかは、意識しといたほうがいい。
24. 名無しのReddit住民
結局はバランスの問題だと思うけどな。数時間ゲームするのは普通にいい趣味だし、たまに丸一日つぶす日があったって別に構わない。並行して体を動かす習慣さえ切らさなければ、一生遊んでても実害はほとんどないよ。
25. 名無しのReddit住民
自家醸造。これは健康にいいとは口が裂けても言えない。うちは常にサーバーに何十リットルかビールが繋がってる状態で、要するに昼から飲むための障害物が家の中に一つもないってことなんだよ。醸造そのものより蛇口が近すぎることの方が問題。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
そんなに心配しなくていいって。不安になったら自家製ビールを一杯注いで落ち着けばいい。それで効かなかったらもう一杯注いで様子を見よう。それでも変わらないなら、度数の高いやつに行けば解決だ。
27. 名無しのReddit住民
クラブでずっとボクシングをやってて、アマチュアの試合にも出てた。あの世界にいると、体のどこかが常に壊れてる状態が当たり前になる。しかもその段階では、脳震盪を気にしてくれる人なんて周りに一人もいない。今でも競技自体は好きだけど、スキーで軽く頭を振られただけで回復に数日かかったとき、強い接触のある競技はやめる決断をした。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
格闘技はやめたあとがきついんだよな。試合中のあの高揚感って、ギャンブルとも酒とも比べものにならないくらい強くて、完全に依存する。そこに頭の外傷も減量も体型のこだわりも全部くっついてくる。5歳から23歳までそれをやってきて、やめてから、自分は男を殴って立てなくすることに誇りと喜びを感じてたんだなと向き合う羽目になった。あれは相当こたえた。
29. 名無しのReddit住民
バイク。自分のミスでも他人のミスでも、乗ってればいつか必ず転ぶ。一度も転んだことのないライダーには会ったことがない。しかもどれくらいひどい転び方になるかは、自分では選べないんだよ。ライダーは2種類しかいない、すでに転んだ人と、これから転ぶ人。
30. 名無しのReddit住民
ここまで読んで思ったけど、本当のサイレントキラーは趣味そのものじゃないよな。基本的な安全対策を何年も無視し続けることの方だ。同じ陶芸でも、マスクをつけてきた人とつけてこなかった人の20年後は、たぶん全然違う場所にいる。
まとめ
並んだ趣味に共通しているのは、どれも「危険そうに見えない」ことだった。石を磨く、粘土をこねる、絵を描く、はんだを当てる。どれも部屋の中で静かに完結する作業で、血が出るわけでも息が上がるわけでもない。だから防塵マスクも換気扇も後回しにされ、そのぶんが何十年かかけて肺や神経に積み上がっていく。危険そうに見える趣味なら最初から誰もが身構えるぶん、かえって対策されるという逆転が起きている。
もう一つ目立ったのが、時間そのものを削っていくタイプだ。3万時間を溶かしたMMOも、一日中座りっぱなしのゲームも、健康診断の数値には何も出ないところから静かに減らしてくる。粉じんと違って吸い込んだ実感すらない分、こちらの方が気づきにくいのかもしれない。日本でも陶芸・木工・レジンアート・電子工作はどれも人気の趣味だけれど、工具や材料は最初に揃えても、防塵マスクと換気だけは最後まで買わないままになりがちだ。皆さんの趣味には、まだ買っていない安全装備がありませんか?

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