ポーカーのディーラー、バーテンダー、空港の保安検査員、店の万引き対策担当。見知らぬ人を「読む」ことが仕事の一部になっている人たちは、相手が口を開く前から、本人も気づいていない何かを受け取っているらしい。
「最初の10秒で気づくのに、本人は自分が出していると思っていないサインは?」という質問に、弁護士、元ディズニーのプリンセス、警備員、セラピスト、看護師まで、いろんな仕事の人が答えたスレッド。「その見抜き方、本当に当たってる?」という読まれる側からの反論も混ざっていて、両方を読むと見え方が変わってくる。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
離婚や親権の案件を扱う弁護士をやってる。相談に来た人が「そしたら相手が、何の理由もなく」って言い出したら、頭の中で警報が鳴る。理由は必ずあるし、たいていはその人自身が何かろくでもないことをやってる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
刑事弁護をやってた頃、こういうやりとりを何度したか分からない。
自分「警察の話だと、あなたが〇〇したことになってます」
依頼人「ありえない! 友達のAがその場にいたから、俺がちゃんとしてたって証言してくれるよ。電話してみて!」
(本来かけるべき手間をはるかに超える苦労をして、ようやくAに連絡がつく)
自分「どうも、ご友人の弁護士です。証人になっていただけませんか」
A「絶対いやだね。あいつ、警察が言ってる通りのことをやったから」
3. 名無しのReddit住民
前にTargetの返品カウンターで働いてたんだけど、列にどう並んでるかを見ただけで、誰が怒鳴ってくるか分かった。どこがどうって言葉にするのは難しい。でも分かるんだよ、本当に。
※ Target(ターゲット):アメリカ全土に店舗を持つ大手ディスカウントストアチェーン。食品や日用品から衣料品、家電まで扱う。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
小売にいた頃の記憶がよみがえった。3人くらい後ろに「あの立ち方」の客が見えた瞬間から冷や汗が出てきて、自分の番が来る前に誰か隣のレジに入ってくれ…ってずっと祈ってた。
5. 名無しのReddit住民
フロリダのディズニー・ワールドでプリンセスをやってた。30秒もあれば、どの子の親が普段からちゃんと子どもに向き合って、愛情を注いでるかが分かった。一緒に写真に写ってる数十秒で、家での空気がだいたい透けて見えるんだよ。
6. 名無しのReddit住民
「商品より人を見ている客」。大手の小売チェーンで4〜5年、万引き対策の保安員をやってた頃、これがいちばん注意を向けるきっかけになった。ほとんどはカメラ越しに見てたんだけどね。買い物に来た人は棚や表示を見る。周りの客をひとりずつ確かめて、誰がどこにいるか把握しようとする人なんて普通はいない。すれ違いざまに人を見るくらいは何でもないよ。でも通路にいる全員の様子をいちいち確かめてるなら、それはたいてい、自分が誰かに見られてないかチェックしてるってこと。周りの全員を気にしなきゃいけないのは、何か目的を持ってる人だけなんだ。
※ 万引き対策の保安員(loss prevention):店の商品が盗まれるのを防ぐ担当者。防犯カメラの映像を監視したり、私服で売り場を見回ったりする。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
Kohl’sでレジをやってたとき、服じゃなくてこっちばかり見てる客に気づいて、それで万引きを見つけたことが何度もある。自分は別に見とれられるような顔じゃないし、チラチラ見られる理由がないんだよ。保安員に連絡すると、その人が商品を隠すところを確認して、店を出ようとしたところで手際よく連れていく。捕まえるのに協力するたびに、給料に40ドル(約6,000円)のボーナスが付いた。いい小遣いだったな。
※ Kohl’s(コールズ):アメリカの百貨店チェーン。衣料品や生活雑貨を中心に扱う。
8. 名無しのReddit住民
バーテンダーから見ていちばん分かりやすいのは、入ってくるなり焦点の合わない遠い目をして、そのまま質問攻めを始める客。もう何かでカリカリしてるか、酔いが回るにつれてどんどん面倒くさくなっていくか、そのどっちかだと覚悟する。
9. 名無しのReddit住民
武器を持ち歩き慣れてない人が隠し持ってると、ちゃんとまだそこにあるか確かめたくて、隠してる場所をしょっちゅう触る。いろんな警備の仕事をしてきたけど、ポケットをそわそわいじってる人に声をかけて、ナイフを見つけたことは一度や二度じゃない。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
それで私、プロポーズされるって分かっちゃったんだよね! 婚約者が、その日の午後ずっとポケットをポンポン触ってた。
11. 名無しのReddit住民
人を読むなら、まずその人の「普段」を知ってないと話にならない。基準が分からないのに、いつもと違うかどうかなんて判断できないでしょ。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
そもそも、初対面の相手を数秒見ただけで何か深いところまで読める、って考え自体がナンセンスだと思ってる。あれは人間の性質でしかないんだよ。脳は物事をさっさと理解した気になりたがるから、勝手にそうする。止めるには意識してブレーキをかけるしかない。結局、他人に対するとっさの思い込みって、自分の中にある現実を相手に投影してるだけなんだ。
まあ公平に言えば、文化や社会の中での手がかりからよくあるパターンが見えてくるのは確かで、下のほうにあるバーテンダーの話なんかはまさにそれ。ただ、100%確実なんてことは絶対にない。
13. 名無しのReddit住民
警察で記録係をやってた。ざっくり言うと、どの事件報告書のどの情報を誰が見られるのかを判断する仕事。ちょっとした困りごとから人生が変わるような悲劇まで、いろんな事情を抱えた人の相手をした。
重いものを抱えてる人ほど、落ち着いていて控えめで、こっちの手を煩わせるのが申し訳ないという様子だった。それに気づいたのは、ある女性が静かに、自分が被害に遭ったひどい暴行事件の報告書を頼みに来たとき。事件番号も日付も場所も分からなくてすみません、殴られて意識を失って、病院で目が覚めたからほとんど覚えてないんです、と謝ってた。
あと、あちこちでたらい回しにされてきた人もすぐ分かるようになった。だいたい大きなため息から始まる。「ここで何とかなるのか分からないんですけど、ここに行けって言われて…」。いろんな窓口でもらった書類や名刺を束で持っていて、どう考えても一つの用件とつながらないこともある。そういう人の相手は好きだった。どこかに埋もれてる細かい情報や食い違いを見つけて力になれることがあったし、その宝探しが楽しかったから。
14. 名無しのReddit住民
ポーカーのディーラーやってるけど、みんな俺らの仕事を何だと思ってるの(笑)。相手を読むのはプレイヤー同士。こっちはチップを両替して、カードを配ってるだけ。誰がブラフをかけてようが一ミリも気にしてない。カジノのポーカーでイカサマなんてまずないし、せいぜいテーブルからチップをくすねるくらい。それも他のプレイヤーがすぐ気づくから、こっちがそこまで目を光らせることもない。
※ カジノのポーカーは客同士の勝負で、店のディーラーはカードを配ったりチップをまとめたりしてゲームを進める役。勝ち負けには直接関わらない。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
元カジノ警備員から補足。ディーラーがテーブルで狙ってるのは客からもらう心付けのほうのチップで、勝ち負けじゃない。店が儲かってようが損してようが心底どうでもいいんだよ。たいていの時間、あいつらが欲しいのはタバコ一本と、風の通る静かな場所で座れる時間だけ。
16. 名無しのReddit住民
IDを見せてくださいと言われて、黙って差し出す以外のことをする客は、まず間違いなく面倒な客になる。バーテンダーをやってての実感。見てろよ、このコメントにも「35過ぎてるのになんで身分証がいるんだ!」って返信が付くから。
理由? 酒を出す店の賠償責任保険、州の酒類当局のおとり調査、会社の規則、州の規則、あとは雰囲気チェック。以上。
※ アメリカで飲酒できるのは21歳から。店は見た目が明らかに大人の客にも身分証の提示を求めることが多く、州によっては当局が未成年の協力者を客として送り込み、年齢確認をしているか抜き打ちで調べている。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
「35過ぎてるのになんで身分証がいるんだ!」(言ってみたかっただけ)
いや真面目な話、自分の半分の年齢に見えるかもって思われたなら、普通に褒め言葉として受け取るよ。
18. 名無しのReddit住民
セラピストです。本当は大丈夫じゃないのに「大丈夫です」と言う人。
それと、暖かい日なのに長袖を着ている人は前からよく見ていた。あざ、注射の跡、自分で傷つけた跡、やけど、皮膚の病気、何日も体を洗えていないこと、あるいは強い被害妄想を隠しているサインのことがある。
念のため言っておくと、私が担当していたのは支援の必要度が高い人や依存症の人、精神科病棟の患者さん。エアコンが寒くて長袖を着てる40代の会社員の話ではないです。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
私が暑い日でも長袖なのは、この二の腕のたるみを誰の目にも入れる必要がないからです。
20. 名無しのReddit住民
人を読むプロの例にTSAが並んでて笑った。あそこで何かを読まれてると感じたことなんて一度もないぞ。
※ TSA:米国運輸保安庁。アメリカの空港で、手荷物検査やボディチェックなどの保安検査を担当している。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
TSAの係員にバカ扱いされる体験、ほんと最高だよね。前の空港で「ノートPCをカバンから出してない」って呆れられたから、次の空港ではちゃんと出したのに、今度は「なんで出してるの」って呆れられるっていう。
22. 名無しのReddit住民
元バーテンダー。一発で分かるのは、リラックスしてる「演技」をしてる客。
普通の客はただその場にいるだけなんだ。スマホを見たり、ビールサーバーの銘柄を眺めたり、ぼーっとしたり。ところが、もう飲みすぎてる人、偽造IDの人、揉め事を探してる人は、自分が思う「普通の客」を一生懸命演じてる。
酔ってないと証明したくて、やたら挑むように目を合わせてくる。BGMに合わせて大げさにうなずく。誰も面白いことを言ってないのに、ワンテンポ遅れて笑う。普通の人は、普通に見せようとなんてしない。その必死さのせいで、毎回バレるんだよ。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
おいおい、今ので自閉スペクトラムの人たちの一日が丸ごと台無しになったぞ。こっちは毎日「普通に見えるように」を意識してやってるんだから。24. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
それ、演技の授業で教わったコツとまったく同じだ。酔っぱらいをうまく演じたいなら、酔ったフリをするんじゃなくて、酔ってないように見せようと頑張ってる人を演じろって。見てる側はそれをすぐに感じ取るらしい。
25. 名無しのReddit住民
看護師になりたての頃、患者さんが叫んだり暴れたり、痛み止めをくれと泣いたりしたとき、どう受け止めていいのか分からなかった。そしたら先輩が「家族を見なさい」って。患者さんが何かを求めて叫んでいても、家族が動揺もしてないし慌ててもいないなら、それはその人にとっていつものこと。一緒になって慌てなくていいし、落ち着いてなだめればいい、と。
これが今までずっと当たってる。本当に痛いときや何かが本当におかしいときは、家族も一緒に取り乱してる。いつものことなら、本人が荒れてても家族は落ち着いてる。周りはその人をよく知ってるのに自分だけが知らない、って状況では、場の空気を読むのが本当に大事なんだよね。
26. 名無しのReddit住民
自分の場合は、どういう人間なのかを自分から申告してくる人。
「私って正直な人間なので…」
「僕はかなりいい人間なんで…」
「私はこういうタイプの人間だから…」
みたいなやつ。この手の前置きが出てきたら、続きは注意して聞くようにしてる。
27. 名無しのReddit住民
何を手がかりにしてるのか自分でもはっきり分かってないんだけど、救急外来で10年以上働いてきて、姿を見なくても、注射で薬物を使ってる人かどうか分かる。声の抑揚なのか、しゃべり方のリズムなのか、話し声を聞いただけでピンとくるんだ。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
ある程度は当たってる部分もあるのかもしれない。でも自分は去年、本当につらい入院を2回経験していて、どちらも完全に、医者が自分を見て「ピンときた」らしいのが原因だった。同じような目に遭った人の話もいくつも聞いてる。はっきりした根拠もないのに、偏見につながるようなことを見抜けると思ってる人には、外れたときに相手をどれだけ傷つけるかを意識してほしい。
そういうサインって、薬物使用の原因や結果として一緒についてくる別の問題、たとえばお金の不安定さ、心の病気、孤立、虐待、住む家がないことなんかと重なってる場合が多いと思う。話を聞いた人の中には、恥ずかしさでいっぱいになって、そのまま帰ってしまう人もいた。そうすると「やっぱりそうだった」と思われるうえに、本人はその病院に行きづらくなって、必要な治療から遠ざかる。
あなたが勘だけで動いてると言いたいわけじゃないし、そう聞こえたらごめん。ただ、このコメントにこれだけ賛同が集まってるから、外れたときには本当に実害があるってことは言っておきたい。しかも言われた本人は訂正の仕方も分からないか、恥ずかしくて言い出せないから、実際より当たってるように見えてしまうんだ。
29. 名無しのReddit住民
アルコール依存症。見分けるポイントはいくらでもある。
話はそれるけど、この前うちのバーに来た男が「ラムコーク、ラム抜きで。どんどん持ってきて」って注文したんだ。「今夜は想像の中でベロベロになるんだ」って。正直、見ていて切なくなった。でも、コーラで踏みとどまってるのが誇らしくもあった。誰かが闘ってる姿を見るのは、やっぱりつらいね。
30. 名無しのReddit住民(>>29への返信)
その夜あなたのバーにいた依存症の客は、たぶんその人ひとりじゃなかったと思うよ。シラフだったのがその人だけだった、ってだけで。
まとめ
30件を並べてみると、プロたちが拾っているのは特定の仕草そのものより、「言っていること」と「実際の様子」のズレだと分かる。「何の理由もなく」と自分の非を話から消す相談者、「正直な人間なので」と先に人柄を申告する人、リラックスを演じる客、「大丈夫です」と言いながら暑い日に長袖を着ている人、何度もポケットを確かめる人。どれも、隠したいものや見せたい姿を意識した結果、かえって目立ってしまっている。婚約者のポケットでプロポーズを察した話は、その中でいちばん平和な例だろう。
一方で、「普段を知らなければ読めない」「数秒で深いところまで分かるというのは思い込み」という指摘や、自閉スペクトラムの人、医者の勘のせいでつらい入院をした人からの反論も並んだ。読む側の勘が当たって見えるのは、外れたときに読まれた側が黙って去ってしまうから、という話は、接客や医療の現場にいる人ほど考えさせられるはずだ。日本でも接客や窓口の仕事をしている人なら、思い当たる勘がひとつはあるだろう。ただ、このスレッドではその勘の危うさまで同じ場所で語られているのが面白い。
皆さんは、自分では気づかないうちに何かのサインを出していると言われたことはありますか?

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