「はたから見るとすごく穏やかそうなのに、実際にハマるとストレスしかない趣味って何?」海外の掲示板に投げかけられたこの質問に、2000件近いコメントが集まった。トップに立ったのは、禅の世界の代名詞のような盆栽。そこから木工、編み物、エスプレッソ、時計修理、さらにはニワトリの飼育まで、「癒やされたくて始めたはずなのに」という悲鳴が次々に上がる。その一方で「それ、自分で自分を追い込んでるだけじゃない?」という冷静なツッコミも入り、趣味との付き合い方を考えさせられるスレッドになった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
盆栽。禅っぽくて穏やかな趣味だと思われてるけど、木に手を入れる作業は実はものすごく神経を使う。どの枝を残してどれを切るか、針金をどこまできつく巻くか、一手ごとに何年も先の姿を考えなきゃいけないんだよ。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
自分は2本枯らしたところで心が折れた。ちゃんと世話してるつもりだったのに、ある日気づいたら葉っぱが全部茶色くなってて、何がいけなかったのか最後までわからなかった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
そこに病気やら土の状態やら、その他100万個くらいある要素への心配が常に乗っかってくるからね。しかも枝を1本うっかり折ろうものなら、元に戻すのに10年以上かかることもある。
追記:で、そこまで手をかけても結局枯れる。なぜかって?知るか、そういうもんなんだよ。
4. 名無しのReddit住民
ストレスしかない、とまでは言わないけど、サーフィンは人数に対していい波が少なすぎるせいで、本来あるべき姿よりずっと殺気立ってる。絶景の海で、楽しいことをしてるはずの大人たちが、お互いに怒鳴り合ってるんだよ。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
サーフィンの町として有名なところに住んでるけど、断言する。サーファーは地球上でもトップクラスにピリピリしてて感じの悪い連中だよ。海の中でも陸の上でも同じくらい面倒くさい。あの態度は海から上がっても抜けないんだ。
※ サーフィンでは、1つの波に乗れるのは原則1人というマナーがあり、先に波をつかんだ人の前へ割り込む「前乗り(ドロップイン)」はご法度とされる。人の多いポイントほど、いい波の取り合いがそのまま揉め事になりやすい。
6. 名無しのReddit住民
木工。動画だとカンナをかける静かな5分間しか映らない。測って、また測り直して、それでも結局、板が湿気で反ってたと気づくまでの1時間は、きれいにカットされてるんだよ。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
わかりすぎる。あのクソ板、慎重に測って5回も切り直したのに、まだ短いんだよ。8. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
自分はほとんどの工程が瞑想みたいで好きなんだけど、電動工具を使う作業だけは本気で集中しないとダメ。ちょっとでもぼーっとした瞬間に事故が起きるから。その緊張と、電動ノコギリやルーター(木材に溝を彫る電動工具)の騒音で、神経が一気に限界まで張りつめる。
9. 名無しのReddit住民
編み物。ひたすら目を数えて、数え間違えて、どこでミスったのか逆算しながらほどいていって、最後に「あ、自分は合ってた。編み図を読み間違えてただけだ」と気づく。その途中でパートナーや友達に話しかけられて、何段目だったか完全に飛ぶ。これの繰り返し。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
自分は編み物に関しては、ボブ・ロスの「ハッピー・アクシデント」の精神でやってる。目を飛ばしても、それはそれで味ってことにしてるよ。
※ ボブ・ロス:アメリカのテレビの絵画番組で知られる画家。描き損じても「失敗なんてない、あるのはハッピー・アクシデント(楽しい偶然)だけ」と穏やかに絵に活かしてしまう語り口で親しまれた。
11. 名無しのReddit住民
競技レベルに達したら、どんな趣味でもそうなる。趣味の楽しさの9割は、「こんなのどうやったらできるんだ」から「そこそこできるようになった」までの道のりにある。残りの1割は「そこそこできる」から「世界で指折りの腕前」までなんだけど、ここにたどり着くにはだいたい1000倍の時間と労力がかかる。個人的には、まず割に合わないと思う。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
始まりは「いやー楽しかった!また来週な!」なんだよ。それが最後には「今週どうにかして6回目の練習をねじ込まないと。昨日のフォームはクソだったし、このペースじゃあのベルギーの連中に一生勝てない」になってる。13. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
それで温めてる短編映画のアイデアがあるんだ。凧揚げに夢中になった10歳そこそこの子が、周りから「〇〇ができないうちは本物の凧揚げ好きとは言えない」みたいなアドバイスを浴びせられまくる。で、調べものと準備に時間をつぎ込みすぎて、最後は燃え尽きちゃう。
そこから一気に時間が飛んで30代。その子は自分の子どもに安くて小さい凧を買ってやって、凧が落ちないように走り回ってるだけで心から楽しそうにしてる、っていう話。
14. 名無しのReddit住民
亡くなった友人がよく言ってたんだ。「完璧主義には3つの段階がある。アマチュア、プロ、そして趣味人。この順番でな」って。最初は逆じゃないかと思ったけど、プロには予算も締め切りもあるから、どこかで「これで良し」と手を止められる。趣味でやってる人には、止めてくれるものが何もないんだよね。
15. 名無しのReddit住民
エスプレッソを淹れるのも、どうやらそうらしい。エスプレッソマシンを買ったばかりなんだけど、ネットによると、豆が1週間以上前のものだったり、豆の重さをきっちり量らなかったり、抽出前にトゲトゲしたクシみたいな道具で粉をかき混ぜなかったりすると、コーヒーは文字どおり飲めたもんじゃなくなるんだって。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
うちの妻は焙煎所でバリスタをやってるけど、そこまでの完璧主義じゃないよ。いいコーヒーの9割は、豆の挽き目や抽出時間をマシンに合わせてきちんと調整できてるかで決まる。残りは、ミルクをちゃんとスチームできるようになるまでの圧倒的な練習量だね。17. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
アドバイスしとくと、エスプレッソに関してはRedditの言うことを真に受けないほうがいい。自分も始めたとき全く同じ状態になった。でも、1週間経った豆とか、お湯の温度とか、水のミネラル分とか、そういう細かいことは言われてるほど味に影響しないと気づいてから、一気に気楽になったよ。
今はグラインダーの挽き目を合わせることだけ気にして、あとは何も考えてない。品質は95%のまま、ストレスは1000%減った。
※ トゲトゲしたクシみたいな道具:エスプレッソ用に挽いた粉を、細い針で混ぜてダマをほぐし、均一にするための道具。WDTツールと呼ばれ、エスプレッソ好きの間では定番のアイテムになっている。
18. 名無しのReddit住民
ある程度お金をつぎ込む段階まで来たら、たいていの趣味はそうなるよ。とはいえ、高価なラジコン飛行機を飛ばすのは、見てるだけでこっちの胃がキリキリするくらいストレスがすごそう。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
コツは、丸ごと燃やしても平気でいられるくらいの値段の機体を飛ばすこと。最初から落ちる前提で買っておけば、空を見上げてる間も穏やかな気持ちでいられる。20. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
ラジコン飛行機をやる人には2種類いる。本物のジェット燃料で回るタービンエンジンを積んだ、8分の1スケールのエアバスA380(総2階建ての超大型旅客機)を飛ばしてる人。それと、ピンク色の断熱材ボードとガムテープと食品用ラップで作った、ちゃんと飛ぶ爆撃機を自作して飛ばしてる人だ。
21. 名無しのReddit住民
サンゴ礁を再現する海水水槽。何もかもが目玉が飛び出るほど高いし、生き物の多くはすごく繊細で、それぞれ求める環境が細かい。水温や塩分濃度をはじめ十数個の数値を記録して管理しなきゃいけないし、一つ間違えれば水槽の中の全員が弱るか死ぬようなミスのパターンが山ほどある。趣味というより、機械につながれた集中治療室の患者を生かし続けてる感覚に近い。
でも、ほんとに息をのむくらい綺麗なんだよ。
22. 名無しのReddit住民
ニワトリ。この日曜の午後は、ホームセンターで砂を約270キロ買うところから始まった。家まで運んで、手押し車で鶏小屋まで往復して、敷き詰めて、レーキでならす。次に水飲み場を全部徹底的に掃除。それから15分かけて卵探し。うちの子の何羽かは産卵箱を使ってくれないからね。しかも1羽が卵を温めるモードに入っちゃったから、その子をしばらく冷たい水に浸けてやった。これで収まるといいんだけど。
※ 卵を温めるモード:雌鶏が卵を抱くことに執着し、巣から動かなくなる状態で「就巣(しゅうそう)」と呼ばれる。この間は卵を産まなくなるため、飼い主の間では体を冷やしてやめさせる方法が知られている。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
序列のことを「pecking order(つつきの順位)」って言うけど、あれがそのままニワトリから来た言葉だって、飼ってみて初めて体感した。上の階級のニワトリから先に食べて、下っ端は最後。新入りを群れに入れるときは最低3羽まとめて入れないと、古株にいじめ殺されることもある。ケガしてる子がいると、他の子がつついて死なせることもあるし。
うちには餌箱3つを全部独り占めして、誰にも食べさせないやつがいたよ。ニワトリって、けっこう性格悪い。
24. 名無しのReddit住民
時計修理。すごく静かで緻密で、穏やかな趣味に見えるでしょ。自分も数年前、冬の間に家でできる楽しい趣味になるかなと思って始めたんだ。映画やポッドキャストを流しながら古い時計を直して、友達にプレゼントしようってね。
実際は、許される誤差なんてほぼゼロ。部品が小さすぎて、床に1個落としたら見つけるのに何時間もかかるし、そもそも見つからないこともある。部品を壊したら交換用はびっくりするほど高いうえに、遠い国の個人から届くまで何週間も待たされる。ほんの小さな繊維くずが変なところに入っただけで部品が動かなくなって時間が狂うのに、それが判明するのはだいたい全部組み直したあと。で、また全部バラす。
結局、たいていの修理は予定より何か月も長引いて、予算の倍かかる。完成すればまだいいほう。それでも楽しいよ。人には絶対すすめないけど。
25. 名無しのReddit住民
陶芸。SNSだとすごく癒やされる趣味に見えるけど、実際はろくろの上で器がぐにゃっと崩れるか、窯の中で破裂するか、何週間もかけたあげく釉薬の段階でヒビが入るかのどれかだよ。
26. 名無しのReddit住民
絵を描くこと。「元に戻す」ボタンなんてないから、一筆一筆を完璧にしたくなる。それを何時間も続ける。そして完成した絵は、そもそもの技法がズレてたせいで普通に下手。気づいたときにはもう引き返せない。
(そろそろデジタルに乗り換えるべきだと本気で思ってる)
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
デジタルにしてもストレスは消えないよ。「元に戻す」を無限に押し続けて、1ミリも先に進まなくなるだけだから。
28. 名無しのReddit住民
いやもう、手を出さないほうがいい趣味をチェックしに来たんだけど、ちょっとでも興味あったやつが全部すでに挙がってて笑った。仕方ないから、このままRedditをだらだらスクロールし続けることにするわ。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
趣味そのものより、その趣味の専門コミュニティに入った瞬間から全部ストレスになるんだと思う。一人で楽しくやってたのに、「その道具は素人向け」「そのやり方は間違い」って言われ始めてからがしんどいんだよ。30. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
大事なのは心の持ちようだと思う。自分の趣味は裁縫、かぎ針編み、刺繍、陶芸、編み物、絵を描くことだから、その範囲でしか言えないけど、「リラックスして遊ぶため」って目的で始めれば、どれも最高に楽しいよ。挑戦したくなったら新しいことを試したり教室に通ったりすればいいし、そうじゃなければずっと得意な範囲にとどまってても何の問題もない。四角いものを編むのが好き?なら靴下の編み方なんて一生覚えなくていい。
人から頼まれても作らない、お金をもらって作る依頼も受けない。「これは自分が楽しむためのもので、誰かに認められるためでも、締め切りのためでも、お金のためでもない」って線を引いておけば、どれも本当に癒やされる趣味だよ。
まとめ
並んだ答えを眺めていくと、ストレスの出どころは大きく三つに分かれる。一つ目は、盆栽やサンゴ礁の水槽、ニワトリのような「生き物を相手にする趣味」。どれだけ手をかけても相手の都合で弱ったり死んだりするうえ、盆栽の枝1本のように、一度の失敗を取り返すのに年単位の時間がかかる。二つ目は、木工や編み物、時計修理、陶芸のような「一つのミスが全体を台無しにする作業」。測り直し、数え直し、組み直しの繰り返しこそが、SNSの動画には映らない本当の姿だった。サーフィンだけは少し毛色が違い、敵は波ではなく、限られた波を奪い合う人間同士の摩擦だというのが面白い。
そして三つ目が、いちばん根深い「上を目指し始めた瞬間」のストレスだ。エスプレッソや凧揚げの話のように、ネットの情報や周囲の声に追い立てられて、楽しかったはずのものが義務に変わっていく。亡き友人の「完璧主義はアマチュア、プロ、趣味人の順に強くなる」という言葉は、締め切りも採算もない趣味人ほど歯止めがきかないことを鋭く突いている。ただ、スレの終盤では「ネットの言うことを真に受けない」「人の依頼を受けない」と自分で線を引けば、同じ趣味がちゃんと癒やしに戻るという答えも出ていた。日本でも、家庭菜園やキャンプ道具集めで同じ道をたどった人は少なくないはずだ。皆さんには、始めてから「こんなはずじゃなかった」と感じた趣味はありますか?

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