触れた本の中身が一瞬で頭に入る。ただし発動した瞬間に世界の時間が止まり、その本を最初のページから最後まで読み切るまで動き出さない——r/AskRedditに投げ込まれたこの取引に、700件を超える返信がついた。「一つ目の答えはイエス、二つ目の答えは今すぐよこせ」と食い気味に手を出す人がいる一方で、「触った瞬間に知識が入るのに全部読めって、それただの読書では?」と条件文の矛盾を突く人、そして絵本を使った時間停止の悪用法を真顔で設計し始める人まで現れた。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
一生という短い持ち時間の中で、読める本の数に上限がなくなるってことだろ。だったら一つ目の答えは「イエス」で、二つ目の答えは「今すぐよこせ」だ。条件のところなんて読んでない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
条件を読む前に手が出てるの、この能力を一番向いてない使い方で使いそうで逆に安心する。まあ気持ちはわかる、俺も同じ顔してた。
3. 名無しのReddit住民
カンマの手前まで読んだ時点では「絶対に嫌だ」だった。読書は数少ない趣味だし、時間が止まるとか物騒だしね。でも最後まで読んだら答えが「絶対にやる」に変わった。好きなことに使える時間が実質無限になるってことだろ。近所の図書館に行って、誰にも咎められずに何日でも居座れる。デメリットどこ?
4. 名無しのReddit住民
要するにこの能力、本を読んでいる間だけ時間が止まる、というところに落ち着くよね。それでいい、というか最高だ。どれだけ休息が取れて、どれだけ積読が消えるか想像してみてくれ。
5. 名無しのReddit住民
ってことは、数行しか書いてない子ども向けの絵本を大量に買い込んで、読み始めた時点で時間を止めて、こっちが読み終える気になるまで止めっぱなしにできるってこと?
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
それもう読書の能力じゃなくて、絵本を鍵にした時間停止装置の運用マニュアルだろ。しかも初期投資が古本屋で数百円というのが恐ろしい。
7. 名無しのReddit住民
手順その1、なんでもいいから薄い絵本を1ページ目まで開く。手順その2、そこで読むのをやめる。手順その3、素晴らしい時間停止能力を存分に堪能したあとで、戻って残り12ページを読み終える。以上。
8. 名無しのReddit住民
止まっている間に自分が歳を取るのか、時間を体感するのかで話が全然違ってくる。食事もできないなら餓死する可能性まである。歳を取るなら受けるけど、そんなに頻繁には使わない。歳は取らないけど体感はできるなら、一日中絵本を開いては途中で昼寝するし、止まった世界で金持ちの家から少し失敬してくる。歳も取らないし眠ることも外の物に触ることもできないなら、それでも好きな本のときには使うと思う。
9. 名無しのReddit住民
時間が止まっている間、俺の体は歳を取らないのか?そこが全てだと思うんだけど。取らないなら永遠の読書室だし、取るなら本を1冊読むたびに自分の寿命を切り売りしてることになる。
10. 名無しのReddit住民
ちょっと整理させてくれ。本に触れば知識は一瞬で吸収される、ただし全部読まないといけない。……は?それ吸収してなくない?
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
「一瞬で」の一瞬がどこに消えたのか誰か説明してほしい。触った瞬間に頭に入るなら読む必要はないし、読むなら触った意味がない。
12. 名無しのReddit住民
触った時点で即座に吸収されるなら、なぜ読む工程が要るのか。時間が止まっていようが、本人にとっては即座じゃないよね。あと能力は自分でオンオフできるのか、それとも本に触るたび勝手に発動する受動型なのか。すでに読んだ本を触ったときはどうなるのか。詰めるところが多すぎる。
13. 名無しのReddit住民
これ、普通に本を読むのと何が違うんだ?触った瞬間に世界が止まって、結局最初から最後まで自分の目で読むんだろ。ページをめくる速度も変わらないなら、静かな部屋が手に入っただけじゃないか。
14. 名無しのReddit住民
だから知識の即時吸収ではないんだって。たとえば俺がリュックに『はろるどとむらさきのくれよん』を1冊入れておけば、それを使って「テレポート」できることになる。でも目的地までの距離は結局自分の足で歩くわけで、それはテレポートとは言わないだろ?止まった時間の中で普通の速度で本を読むのも、それと同じことだよ。
※『はろるどとむらさきのくれよん』は、紫のクレヨンで描いたものが本物になってしまう少年を描いたアメリカの絵本(原題 Harold and the Purple Crayon)。描けば道も家も出てくるので、英語圏では「移動手段」のたとえに引き合いに出される。
15. 名無しのReddit住民
細かい条件次第としか言えない。すでに読んだ本に触ったら、また最初から読み直しなのか?触れてしまった本を全部その場で読まされるなら、贈り物というより呪いだよ。あと自分が理解できない言語の本や、前提知識がないと歯が立たない専門書に触れたらどうなる。世界はそのまま永遠に止まりっぱなしなのか?
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
手が滑って図書館の書架に手をついた瞬間を想像してしまった。あれを全部読み切るまで人類の時間が止まるなら、もう本屋にすら入れない。
17. 名無しのReddit住民
触った本が自分の読めない言語だったらどうなるんだろう。中国語とかね。永遠に宙ぶらりんのまま閉じ込められるのか、それとも勝手に翻訳されて読めるようになるのか、諦めて抜け出せる仕様なのか。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
自動翻訳される仕様だったら、この能力の本命は読書じゃなくて語学のほうだと思う。分厚い辞書に触って時間を止めて、出てくる頃には何語でも読める人間になってる。
19. 名無しのReddit住民
場合による。読んだ内容を理解することまで求められるのか、それとも文字を目で追い切ればいいのか。あと発動に本人の意図が関係するのかも知りたい。ミダス王みたいに触れたもの全部が問答無用で対象になるのか、自分の意志で選べるのか。ここが違うと天国か地獄かが分かれる。
※ミダス王は、触れたものがすべて黄金に変わる力を授かったギリシャ神話の王。食べ物も娘も金に変わってしまい、恵みがそのまま呪いに反転する話の代名詞として使われる。
20. 名無しのReddit住民
最高に聞こえるけど、同じ段落を17回読み返して結局意味が取れなかった夜のことを思い出してしまった。注意力に難のある人間がこれを持つと、映画『恋はデジャ・ブ』みたいな終わらない一日になりかねない。
※『恋はデジャ・ブ』は、同じ一日を何度も繰り返す羽目になる男を描いた1993年のアメリカ映画(原題 Groundhog Day)。英語圏では「同じことの無限ループ」の代名詞として使われている。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
わかる。目は文字の上を滑ってるのに脳が一文字も受け取ってない時間、あれが止まった世界で無限に続くと考えると普通に地獄だ。
22. 名無しのReddit住民
本に触ってから、そのまましばらく昼寝してもいいのかな。誰にも急かされずに眠れる仮眠って、人生で一番贅沢な時間だと思うんだよね。
23. 名無しのReddit住民
途中で気が散ってどこかに行ってしまったらどうなるんだ。俺は本を読んでいる最中に立ち上がって台所に行き、そのまま三日戻ってこないタイプの人間なんだが。
24. 名無しのReddit住民
仕組みの話をさせてくれ。本を開いて時間が止まった状態で、その半分読んだ本を置いて2冊目に手を出したらどうなる?3冊目、4冊目は?俺は実際にこれをやる。読んでいる途中で「この場面、『ディスクワールド』のあれに似てるな」となって、該当の巻を引っ張り出して確認しに行くんだ。で、どうなる。停止は重なるのか、上書きされるのか。
※『ディスクワールド』は、巨大な亀の背に乗った円盤状の世界を舞台にしたイギリスの長大なファンタジー小説シリーズ。皮肉の効いた登場人物が多く、熱心な読者ほど「あの場面」を確認しに戻りたくなるらしい。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
それ、最後の1冊を読み終えるまで永遠に世界が止まるやつでは。積読を抱えた人間が触れてはいけない能力だと思う。
26. 名無しのReddit住民
つまり周りから見たときだけ即座に吸収したように見える、と。止まった時間の中で電子レンジは使えるのか?蛇口やシャワーは?友達から見たら、俺が本を手に取った次の瞬間に5キロ痩せてひどい臭いを漂わせてることになるんだけど。
27. 名無しのReddit住民
つまり本を1冊持っていれば銀行強盗し放題ってこと?誰も動けない世界で金庫の前に立って、あとは家に帰ってから絵本の残りを読み終えるだけ。ちょっと考えれば誰でも思いつくよね、これ。
28. 名無しのReddit住民
気持ちはイエス寄りなんだけど、細則が気になって仕方ない。電子書籍リーダーを持ったら中に入っている本を全部読まないといけないのか。図書館の貸出アプリが入っていたら、図書館の蔵書が丸ごと対象になるのか。ブラウザが付いていたらインターネット全部?二次創作サイトも全部?「ISBNが振られている本だけ」とか書いてあると助かるんだが。
29. 名無しのReddit住民
いや、断る。理由は二つあって、一つは時間を止めるという設定が物理的に無理がありすぎること。もう一つは、時間停止なしで同じことを——ええと確認すると——ほぼ人生ずっとやってきたからだ。今さら能力扱いされても困る。
30. 名無しのReddit住民
俺は迷わず受け取る。まず読書の習慣が戻ってくるし、ネットで細切れにされた集中力もたぶん治る。それに時間停止のほうの使い道なら、いくらでも思いつくんだよな。ひとつだけ聞きたいのは、自分の話せない言語で書かれた本で試したらどうなるのか、それだけだ。
まとめ
面白いのは、賛成派も反対派も結局は同じ一点に引っかかっていることだ。「触れた瞬間に吸収」と「最後まで読み終わるまで時間が止まる」は、そもそも噛み合っていない。読み終える必要があるなら瞬間ではないし、瞬間で頭に入るなら読む工程は要らない。この矛盾に気づいた人たちは能力そのものへの興味を早々に失って、代わりに残った時間停止のほうを全力で転がし始めた。絵本を1ページだけ開いて放置する、止まった世界で昼寝する、ついでに銀行に立ち寄る——出てくる案がどれも読書と無関係なのが正直で笑える。
一方で純粋に喜んでいる人たちの言い分もはっきりしている。要は「誰にも邪魔されずに読める時間」がほしいだけなんだよね。積読が減らないのは本が読めないからではなく、読む時間が確保できないから。そこに例外なく効く条件なので、彼らにとってはデメリットの欄が空白のまま埋まらない。
そして最も現実的だったのが、読めない言語の本や既読の本にうっかり触れてしまったときの心配だった。手が滑って図書館の書架に触れた瞬間、人類の時間が永久に止まる。能力の説明文に一行足りないだけで、贈り物はこんなに簡単に呪いへ反転する。皆さんはこの取引、受けますか?受けるとしたら、止まった世界で最初に何をしますか?

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