「これさえやっておけば大丈夫」と、当時の大人たちが真顔で言っていた助言。15年から20年が経った今、それがどれだけ生き残っているのかをRedditで聞いた人がいた。集まったのは笑い話と、あまり笑えない答え合わせだった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
「とりあえずプログラミングを覚えとけ、そうすれば一生食いっぱぐれない」。10年ちょっと前まで、親も先生も進路の相談に乗る大人も全員これを言ってた。今は求人ひとつの応募者数を見るだけで胃が痛くなる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
COBOLを覚えてたなら今でも本当だよ。触れる人が絶滅しかけてて、銀行が泣きながら定年後の人を高給で呼び戻してる。当時いちばん地味で人気がなかった選択肢が、結果的にいちばん堅かったの皮肉すぎる。
※ COBOL=1959年に登場した業務用のプログラミング言語。銀行や保険の基幹システムに今も残っているが、扱える技術者の高齢化で人手が足りていないと言われる。
3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
フェアに言っておくと、俺が入った2004年からの20年間はマジでイージーモードだった。履歴書を出せば面接、面接に行けば内定、みたいな感覚。今から入る人には申し訳ない気持ちすらある。
4. 名無しのReddit住民
プログラマがいなくなるって話、真に受けすぎだと思う。AIに書かせれば全部解決みたいに言われてるけど、中で何が起きてるか分からないまま出てきたものを貼るのは事故のもとだよ。コードを打つことより、筋道を組み立てるほうが本体なんだから。整備士と同じ。車を作ってるわけじゃないけど、車が走り続けるには絶対いる。
5. 名無しのReddit住民
「ただしタイピングは覚えるな。お前はプログラマであって秘書じゃない」。これ、現役のプログラマに真顔で言われたんだ。今になって振り返ると、どこをどう取っても合ってない。
6. 名無しのReddit住民
一つの会社に居続ければ、いつか報われる。実際には、転職しないこと自体が自分で自分の給料を下げてるのと同じだった。動かないほうがリスクだなんて、当時は誰も言ってくれなかった。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
うちの会社、勤続の節目を祝うのをやめた。だから20年働いても何も出ない。15年のときはまだ300ドル分のギフトカードが出たんだけどね。あれが最後の花火だったんだと思う。
※ 300ドルは日本円でおよそ4万5千円。米国企業には勤続年数の節目にギフトカードを配る慣習がある。
8. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
今の会社で8年目。この前入ってきたインターンが俺と同じ給料で、しかもボーナスの条件は向こうのほうが良くて笑った。その仕事、8年間ひとりで回してきたんだけどな。
9. 名無しのReddit住民
会社への忠誠は現代のキャリアで最大の罠だと思ってる。何年も尽くして返ってくるのはピザパーティと、周りと比べてじわじわ下がっていく給料だけ。
※ ピザパーティ=米国の職場で、成果や節目の慰労にピザを配る定番のイベント。昇給の代わりに出てくるものの象徴として揶揄されることが多い。
10. 名無しのReddit住民
いやそれ、20年前どころか80年代の終わりにはもう死んでた助言だよ。うちの親父の世代がすでに「会社は守ってくれない」って言い出してた。信じ続けてた側にも少し責任がある気がする。
11. 名無しのReddit住民
キャリア系の助言はもうまるごと賞味期限切れだと思う。力強い握手と笑顔があれば職は取れる、早く来て遅く帰れば評価される、頑張れば昇進する。今やってるのは、自動選考に引っかかるキーワードを履歴書に仕込みつつ、AIが書いたと思われない程度に人間っぽく整える作業だよ。
※ 米国の求人応募は自動選考システムが一次審査をするのが一般的で、求人票にある語句を履歴書に入れないと人事の目に届かないとされる。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
「期待以上に働いても評価は良好止まり」ってところが刺さる。昇進枠がないのは百歩譲っていい。ただ、人の穴埋めまでやってるのを見なかったことにするのはやめてほしい。学生時代ずっと上を取ってきた人間には、最低限しかやらない人と同じ札を貼られるのが地味にこたえるんだよ。
13. 名無しのReddit住民
同僚と給料の話をするな。これ、会社側にだけ都合のいい助言だったよね。今の若い子は普通に「そこいくらもらってます?」って聞いてくるし、そっちのほうがよっぽど健全だと思う。
※ 米国では同僚と賃金について話し合う権利が労働法で保護されており、社内規則で一律に禁じることはできないとされている。
14. 名無しのReddit住民
提示された額でまず受けろ、価値を証明すれば向こうから上げてくれる。証明し終わる頃には、その低い額が自分の基準値として固定されてるだけだった。上がるのは肩書と仕事量。
15. 名無しのReddit住民
「とりあえず学位を取れ、何の学位かは関係ない」。この一言に人生の4年と借金を持っていかれた人、このスレに山ほどいると思う。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
セットで「専門学校はやめとけ、学士じゃないとダメだ」も言われた。先生も親も進路指導も、助言をもらうべき相手が全員そう言うから、技能職を検討することすら諦めた。今は本気で後悔してる。工学の学位は取ったけど、机に向かって設計する仕事は自分に向いてなかった。図面を描くより現物をいじってるほうが好きなんだよ。技能職に進んだ友人たちは借金が少なくて、キャリアも先に行ってて、稼ぎも上だ。技能職が万人向けだとか学士が悪いとか言いたいんじゃない。ただ、見てもいない選択肢を人に潰させるな。17. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
そこまで全否定する助言でもないと思うけどな。「いい学校に入って、ちゃんと成績を取って、キャリアを組み立てろ」までワンセットで言われてたなら話は別だった。学位は試合に勝たせてくれるものじゃない。グラウンドに入れてくれるだけ。まあ40万ドル払ってまで立つグラウンドかどうかは、また別の話だけど。
※ 技能職=配管・電気・溶接など、米国では専門学校や見習い制度で入る職種。大学より学費が安く、人手不足で待遇が上がってきている。40万ドルは日本円でおよそ6000万円で、米国の私立大学は4年間の総額がこの規模になることがある。
18. 名無しのReddit住民
もう20年以上前の話だけど、母親に「ITなんて仕事がない」と言われてその道を諦めた。あの一言、今でもたまに思い出してぼんやりする。母を責める気はないんだ、当人も本気でそう信じてたから。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
逆のパターンの話をさせてくれ。彼女の両親に連れられて湖畔の別荘に行った。湖なんて見たこともないし、ボートの実物も初めてだった。家主の夫婦に会ったら、旦那さんは会計士で「俺もそこそこ稼ぐけど、妻のほうがもっと稼ぐんだ」と言う。家とボートを見比べてから奥さんに何をしてるのか聞いたら、「夫と同じようなことを、ITでやってるの」。その場で腹が決まった。
※ 会計士=米国のCPA(公認会計士)。高収入の代表格として語られる資格職。
20. 名無しのReddit住民
知らない人の車には絶対に乗るな。ネットで知り合った人には絶対に会うな。今は知らない人の車をアプリで呼びつけて、ネットで知り合った人と飯を食いに行ってる。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
先週、ヒッチハイクしてた女性が見知らぬ車に乗り込むのを見かけて、見てるこっちが緊張した。たぶん無事だとは思うけど、あの光景って本当に見なくなったよね。22. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
今はそれが社交そのものだからな。知らない人の家に泊まって、知らない人の車で移動して、ネットで会った人と結婚してる。子供の頃の忠告を全部踏み倒して生きてるわけだ。
23. 名無しのReddit住民
履歴書は上質な紙に印刷しろ。今それをやったら、立派に見えるどころか「この人まだ紙で持ってくる人だ」で一発だと思う。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
90年代、大学のパソコンルームで紙の厚さの話を延々やってたのを覚えてる。何ポンドの紙がいいとか、透かしが入ってるかとか、コピー屋で売ってる専用紙じゃないとダメだとか。あの議論の熱量、どこにも行き着かないまま消えたな。
※ コピー屋=Kinko’s(キンコーズ)。米国のコピー・印刷チェーンで、当時は履歴書用の高級紙を買う定番の場所だった。
25. 名無しのReddit住民
その高級な履歴書用紙、まだ家に山ほど残ってる。最後に使ったときは、立派に見えるどころか自分の年齢を証明しただけで終わった。
26. 名無しのReddit住民
小切手帳の残高を自分で合わせられるようになれ、って何十回言われたか分からない。小切手帳、人生で一度も持ったことがない。ついでに「電卓をいつもポケットに入れて歩けるわけじゃないんだぞ」もセットでよく食らった。
※ 小切手帳の残高合わせ=米国では日常の支払いに小切手を使っていたため、利用者が自分で使った額を書き留めて残高を照合する必要があった。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
道具の話としては古いけど、中身は今もそのまま通用するよ。いくら入っていくら出ていくのかを自分で把握しろ、身の丈で暮らせ、ってだけの話だからね。アプリが勝手に集計してくれる時代になっても、見てない人は結局見てない。
28. 名無しのReddit住民
「落ち着いて、愛する人と結婚して、家を買って、家族を持て」。……で、どうやって?順番だけ教えてくれるんじゃなくて、原資の話をしてほしいんだよ。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
「賃貸は金をドブに捨ててるようなものだ、家を買え」も完全に同じ枠。国の半分が家の価格をロケットの打ち上げみたいに見上げてる状態で言われてもな。助言が間違ってるというより、値札のほうが壊れた感じがする。
30. 名無しのReddit住民
赤ワインは1日3杯までなら心臓にいい。うちの親戚のおじさんが免罪符みたいに毎晩持ち出してた。今あの話をしたら、医者に真顔で止められると思う。信じてた人の数と、撤回されたときの静かさが全然釣り合ってない。
※ 適量の飲酒が健康によいとする説は近年見直しが進み、各国の指針は「少ないほどよい」という方向に改められている。
まとめ
並んだ助言を眺めていると、外れ方がだいたい3種類に分かれているのが面白い。ひとつは、道具ごと世界が入れ替わって前提が消えたもの。上質紙の履歴書、小切手帳の残高合わせ、ポケットの電卓がこれにあたる。ふたつめは、助言そのものは今も筋が通っているのに、社会の側が約束を守らなくなったもの。会社への忠誠、学位、持ち家はここに入る。そして三つめが、最初から誰かにとって都合がよかっただけの助言だ。同僚と給料の話をするな、まずは提示された額を受け取れ——このあたりは「20年前でも間違ってた」と何度も突っ込まれていた。
日本でも、終身雇用と年功序列を前提にした助言が同じように賞味期限を迎えている。違いがあるとすれば、向こうのコメント欄では「転職しないこと自体が減給だ」とはっきり言い切る人が多いところだろうか。一方で、コードを書く仕事はなくならないとか、収支を把握しろという話の中身は古びていないとか、擁護する声も同じくらい強かった。助言が死んだのか、それを支えていた条件が死んだのか。切り分けないと次の世代にまた同じことを言ってしまう。
皆さんが子供の頃に「これさえやっておけば大丈夫」と言われた助言のうち、今も生きているものはどれくらいありますか?


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