子どもの頃に何度も観たアニメ映画を大人になってから見返すと、笑いどころも泣きどころもまるで違って見えることがある。海外掲示板で「大人になった今でも大好きなアニメ映画は?」と聞かれ、ディズニーやピクサーの定番から、日本ではあまり知られていない80年代の作品、そしてジブリや日本のアニメ映画まで、世代も国もばらばらな名前が並んだ。「子ども向けだと思っていたのに、まるで手加減されていなかった」と、大人になってから気づいた人が多いのも面白いところだ。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『アイアン・ジャイアント』。大人になっても通用するのは、ただ楽しいだけのアニメじゃないからだと思う。恐怖の話であり、自分は何者なのかという話であり、どんな人間になるかを自分で選ぶ話なんだよ。「自分が何者になるかは、自分で選ぶんだ」ってセリフは、その選択がどれだけ難しいかを思い知る歳になってからのほうが、ずっと重く響く。
※ 『アイアン・ジャイアント』:1999年のアメリカ映画。監督は、のちに『Mr.インクレディブル』を手がけるブラッド・バード。冷戦期のアメリカの田舎町を舞台に、少年と宇宙から落ちてきた巨大ロボットの友情を描く。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
同じく『アイアン・ジャイアント』。こっちはとっくにいい大人なのに、あの映画にここまで心をえぐられる筋合いはないはずなんだよ。終盤の展開なんて分かりきってるのに、毎回ティッシュの箱を抱えて見てる。
3. 名無しのReddit住民
今はもう熱心なキリスト教徒ってわけじゃないけど、『プリンス・オブ・エジプト』のサントラだけは今でも最高にアガる。信仰があるかどうかなんて関係なく、曲が流れた瞬間に鳥肌が立つんだよね。
※ 『プリンス・オブ・エジプト』:1998年のドリームワークス製作のミュージカルアニメ。旧約聖書の「出エジプト記」をもとに、エジプトの王子として育ったモーセと、兄弟同然に育った王子ラムセスの対立を描く。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
それを書こうと思ってスレを開いたら、もう先に書かれてた。友達にアニメーターの子がいるんだけど、彼女は無神論者なのに、あれが人生でいちばん好きな映画なんだって。作る側の人から見ても、それくらい特別な一本らしい。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
無神論者だけど完全に同意。宗教うんぬんを抜きにしても、映画としてもミュージカルとしても物語としても純粋に出来がいい。アニメなのに実写映画みたいに構図やカット割りを考え抜いて作られてるし、音楽は圧巻だし、声の出演陣も豪華すぎる。
6. 名無しのReddit住民
『シュレック』。しかも歳を取れば取るほど「このギャグ、絶対に子ども向けに書いてないだろ」ってやつに気づいていくのが面白い😂 大人になってからのほうが、笑ってる回数が明らかに多い気がする。
※ 『シュレック』:2001年のドリームワークス作品。嫌われ者の怪物シュレックが、おとぎ話のお約束を片っ端から茶化していくコメディ。大人にしか分からないきわどいジョークが紛れ込んでいることでも知られる。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
背の低い領主がやたら高い塔の城を建ててるのを見て、シュレックが「あいつ、何かのコンプレックスを埋め合わせてるんじゃないか?」ってつぶやくやつね。子どもの頃は何が面白いのかさっぱりだったのに、大人になって見返したら噴き出した。
8. 名無しのReddit住民
『ラマになった王様』は、今でも他の映画じゃめったにない笑い方をさせてくれる。とにかくテンポが異常に良くて、ギャグの打率が大人になってもまったく落ちないんだよ。
※ 『ラマになった王様』:2000年のディズニー作品(日本公開は2001年)。わがままな若い皇帝クスコが、相談役イズマの陰謀の手違いでラマに変えられてしまうドタバタコメディ。原題は The Emperor’s New Groove。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
「なんでそもそもこんなレバーがあるのよ!」ね。手下のクロンクが違うレバーを引いて、イズマが床下に落っこちたあとの一言。あのくだりだけで一生笑っていられる。
10. 名無しのReddit住民
『ヒックとドラゴン』。誰がなんと言おうと、あれは3部作まるごと傑作だと思ってる。あとサントラの「Test Drive」は史上最高のインスト曲。終盤で転調するところで、脳にドーパミンが延々と注ぎ込まれる。
※ 『ヒックとドラゴン』:2010年のドリームワークス作品。ドラゴン退治が伝統のバイキングの村で、ひ弱な少年がケガをしたドラゴンと心を通わせる。「Test Drive」は、少年とドラゴンが初めて一緒に空を飛ぶ場面の曲。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
自分は1作目で完璧に終わってた派。続編も悪くはないんだけど、あの初飛行の場面で曲が一気に盛り上がるところを超える瞬間は、とうとう最後まで来なかったと思ってる。
12. 名無しのReddit住民
『ライオン・キング』👑 子どもの頃は「かっこいいライオンの冒険」だったのに、自分が親になってから見たら、ヌーの群れのシーンがまるで別物だった。泣くポイントは同じでも、泣き方の種類が変わった。
※ 『ライオン・キング』:1994年のディズニー作品。王の息子シンバが、父ムファサの死と叔父スカーの裏切りを経て、王として故郷に戻るまでを描く。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
豆知識。ラフィキが生まれたばかりのシンバを高く掲げるシーンで、ラフィキのしっぽを見てみて。カットが切り替わるたびに、短いしっぽになったり長いしっぽになったりしてるから。一度気づいたら、もう二度と見逃せなくなる。
14. 名無しのReddit住民
ピクサー作品は大人になってからのほうが刺さる。『トイ・ストーリー』も『ファインディング・ニモ』も『Mr.インクレディブル』もそう。『ウォーリー』なんて前半ほとんどセリフがないのに、ロボットの仕草だけで孤独が伝わってくるのが本当にすごい。
※ 『Mr.インクレディブル』:2004年、ブラッド・バード監督。正体を隠して暮らすことを強いられた元スーパーヒーロー一家の物語。『ウォーリー』:2008年。人類が去ったゴミだらけの地球で、ひとり掃除を続けるロボットが主人公。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
ピクサーで大人がいちばん危ないのは『トイ・ストーリー3』のラストだと思う。大学に進む持ち主がおもちゃを手放す場面は、子どもの頃に1作目を見てた世代にはきつすぎる。自分は完全に崩れ落ちた。
16. 名無しのReddit住民
『トレジャー・プラネット』こそ、ディズニーが作った中で最高の映画だと本気で思ってる。帆船がそのまま宇宙を航海するって絵面の時点で、もう満点なんだよ。
※ 『トレジャー・プラネット』:2002年のディズニー作品。スティーヴンソンの小説『宝島』の舞台を宇宙に置き換えた冒険もので、手描きの絵とCGを組み合わせた映像が特徴。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
「ディズニー史上最高」はさすがに言いすぎだと思う。でも公開当時にまったくヒットしなかったのは本当にもったいない。主人公の少年と、片腕や片目が機械仕掛けの海賊シルバーの、ほとんど父親と息子みたいな関係がすごくいいんだよ。
18. 名無しのReddit住民
80年代の『トランスフォーマー ザ・ムービー』。子どもの頃に見て、みんなのリーダーだったロボットが映画の前半であっさり死ぬのが本気でトラウマだった。大人になって見返すと、あの容赦のなさがむしろたまらない。
※ 『トランスフォーマー ザ・ムービー』:1986年にアメリカで公開されたアニメ映画で、実写版シリーズとは別物。日本版でいう司令官コンボイ(オプティマスプライム)が戦死する展開で知られる。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
「ユー・ガット・ザ・タッチ! ユー・ガット・ザ・パワー!」ってやつね。あの挿入歌が流れた瞬間、80年代の暑苦しいロックが全身に流れ込んでくる。いまだに筋トレのときに聴いてる。20. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
スタースクリームの戴冠式も忘れちゃいけない。自分で王冠をかぶって浮かれてるところに、生まれ変わったボスが乗り込んできて「くだらん茶番だ」の一言で吹き飛ばす。あの流れは何度見ても笑う。
21. 名無しのReddit住民
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』。子どもの頃はジョーカーが怖いだけの映画だったけど、見返したら、バットマンになる前のブルース・ウェインの叶わなかった恋の話だった。ヒーロー映画というより、大人の失恋映画なんだよ。
※ 『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』:1993年のアメリカのアニメ映画。90年代に放送されたアニメシリーズの劇場版。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
終盤、爆発が次々に起きてる中でジョーカーがずっと笑い続けてる場面は次元が違った。怖いはずなのに、どこか寂しさまで感じる。あれを超えるジョーカーにはなかなか出会えない。
23. 名無しのReddit住民
『ノートルダムの鐘』。大人になってから見て「これ本当に子ども向けで通ったのか」とびっくりした。悪役の判事フロローが、ヒロインへの欲望を信仰でごまかしながら、彼女を逆恨みして歌い上げる場面なんて、完全に大人のドラマだよ。『ピノキオ』の、遊んでばかりの子どもたちがロバに変えられていく島も、今見ると普通にホラー。
※ 『ノートルダムの鐘』:1996年のディズニー作品。原作はヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』で、大聖堂の鐘楼に閉じ込められて育った青年カジモドの物語。ディズニーとしては異例なほど重いテーマを扱う。『ピノキオ』は1940年のディズニー作品。
24. 名無しのReddit住民
『となりのトトロ』と『千と千尋の神隠し』、というかジブリ映画はほぼ全部。トトロは大人になってから、お母さんが入院してる家のお父さんの目線で見るようになって、ほのぼのした映画のはずなのに泣けてくる。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
自分は『魔女の宅急便』が大人になってから化けた。キキが急に空を飛べなくなるくだり、子どもの頃は「魔法の調子が悪いのかな」くらいに思ってたけど、あれ完全に仕事のスランプの話じゃん。
26. 名無しのReddit住民
『AKIRA』と『もののけ姫』。あと『獣兵衛忍風帖』も。10代で初めて見たときの衝撃がいまだに抜けなくて、自分の中では今でもあのへんがアニメの頂点なんだよね。何年経っても、画面の情報量に圧倒される。
※ 『AKIRA』:1988年公開、大友克洋監督のSFアニメ。『獣兵衛忍風帖』:1993年公開、川尻善昭監督の時代劇アクション。どちらも海外のアニメファンのあいだで根強い人気を持つ日本の作品。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
そっち系ほど渋くないけど、日本のアニメ映画なら自分の世代は『ミュウツーの逆襲』一択。サトシが石になって、ピカチュウが何度も電撃を浴びせて起こそうとする場面は、今見ても普通に泣く。
28. 名無しのReddit住民
『ニムの秘密』。今なら子ども向けの映画じゃなかったってわかるけど、当時は本当に大好きだった。好きな理由はあの頃と今でまるで違う。同じくらい好きなのが『The Last Unicorn』で、どっちも子どもの頃の自分をちょっとだけ怖がらせてくれた映画。
※ 『ニムの秘密』:1982年のアメリカ映画で、監督はディズニー出身のドン・ブルース。病気の子を抱えた母ネズミが、実験施設から逃げ出した知能の高いネズミたちに助けを求める。『The Last Unicorn』:同じく1982年のアメリカのアニメ映画で、日本での知名度は低い。作画を担当したトップクラフトは、中心スタッフの多くがのちにスタジオジブリに合流したことで知られる。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
同じドン・ブルース監督の『リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸』は、この歳になっても泣く。序盤で主人公の子どもの恐竜がお母さんを失うところ、あれを小さい子に見せる度胸がすごい。あの監督の作品って、子ども向けの顔をして一切手加減しないよね。
※ 『リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸』:1988年のアメリカ映画(原題 The Land Before Time)。母親を亡くした子どもの恐竜リトルフットが、仲間と一緒に緑豊かな谷を目指す。製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカス。
30. 名無しのReddit住民
『ロジャー・ラビット』と『スパイダーマン:スパイダーバース』。公開は30年も離れてるけど、どっちも「こんな映像、見たことない」と本気で思わせてくれた作品。アニメって本当に何でもありなんだなと、大人になってからあらためて教えてもらった気がする。
※ 『ロジャー・ラビット』:1988年、ロバート・ゼメキス監督。実写の俳優とアニメのキャラクターが同じ画面で共演する作品。『スパイダーマン:スパイダーバース』:2018年。コミックのコマ割りや印刷の質感をそのまま動かしたような映像で、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した。
まとめ
挙がった作品を並べてみると、「大人になっても好き」の中身は大きく二つに分かれている。ひとつは、子どもの頃には見えていなかった層が、歳を重ねてから見えるようになった作品だ。『シュレック』のきわどいジョーク、『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』の失恋、トトロのお父さんの心細さ、キキのスランプがこれにあたる。もうひとつは、子ども向けの顔をしながら、死や喪失や欲望をまったく手加減せずに描いていた作品で、『トランスフォーマー ザ・ムービー』や『ニムの秘密』、『ノートルダムの鐘』がここに入る。当時はただ怖かったり悲しかったりした場面が、大人になると「子どもを子ども扱いしなかった作り手の誠実さ」として読み直されているのが面白い。
日本の読者として嬉しいのは、ディズニーやピクサーと肩を並べて、ジブリ作品や『AKIRA』『獣兵衛忍風帖』、さらには『ミュウツーの逆襲』まで自然に名前が出てくるところだろう。作画にのちのジブリの中心スタッフが関わった『The Last Unicorn』のように、意外な形で日本とつながっている作品もある。その一方で、『ニムの秘密』やリトルフットのように、海外では世代の共通体験なのに日本ではほとんど知られていない作品も多い。同じ「子どもの頃に観たアニメ映画」でも、育った国によって思い出の棚の中身はずいぶん違うらしい。皆さんが大人になった今でもつい見返してしまうアニメ映画は何ですか?

コメント
ジジが人語を話せなくなるのと同じ。