「有名なのに、自分にはどうしても刺さらなかった映画」。誰にでも1本くらいあるけど、口に出した瞬間に誰かが本気で怒り出すから普段は黙っている、あの1本。海外の掲示板でその告白大会が始まって、名作扱いされている作品が次々と槍玉に上がった。擁護に回る人も続々出てきて、なかなか気まずい空気になっている。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
アバター。映像は本当にすごい、そこは文句のつけようがない。でも話の方は最後まで一度も面白いと思えなかった。3時間かけて「自然を壊すな」と言われただけ、という感覚が今も残ってる。
※ 『アバター』は2009年公開のジェームズ・キャメロン監督作。青い肌の先住民ナヴィが暮らす惑星を舞台にした3D超大作で、映像技術の話題性が突出していた一方、物語は素朴すぎるという指摘が公開当時からあった。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
あれは映画館のIMAX 3Dで観る体験そのものが商品だったんだよ。家のテレビで観直すと確かに退屈でしかない。でも2009年にあの席に座って口が開いたままになった感動は本物だった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
観終わって覚えてるのが浮いてる山と光る森と青い人だけ、っていうのが全部を物語ってる。誰かにあらすじを説明しようとすると、なぜか急に口が止まるんだよな。
4. 名無しのReddit住民
タイタニック。別に悪い映画じゃないんだよ。普通に良い映画。なのにみんな星から降ってきた贈り物みたいに扱うだろ。あの温度差にずっとついていけないでいる。
※ 『タイタニック』は1997年公開、こちらもジェームズ・キャメロン監督。アカデミー賞11部門を受賞し、当時の世界興行収入記録を塗り替えた。日本でも社会現象級のヒットになった作品。
5. 名無しのReddit住民
ラ・ラ・ランド。歌もダンスも中途半端に感じた。ミュージカルとして見ると物足りないし、恋愛ドラマとして見ると二人ともあまり好きになれない。色がきれいなのは全力で認める。
※ 『ラ・ラ・ランド』は2016年公開、デイミアン・チャゼル監督。ロサンゼルスを舞台に、売れない俳優とジャズピアニストの恋を描いたミュージカル。アカデミー賞授賞式で作品賞の受賞作が読み違えられた騒動でも記憶されている。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
ラストの「もしあの時こうしていたら」の数分だけで自分は元が取れた。あそこで急に別の映画が始まるでしょ。あの落差が刺さるかどうかで、評価が真っ二つに割れる映画だと思ってる。
7. 名無しのReddit住民
子供の頃にフィフティ・シェイズのサントラだけがやたら好きで、大人になってからシリーズを全部観てみたんだ。判断を誤った。3本かけて自分が何を見せられていたのか、今も分かっていない。
※ 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』は2015年公開、E・L・ジェイムズの同名小説を原作とする3部作。原作はもともと『トワイライト』の二次創作として書かれたことでも知られる。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
その大元の『トワイライト』も大概だと思ってる。当時は劇場が悲鳴で埋まってたけど、いま見返すと主役2人がずっと不機嫌そうにしてるだけの映画に見えるんだよな。
※ 『トワイライト〜初恋〜』は2008年公開の吸血鬼ロマンス。ステファニー・メイヤーの小説が原作で、世界的なティーン向けブームを作った。
9. 名無しのReddit住民
ジュラシック・ワールド。恐竜を出せば客が来ると思ってるのが画面から透けて見える。1作目にあった、初めて見る生き物に息を呑む場面がもう一度も来ない。ひたすら走って逃げてるだけ。
※ 『ジュラシック・ワールド』は2015年公開。スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(1993年)から22年ぶりの続編シリーズとして始まり、以降も新作が作られ続けている。
10. 名無しのReddit住民
オッペンハイマー。頭が良くないと理解できない類の映画なんだろうな。自分には無理だった。誰が誰に何を怒っているのか、最後まで整理がつかないまま3時間が終わった。
※ 『オッペンハイマー』は2023年公開、クリストファー・ノーラン監督。原子爆弾開発を主導した物理学者ロバート・オッペンハイマーの伝記で、上映時間は約3時間。アカデミー賞作品賞を受賞している。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
あれは会議室と聴聞会の映画だからね。爆発を期待して劇場に行くと確実に事故る。ただ字幕で追うと登場人物の名前が多すぎて、途中から誰が味方なのか分からなくなるのは本当に分かる。
12. 名無しのReddit住民
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス。途中から何を見せられているのか分からなくなって、そのまま感動しろと言われても困ってしまった。指がソーセージになるあたりで自分は静かに降りたよ。
※ 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は2022年公開。ミシェル・ヨー主演で、コインランドリーを営む女性が並行世界を飛び回るSFコメディ。アカデミー賞7部門を受賞した。
13. 名無しのReddit住民
キル・ビルにどうしても入り込めなかった。最初の数場面がやたら大げさで、笑っていいのか真剣に見ればいいのか分からないまま終わった。わざとやってるのは分かるんだけど、そのわざとらしさが最後まで馴染まなかった。
※ 『キル・ビル』は2003〜2004年公開、クエンティン・タランティーノ監督の2部作。日本のヤクザ映画やアニメへの偏愛を全面に出した復讐劇で、日本ロケや栗山千明の起用でも話題になった。
14. 名無しのReddit住民
アイリッシュマンは見た目からしてきつい。若返り処理をした顔だけ20代なのに、歩き方が完全におじいちゃんなんだよ。話も延々と横道にそれて、3時間半をどこに使ったのか分からない。同じ理由で『ベンジャミン・バトン』も苦手。
※ 『アイリッシュマン』は2019年公開、マーティン・スコセッシ監督のNetflix作品。ロバート・デ・ニーロら高齢の俳優をデジタル処理で若返らせたことが技術面で話題になった。『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)は、老人として生まれて年々若返っていく男を描いたドラマ。
15. 名無しのReddit住民
ダ・ヴィンチ・コード。あれだけの俳優を集めてあの出来だったのが一番腹立たしい。ずっと誰かが誰かに謎解きを説明しているだけで、映像で見せる場面がほとんどないんだよ。
※ 『ダ・ヴィンチ・コード』は2006年公開、ロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演。ダン・ブラウンの世界的ベストセラー小説の映画化で、宗教画に隠された暗号を追うミステリー。
16. 名無しのReddit住民
ヘレディタリー。ホラーはかなり観てる方だけど、これは本当に退屈だった。ホラー系の掲示板では持ち上げられすぎだと思う。トニ・コレットの演技がなかったら、自分は最後まで持たなかった。
※ 『ヘレディタリー/継承』は2018年公開、アリ・アスター監督のデビュー作。ある一族に代々受け継がれるものを扱ったホラーで、母親役トニ・コレットの演技が高く評価された。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
食卓で母親が叫び出す場面だけでも観る価値あると思うけどな。あれを退屈に感じるなら、たぶんホラーというより家族崩壊のドラマとして作られてるからだよ。同じ監督なら『ミッドサマー』の方が合う人は多い。
※ 『ミッドサマー』は2019年公開、同じアリ・アスター監督作。白夜のスウェーデンの村を舞台にした、暗い場面がほとんどない異色のホラー。
18. 名無しのReddit住民
フォレスト・ガンプ。感動作の代表みたいに語られるけど、主人公が何もしていなくても歴史の方から寄ってくる構造に最後まで乗れなかった。周りの人間が順番に不幸になっていくのも、観ていて落ち着かない。
※ 『フォレスト・ガンプ/一期一会』は1994年公開、ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演。走ることだけが得意な男が20世紀後半のアメリカ史の要所に居合わせ続ける物語で、アカデミー賞作品賞を受賞した。
19. 名無しのReddit住民
インターステラー。2回挑戦して2回とも寝た。宇宙ものは好きなはずなのに、終盤の本棚のあたりで毎回きれいに意識が飛ぶ。まあ贅沢な悩みだとは思ってるよ。
※ 『インターステラー』は2014年公開、クリストファー・ノーラン監督。移住先の星を探して宇宙へ向かう父親を描いたSFで、終盤に難解な場面があることでも知られる。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
劇場で観ると音がとにかくデカくて、逆にセリフが聞き取れないんだよ。オルガンが鳴り始めると会話が全部持っていかれる。あれを迫力と取るか事故と取るかで、この映画の評価は割れると思う。
21. 名無しのReddit住民
正直、ノーラン作品は全体的に平凡かそれ以下だと思ってる。『インセプション』は夢を見たことがない人が作った夢の映画だし、『TENET テネット』はうるさいだけ。ただ『メメント』は好きだし、バットマンはあの枠組みの中でよく出来てる。
※ 『インセプション』(2010年)は他人の夢に潜入する犯罪サスペンス、『TENET テネット』(2020年)は時間の逆行を扱ったスパイもの、『メメント』(2000年)は記憶が長く続かない男の物語。いずれもクリストファー・ノーラン監督作。
22. 名無しのReddit住民
毎年アカデミー賞のノミネート作を全部観る恒例行事を姉妹でやってるんだけど、シェイプ・オブ・ウォーターは二人揃って人生で最低の部類だと即決した。作品賞を取ったときは本気で固まったよ。恒例行事をやめるか本気で相談したくらい。
※ 『シェイプ・オブ・ウォーター』は2017年公開、ギレルモ・デル・トロ監督。研究施設に囚われた半魚人と、声を出せない清掃員の女性の恋を描いたファンタジーで、アカデミー賞作品賞を受賞した。
23. 名無しのReddit住民
ゴッドファーザーはとにかく話が進まない。4回挑戦して4回とも最後まで行けなかった。冒頭の結婚式が延々と続くところで毎回落ちる。叩かれるのは覚悟の上で書いてる。
※ 『ゴッドファーザー』は1972年公開、フランシス・フォード・コッポラ監督。イタリア系マフィアの一族を描いた3時間近い大作で、映画史上の最高傑作として名前が挙がることが多い。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
3回目で急に化けるってよく言われるけど、自分は5回目でも化けなかったよ。ただ2作目まで行くと印象がかなり変わるとは思う。1作目は全部あとの伏線みたいなものだからね。
25. 名無しのReddit住民
2001年宇宙の旅。これに関しては議論する気もない。どう説得されても自己陶酔の塊にしか見えない。冒頭で猿が骨を振り回してるあたりで既に眠い。ここまで書くのにも時間を使いすぎた。
※ 『2001年宇宙の旅』は1968年公開、スタンリー・キューブリック監督。人工知能HAL9000が登場する古典SFで、説明的なセリフをほとんど省いた作りが長年にわたって賛否を分けてきた。
26. 名無しのReddit住民
マッドマックス 怒りのデス・ロード。画面で下手な舞台劇をやっている合間にカーチェイスが挟まっているだけに見えた。あるいは順番が逆かもしれない。とにかく2時間、誰の気持ちにも入れないまま終わった。
※ 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は2015年公開、ジョージ・ミラー監督。荒廃した世界を舞台に、ほぼ全編が追跡劇で構成されたアクション映画。アカデミー賞では編集や美術など技術系の6部門を受賞した。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
さすがにそれは無理があるでしょ。あの映画をカーチェイスが挟まってるだけと言うなら、世の中のアクション映画は全部同じ扱いになってしまう。CGに頼らず実際に車をぶつけて撮ってる時点で、もう別の生き物だよ。
28. 名無しのReddit住民
ラブ・アクチュアリー。クリスマスの定番扱いされてるけど、あの映画に出てくる男たち、よく考えると全員行動がおかしいよね。同じ理由で『グリース』も無理。好きな相手に合わせて自分を丸ごと作り替える話を、なぜ毎年名作として流すのか分からない。
※ 『ラブ・アクチュアリー』は2003年公開、リチャード・カーティス監督のクリスマス群像ラブコメ。『グリース』は1978年公開、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョン主演で、1950年代の高校を舞台にしたミュージカル。
29. 名無しのReddit住民
スター・ウォーズはシリーズまるごとダメだった。どれか一本くらい当たるだろうと思って何度か試したけど、毎回どこかで飽きる。この話をすると本気で怒り出す友人がいるから、普段は絶対に黙ってる。
※ 『スター・ウォーズ』は1977年に始まったジョージ・ルーカス発の宇宙叙事詩シリーズ。世代を超えて熱心なファンが多く、日本でも認知度は非常に高い。
30. 名無しのReddit住民
ここまで読んで思ったんだけど、ひどいという言葉の意味がもう完全に消えてるよね。全員が言ってるのは、みんなが好きなのに自分は好きじゃなかった、ただそれだけだよ。
まとめ
挙がった作品を並べていくと、嫌われ方にはいくつか型があるのが見えてくる。ひとつは『アバター』『タイタニック』のように、作品そのものより周囲の絶賛の音量が大きすぎて反発を買うパターン。もうひとつは『オッペンハイマー』『2001年宇宙の旅』『ゴッドファーザー』のように、つまらないというより、観る側に体力と集中力を要求してくるタイプ。そして『シェイプ・オブ・ウォーター』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のように、賞を取ったことで期待値だけが跳ね上がり、その差分が怒りに変わったもの。
面白いのは、叩いている人ほど「映像はすごい」「演技だけは認める」と必ず一言添えているところだ。本当に何もない映画なら、そもそもこういうスレッドに名前すら挙がらない。名前が出るのは、周りが全員褒めているのに自分だけ乗れなかった、あの居心地の悪さを何年経っても覚えているから。最後のコメントが言う通り、ここで語られている「ひどい」の大半は「好きになれなかった」の言い換えでもある。
皆さんにも、周りが名作だと言い張るのにどうしても好きになれなかった1本はありますか?

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