「自分は10点満点をつけてるのに、他人が投げ出すのも分かってしまうゲームは?」というお題に、名作と呼ばれるタイトルが次々と挙がった。並んだのは、遅さ・不親切さ・情報量の多さといった、普通なら欠点として数えられるものを、そのまま長所として抱きしめている人たちの声だった。勧めたいのに勧められない、という妙な熱がスレッド全体に漂っている。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『モロウウィンド』は史上最高のゲームだと思ってる。そのうえで、誰にも勧めない。動作は不安定でガタガタだし、今の環境で起動させるだけでも一苦労だ。しかも自分が愛してる部分は、そのまま他人が楽しめない理由でもある。このゲームはこっちのことを一切気にかけてない。キャラの育て方を間違えて、20レベル分ずっとその辺の泥ガニに叩き殺され続けても知らん顔。次にどこへ行けばいいかも教えてくれない。拾った小物が重要だと知らずに手放して任務が詰んでも放置される。その代わり、こっちが滅茶苦茶をやっても文句を言わない。能力を限界まで盛って神みたいになろうが、住人を殺してその家を自分の陳列棚にしようが、本編を一切進めずに最後の相手へ会いに行こうが、好きにさせてくれる。良くも悪くも、こっちに興味がない。それが最高で、同時にほとんどの人には向いてないんだよ。
※『モロウウィンド』は2002年発売のオープンワールドRPG。『The Elder Scrolls V: Skyrim』の2作前にあたるシリーズ3作目で、地図に目的地の印が出ず、移動も徒歩と船が基本という古い作り。日本語版は発売されていない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
「計り知れない富を、よそ者よ」──この一言だけで全部思い出したよ。あの挨拶を聞きたいがために、わざわざ遠回りして会いに行ってた時期がある。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
ひとつだけ気にかけてる相手がいるぞ。ヴィヴェクを殺したときだけは、このままでは物語が続けられないと画面が警告してきた。逆に言えば、それ以外は本当に何をやっても黙って見てるだけなんだよな。
※「計り知れない富を、よそ者よ」は作中の名物商人が客に投げかける決まり文句。持ち物を高値で買い取ってくれる相手として有名で、ファンの間では合言葉のように使われている。ヴィヴェクは作中で神として崇められている人物で、本編に不可欠な人物を殺すと「予言の糸が断ち切られた」という警告が出る。それでも世界を歩き回ること自体は止められない。
4. 名無しのReddit住民
このゲームで一番好きなのは、地図にアイコンが刺さらないところ。目的地は住人が口頭で説明してくれるんだ。橋を渡って北の道を進んで、キノコの塔が見えたら左、みたいに。今のゲームにもせめて選べる形で残してほしい。最近のアサシン クリードがそれに近いことを試してるけど、自分の足で迷ってる感じまでは出てないと思う。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
その感覚が好きなら『キングダムカム・デリバランス2』が近いよ。道を人に聞いて、日が暮れる前に隣村へ着けるか計算して、着いたら寝床を探す。手取り足取りやってくれないぶん、街道の形を自分の頭で覚えていくことになる。ただし、これも合わない人にとってはひたすら不便なだけだと思う。
※2025年発売。15世紀のボヘミア(現在のチェコ)を舞台にした、魔法も怪物も出てこない中世RPG。腹が減れば思うように戦えず、服が汚れていれば門前払いされるなど、生活の再現に振り切っているのが特徴。
6. 名無しのReddit住民
『マスエフェクト』の1作目。今遊ぶと古さは隠しようがないし、特に戦闘はもっさりしてる。それでもあの宇宙の空気と音楽と物語だけは、いまだに自分の中で一番なんだ。
※2007年に海外で発売されたSF RPG三部作の1作目。さまざまな異星人を仲間に迎えて銀河を旅する構成で、プレイヤーの選択が続編にも引き継がれる仕組みが当時話題になった。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
シリーズは7周以上してるくらい好きなんだけど、1作目の操作感は正直きついし、画面も直視するのがつらい。それでもレックスとガラスに会えるなら全部我慢できる。8. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
2は昔に、3は発売当時にPS3で遊んだけど、1だけ触ってなかった。復刻版が出たから順番に通してみたんだ。1は確かに古くて、探査車で荒れ地を延々走らされる任務で一度心が折れた。でも話の続きが気になって戻ったら、いつの間にか古さが気にならなくなってた。むしろ通しで遊ぶと、2も3も1ほど作り込まれてない。最初は移動が面倒だと思ってた巨大な宇宙ステーションが、2では1フロアだけ、3ではただの通路に縮んでいて、あの細かさが恋しくなったよ。
※レックスとガラスはどちらも1作目から一緒に戦う人気の仲間。荒っぽい歴戦の傭兵と、生真面目で不器用な元捜査官という組み合わせ。復刻版は2021年発売の『Mass Effect レジェンダリーエディション』で、三部作を1本にまとめ、1作目の戦闘や操作を後の作品に近づける手直しが入っている。
9. 名無しのReddit住民
『デス・ストランディング』は1も2も満点。ただ、道を整えて荷物を届けるだけのゲームが刺さらない人がいるのは、まったくもって理解できる。
※2019年発売。人と人が分断された世界で、配達人として荷物を背負い、崖や川を越えて運ぶ。他のプレイヤーが置いた橋やはしごが自分の世界にも現れる仕掛けで知られている。続編は2025年に出た。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
はしごを1本置いただけで、見事な采配を決めたみたいな気分になれる唯一のゲームだと思う。あの手応えを味わったことがない人には、たぶん一生説明できない。11. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
自分は40時間くらいで降りた。荷物のバランスを取りながら坂を下りるのが上手くなっていく感覚は分かるんだよ。それでも最後まで、荷物運びは荷物運びのままだった。周りの熱の入り方を見てると、自分にだけ受信機が付いてないんだろうなと思ってる。
12. 名無しのReddit住民
『Outer Wilds』。自分にとっては人生が変わった体験だった。ただ、何をすればいいのか分からないまま迷子になって、退屈だと感じたまま終わる人が出るのも分かる。
※2019年発売の宇宙探索アドベンチャー。22分で太陽系が滅び、また目覚めた場所からやり直しになる時間のループを繰り返しながら、滅びた文明の痕跡を自力で読み解いていく。強くなる要素がなく、進行の鍵はプレイヤー自身が得た知識だけという作り。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
最高の20分間だったよ。太陽が膨らんでいくのを口を開けて眺めて、そこで力尽きた人はけっこういると思う。14. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
紙の上では自分にぴったりのゲームなんだ。でも隅から隅まで調べないと気が済まないたちで、地図の枝を一本ずつ潰してるうちに毎回ループが終わる。ようやく何か分かりかけた頃には疲れ切っていて、そのまま戻らなくなった。知り合いには、あの無重力の挙動と3Dの移動で酔ってしまって無理だった人も2人いる。
15. 名無しのReddit住民
『ディスコ エリジウム』。わざと不愉快に、わざと楽しくないように作ってある。自分の中の思考が勝手に喋りかけてきて、そのたびに自己嫌悪が積み上がっていく。それで10点満点だよ。
※2019年発売のRPG。記憶を失った中年の刑事となって聞き込みを進める。戦闘はほとんどなく、判定は会話と技能で行われる。プレイヤーの中にある24種類の人格が横から口を挟んでくるのが最大の特徴で、日本語版は2022年に出ている。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
とにかく読む量が多くて、いわゆるゲームらしい手応えがほとんどない。だから合わない人がいるのは当然だと思う。自分は最高だったけど、人に勧めるときは「分厚い小説を読む体力ある?」と先に確認するようにしてる。
17. 名無しのReddit住民
『エルデンリング』。『ダークソウル』と『Bloodborne』で積み上げてきたものが、全部まとめて注ぎ込まれてる。ただ、難しいゲームや説明してくれない物語が苦手な人に楽しめないのは当たり前で、それでいいと思う。今回は新しい人にも入りやすくしようと頑張った形跡があるけどね。
18. 名無しのReddit住民
『ダークソウル』。ほぼ完璧なゲームだと思ってるけど、心構えも下調べもなしに入ると、目の前にそびえる山みたいなものだよ。理不尽に感じる瞬間はあるし、実際に何度も心が折れる。それでも大半の場面は、覚えれば必ず越えられるようにできてる。問題は、誰にも聞かず、地面に落ちてる他人の書き置きも読まずに、初めての人があの仕掛けに気づけるとは到底思えないところ。良さなら何時間でも語れる自信があるけど、途中でやめて二度と戻らない人の気持ちも同じくらい分かる。
※2011年発売。死んで覚え、少しずつ前に進む作りで、のちに「ソウルライク」と呼ばれる一群の出発点になった作品。世界に散らばる断片から物語を推測させる語り口も特徴。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
『Bloodborne』も同じ枠だな。芸術品としては本物だと思ってる。でも、あの手の難しさが誰にでも向いてるとは思わないよ。
※2015年にPS4で発売。ゴシックホラー調の街を舞台に、盾を捨てて前に出るほど有利になる攻めの戦闘へ振り切った作りで知られる。
20. 名無しのReddit住民
『レッド・デッド・リデンプション2』。とにかく遅い。そして、その遅さこそがこのゲームの中身なんだ。だから合わない人がいるのも当然だと思ってる。歩くこと自体が遊びになってるゲームが、万人に好かれるはずがないんだよ。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
擁護できないのは操作系だけだな。物を拾うのに5種類くらいボタンを使い分けるし、馬に乗りながら撃つのは指の体操だよ。最初の1時間半のチュートリアルで脱落する人が多いのも知ってる。個人的にはあの区間も十分面白いと思ってるんだけど、そこを越えられない人がいるのは事実だ。
22. 名無しのReddit住民
『ペルソナ5』。アニメ的なノリとターン制の戦闘は、誰にでも合うものじゃない。学校に通って友人と過ごす日常の部分が半分近くを占めるから、迷宮に潜りたいだけの人には長く感じるはず。自分はあの生活感ごと好きなんだけどね。
23. 名無しのReddit住民
『NieR:Automata』。何人かに買ってあげたんだけど、みんな2時間くらい遊んで置いていった。9年間ずっと「そのうち終わらせるから」と言われ続けてるよ。損してるのはそっちだ。
※2017年発売。一周終わってからが本番と言われる構成で、視点も遊び方も変えながら同じ時間を何度もなぞることで、ようやく全体像が見えてくる。序盤だけで判断されやすいのはそのため。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
『大神』も同じ立ち位置だと思う。傑作なのは間違いないけど、もう20年近く前の作品で、触ればさすがに古さは出る。『スーパーマリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』みたいに、いつ触っても古びない手触りの作品ばかりじゃないんだよな。
※『大神』は2006年発売。墨で描いたような画面の中で、筆を走らせて風を起こしたり枯れ木を咲かせたりしながら進む和風の冒険もの。
25. 名無しのReddit住民
『ミラーズエッジ』。評価が割れる理由も、嫌われる理由も分かるよ。一人称で走り続ける高難度のアクションで、リズムゲームみたいに一瞬ごとへ没入することを要求してくる。跳ぶ間合いを合わせて、難しい動きを繋げて、高速で流れる景色から一瞬で判断する。戦闘は倒すためじゃなく避けるためにあって、失敗できる幅がとにかく狭い。おかげでフェイスの骨が地面で砕ける音にはやたら詳しくなった。物語は単純だけど、単純だから悪いとは思わない。
※2008年発売。監視された街の屋根の上を走り、情報を運ぶ運び屋が主人公。フェイスはその主人公の名前。自分の手足が見える一人称視点で、ビルの間を跳び回るのが売りになっている。
26. 名無しのReddit住民
『Stardew Valley』は完全に中毒性の塊なんだけど、あの絵柄と、毎日同じことを繰り返す作りが肌に合わない人がいるのは分かる。作物に水をやって、鉱山に潜って、寝る。それを延々と繰り返して何が面白いんだと言われたら、こっちに返す言葉はない。
※2016年発売。ひとりの開発者が数年かけて作り上げた農場ゲーム。畑仕事だけでなく、村人との付き合いや洞窟の探索も含めて、田舎での生活まるごとを遊びにしている。
27. 名無しのReddit住民
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』。物をくっつけて乗り物を作る遊びが刺さるかどうかで、体験が真っ二つに割れると思う。自分で無茶な機械を組み立てて笑える人には天国だけど、正解の道具を渡して先へ進ませてほしい人には、毎回工作を押しつけられてるように感じるはず。
28. 名無しのReddit住民
『Kerbal Space Program』はゲームというより、理系の趣味そのものだよ。ロケットが飛ばないたびに、なぜ飛ばないのかを自分の頭で考える羽目になる。それを楽しいと感じる人と、宿題を出されたと感じる人とで、綺麗に真っ二つになる。
※小さな宇宙人たちのために自分でロケットを設計し、打ち上げて軌道に乗せる作品。燃料の量や重心の取り方がそのまま結果に出るため、遊んでいるうちに軌道力学の基礎を覚えてしまうと言われている。
29. 名無しのReddit住民
『Path of Exile』。ここまで育て方をいじり倒せるゲームは他にないと思ってる。あの巨大な盤面を眺めて、どこにどう線を伸ばすかを風呂の中でも考えてる。ほとんどの人には多すぎるのも分かってるよ。ただ、これくらい計算させてくれないと退屈で持たない人間も一定数いるんだ。『Warframe』が情報量で人を弾いてるのも、たぶん同じ理屈だと思う。
※どちらも基本無料で遊べるオンライン作品。前者は膨大な数の技能を線でつないで自分だけの育成を組み立てる仕組み、後者は忍者のような機体を乗り換えて戦うアクションで、覚える用語と要素がとにかく多い。
30. 名無しのReddit住民
このスレ、結局ほとんど誰も嫌ってない絶賛タイトルの発表会になってないか。挙がってる作品はどれも、名作としてとっくに合意が取れてるやつばかりだよ。本当に人を選ぶゲームの話が読みたかったんだけどな。
まとめ
挙がった名前を並べてみると、嫌われる理由はだいたい三つに分かれる。ひとつは『マスエフェクト』や『大神』のように、当時は最先端だった手触りが年月に追い抜かれてしまった型。もうひとつは『デス・ストランディング』や『レッド・デッド・リデンプション2』、そして『モロウウィンド』のように、遅さや不便さそのものが遊びの中身になっている型。最後が『ダークソウル』や『Path of Exile』のように、覚えることの量が最初の壁として立ちはだかる型だ。面白いのは、どの型でも本人が欠点を正確に把握していること。誰も自分の推し作品を完璧だとは言っていなくて、傷ごと引き受けたうえで満点をつけている。10点満点というのは、欠点がないという意味ではなく、その欠点も含めて自分の側にあると決めた作品に贈られる点数なのだと思う。皆さんが「最高だけど人には勧めない」と思っているゲームは何ですか?

コメント
ちょっと趣旨とズレるけど、F2Pは「民度が~」で環境や人を選ぶことが多い