「元ホームレスの人に聞きたい。夜、安全に眠れた場所はどこだった?」——この問いに集まったのは、街の地図を頭の中で書き換えてしまうような、やけに具体的な答えだった。倉庫の裏の隙間、日没後の墓地、大通りの中央分離帯、24時間営業のコインランドリーの一番奥。誰かにとっては何でもない場所が、別の誰かにとっては一晩を越えるための場所だった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
トランクルームの会社の建物の裏と、市の壁とのあいだに、誰も使ってない隙間があった。手前が雑草だらけだったから、その裏側だけ刈って寝床にしてた。外からは絶対に見えないし、何かあれば反対側に抜けられる。
そのあと名義の無い車を手に入れた。携帯の契約と現金を交換したんだ。でも正直に言うと、車のほうが安心できなかった。一度、中で寝てるあいだにレッカーで持っていかれたことがある。
シェルターも安全は安全だったけど、街から遠すぎたし、登録が切れてる車は敷地に停めさせてもらえなかった。だから結局あまり行かなかった。
※ 米国では車にナンバー登録と定期検査が義務づけられていて、切れている車は停めているだけで摘発の対象になる。私有地に無断で停めた車は土地所有者の依頼でレッカー業者に持っていかれる。シェルターは行政やNPOが運営する緊急一時宿泊施設のこと。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
雑草の裏より車のほうが安心できないっていうの、言われてみると本当にそうなんだよな。しかも寝てる最中にレッカーされるって、もう別次元のきつさだろ。
3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
警察と一切関わりたくない立場の人間にとって、公道に停めた車とか、閉店後の店の駐車場ほど危ない場所はないよ。登録切れ、検査切れ、見るからにボロい、免許が無い——どれか一つでも当てはまったら一発で終わる。しかも場所によっては、公共の場所に用も無く一定時間いるだけで条例違反になる。だいたい20分から2時間くらいが目安だと聞いた。
※ 米国の多くの自治体には、公共の場に長時間留まることを禁じる条例がある。私有地であれば不法侵入として通報でき、一度警告を受けた人が再び立ち入ると逮捕の対象になる仕組み。
4. 名無しのReddit住民
人生が一番きつかった時期に使ってた場所をいくつか挙げる。
・大学の図書館。リュックを枕にして、両脇に本を積んで、机の上にノートを開いておく。閉館時間まで誰にも声をかけられなかった。
・日没後の市営墓地。ほとんどの場所は夜の見回りが無いし、木が多いから下で寝てても見えない。暗くなってから来るのは肝試しの若者と酔っ払いくらい。
・片道6時間かかる路線バスの、端から端まで。一番後ろの席に座って丸まって、着くまで意識を飛ばす。他のどこよりも安全でもあった。
もう何年も前の話で、今はあれをやらなくていいことに毎朝感謝してる。できる範囲で、昔の自分と同じ場所にいる人に食べ物や日用品を渡したり、シャワーと洗濯を使わせたりしてる。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
墓地は本当に鉄板だと思う。特に古い墓地は見回りが来ないし、そもそも夜に人が来る理由が無いんだよね。自分もずっとそこだった。誰にも邪魔されなかった。
6. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
うちの店のすぐ近くにシェルターがあるんだ。うちは元が法律事務所だった築100年くらいの一軒家で、まったく使ってないシャワーが2つある。あれを使ってもらえたら助かる人がいるよなって毎回思うんだけど、店の中に入れることで住み着かれたり、あとで忍び込まれたりしないかが怖くて言い出せない。結局、たまに食べ物と、洗ってある靴下や下着や服を持っていくだけになってる。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
前に共用のバスルームがある家に住んでたことがあるんだけど、住人の一人が路上生活の友達にシャワーを使わせてた。結果、風呂場は毎回めちゃくちゃにされるし、置いてたシャンプーは無くなるしで最悪だった。優しさが必ず報われるわけじゃない、っていうのは残念だけど事実だよ。
8. 名無しのReddit住民
女から女への話として書く。可能なら都市部は避けたほうがいい。あそこは安全じゃない。24時間営業のジム、図書館、あとは郊外の静かな住宅街を探すこと。叫べば誰かに聞こえる程度には人がいて、でも野宿してることには気づかれない場所。とにかく透明になること。それと、路上のコミュニティは信用しないほうがいい。女にとっては危険だし、こっちを一緒に引きずり下ろそうとする人間も多い。二か月のあいだ、私を救ったのは車だった。ただし停めるのは必ず静かな住宅街。
※ 米国の24時間営業のジムは月額数十ドルの安価なチェーンが多く、シャワーとロッカーが使える。会員になってシャワーだけ借りる、という使い方をする人が実際にいる。
9. 名無しのReddit住民
病院の待合室。あそこに座ってる人間には何か理由があるはずだと、みんなが勝手に思ってくれる。深夜でも明るいし、椅子もある。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
病院の警備を数年やってた側から言うと、それは病院によるとしか言えないな。受付を通してない人がただ座ってたり寝てたりしたら、うちは声をかけて外まで送り出してた。常連の人が一人いて、毎回そのまま逮捕されてたよ。あの人にとっては、それが一番手っ取り早く寝床と食事にありつく方法だったんだと思う。
11. 名無しのReddit住民
オフィスパークだね。街のどっち側にいるかで使い分けられるように、4か所キープしてた。働いてる人は18時にはいなくなって、戻ってくるのは朝の6時か7時。その頃には自分はとっくに消えてる。怖いくらい静かで、平和だった。
※ オフィスパークは郊外にオフィス棟や倉庫がまとめて建てられた区画のこと。日中は人がいるが、夜間はほぼ無人になる。
12. 名無しのReddit住民
24時間営業のコインランドリー、乾燥機側の一番奥の角。23時を過ぎてから入って、荷物はベンチの下に押し込んで、パーカーを丸めて枕にする。機械の音が物音を全部かき消してくれるんだ。ただ、清掃の人が早く来た日はすぐ出ないといけない。
※ 米国のコインランドリーは自宅に洗濯機が無い層向けの生活インフラで、24時間営業の店も多い。深夜に人がいること自体が不自然にならない場所。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
自分はホームレスじゃないんだけど、大雪で電車もバスも止まって帰れなくなったことが二回あって、そのときは銀行のATMコーナーで寝た。暖房が効いてるし、夜でも鍵がかかってなかったからね。ただ今はどこも夜間は施錠して、ATMだけ外に出してる。人に寝られたくないんだよ。
14. 名無しのReddit住民
知り合いがシェルターでボランティアをしてて、そこで泊まってた男性から聞いたことがあるんだ。一番きついのは、自分がいていい場所がどこにも無いことなんだって。どこにいても、出て行けと言われうる。それだけの言葉なのに、ずっと頭から離れない。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
本当にそう。前に大手のサンドイッチ屋で、10ドルのギフトカードを持った女性が入ってきたのを見たことがある。見た目でホームレスだと分かった途端、店員はそのカードを使わせなかったし、トイレも貸さなかった。彼女はすごく取り乱してたし、私が横から言っても聞いてもらえなかった。あれは本当にひどかった。
16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
分かる。自分がホームレスだった頃、一番よく警察を呼ばれたのはスーパーの駐車場だった。その店で買った物を、自分の車の中で食べてただけなんだけどね。
17. 名無しのReddit住民
ドーナツ屋の屋根の上。夜勤の店員は自分がそこにいるのを知ってたけど、一度も何も言わなかった。おかげで今でもドーナツが食べられない。
大学の校舎の屋上でも寝てたんだけど、あそこは上がれることを知ってる学生が多くて、週末の夜はちょくちょく来客があった。翌日仕事なのに、屋上の反対側で美大生がキマってるのは本当にきつい。
ちなみに砂漠の街だったから、雨の心配はほとんど無かった。
18. 名無しのReddit住民
意外だけど、一番良かったのは繁華街の大通りの真ん中にある中央分離帯だった。植え込みに囲まれた小さな芝生で、彫像か何かが置いてある公園みたいなところ。何車線もの車道に挟まれてて、昼間はうるさすぎて誰も座りに来ない。だから結果的に、誰も来ないんだ。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
イギリスだと高速の出入口にでかいラウンドアバウトがあって、真ん中の島が木でびっしり覆われてることがある。片側が環状路で反対側が高速だから、そもそも歩いて入れない。あそこなら誰にも気づかれずに済むだろうなって、通るたびに思ってる。
※ ラウンドアバウトは信号のない環状交差点。英国では高速道路の出入口にも大型のものがあり、中央の島に林や草地がそのまま残っていることがある。
20. 名無しのReddit住民
学校、それと幼稚園。本気で言ってる。オーストラリアの学校は北米やヨーロッパみたいに全部が一つの建物に収まってなくて、棟がバラバラに建ってることが多いから、人目につかない場所が必ずある。22時頃に入って、朝の5時か6時、清掃の人が来る前に出る。
あとは公園、集会所の軒下、教会の裏。住宅街は高級なところほど都合がいい。
建設中の家も使えるけど、朝早くから職人が来るからリスクは高め。
住宅街に近い藪にテントを張るのもあり。ちょっと奥に入るだけでいい。30〜40メートルも進めば十分見えなくなる。
教会の裏では何度か人に見つかったけど、そのままにしてくれたし、いてもいいけど朝出るときは散らかさないでね、と直接言ってくれた人もいた。あれには救われた。
数年、路上で生活してて、こうやってしのいでた。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
読んでて思ったんだけど、そこに挙がってる場所ってどれも、誤解されやすい場所でもあるよね。幼稚園の近くで見かけられたら、それだけで通報される可能性がある。でも本人にとってはそこが一番安全に眠れる場所なわけで。どうすればいいんだろうな、これ。
22. 名無しのReddit住民
公園の滑り台。ただし筒状のやつ。寝袋にくるまって中で寝てた。雨風も人の視線も遮れる。ただ子供の場所だから見回りも目も厳しくて、長居はできない。自分もまだ子供だったから、見つかっても大目に見てもらえたんだと思う。
シャワーを浴びるためだけに、朝一番の筋トレの授業を選択科目に入れてた。そのあと普通に授業に出る。たぶん察してた先生がいて、自習の時間に自分の机の後ろで寝かせてくれたこともある。夕飯は友達の家で家族と一緒に食べさせてもらって、あの家の人たちも気づいてたと思う。暗くなってから線路づたいに公園まで戻って、滑り台で寝て、翌日また同じことをする。
週末が一番きつかった。授業が無いから時間が余る。だいたいショッピングモールで潰してたけど遠くてね。耐えられない暑さの日以外は、図書館で宿題をするか、座って本を読んでた。
23. 名無しのReddit住民
大学の最終学年、教科書代を捻出するために、荷台にカバーを付けたピックアップトラックで暮らすことを自分で選んだ。中西部の大学でね。暖房は無し。寝袋と厚い毛布だけ。寒い夜は華氏で0度を下回った。卒業した今でも、あの学位のために払った代償をよく思い出す。やって良かったとは思ってる。でも人には勧めない。冬は本当に地獄だった。
※ 華氏0度は摂氏マイナス18度前後。米国中西部の冬はこれを下回る夜が珍しくない。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
自分も最終学年でまったく同じことをやった。卒業後にオーストラリアをバックパックで回る金を貯めたくてね。フロリダだったから寒さの心配は無かったけど、8月と9月は地獄だった。ただ成績は大学生活で一番良かったし、友達と過ごす時間も増えて、正直けっこう楽しかった。試験前に煮詰まった夜、そのままビーチまで運転して行って野宿したこともある。もう一回やれと言われたら断るけどね。
25. 名無しのReddit住民
教えない。また戻ることになったら困るから。
ただ本音を言うと、安全なんてただの思い込みだよ。道路からは絶対に見えない完璧な野営地を作ったとしても、暖を取ろうとした火が原因でそのまま焼け死ぬことだってある。
あと水位には本当に気をつけたほうがいい。一度、ここは絶対に安全だと思って寝た夜、寝袋に水が当たる感触で目が覚めた。あれは本気で怖かった。疲れ切ってて、本当に安全だと信じ込んでたんだ。
今はもう路上じゃない。あの頃を思い出すと今でも背筋が寒くなる。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
路上にいた頃からずっと不思議だったんだけど、なんでみんなあんなに水の近くで寝るんだろう。危ないし、虫もひどいし、いいことが一つも無い気がするんだよな。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
信じてほしいんだけど、あの夜の自分は本当に判断を間違えたんだ。道路沿いにはたいてい土を支えるコンクリートの構造物があって、あれが風と視線を遮ってくれるし、地面が見えるから安心して足を伸ばせる。ただ、水がどこから来てどこまで上がるかだけは読み違える。土砂降りから逃げたい一心で、数メートル先まで見通せる場所ならもうどこでもいい、みたいな状態になるんだよ。結果、上からも下からも水が来た。
さっき水が一番危険だと言ったけど、訂正する。外で暮らすなら、一番危険なのは水じゃなくて人だ。
28. 名無しのReddit住民
安全っていうのはあくまで相対的な話だけどね。橋は良かったよ。高架の下じゃなくて、橋の中。ああいう構造物は内部に空洞があって、入れる場所があるんだ。風も雨も完全に防げる。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
こっちじゃ無理だな。橋の中はもう縄張りが決まってて、近づいただけで刃物を出される。同じ工夫が、街が違うだけで通用しなくなるのがこの生活のしんどいところだよ。
30. 名無しのReddit住民
自分の場合は、前に住んでたアパートの駐車場に停めた車の中と、友達の家。しかも停めてたのは元隣人の部屋のすぐ前。運が良かっただけだと思ってる。車がやたら大きくて中が広かったことと、あの時期に友達がいてくれたこと。
あとになって思ったのは、人に助けてもらえるかどうかを分けたのは清潔さだったってこと。臭うようになった時点で、ソファを貸してくれる人はいなくなる。だから友達の家でシャワーを借りて、毎日か一日おきには必ず浴びてた。車の中でも歯は磨いたし、フロスも一日一回はやった。甘い炭酸も飲まない。車のゴミは毎日出す。同じ服は最長でも二日まで。洗濯はコインランドリーか誰かの家で。あと、車の中で動物は飼わなかった。
今は普通に部屋を借りて暮らしてる。それでもこの習慣だけは抜けないままだよ。
まとめ
挙がった場所を並べていくと、共通しているのは「誰かの生活動線からほんの少しだけ外れているのに、人の気配は完全には消えていない」という条件だった。倉庫の裏の隙間、夜の墓地、大通りの中央分離帯、18時に無人になるオフィス街、機械の音が絶えないコインランドリー。どれも人が来ない場所ではなく、その時間帯だけ人が来ない場所だ。完全な無人地帯は水や火や虫といった自然の危険が跳ね上がり、人の多い場所は通報と職務質問のリスクが上がる。そのちょうど中間にある細い帯を、経験だけで探り当てているのが分かる。
もう一つ通底していたのが、自分がいていい場所がどこにも無い、という言葉だった。米国の多くの街には公共の場に長時間留まることを禁じる条例があり、私有地なら不法侵入として通報できる。つまり、合法的に横になれる場所が制度の上でほとんど存在しない。ベンチの真ん中に手すりを付ける、銀行のATMコーナーを夜間だけ施錠する——街のあちこちにある小さな設計変更が、実はこの問題の裏返しだったことに気づかされる。
そして、語られた工夫の多くは隠れる技術ではなく、不自然に見えない技術だった。図書館で机にノートを開いておく。病院の待合室で理由がありそうに座る。深夜のコインランドリーで洗濯待ちの客に見えるようにする。清潔を保って、人に頼れる状態を維持しておく。安全は場所そのものの性質ではなく、その場に溶け込めているかどうかだった、ということなのだと思う。
皆さんは、いつも通っている道のどこかに、こういう「その時間だけ誰も来ない場所」があると思いますか?

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