大好きな映画ほど、一度気づいてしまうと二度と元に戻れない穴がある。海外の掲示板で「有名な映画で思いつく最大の設定の穴は?」と聞いたところ、鋭い指摘と「いやそれは作中で説明されてる」の反撃が入り混じった、愛のある粗探し大会になっていた。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
サンタが出てくる映画って、だいたい親のほうはサンタの存在を信じてないし知らない設定なんだよ。なのに朝起きたら自分が買った覚えのないプレゼントがツリーの下に積まれてて、世界中の親が誰ひとり騒がない。あそこが一番の謎だと思ってる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
だからこそ『ジングル・オール・ザ・ウェイ』は色褪せない傑作なんだよ。あの映画の父親だけは、自分の手で買えなかったら子どものクリスマスが終わるという現実をちゃんと分かってる。
※『ジングル・オール・ザ・ウェイ』は1996年のクリスマスコメディ。シュワルツェネッガー演じる父親が、売り切れた人気玩具を求めてイブの街を走り回る。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
サンタの魔法で「自分たちで買った」と親が思い込むようになってる、で自分は納得してる。大人にまで信じられたら居場所を突き止められてクリスマスが終わるから、記憶のほうを上書きしてるわけだ。むしろ、悪い子リストに載ってる金持ちが本物のサンタを目撃してしまって、一生かけて工房を探し続ける映画が観たい。
4. 名無しのReddit住民
『ダークナイト ライジング』でブルース・ウェインが一夜にして破産するくだり。証券取引所が武装した連中に占拠されてる真っ最中に通された取引が、そのまま有効になるわけないだろ。
※『ダークナイト ライジング』は2012年公開、クリストファー・ノーラン監督のバットマン三部作の完結編。ベインという敵がゴッサム市を丸ごと占拠する。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
同じ映画で、ゴードン本部長が市内の警官を全員まとめて下水道に潜らせる作戦もひどい。ベインはなぜ警察がその馬鹿げた手を打つと分かってたのか、どの入口を塞げば閉じ込められると分かってたのか。しかも3ヶ月も地下にいた警官が全員ヒゲを剃りたてで出てくる。上から食料を降ろせるなら、そのロープを登ればよかったのでは。
6. 名無しのReddit住民
『アントマン』は作中でわざわざ「縮んでも質量は変わらない」と説明してくれる。だから小さいままでも大人一人分の力で殴れる、と。なのにパソコンの内部を走り回っても基板は無事だし、悪役は縮めた戦車を小物みたいにぶら下げて持ち歩いてる。理屈を口に出した分だけ矛盾が目立つパターン。
※『アントマン』は2015年のマーベル映画。特殊なスーツで体を蟻サイズまで縮められるヒーローが主人公。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
自分がもっと引っかかるのは続編で巨大化するほう。同じ理屈なら、ビルより大きくなっても中身は90キロの人間のままなんだから、強い風が吹いただけでよろけるはずなんだよ。車を踏み潰したら自分の足のほうが痛い。
※続編は2018年の『アントマン&ワスプ』。主人公が街と同じくらいの大きさになる場面がある。
8. 名無しのReddit住民
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は穴だらけだけど、自分の脳が止まったのは例の古代の短剣。刃のギザギザの形がデス・スターの残骸のシルエットと一致するから、そこに当てて覗けば目的の場所が分かる、というやつ。
※2019年公開、スター・ウォーズ続三部作の完結編。デス・スターは旧作に登場する球形の巨大要塞で、破壊された残骸が海に沈んでいる。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
その「古代の」短剣、定義上は彼らの宇宙船よりもドロイドよりも新しいんだよな。自分たちが立ち会った出来事の結果と同じ形をしてるんだから。刻まれた文字を読ませるためだけに相棒の記憶を丸ごと消すのも解せない。光速を超えて飛べる世界に、カメラも拓本も無いのか。極めつけは「なぜかパルパティーンが帰ってきた」で片づけたところだよ。
※パルパティーンは旧作で倒されたはずの皇帝。復活の経緯を劇中の台詞ほぼ一行で済ませたことが、公開当時から語り草になっている。相棒のドロイドは記憶を消さないと禁じられた文字を訳せない設定。
10. 名無しのReddit住民
ルークが「スカイウォーカー」の姓を名乗ったままタトゥイーンで暮らしてたのが一番おかしい。帝国が本気で探していたなら、名簿をひと当たりするだけで終わってた話じゃないか。隠れる気が全然ない。
※『スター・ウォーズ』旧三部作の主人公ルークは、砂漠の惑星タトゥイーンで叔父夫婦に育てられる。父親は帝国の中枢にいるダース・ベイダー。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
砂が嫌いだから近寄らなかっただけだよ。ザラザラしてどこにでも入り込んでくる、ってあれだけ本人が力説してたんだから、あの星だけは調べたくなかったんだ。
※新三部作で、後にダース・ベイダーとなるアナキンが砂の悪口を延々と語る場面があり、ファンの定番ネタになっている。
12. 名無しのReddit住民
ジェダイ寺院に専属のカウンセラーが一人でもいれば、あの銀河で失われた命の何割かは助かってた。恐れるな、怒るな、執着するなと言い続ける組織なのに、相談する窓口だけがどこにも無い。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
いや、ヨーダがいただろ。カウンセラーとして壊滅的に向いてなかっただけで。母親を助けたいと悩んでる若者に「恐れは怒りに、怒りは憎しみに繋がる」と返すのは、面談の受け答えとしては最悪の部類だと思う。
14. 名無しのReddit住民
『ラマになった王様』で、イズマとクロンクがなぜかクスコたちより先に王宮へ戻ってるところ。あとから同じ道を追いかけてたはずなんだよ。しかも本人たちが画面のこっちを見て「どう考えても筋が通らないな」と認めたうえで、何も解決せずに話が進む。あれで許してしまう自分も悪い。
※2000年のディズニーアニメ。わがままな皇帝クスコがラマの姿に変えられ、農夫パチャと王宮を目指す。イズマは彼の座を狙う側近、クロンクはその部下。
15. 名無しのReddit住民
子どもと『スクール・オブ・ロック』を観ていて引っかかった。主人公は友人になりすまして教師になり、保護者に無断で生徒を学校の外へ連れ出し、学校からは給料まで受け取ってる。警察が来てギターを抱えて廊下を逃げるカットの次はもう自宅で寝る支度をしてて、そこから先は法的な話が一切出てこない。
※2003年のコメディ。売れないロック好きの男が、友人の名を騙って名門私立校の臨時教師になり、生徒とバンドを組む。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
穴というより文句なんだけど、あの街をあげてのバンド大会、どう見ても平日の昼前後にやってるよね。出場者も客も全員、仕事と学校はどうしたんだ。
17. 名無しのReddit住民
『インサイド・ヘッド』で、ヨロコビとカナシミはなぜ司令部へ大事な記憶を送り返さなかったのか。記憶の棚のボタンを押せばガムのCMソングが司令部まで届く仕組みを、映画のほうがわざわざ何度も見せてくるんだよ。あれを使えば数十秒で終わる旅だった。
※2015年のピクサー作品。11歳の少女の頭の中で、ヨロコビやカナシミといった感情のキャラクターが働いている。
18. 名無しのReddit住民
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の逆転時計。あんな道具が学校の引き出しから出てくるなら、その後の巻で起きた悲劇のほとんどは巻き戻して防げたはずだよね。
※シリーズ第3作。ハーマイオニーが授業を掛け持ちするために、時間を巻き戻す「逆転時計」を使う。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
逆転時計はそういう道具じゃないんだよ。戻った先でやったことは、最初からその歴史に組み込まれてる。彼らを助けた守護霊が最初から自分自身だったのがまさにそれで、歴史を変えたんじゃなくて「そうなる予定だった」の答え合わせをしてるだけ。だから何度戻っても結果は動かない。
20. 名無しのReddit住民
深い海のど真ん中を、ゴジラが膝までしか浸からずに堂々と歩いてるやつ。あそこ水深は何百メートルあるんだ、と毎回思ってしまって話に集中できない。
※『ゴジラ』は1954年の日本映画から続く怪獣シリーズで、ハリウッド版も作られている。海を渡って街へ近づく場面が定番。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
白鳥と一緒だって。水面から上は優雅に見えるけど、下では必死に足をパタパタさせて浮いてるだけなんだ。骨格もたぶんペンギン寄りなんだと思う。
22. 名無しのReddit住民
『ロード・オブ・ザ・リング』。鷲の話じゃないよ。フロドが橋の上に歩み出て、飛竜に乗ったナズグルの目の前で指輪を掲げてしまう場面だ。あそこで居場所も持ち物も完全にバレたのに、サウロンの軍勢が総出で押し寄せてこないのは筋が通らない。原作にはない場面だし、他がほぼ完璧な三部作だからこそずっと引っかかってる。
※2001〜2003年の三部作。ナズグルは指輪の力に囚われた9人の亡霊で、サウロンの手先として指輪を探し回っている。「最初から巨大な鷲に運んでもらえばよかった」は昔からの定番の突っ込み。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
その違和感こそが、あの場面が原作に無い理由そのものだと思うよ。ただ映像としては最高なんだ。原作に無い場面が映画に入るときは、だいたいそれが理由なんだよね。
24. 名無しのReddit住民
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、アイアンマンとスパイダーマンとドクター・ストレンジが宇宙船から降りられないと言い争う場面。ストレンジ、ポータル開けば済む話じゃないのか。
※2018年公開。ドクター・ストレンジは空間に穴を開けて別の場所へ瞬間移動できる魔術師。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
猛スピードで移動中の船からは開けないんじゃないかな。地球の自転や座標が絡むから、その場に立ってるときと同じようにはいかないという理屈をどこかで読んだ。そもそも惑星に着いて別動隊と合流した時点で、彼らの作戦自体が変わってる。
26. 名無しのReddit住民
『マトリックス』で、サイファーがレストランでスミスと裏切りの相談をしてる場面。仮想現実に入るのも出るのも仲間の操作が必要なはずなのに、あの密談のときだけ誰が繋いで誰が引き上げたんだ。
※1999年の映画。仮想現実「マトリックス」へ接続するには、現実世界に残った仲間が機械を操作する必要がある。サイファーは仲間を売る側に回る男。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
自分は、機械側から出入り自由の鍵をもらってたと解釈してる。普通はコードの穴を探して潜り込むけど、あいつだけは正面から通してもらえるから、自分で針を挿すだけで済む。主人公が近づいたときに慌てて端末の画面を消したのも、その細工をしてた最中だったんだと思ってる。
28. 名無しのReddit住民
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』。マーティの高祖母が母親と瓜二つなのに、姓はどちらもマクフライ。つまりマーティの家系図は途中で枝分かれしてないことになる。
※1990年公開のシリーズ完結編。マーティが1885年の西部開拓時代へ飛び、先祖と対面する。母親と高祖母を同じ女優が演じている。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
高祖母はマクフライ家に嫁いできた側だから、血は繋がってないよ。そこは大丈夫。自分の周りでは「マクフライ家の男は代々そういう顔の女性に惹かれる家系なんだ」で片づける説が有力で、解決になってないのになぜか納得してしまった。
30. 名無しのReddit住民
『サイン』だな。水が唯一の弱点だと自分で分かってる宇宙人が、地表の7割が水の惑星をわざわざ侵略しに来る。しかも防護服なしで。雨が降っただけで作戦が終わる遠征に、よく全員で出発できたな。
※2002年、M・ナイト・シャマラン監督のSFスリラー。トウモロコシ畑に囲まれた農場を舞台に、宇宙人の襲来を描く。
まとめ
挙がった穴は、だいたい三種類に分かれる。物語の都合で世界のルールが一瞬だけ曲がるもの(縮んでも質量は変わらないはずのヒーロー、水が弱点なのに水の星へ来る宇宙人)、登場人物が手元にある解決策を使い忘れるもの(逆転時計、ポータル、記憶を送るチューブ)、そして作り手が「絵として最高だから」を優先したもの(橋の上で指輪を掲げるフロド)。面白いのは、粗を指摘している人が全員その映画を何度も観ているという点で、細部を覚えていなければそもそも矛盾に気づけない。だからスレッドの空気は非難というより身内いじりに近く、指摘のたびに「それは作中で説明されてる」という反論がすぐ飛んでくる。皆さんは、好きな映画のどこに「言われてみれば確かに」を見つけましたか?

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