「10点満点をつけられるアニメを教えてくれ」。海外の掲示板にそんなスレッドが立ち、1800件を超える返信が集まった。挙がるタイトル自体は日本人にはおなじみのものばかりなのに、推し方が妙に新鮮で、「そこに刺さるのか」と何度も思わされる並びになっていた。
元スレッド:r/AskRedditより
※ 「10/10」は10点満点中10点という意味。海外のアニメ評価サイトで作品に点数をつける文化が根付いていて、日常会話でもこの言い方がそのまま使われる。
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』と『トライガン』。この2本は何年経っても評価が下がらないんだよな。前者は最初から最後まで一本の物語として完璧に閉じてるし、後者は陽気なガンマンの話だと思って見てたら途中で急に喉元を掴まれる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
『トライガン』を挙げてくれる人がまだいて嬉しい。あの主人公、ふざけた顔してるくせに「誰も殺さない」って決めてて、それを貫くために自分だけがボロボロになっていく。あの構造に気づいた瞬間から作品の見え方が完全に変わった。
3. 名無しのReddit住民
『学校の怪談』の英語吹替版。🤣 人生で一番笑ったアニメかもしれない。ホラーとして作られた作品なのに、吹替版だけ完全に別ジャンルの何かになってる。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
あれは吹替チームが元の台詞をほぼ丸ごと書き直してるからね。日本で人気が出なかった作品で、権利元から「好きにやっていい」と言われたって話をずっと聞いてる。おかげでキャラ全員が下ネタと毒舌を飛ばしまくる別作品に化けた。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
日本語版はごく普通の子供向けホラーだと聞いて逆に驚いた。こっちで名作扱いされてるのは、同じ映像にまったく違う台本を乗せた別物なんだよな。それを本気で他人に勧めてる自分もどうかしてると思う。
※ 『学校の怪談』の英語吹替版は、原語の台詞をほとんど残さず別の脚本に差し替えたコメディとして海外で知られている。日本で放送された本編は、ふつうの子供向けホラーアニメ。
6. 名無しのReddit住民
『天元突破グレンラガン』と『カウボーイビバップ』。いいか、どっちも20数話しかないんだ。金曜の夜から始めれば日曜には両方見終わってる。長編に手を出す前にこの2本を片付けておけば、アニメというものがだいたい分かる。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
週末で両方は正気じゃない。『天元突破グレンラガン』は後半ずっと叫んでるようなテンションだから、その勢いのまま『カウボーイビバップ』の静けさに入ると情緒が壊れる。せめて一週間は空けてくれ。
8. 名無しのReddit住民
『オッドタクシー』。アニメを見ない人に勧めるならこれ一択だと思ってる。登場人物が全員動物だから、いわゆるアニメ絵が苦手って人の抵抗が最初から発生しない。無駄な回も一話もなくて、出てきた要素は全部あとで効いてくる。ジャンルとしては犯罪ミステリーだから入口も広い。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
分かる。しかも最後まで見てからもう一周すると、一話の何気ない世間話が全部伏線だったと気づいて呆然とする。二周目のために一周目があるタイプの作品だよ、あれは。
10. 名無しのReddit住民
『進撃の巨人』。派手なアクションを楽しみたい、ついでに精神をボコボコにされたいという人にはこれ。戦闘の合間に、こっちの倫理観を毎回試してくるような会話が挟まってくるのがきつい。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
それを言うなら『HUNTER×HUNTER』も相当なもんだよ。少年漫画の顔をしておいて、途中から「勝つために何を差し出すか」の話にすり替わる。子供の頃に見なくて本当によかったと思ってる。
12. 名無しのReddit住民
『サイバーパンク エッジランナーズ』。たった10話。無駄な秒が1秒もない。作画は異常だし、見終わったあと数か月は劇中の曲が頭から離れなくなる。そのうえ最終回で心を粉々にされる。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
あの曲、イントロが鳴っただけで最終回の映像が勝手に再生されるようになってしまった。かといってプレイリストから外すこともできないし、聴けば毎回落ち込む。どうしろというんだ。
14. 名無しのReddit住民
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の劇場版と、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の2シーズン。今のネット社会を先回りしすぎていて、公開当時より今見た方が刺さるという珍しい作品だと思う。
15. 名無しのReddit住民
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は「確実に10点」に一番近い作品だと思う。テンポに緩みがなくて、物語がちゃんと終わって、犠牲と倫理という重いテーマを最後まで放り出さない。しかもキャラが本当に成長する。戦闘も文句なしだけど、忘れられなくなる理由は、むしろ感情の回収がきれいすぎることの方だと思う。
16. 名無しのReddit住民
『ダンジョン飯』。笑えるし、キャラに愛嬌があるし、何よりアニメにありがちなお約束をきれいに避けてくる。モンスターを料理して食べるという発想を思いつきで終わらせず、生態系の話として最後まで筋を通してるのが良い。
17. 名無しのReddit住民
『葬送のフリーレン』。派手さは無いのに、気がついたら夜中まで見続けてる。人間の一生が魔法使いにとっては一瞬でしかない、という当たり前のことを、何度も角度を変えて突きつけてくる作りになってる。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
最初の数話が静かすぎて一度止めてたんだけど、友達に怒られて見直したら大正解だった。あれは「派手なことが起きない」んじゃなくて「起きたことの重さが後から効いてくる」作りなんだよな。順番を勘違いしてた。
19. 名無しのReddit住民
『新世紀エヴァンゲリオン』、『DEATH NOTE』、『HELLSING』あたり。今見ても全然古びてない。この並びで完全に世代がバレるけど、後悔はしてない。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
『新世紀エヴァンゲリオン』はさすがに持ち上げられすぎだと思う。当時の衝撃が大きかったのは分かるけど、予備知識ゼロの状態で今から見て「10点」と言い切れる人がどれだけいるか。あれは作品としてより、体験として語られてる気がする。
21. 名無しのReddit住民
『ヴィンランド・サガ』。ただし、ある程度歳を食ってから見た方がいい。若い頃だったら主人公にイライラして途中で切ってた自信がある。復讐で人生を溶かした男が、そのあとどう生きるかの話だからね。
22. 名無しのReddit住民
『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『STEINS;GATE』、『ベルセルク』の1997年版。どれも一度見たら忘れられない。特に『STEINS;GATE』は序盤の緩さを我慢した人だけが報われる構造で、あの手のひら返しは初見でしか味わえないのが惜しい。
※ 『ベルセルク』は複数回アニメ化されているが、海外のファンの間では1997年放送のテレビシリーズを推す声が今も根強い。
23. 名無しのReddit住民
『チ。―地球の運動について―』と『プラネテス』、あと『ヲタクに恋は難しい』。前の2つは科学と人間の業を正面から扱う話で、最後のはただただ肩の力が抜ける。この振れ幅ごと含めてアニメだと思ってる。
24. 名無しのReddit住民
『四月は君の嘘』。赤ちゃんみたいに泣く準備をしてから見た方がいい。母の死をきっかけに、自分の弾くピアノの音だけが聞こえなくなった元天才少年の話なんだけど、演奏シーンの作画と音の重ね方が反則級で、最終話まで来ると感情の処理が追いつかなくなる。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
自分は最終回を見た翌日、目が腫れて仕事を休むか本気で悩んだ。同じ枠なら『CLANNAD 〜AFTER STORY〜』もやばい。1期を「よくある学園もの」と思って油断してると、2期で完全に足を掬われる。
26. 名無しのReddit住民
『銀魂』。長い。とんでもなく長い。それでも1秒も無駄じゃないと言い切れる。ふざけ倒したギャグ回を延々と積み上げてるからこそ、たまに来るシリアス回でこっちが勝手に泣かされる仕組みになってる。
27. 名無しのReddit住民
『ワンパンマン』、ただし1期だけ。あと『約束のネバーランド』も1期だけ。2期の存在を主張してくる人がいたら、静かにうなずいて話題を変えるのが平和な生き方だよ。
28. 名無しのReddit住民
映画も入れていいなら『REDLINE』。『マッハGoGoGo』の頭のネジを全部外したみたいなレースもので、あれが全部手描きというのが今でも信じられない。ほかに『もののけ姫』と『東京ゴッドファーザーズ』。テレビの方だと『寄生獣 セイの格率』と『サムライチャンプルー』は外せない。
※ 元コメントは『REDLINE』を、『マッハGoGoGo』の海外題「Speed Racer」と、アメリカのカートゥーン『チキチキマシン猛レース』を引き合いに出して紹介していた。
29. 名無しのReddit住民
この手のスレでまず誰も挙げないけど『昭和元禄落語心中』を推させてほしい。落語のことなんて何ひとつ知らないまま見始めたのに、気がついたら高座のシーンを息を止めて見てた。ついでに『ドロヘドロ』と『ぼっち・ざ・ろっく!』も入れさせてくれ。方向はバラバラだけど全部10点。
30. 名無しのReddit住民
正直、完全に10点のアニメなんて存在しないと思ってる。どれも必ずどこかに穴がある。……と言っておいて1本だけ挙げるなら『モブサイコ100』。史上最高だと言いたいわけじゃなくて、あれがやろうとしたことを、あれ以上のやり方で誰もやれていないという意味での10点。
まとめ
並んだタイトルを眺めていると、海外で10点と呼ばれる作品にはいくつか共通点があるのが見えてくる。ひとつは長さで、20話台で完結する作品が繰り返し推されていて、100話超えの大作より「週末で見終われること」が評価軸として強く働いている。もうひとつは着地の仕方。『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』への支持がここまで厚いのは、最後まできれいに畳んだ作品がそれだけ貴重だと思われているからだろう。そして三つ目が、日本側の意図とはまったく別のところで愛されている例だ。『学校の怪談』の吹替版のように、海を渡った先で作品が勝手に別の育ち方をしていることもある。皆さんが1本だけ10点をつけるとしたら、どの作品を挙げますか?

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