2000年代、それを持っていること自体が一種の証明だったもの。海外掲示板で「2000年代の高級品で、今はまったく価値がなくなったものは?」というスレッドが立ち、当時いくら出したかを正確に覚えている人たちが次々と名乗り出ました。トランクに積んだCDチェンジャー、90インチのプラズマテレビ、そして親がどうしても手放さない巨大な食器棚。その一方で「あれは今でも現役だ」という反論も飛び交っています。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
実家の引っ越しを手伝ってきたところなんだけど、両親がどうしても持っていくと言い張った巨大な食器棚を挙げたい。たぶん300キロ以上ある。フェイスブックのマーケットプレイスには、誰も要らない食器棚が無料で山ほど並んでるっていうのに。
※ 食器棚(china cabinet)=欧米の家庭にある、来客用の食器やクリスタルを飾るためのガラス扉付き大型キャビネット。2000年代までは「一人前の家庭」の象徴で、新品なら数十万円した。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
しかもそういう人に限って500ドル(約7万5000円)で売ろうとするんだよな。食器棚はピアノの後継者だよ。買ったときはとんでもなく高いのに、今は無料で差し上げますと言ってようやく誰かが取りに来てくれる。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
SNSにミレニアル世代の相続サポートグループというのがあってさ。親の値打ち物コレクション、絵付けの皿とかリヤドロの人形とか切手アルバムとかを相続してしまった人たちが集まって傷を舐め合ってる。俺の位置からもリヤドロが見えてるよ。4. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
あれ、トカゲやイグアナの飼育ケージに改造されてるのを何度か見たよ。ガラス張りで高さがあるから、ちゃんと手を入れれば爬虫類の家としてはかなり優秀なサイズなんだよね。
※ リヤドロ(Lladró)=スペイン・バレンシアの磁器人形メーカー。淡い色合いの少女や天使の像で知られ、日本でも百貨店の贈答品売り場の定番だった。一体で数万円する。
5. 名無しのReddit住民
うちのはミッドセンチュリーの食器棚で、中に本と小さい絵を入れて使ってる。ガラス扉のおかげでほこりが積もらないから、実は本棚として最強なんだよ。食器を入れるものだと思い込むから要らなくなるだけで、箱としては何も悪くない。
6. 名無しのReddit住民
90インチのプラズマテレビ。搬入するだけで近所に噂が流れるレベルの買い物で、当時は普通に100万円コースだった。それが今は引き取り手を探すのに苦労するんだから救いがない。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
そこは異論がある。プラズマは残像が出ないから、ゲームと夜のスポーツ中継に関しては今の液晶より上なんだよ。むしろ90インチのプラズマが手に入るなら俺は欲しい。3D対応ならなおさら飛びつく。8. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
うちが家を小さくしたとき、義理の息子が巨大プラズマを引き取ってくれたんだ。でもその後、彼が狭い家を買ったらあっさり手放してしまった。エアコンが発熱に追いつかないんだそうだ。
9. 名無しのReddit住民
リアプロジェクションテレビ。奥行きが50センチ以上あって大人二人でやっと動かせる重さなのに、画質は今の安いタブレットに負ける。おまけに数年で光源のランプが切れて、交換球がやたら高かった。
※ リアプロジェクションテレビ=内蔵プロジェクターで背面からスクリーンに映す方式の大画面テレビ。薄型テレビがまだ高価だった時代の折衷案で、本体は薄くならず、光源のランプが消耗品だった。
10. 名無しのReddit住民
5.1チャンネルのホームシアター一式。アンプとスピーカー5本とサブウーファーで、配線が部屋中を這い回ってた。極めつけはモンスターケーブルのHDMIケーブルで、1本に1万円以上出した。今は数百円のケーブルでまったく同じ映像が出る。
※ モンスターケーブル=米国のオーディオ・映像ケーブルブランド。高級ケーブルで音や映像が良くなるという触れ込みで、1本1万円を超えるHDMIケーブルを家電量販店で大々的に売っていた。
11. 名無しのReddit住民
逆に価値が落ちてないものを挙げてもいい? ボーズのウェーブだよ。母が2004年に買ったやつが、20年以上たった今もキッチンで毎朝鳴ってる。一度も故障してない。中古にもちゃんと値段がついてるし、あれだけは金を出した意味があった。
※ ボーズのウェーブ(Bose Wave)=米ボーズ社の一体型オーディオ。本体は小さいのに低音が出る内部構造が売りで、日本でも数万円から10万円台で売られていた。
12. 名無しのReddit住民
車のCDオートチェンジャー。トランクの中に専用のマガジンを積んでおいて、運転席のボタンでディスクを切り替えるやつ。あれが付いてる車に乗ってる同級生は、それだけで格が違って見えたものだよ。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
トランクに積むんだよな。ガソリン1タンク分のドライブに合わせて、6枚か8枚をあらかじめ選んでおく。あの選盤会議が出発前の儀式だった。14. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
親父が2000年代初頭にエディ・バウアー仕様のエクスペディションを買ったんだ。6連装のCDチェンジャーが付いてて、当時の俺はあれが世界で一番かっこいい機械だと本気で思ってた。
※ エディ・バウアー仕様のエクスペディション=フォードの大型SUV「エクスペディション」の上級グレード。米アウトドア衣料ブランドのエディ・バウアーと組んだ内装仕様で、革シートや専用色が与えられていた。
15. 名無しのReddit住民
机の横に積み上げた200枚の空のCD-R。あれが積んであるだけで、なんとなく自分は情報を持っている側の人間だという気になれたんだよな。今は棚の奥で、何を書き込んだのかも思い出せないまま眠ってる。
16. 名無しのReddit住民
ポータブルDVDプレーヤー。7インチの画面で映画1本もたないバッテリーなのに、当時は3万円くらいした。今はスマートフォンで映画が観られるので、あれを買う理由が一つも残っていない。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
後部座席のヘッドレストにベルトで吊るして、長距離の帰省中ずっと同じアニメを流してたな。子供が二人いると画面の取り合いになるから、結局もう一台買う羽目になった家もけっこうあったはず。
18. 名無しのReddit住民
ここに並んでるものほど高くはないけど、百科事典。本棚一段ぶんの全巻セットを何万円も出して買えたら一人前、という空気があった。ほとんど開かないまま図書館に寄贈しようとしたら、図書館にも断られたよ。
19. 名無しのReddit住民
家庭用の日焼けマシン。皮膚がん製造機を自宅に一台、なんて今どき誰もやらないよ。マッサージチェアも僅差の二位で、こっちは以前は1000ユーロ(約17万円)の椅子だったのに、今は200ユーロ(約3万5000円)の椅子になった。
※ 家庭用日焼けマシン=欧米では小麦色の肌が健康的とされ、日焼けサロン用のベッド型マシンを自宅に置くのが一種のステータスだった。皮膚がんのリスクが問題視され、2000年代後半から急速に廃れた。
20. 名無しのReddit住民
ハマーH2。ガソリンの値段が上がった瞬間に、街から本当に消えたよね。あれに乗っていた人たちが今どこへ行ったのか誰も知らない。中古の相場を調べると、当時の顔つきからは想像できない値段が並んでる。
※ ハマーH2=米GMが軍用車のイメージで売り出した超大型SUV。2000年代前半の米国では成功の象徴とされたが、同時に燃費の悪さを象徴する存在にもなり、2009年に生産終了した。
21. 名無しのReddit住民
俺の車みたいだ。2003年式のジャガーXJR。新車のときは10万ドル(当時のレートで1000万円超)を超えていた。中古で買ったからそこまでは出してないけどね。状態は良くて、すれ違う人によく褒められる。それでも今は5000ドル(約75万円)にもならない。まだ好きなんだけど、整備代とガソリン代に殺されそうだ。普段乗り用の安い車をもう一台欲しくてたまらない。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
その値段で本物の英国製の内装が手に入ると考えたら、逆に今が買い時にも見えるんだよな。今どき1000万円出しても、あの木目とレザーの雰囲気は買えない。ただし整備工場と仲良くなる覚悟は要る。
※ ジャガーXJR=英ジャガーの最上級セダンXJに、過給機付きV8を積んだ高性能版。2000年代前半の英国製高級車は電装系の故障が多いという評判があり、中古価格が極端に落ちやすい。
23. 名無しのReddit住民
自動車電話。90年代の終わりから2000年代の初めにかけては、これがあるだけで完全に金持ちの記号だった。センターコンソールに受話器が据え付けてある車を見ると、それだけで別世界の住人だと思ったよ。今は本当に無用の長物。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
長距離電話がかけ放題、という発想そのものが贅沢品だった。市外にいる友達に電話するのに、時計を見ながら話していたのを覚えてる。今は地球の裏側と何時間つないでも0円だからね。25. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
発信者番号表示の箱。今の人にはどれだけ画期的だったか分からないと思うけど、受話器を取る前に相手が分かるのは当時は魔法だったんだよ。今は電話機の機能の一部として最初から入ってる。
※ 米国では発信者番号を表示するために、電話機とは別売りの小型ディスプレイ装置を回線につないでいた。本体代に加えて回線側の月額利用料もかかる、れっきとした有料オプションだった。
26. 名無しのReddit住民
トムトムみたいなカーナビ専用機。フロントガラスに吸盤で貼り付けて、地図の更新に毎年お金を払ってた。100ドル(約1万5000円)以上出して買ったのに、スマートフォンの無料アプリが出た瞬間に全部が終わった。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
うちはまだダッシュボードに置いてるよ。スマートフォンでナビをすると電池が減るし、電波の届かない山の中では専用機のほうが強いんだ。地図は10年前のままだけど、山と川の位置は変わらないから困ってない。
※ トムトム(TomTom)=オランダのカーナビメーカー。日本の車載一体型カーナビと違い、欧米では後付けの小型カーナビ専用機が主流で、家電量販店の目玉商品だった。
28. 名無しのReddit住民
パームパイロット。史上最高のPDAだった。専用のペンで画面に独特の略字を書いて文字を入力するんだけど、あの書き方を覚えた自分がちょっと誇らしかったんだよな。今は頭にあの略字の書き順だけが残ってる。
※ パームパイロット(PalmPilot)=1990年代後半から2000年代前半に流行した、手のひらサイズの電子手帳。専用ペンで「グラフィティ」という簡略化した文字を書いて入力する方式が特徴だった。
29. 名無しのReddit住民
うちの引き出しは2000年代のガジェットの墓場になってる。ブラックベリーが2台とズーンが1台。ブラックベリーはあの小さいキーボードの打ち心地が本当に良くて、今のスマートフォンより速く打てたんだ。ズーンのほうは……買った時点ですでに誰も持ってなかった。
※ ブラックベリー=カナダ製の物理キーボード付きスマートフォン。2000年代のビジネスパーソンの必需品で、メール返信の速さが売りだった。ズーン(Zune)=マイクロソフトがiPodに対抗して2006年に出した携帯音楽プレーヤー。ほとんど普及しないまま2011年に撤退した。
30. 名無しのReddit住民
NVIDIAのGeForce 7800 GTX。256メガバイトの神のごときメモリと、400メガヘルツの化け物みたいなGPUだぞ。あの頃はスペック表を諳んじてたし、ルームメイトから中古の16GBのハードディスクを50ドル(当時のレートで約5500円)で譲ってもらって本気で感謝してた。しかも接続はファイアワイヤーだ。
※ GeForce 7800 GTX=2005年に登場したNVIDIAの最上位グラフィックスカード。米国での発売価格は599ドルだった。ファイアワイヤー(FireWire)=アップルが主導した高速データ転送規格で、当時はUSBより速く外付けハードディスクやビデオカメラの接続に使われたが、USBの高速化とともに姿を消した。
まとめ
並んだ品物を眺めていくと、値打ちを失った理由が大きく三つに分かれます。一つめは、機能がまるごとスマートフォンに吸い込まれたもの。カーナビ専用機、ポータブルDVDプレーヤー、PDA、発信者番号表示の箱がこれにあたります。二つめは、置き場所そのものが負担になったもの。食器棚、リアプロジェクションテレビ、マッサージチェアのように、広い家に住んでいることを前提にした贅沢品です。そして三つめが、価値観のほうが変わって欲しがられなくなったもの。日焼けマシンや大排気量のSUVは、当時の「成功の証」がそのまま今の「時代遅れの証」に反転してしまいました。日本に置き換えても、MDコンポやDVDレコーダー、ミニコンポ用の大きなスピーカーなど、思い当たる棚が一つや二つはあるはずです。面白いのは、逆に評価が上がっている品物も混ざっていること。残像の出ないプラズマ、20年壊れないスピーカー、電波の届かない山でも動くカーナビ専用機のように、一点だけに特化した古い道具はしぶとく生き残っています。皆さんの家に、当時は思い切って買ったのに今は誰も欲しがらないもの、逆に今も手放す気になれないものはありますか?


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