職業名を聞いた瞬間に「それ本当にある仕事?」と返してしまうものがあります。しかも一部は、そのウソくさい響きのまま、普通に生活できるどころか予想を超える金額を稼いでいる。海外の掲示板で「100%作り話に聞こえるのに実在して、意外と稼げる仕事は?」という質問が立ったところ、ペンキが乾くのを見つめる仕事から、人間の頭部を郵便で受け取る仕事まで並びました。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
そこまで高給ってわけじゃないけど、知り合いに模擬患者をやってる人がいる。決められた病気の症状をひと通り演じて、医学生が実際に生身の人間と話しながら診断をつける練習の相手をする仕事。台本を読み上げるんじゃなくて、聞かれたことに患者として答えないといけないから、意外と頭を使うらしい。
※ 模擬患者(Standardized Patient)=医学生や看護学生の実習で、特定の症状や病歴を持つ患者を演じる役。日本の医学部や看護学校でも「模擬患者」として導入されている。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
看護学校でもこれをやってて、私が当たったのは入院が必要なレベルの重症患者を演じる俳優さんだった。それが数か月後、まったく関係ない場所でぴんぴんしてるその人と鉢合わせして、この人どこの誰だっけ、と脳が本気で処理落ちした。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
うちの医学部では「シミュレーテッド・ペイシェント」と呼んでた。中身は回によって違って、本当に心雑音や手の震えといった所見を持ってる患者さん本人が来ることもあれば、問診の練習用に俳優が来ることもある。妙だったのは、その俳優の多くが街で撮影してるドラマのエキストラと同じ顔ぶれだったこと。実習で心臓を患う役をやってた人が、夜のドラマでウェイターをやってるのを見た。4. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
兄がまさにそれ。元々役者志望で演技の下地があるから重宝されてる。たまに、差別的な言葉を平気で吐く患者役をやらされることもあるらしい。医者の卵が、自分を侮辱してくる相手でもちゃんと診られるかどうかを見るためだって。役者としては複雑な気分だろうなと思う。
5. 名無しのReddit住民
ペンキが乾くのを眺めて生活してる人たちを知ってる。塗料メーカーの化学者だ。さらに塗膜検査員になると海上のプラントまで飛んで、現地の塗装がどうなってるかを見に行って、それなりの金額をもらう。世界一退屈なことの代名詞が、そのまま職種として成立してる。
※ 塗膜検査員=橋・タンク・船・海上プラントなどの塗装が規定どおりの厚みで乾いているか計測し、錆を防げる状態か判定する仕事。塗り直しには莫大な費用がかかるため専門職として需要がある。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
自分は日本の鉄鋼メーカーの研究所にいたとき、同じ鋼材10枚が錆びていく様子を9か月ひたすら観察してた。結論は「なんとも言えない」。当然のように論文にもならなかった。人生で一番の時間の無駄だったと思ってるけど、あの国で暮らせたのは良かった。7. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
うわ、自分の仕事が話に出てる。塗装検査員をやってるけど、確かにペンキがちゃんと乾いてるかを見届けるのが業務のかなりの部分。話すと必ず笑われる。でも乾き方をしくじった塗装は数年後に全部やり直しになるから、笑ってる場合ではないんだよ。
8. 名無しのReddit住民
プライベートジェットで全米を飛び回るのが仕事、という人に会ったことがある。医療の訓練は一切受けてない。本業は保安官助手で、それとはまったく無関係に副業でやってた。移植用の臓器と一緒に飛んで、着いた先の人に手渡しするだけ。それで報酬が出る。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
妙な話だな。自分はプライベートジェットを飛ばす側で、昔はよく臓器を運んだ。腎臓から心臓まで、クーラーボックスに入るものは大体運んだと思う。腎臓あたりは座席にシートベルトで固定して、こっちだけで飛ぶ。ただ心臓のときだけは拍動を保つ専用の機械が積まれて、看護師がタブレットで数値を見ながら最後まで同乗してた。付き添いの一般人が乗ってきたことは一度もない。
10. 名無しのReddit住民
ゴルフボール・ダイバー。ゴルフ場の池に潜って、沈んだボールを回収して報酬をもらう。字面だけ見ると完全に作り話にしか見えないのに、しっかり商売として回ってる。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
うちのホームコースは、潜ってくれる人から1個30セントで買い取って、2ドル前後で売ってる。日本円だとざっくり45円で仕入れて300円で売る計算。彼はボールを洗って傷の程度で等級分けまでやってるし、複数のコースを回るから全部混ざる。おかげでデイブが先週なくしたボールを見つけて騒ぎ出す、みたいな面倒も起きない。
※ 記事内の円換算は1ドル=150円で計算したおおよその目安。実際のレートは日々変動する。
12. 名無しのReddit住民
フロリダのカントリークラブだと、あの濁った池にはワニがいる。それでもフル装備で潜って、年に4万個のボールを拾って売りさばいて、カミツキガメを振り払いながら10万ドル超、日本円で1500万円以上を稼いでる人がいる。度胸の対価としては安いのか高いのか判断がつかない。
13. 名無しのReddit住民
シカゴのバーで会った男の仕事が、飛行機を見上げて転んだペンギンを起こして回ることだった。上を向くと首がないぶん後ろにひっくり返るらしくて、飛行機が通るたびに全部立たせ直すんだと。最高の仕事じゃないかと思った。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
その話、二人ともかなり出来上がった状態で聞いたんじゃない? バーで聞いた職業の信憑性は、飲んだ杯数に反比例するというのが自分の経験則。15. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
そもそも野生のペンギンは南半球にしかいないから、この手の話はだいたい作り話だよ。しかも、妙に可愛い動物系の職業を名乗る男は軍関係が多い。レンジャー出身の連中がやたらイルカの調教師を名乗るのと同じで、部隊ごとに定番の嘘があるんだと思ってる。バーで軍人だと明かすと空気が変わるから、それを避けるための常套句なんだよ。
16. 名無しのReddit住民
白状すると実在の仕事じゃないんだけど、昔バーで女の子に「動物園でペンギン係をやってる。飛行機を見上げて転ぶから、通過するたびに立たせて回るんだ」と言ったことがある。完全に信じてもらえた。まあこっちも相当酔ってたが。友人には、ギター1本で3年ヨーロッパを流して回りながら「保護されたイルカを音楽療法で野生に戻す仕事」と自己紹介してた男がいて、そっちは本当によく効いてたらしい。
17. 名無しのReddit住民
最近になってハウスマネージャーという職業を知った。家政婦さんと同じものだと思い込んでたら全然違って、家政婦さんを束ねる側の管理職だった。修繕の日程を組み、業者から見積もりを取り、郵便物をさばき、料理人やベビーシッターの給与が滞りなく払われてるかを確認し、客が泊まる部屋を整え、車のガソリンや充電を毎晩満タンにしておく。年収10万ドル、日本円でざっくり1500万円。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
要するに現代の執事だよね。新しく金持ちになった層がその呼び方を避けてるだけで、実際に執事の養成学校を出てる人も少なくない。19. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
母がオランダで、とんでもない資産家の一族のハウスマネージャーをやってた。10万ドルなんて貰ってなかったけど待遇は悪くなかったよ。子どもたちを高校卒業後に何軒かの立派な家に住まわせる家で、母はそのうち2軒を任されてた。で、18歳のひとりが家のルールを守らなくて、規則どおり母が報告したら、そのガキが母を家に置きたくないと言い出してクビ。仕事をきっちりやった結果で切られた。まあオランダの法律なので退職金は出た。
20. 名無しのReddit住民
原子力発電所で火気監視員をやってた。溶接作業が入るたびに、作業が終わってから最低60分、冷えていく金属をひたすら見つめて、火花が急に飛び出さないか確認する。たとえ溶接が10秒で終わっても60分は固定。映画に出てくる宇宙船の機関室みたいな配管だらけの場所で、ただ配管を見てる。給料は驚くほど良かったけど退屈さも相当なもので、気を紛らわせる本の持ち込みすら禁止だった。変わった人が集まる職場でもあった。それでも、あのひと夏の稼ぎでヨーロッパをぐるっと旅して回れたので文句は言えない。
※ 火気監視員=溶接や溶断のあと、残った熱で火災が起きないか一定時間その場で見張る役。日本の建設現場や造船所にも同じ役割が置かれている。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
うちの現場でも改修工事のときに火気監視を外注したんだけど、GPSの発信機を持たされてた。決められた地点をちゃんと回ってるか、深夜帯に立ったまま寝てないかを確認するためだって。そこまで疑われる仕事なのかとちょっと同情した。
22. 名無しのReddit住民
今まで会った中で一番変わってたのは鷹匠だった。タカを訓練して、飛行場を渡り歩いて、離着陸する飛行機に鳥がぶつからないよう追い払う。元はキノコの研究者で、趣味がそのまま本業になったパターンだと言ってた。転職の経路として無理がありすぎる。
※ バードストライク(航空機への鳥の衝突)対策の一環。日本でも一部の空港で猛禽類を使った鳥追いが試みられたことがある。
23. 名無しのReddit住民
ヤシの実の落下対策を専門にしてる人がいる。落ちてくるココナッツは普通に危険で、高級住宅地の住人は自分の頭や高い車の屋根に実が落ちてこないよう、わざわざ人を雇って処理させる。木に登って熟した実を先に落として回るのが仕事。笑い話みたいだけど、実際に当たったら笑えない重さがある。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
だったら人工のヤシに植え替えればいいのでは、と思ったんだけど、この前会った男がまさに人工のヤシの木だけを作ってる会社のオーナーだった。他には何も作ってない。世の中には自分の想像よりずっと細い商売がいくらでもあるらしい。
25. 名無しのReddit住民
健康そのものの体なら、便移植のドナーとして提供する側になれる。それなりに良い金額になるらしくて、1回500ドル、日本円で7万5千円くらいという話を聞いたことがある。健康診断の結果が金に換わる仕事としては、たぶん一番手っ取り早い。
※ 便移植=健康な人の腸内細菌を患者に移植し、腸内環境を立て直す治療法。海外にはドナーを登録するバンクがあり、提供者に謝礼が支払われる例がある。
26. 名無しのReddit住民
プロの並び屋。企業が金を払って、新製品の発売日や人気店の開店、法廷の傍聴席の確保のために他人を並ばせる。誰かの代わりに列に立っているだけで報酬が発生するというのは、説明だけ聞くとほぼ詐欺に見える。
27. 名無しのReddit住民
知り合いに二人、名刺の肩書きが冗談みたいな人がいる。ひとりが最高幸福責任者、もうひとりがカスタマーエクセレンス部長。ちなみに自分の肩書きはウェイファインディング・ストラテジスト。空港や病院で人が迷わないように案内表示の位置と文言を設計する、れっきとした仕事なんだけど、口に出すたびに笑われる。
※ 最高幸福責任者(Chief Happiness Officer)=社員の働きやすさや満足度を担当する役職。欧米のスタートアップで使われる肩書き。ウェイファインディングは、施設内の案内表示や動線を設計する専門分野を指す。
28. 名無しのReddit住民
職業はプロのギャンブラー。月の平均で3万ドル前後、日本円ならざっくり450万円くらいが手元に残る。必要なのは忍耐と、金額が大きくなっても常に合理的に判断し続ける力。あとは元手。10万ドル、日本円で1500万円ほどを場に置いて、期待値の差が5%もない勝負をして、運悪く飛ばして、それでも平常心でいられる人間はそう多くない。
29. 名無しのReddit住民
自動運転の業界に入ったきっかけが、2020年にテスト運転手の人と話したことだった。自分の街が初期の走行エリアだったから、どんな感じなのか前から気になってた。「つまり座ってるだけで、車が勝手に走ってくれるんですか」と聞いたら「まあ基本そう」と返ってきた。時給20ドル、日本円で3000円くらい。実際は座ってるだけより複雑な仕事なんだけど、当時の自分が就けた仕事よりはずっとマシだった。翌年に別の会社で似た仕事に就いて、そこからずるずる5年、ロボットの知識ゼロのままこの業界にいる。
30. 名無しのReddit住民
知り合いに、人間の頭部を郵便で受け取る仕事の人がいる。医療系の職場で、献体された遺体の頭部が届く。その人の仕事は、頬骨や眼窩や顎をわざと折ること。折られた頭部は大学に送られて、外科医の卵がその骨折をどう治すか練習する。必要な仕事なのは頭では分かるけど、配達の受け取りにサインする瞬間のことを想像すると落ち着かない。
まとめ
並べてみると、ウソくさく聞こえる仕事は大きく二種類に分かれています。ひとつは、誰もやりたがらない退屈や不快を肩代わりする仕事。冷えていく金属を60分見つめる、濁った池に潜ってボールを拾う、錆びていく鋼材を9か月眺める。退屈さや気味の悪さそのものに値札が付いているから、金額が聞き手の予想を上回ります。
もうひとつは、富裕層の生活に生まれる細かい面倒を丸ごと引き受ける仕事で、屋敷全体の運営やヤシの実の処理がここに入ります。手間を誰かに渡したい人がいる限り、その仕事は成立し続ける。職業名の響きが奇妙であることと、需要が確かにあることは、まったく矛盾しないわけです。日本にも、外国の人に説明しようとすると必ず一拍置かれる職業がいくつもあるはずです。
皆さんがこれまでに聞いた中で、一番「それ本当にある仕事?」と返されそうな職業は何でしょうか?

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