家賃も物価も高い都会を離れて、税金の安い土地へ引っ越す。日本でいえば東京から地方へ移るのに近い話だが、アメリカでは州をまたぐと所得税そのものが消える。実際に踏み切った人たちが、数年たって「で、結局いくら得したのか」を電卓を叩いて報告し合っていた。数字の出どころが、思っていた場所と全然違う。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
3年前にニューヨークからテキサスに移った。州の所得税がゼロになったぶんは確かに浮いてて、うちの所得帯だと年1万2000ドルくらい。日本円だと180万円前後になる。ただ固定資産税がシャレにならない。住宅ローンの支払いは下がったのに、年に一度来る税金の請求と上がり続ける保険料で、ほぼ帳消しになってる。
光熱費も別物で、夏のエアコン代は普通サイズの家でも月400ドルまで行く。逆に車の登録費用は激安だし、ガソリンは1ガロンあたり1ドル近く安い。トータルではまだ年4000〜5000ドルは得してるけど、みんなが想像してるような大逆転じゃない。いちばん変わったのは、55平米の物置みたいな部屋じゃなく、庭付きの家を実際に買えたことだよ。
※ アメリカの税金は州ごとに設計が違う。テキサスやフロリダは州の所得税がゼロだが、そのぶん不動産にかかる固定資産税や、買い物のたびにかかる売上税(日本の消費税に近い)で財源を取っている。「税金が安い州」は正確には「税金の取り方が違う州」に近い。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
ニューヨークからルイジアナに来た側だけど、固定資産税は確かに年1000ドルも行かない。そのかわり自動車保険が引っ越した瞬間に3倍になった。車1台のフルカバーで年360ドルだったのが、いきなり年1400ドル。5万円だったものが21万円になる感覚だよ。住宅保険もこの10年で3倍。買い物にかかる売上税は9.75%。浮いた所得税がどこに消えたのか、毎月ちゃんと見える形で持っていかれてる。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
走行距離はどうなった? テキサスってとにかく散らばってるから、どこへ行くにも車で長距離だし、電車やバスの選択肢もほぼない。そのぶんタイヤもブレーキも早く減るし、車の買い替えサイクル自体が短くなる。いまの車両価格を考えると、その年5000ドルの余裕なんて簡単に食い尽くされると思うんだけど。
4. 名無しのReddit住民
固定資産税が高い高いって話ばかり出るけど、そもそも課税のもとになる物件価格が全然違うのを忘れてる人が多い。税率が高くても、価値が3分の1の家にかけてるんだから額は知れてる。
ヒューストンのそこそこいい立地で買える家は、ロサンゼルス近郊のバーバンクあたりだと3倍出さないと届かない。仮に住居費の総額が同じになるとしたら、それは向こうでは同じ金額でひどい物件しか選べないという意味だよ。
5. 名無しのReddit住民
ニューヨーク州の北部からウェストバージニアに移った。節約額はかなりのものだった。
ただ、こっちで使えるものの水準がひどい。子どもたちが学校を出たあとでよかったと本気で思ってる、学区のレベルが話にならないから。医療機関も冗談みたいな状態で、手術を2回受けたときはどちらもバージニア州まで出た。道路は荒れてるし、州の南のほうは水質が悪い。政治は笑うしかない。
でもまあ、お金はしっかり貯まった。
※ ウェストバージニア州はアパラチア山脈沿いの内陸州。炭鉱の衰退とともに人口が減り続けており、生活費は全米でも最安クラスだが、学校・病院・道路といった公共サービスの維持が追いついていない地域が多い。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
その感覚すごく分かる。うちも生活費だけ見れば天国なんだけど、かかりつけの歯医者が閉院してから、次に予約が取れたのが車で50分先の町だった。子どもの歯列矯正はもっと遠い。安く暮らせてるぶんの何割かは、結局ガソリン代と移動時間で払ってる気がしてる。
7. 名無しのReddit住民
自分は中西部の北のほうで、フロリダでもテキサスでもないんだけど。隠れコストで一番デカいのは給料そのものだと思う。
何年か前に会計系の掲示板で読んだ書き込みがずっと引っかかってる。北東部の大学で会計の学位を取った人が、気候を変えたくてフロリダの求人を受けたら、提示額に侮辱されたと書いてた。しかもある事務所は「でもこちらは州の所得税を払わなくていいので」と返してきたらしい。侮辱なんて言葉、よっぽどの金額じゃないと出てこないよ。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
生活費が安い州の仕組みを分かってない人が多いんだよ。生活費が安いのは人件費が安いからで、人件費が安いのは生活費が安いから。ぐるぐる回ってるだけで、住んでる側の手取りが増えるようにはできてない。
9. 名無しのReddit住民
フロリダの会計職の安さは本当に謎。この15年ずっとそうで、同じ資格・同じ経験でも他州より一段低いところから交渉が始まる。気候と引き換えに給与テーブルを一枚下げられてる感じ。
10. 名無しのReddit住民
サンフランシスコのベイエリアからフロリダのペンブロークパインズに移った。会社の転勤で、着いた瞬間に給料が下がった。
家はカリフォルニアの半分の値段で、庭も広くて少しだけ大きいのが買えた。ただし固定資産税は上がった。25年つき合ってきた自動車保険の会社には、フロリダでは引き受けていないので、と契約そのものを切られた。当時のフロリダは自動車保険が全米で3番目に高い州で、うちの保険料も跳ね上がった。住宅保険にいたっては見積もりを見て心臓が止まりかけた。
電気代も上がった。北カリフォルニアはエアコンなしでも生きていけるからね。芝生を維持するために水道代も増えた。そして道路はどこも有料。州境を越えてすぐの案内所で電子カードを作ったんだけど、20ドルしかチャージしなかったのが我ながら間抜けだった。カード番号を登録させられていたのが不幸中の幸い。通勤で往復するたびに小銭が出ていく。
フロリダの家と、いま住んでるノースカロライナの庭を持って、ベイエリアに戻れるものなら今すぐ戻る。
※ フロリダは高速道路や橋の多くが有料で、SunPassという日本のETCに近い電子カードで支払う。都市部では通勤路がほぼ有料区間という地域もあり、毎日往復すると月単位でまとまった額になる。
11. 名無しのReddit住民
8年前にニューヨークからフロリダに移った。結論から言うと、安くなってない。
オールバニから車で30分の郊外で、3ベッドルームの家に月850ドルで住んでた。会社で昇進の話が出て、東海岸にいる必要があったからフロリダへ。1000ドル前後の物件はどれもひどい状態で、結局ポートセントルーシーの3ベッドルームに月1550ドル払うことになった。車の登録に700ドル以上、ニューヨークなら100ドルくらいの手続きだよ。自動車保険は3倍。水道代はニューヨークで3か月80ドルだったのが、フロリダでは月100ドル近い。エアコンを年10か月回すから光熱費も上がった。しかもこの1550ドルの家、窓が一枚ガラスだった。
高速インターネットは事実上1社しか選べなくて月100ドル、そのうえ通信量に上限つき。毎月30〜60ドルの超過料金を払ってた。でもまあ、州の所得税10%は浮いたよ……。
※ アメリカの家庭用インターネットは、地域によって事業者が1社しか来ていないことが珍しくない。月あたりの通信量に上限を設け、超えた分を追加課金する契約もいまだに残っている。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
そのネット契約はどこか間違ってると思う。月100ドル払って上限つきはおかしい。自分も同じポートセントルーシーに住んでるけど、80ドルで無制限、在宅勤務が2人いても何ひとつ困ってないよ。乗り換え先を探したほうがいい。
13. 名無しのReddit住民
組み合わせ次第だとは思うんだけど、うちの場合を書いておく。
コロナのころにニューヨーク市からフロリダに移った。親のそばにいられるならそのほうがいいし、一日中家にこもるために高い家賃を払い続けるのが正気じゃない気がして。
所得税は確かに安くなった。金額もそうだけど、申告の書類仕事が一段減ったのが地味に大きい。
ただ他のコストは増えた。どこへ行くにも車が要る生活になって、保険もガソリンも乗っかってくる。そして給料が違う。会社は両方の街に拠点があるんだけど、給与は地域ごとにスケールしてた。結局、生活費が高くても分母の大きいニューヨークにいたころのほうが、手元に残る額そのものは多かったんだよね。
14. 名無しのReddit住民
みんなが思ってるほど負担の差は大きくない。所得税がない州でも、売上税なり固定資産税なりでどこかから取ってるだけだから。
州ごとの負担率を比べた記事をいくつか見たけど、カリフォルニアとテキサスの差は1.5ポイント程度という数字が出てた。ゼロではないけど、劇的でもない。
もうひとつ大事なのは取り方の違いで、所得税は稼ぎに応じて上に厚くかかるけど、売上税は買い物のたびに一律だから収入の低い人ほど重く効く。自分がどのあたりにいるかで、答えは完全にひっくり返る。
15. 名無しのReddit住民
税金は結局どこかから出てくる。図書館と消防署がある町から、図書館と消防署がある町に引っ越したなら、あなたはその費用を払ってるんだよ。名前が変わっただけでね。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
そのとおりで、税金は必ずある。形と、誰から取るかが違うだけ。テキサスは所得税がない代わりに固定資産税がその穴を埋めてる。つまり負担が稼ぐ人から持ってる人へ移動する。持ち家の人ほど効いてくるし、しかも働くのをやめたあとも同じ請求が届き続ける。
17. 名無しのReddit住民
イリノイからジョージアに移った。所得税はかなり下がった。
最初は固定資産税も低かったんだけど、この5年の不動産の値上がりで課税評価額がぐんぐん上がって、いまでは所得税で浮いた分を完全に食い潰してる。
税金の安さを追いかけて引っ越すのは無駄骨だと思う。その安さは、あっという間に蒸発するから。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
評価額の見直し通知が届いたときの心臓の悪さ、経験した人にしか分からないと思う。契約前に見ていた前の持ち主の納税額をそのまま予算に入れてたら、初年度から想定を大きく超えた。買う前に、その郡で過去何年のあいだに何回上がってるかを調べておけばよかったよ。
19. 名無しのReddit住民
退職してフロリダに来た。ここまでみんなが書いてるとおり、自動車保険と住宅保険が青天井。そもそも引き受けてもらえたら御の字という状況で、保険会社は撤退したか、これから撤退するかのどちらかだよ。電気代はぎょっとする額だし、水道もゴミの回収料金もそれなり。インフラはたいていの場所でひどい。公共交通は存在しない。売上税は天文学的。節約? さあどうだろうね。
※ フロリダはハリケーンの被害が続いたことで住宅保険の支払いが膨らみ、保険料の高騰と保険会社の撤退が同時に起きている。家を買うときに「そもそも保険に入れるか」が先に来る地域もある。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
自分じゃなくて友人の話だけど、まったく同じことを言われた。フロリダに家を買うなら住宅保険の高さを最初から計算に組み込んでおけ、あとから足すと予算が崩れるって。ローンの試算表だけ見て決めると足をすくわれるらしい。
21. 名無しのReddit住民
引っ越しそのものより、保険の見積もりを取る段階で心が折れた人を何人か知ってる。屋根の残り寿命が何年かで断られたり、築年数だけで対象外になったり。条件を満たすために先に屋根を葺き替えろと言われて、その工事費が数年分の節税額を超えてたら、もう何をしに来たのか分からない。
22. 名無しのReddit住民
何年か前にニューヨーク市からナッシュビルに移った。所得税の節約は本物だった。ただ売上税はずっと高いし、固定資産税はこの数年で跳ね上がったし、街そのものが一気に高くなった。市内の駐車場はタダ同然だったのが40ドルになった。住宅価格は高止まりのままで金利も上がったから、2年のあいだにナッシュビルは家を売るのに最高の街から最悪の街に変わったよ。
道路のひどさのせいで、ショックアブソーバーとストラットとタイヤの交換に数千ドル飛んでる。おまけに電力網がしょっちゅう落ちるから、冷蔵庫と冷凍庫の中身を何度も捨てるはめになって、最後は家全体をカバーする発電機を買った。
最初の1〜2年は本当に気に入ってたのに、いまはここに住んでるのが心底いやだ。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
発電機を買うところまで行くの、南部あるあるすぎる。うちも夏の嵐で3日止まって、それ以来ガレージに置きっぱなし。買ったときは負けを認めた気分だったけど、次の停電で近所の冷凍庫の中身を預かるようになってからは、まあ元は取れたと思ってる。
24. 名無しのReddit住民
ニュージャージーからロードアイランドに移った。低税の州とは言えないけど、それでもニューヨークやニュージャージーよりは安い。
向こうで200ドルかかっていた外食が、こっちだと100ドル以下で済む。家賃も、広くていい物件なのにはっきり安くなった。
友人はニューヨークからロードアイランドに来たんだけど、半エーカーくらいの敷地に建つ二世帯住宅の固定資産税が、ニューヨークで住んでいた庭なしの狭い1ベッドルームの3分の1だっていつも言ってる。
25. 名無しのReddit住民
広い家と、いい学区。移住して本当に勝てるのはここだと思う。子どもがいる身としては、これがすべてと言ってもいい。数字に出てこないぶん、比較の表には絶対に載らないんだけどね。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
ただ、いい学区の家はそのぶん高いし固定資産税も高いから、そこに入ろうとした時点で「安い州に来た」ぶんのメリットはけっこう溶ける。うちは同じ郡の中で学区の境界線をひとつ挟んだだけで、ほぼ同じ間取りの物件が7万ドル違った。結局そこを払うことになったよ。
※ アメリカの公立学校はその地域の固定資産税でまかなわれるため、地価が高い=税収が多い=学校の水準が高い、という関係になりやすい。「いい学区の家を買う」は教育費の前払いに近い意味を持つ。
27. 名無しのReddit住民
はっきり勝ってるのは、都会の給与テーブルを保ったまま完全リモートで安い土地に住んでる人だけだと思う。同じ会社でも住所を移した瞬間に給与を再計算される契約なら、節税ぶんは会社に回収されて終わり。移住の話をする前に、まずそこの契約書を確認したほうがいい。
28. 名無しのReddit住民
低い税金には高いコストがつく。安いのは看板だけで、暮らしてみるとどこも安くなってない。請求書の名前が変わっただけだよ。
29. 名無しのReddit住民
3年で戻った側の意見も置いておくね。数字だけ見れば向こうのほうがよかったんだけど、友人も親戚も歩いて行ける店も全部なくなって、週末に行く場所がショッピングモールしかない生活が思ったよりこたえた。浮いたお金で飛行機に乗って帰省してたら、結局その分がまるごと消えてたよ。
30. 名無しのReddit住民
ここまで読んで思ったのは、得したって書いてる人はだいたい家の広さの話をしてて、損したって書いてる人はだいたい保険と車の話をしてるってこと。税率じゃなくて、そのふたつをどこまで許容できるかで答えが決まってる気がする。
まとめ
全体を通して浮かび上がるのは、税金は消えるのではなく形を変えて戻ってくる、という一点だった。州の所得税がゼロになっても、その穴は固定資産税・売上税・保険料のどれかが埋める。しかも所得税と違って、これらは働くのをやめても、収入が落ちても、同じ額を請求してくる。退職してから移った人ほど手ひどく効いているのがその証拠だろう。
もうひとつ効いているのが給料で、生活費の安い土地は人件費も安い。同じ職種で提示額が一段下がるなら、節税ぶんは受け取る前に消えている。逆にはっきり勝っていたのは、都会の給与を保ったまま移った人と、住居の広さや学区を何より優先した人だった。得か損かではなく、何を買いに行ったのかで結論が分かれている。
日本に置き換えれば、家賃の安い地方に移ったら車が2台必要になった、という話に近い。固定費の合計はたしかに下がるのに、内訳が入れ替わったぶんだけ生活のかたちが引っ張られていく。皆さんなら、月々の支払いが同じだとしたら、狭くて便利な街と広くて不便な土地のどちらを選びますか?


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