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海外「自分の気持ちを伝えるためにパワーポイントを作ったことがある」当事者が語る”最初に気づいたサイン”

海外「自分の気持ちを伝えるためにパワーポイントを作ったことがある」当事者が語る"最初に気づいたサイン" その他

「自閉スペクトラム症の当事者に聞きたい。自分にもそういうところがあるかも、と最初に気づいたきっかけは何だった?」——r/AskRedditに立ったこの質問に、1000件を超える書き込みが集まった。説明の長さ、子どもの頃の遊び方、人と目を合わせるときの段取りまで、当事者本人の言葉で語られている。

先に一つだけ。ここに並んでいるのは、あくまで一人ひとりの個人的な体験談であって、診断の基準ではない。当てはまる項目を数えて自分や他人を判定するためのものではないし、同じ診断名の人同士でも中身はまるで違う。実際、スレッドの中には「自分は真逆だ」と書き込む当事者もいる。

※ 定型発達(ていけいはったつ):発達障害の診断を受けていない、多数派の脳の特性を指す言い方。英語圏では neurotypical と呼ばれ、当事者同士の会話で日常的に使われる。

元スレッド:r/AskRedditより

海外の反応

1. 名無しのReddit住民
説明が長くなりすぎるところ。今日あったことを話そうとしているだけなのに、10年前の出来事まで遡らないと気が済まない。だって前提になる事実を全部渡さないと、こちらの言いたいことを正確に理解しようがなくない?

2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
リンゴのパイを一から作りたいなら、まず宇宙を作るところから始めなければならない。君の説明を聞くたびにこれを思い出す。しかも本人にはまったく寄り道している自覚がないのがすごいところ。

※ 天文学者カール・セーガンがテレビ番組で語った有名な一節。「本当の意味で一から作るなら、材料になる元素が生まれるところまで遡ることになる」という趣旨で、説明が果てしなく遡っていく様子のたとえとして英語圏でよく引用される。

3. 名無しのReddit住民
技術寄りの担当者が役員向けに説明する場面、あれが一番しんどい。結論を先に置くという発想が根本からないから、話が終わらない。まともな上司なら途中で引き取って要約してくれるけど、役員のほうは相手の特性がどうこうまで汲んではくれない。高い肩書きの人間が要点を言えていない、としか映らないので。

4. 名無しのReddit住民
自分にとって一番大きなサインは、間違っていること・不公平なことをどうしても流せない性質だった。周りが同じくらい怒らないのが理解できなくて、そのことが何日も頭から離れない。それが周囲にとってどれだけ面倒だったか、長いこと気づけなかった。ちなみに90年代の田舎育ちなので、子どもの頃は診断どころか自閉症という言葉すら耳にしなかった。写真を見返すと手をひらひらさせているし、4歳近くまでほとんど喋っていなかったのに。

※ スティミング:手をひらひらさせる、体を揺らす、同じ音を繰り返すなど、自分を落ち着かせたり感覚を整えたりするための反復的な動き。本人にとっては必要な調整なので、無理にやめさせるものではないとされている。

5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
その裏返しで、誰かが「こんな理不尽なことがあった」と愚痴ってくると、自分が本気で腹を立てる。すると相手に「そう言ってくれて救われた、ありがとう」とやたら感謝される。自分の面倒な部分が、たまに人の役に立つ瞬間。

6. 名無しのReddit住民
小学生の頃、学童の子たちが全員嫌いだった。理由は「正しい遊び方ができないから」。正しいというのは、自分の頭の中にだけあるルールのこと。バービーの服を何時間もかけて選び抜いて、完璧な衣装と完璧な家と完璧な家族構成を作る。そこまで作り込んだら、人形には一切触らない。並べたまま眺めて、頭の中でそのキャラたちの映画を再生する。一緒に遊びたがる子は一人もいなかった。まあ、そうだよね。

7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
ポリーポケットで完全に同じことをしていた。建物を並べて、家具を正しい部屋に入れて、水を入れる仕様の箇所にはちゃんと水を入れて、全員に服を着せて所定の位置に座らせる。そして完成品を眺めて満足する。人形を持って歩かせたり喋らせたりするのは、CMの中だけの演出だと本気で思っていた。

※ ポリーポケット:手のひらサイズのケースを開くと部屋や街が現れる、欧米で定番の着せ替え人形シリーズ。日本での知名度は高くないが、向こうでは世代を象徴するおもちゃとして名前が挙がりやすい。

8. 名無しのReddit住民
待ってくれ。『ウォーハンマー40,000』のミニチュアを整列させて、脳内で戦闘を再現して満足していたのも、その線の話だと言いたいのか。塗装が終わった時点で満足しきってしまって、実際の対戦は年に一回あるかどうかなんだけど。頼むから黙っていてくれ。

※ 『ウォーハンマー40,000』:小さなミニチュアを自分で組み立て・塗装して戦わせる、英国発のテーブルゲーム。対戦よりも塗装や部隊編成そのものを目的にしている層が一定数いる。

9. 名無しのReddit住民
専門の医師に言われた。「自分の気持ちを伝えるためにパワーポイントを作ったことがあるなら、まあ、たぶんそうですね」って。ある。目次と参考文献までつけた。

10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
同僚が自分の取扱説明書を作って、見たい人に配っていた。自分への連絡はこの方法だと助かる、仕事でこういうのが苦手、得意なのはここ、そして最後に「機嫌を取りたいときのコーヒーの好み」まで書いてあった。正直あれは全社で導入してほしい。

11. 名無しのReddit住民
嘘やごまかしが生理的に受け付けない。定型発達の人が笑って流せる程度のものでも無理。あとパターンを拾う力だけ妙に強くて、まだ形になっていない段階の情報から先に気づいてしまう。だからその人が見せている顔と中身がずれていると、頭ではなく体のほうが先に反応する。そのうえで、どれだけ取り繕っても自分は「そちら側の人間ではない」と相手に伝わっている感覚がずっとある。こちらに興味を示してくれた人の目から、話しているうちに光が消えていくのを何度も見てきた。

※ マスキング:目を合わせる、表情を作る、雑談に合わせるなど、その場に合わせて自分の反応を意識的に取り繕うこと。周囲には自然に見えるぶん、本人の消耗が大きくなりやすいと言われている。

12. 名無しのReddit住民
1対1だといくらでも喋るのに、人数が増えた瞬間に黙って観察に回るタイプ。しかもその観察がだいたい気まずい感じに表に出る。はい、自分のことです。

13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
それは自閉スペクトラム症というより、社交不安の話に近い気がする。似た行動でも背景が違うことはあるので、その線引きはけっこう難しいと思う。

14. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
自分もずっとそう言われてきた。20代で不安障害の診断だけもらって、30を過ぎてから改めて調べたら両方だった。どちらか一つに決めなければいけない、というものでもないみたい。

15. 名無しのReddit住民
どこにいても部外者な感じがずっとある。どの集団でも、職場でも、友達といても、たまに家族といてもそう。全員が積極的に関わりたいわけではないけれど、追い出したいわけでもない、というあの宙ぶらりんの温度。あれが一番こたえる。だから結局、黙って見ていて、思いついたときだけ何かを口に出す係になる。

16. 名無しのReddit住民
表情のラグみたいなものを、自分にも他人にも感じる。「あ、ここは今こういう顔をするべき場面だ」と判断してから顔を動かしている感じ。ものすごく短い間なんだけど、知っている人が見れば分かる。手動で表情を操作している感覚、と言えば近いかもしれない。

17. 名無しのReddit住民
何ヶ月も毎食まったく同じものを食べ続けられるし、それでも飽きずにまだ食べたくなる。好きな曲も何百回とリピートして、いまだに聴き足りない。周りにはだいぶ引かれているけれど、直す気は特にない。

18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
自分は真逆で、同じものが二日と続かない。人に説明するとき一番困るのがここで、当事者同士でも「え、そっちなの?」となることが普通にある。同じ診断名でも中身は本当に人それぞれだよ。

19. 名無しのReddit住民
初対面で妙に噛み合う相手は、だいたい同じ側の人だと思っている。世間話が苦手そうな空気を出しているのに、共通の興味の話になった瞬間に一気に喋り出す人。こちらも同じテンションで返せるから、その場で会話がちゃんと成立してしまう。

※ 二重共感問題:話が通じにくいのは片方の能力不足ではなく、特性の異なる二者のあいだで互いに読み違えが起きているという考え方。同じ特性を持つ人同士なら普通に会話が成立する、という当事者の実感がその裏づけとしてよく挙げられる。

20. 名無しのReddit住民
セラピストの机の上が気持ちよく整列していたので、思わず写真を撮った。見せたら「確かに気持ちいいですね」と同意してくれて、そのあと一言、「お伝えしたいことがあります」。

21. 名無しのReddit住民
場面ごとに自分用のアルゴリズムを持っている。目を合わせて5秒、逸らして3秒、ちらっと戻して1秒、また逸らして3秒、そしてまた5秒。ずっと見ていると相手が怖がるし、まったく見ないのも駄目だと学習した結果がこれ。定型発達の人がどういう理屈で目を逸らしたり戻したりしているのかは、いまだにさっぱり分からない。分からないなりに真似しているだけで、たぶん誰も騙せてはいない。

22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
自分の場合、聞いている間はちゃんと見られるのに、話し始めた瞬間に目が逸れる。あと相手の眉間か額のあたりを見ると一気に楽になる。目そのものを見ると、頭の中でラジオの砂嵐が鳴っているような感じになるので。

23. 名無しのReddit住民
数える癖。今日もよく知らない5歳の子と歩いていて「あとどれくらい?」と聞かれ、「自分の歩幅であと200歩くらい」と答えてしまった。前に数えながら歩いたことがあったので。そこから二人で数えながら歩いた。あとでその子も同じ診断を持っていると聞いて、道理で嫌がらなかったわけだと納得した。

24. 名無しのReddit住民
大人になってから診断を受けた。それまでは自閉症というと、見て分かる障害のある人のことだと思い込んでいた。自分の「パニック発作」が実はシャットダウンに近いものだと気づいて色々読み漁って、最初に思ったのはこれ。「会話中ずっと視線の配分を計算して、集まりの前に話題を用意して順番に消化して、嫌なやつに見えないよう表情をフル稼働させている程度で自閉症を名乗るのか。そんなの全員やってるだろ」。全員はやっていなかった。自分がそうだっただけだった。

※ メルトダウン/シャットダウン:情報や刺激を処理しきれなくなった状態。外に向かえば混乱や涙になり、内にこもれば反応が止まって動けなくなる。本人の気合いでどうにかできるものではないとされる。

25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
電車と数学が好きで、小学生の頃に独学でプログラミングを覚えた。男だったら典型例として真っ先に疑われていたと思う。女だったので、誰にも疑われないまま大人になった。あと、確認のために質問しただけで「攻撃的」「仕切りたがり」と言われるのも、たぶんセットでついてくる。

26. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
一応言っておくと、SNSを眺めて自分に診断名をつけるのはやめておいたほうがいい。ここに挙がっている特徴は、一つ一つ取り出せば誰にでも当てはまる。全部が束になって、しかも生活に支障が出ていて、初めて診断の話になる。気になるなら「自分はここで困っている」を持って専門の窓口に行くほうが早いよ。

27. 名無しのReddit住民
靴下がきついと、その日はもう何もできない。明るすぎる照明も、特定の音も無理。あと踊れない。何度練習しても駄目で、他の人が乗っている「流れ」に一度も乗れたことがない。手足を一本ずつ、どう動かすかを考えてしまうので。

※ 感覚過敏:光・音・におい・肌ざわりなどの刺激を、多数派より強く受け取ってしまう状態。逆に痛みや寒さを感じにくい「感覚鈍麻」が同じ人に同時にあることも珍しくない。

28. 名無しのReddit住民
予定が変わるのが本当にしんどい。切り替えそのものが苦手で、出勤するだけでも3時間前に起きて準備する。会社に着いてからも、駐車場の車の中でしばらく座って呼吸を整えないと建物に入れない。

29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
分かる。あと、人の話に自分の体験を重ねて返すやつ、あれ自己中だと思われがちなんだけど、こちらとしてはそれが「分かるよ」の伝え方なんだよね。「それ聞いて思い出したんだけど、自分も前に……」と始まるやつ。悪気は本当にない。

30. 名無しのReddit住民
楽しいほうの兆候。パターンや小さな違いに異常に気づく。森より木を見るタイプなので、いつもの道や食べ物のわずかな変化がすぐ分かる。楽しくないほうの兆候。人付き合いが毎回混乱するし、終わったあとに全部のやりとりを再生して一人反省会が始まる。二人の声を同時に聞き取ろうとしているところに、シャツのタグと食べ物のにおいと変わり続ける照明が乗ってくると、その場から逃げるしかなくなる。逃げられないと動きが止まるか、最悪その場で崩れる。体が大きくて刺青も入っている中年がそれをやると、周りには危ない人にしか見えないのがまた厄介なところ。それでも今の自分の人生は好きだよ。写真とバイクと飛行機の話ができれば幸せだし、家族もいるし、孫までいる。若い頃はきつかった。もう少し早くこの言葉を知っていたら、と思うだけ。

まとめ

読んでいて印象的なのは、挙がっているものの多くが「できない」の話ではなく「手動でやっている」の話だという点だ。視線の配分も、表情も、雑談の順番も、多数派が意識せずにこなしていることを、一つずつ手作業で組み立てている。だから終わったあとに消耗するし、一人反省会が始まる。目を合わせる秒数まで決めている21番の書き込みと、話し始めると目が逸れる22番の書き込みが並んでいるのが象徴的で、同じ「目が合わない」でも中身がまったく違う。

もう一つ大事なのは、当事者同士でも中身がまるで違うこと。同じ食事を何ヶ月も続けられる人がいれば、二日で無理な人もいる。抱きしめられるのは平気なのに、軽く触れられるのは耐えられないという人もいる。だから冒頭に書いた通り、これはチェックリストではない。当てはまる数を数えても何も分からないし、当てはまらないから違う、とも言えない。26番の書き込みが釘を刺している通り、特性は一つ一つ取り出せば誰にでもあるもので、それが束になって生活に支障が出て、初めて診断という話になる。

「子どもの頃から何かが違ったけれど、それを説明する言葉がなかった」という語り方は、日本語で書かれたものを読んでいても近いものがある。最後の書き込みの「若い頃はきつかった。もう少し早くこの言葉を知っていたら」という一言は、たぶん国を問わない。皆さんは、自分や身近な人が当たり前にやっていると思っていたことが、実は手動だったと気づいた瞬間はありますか?

※ この記事は元スレッドの書き込みを翻訳・編集したもので、いずれも投稿者本人の個人的な体験です。診断の基準でも、判定のための材料でもありません。気になる点がある場合は、医療機関や発達障害者支援センターなど専門の窓口にご相談ください。

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