安定した仕事を辞めてガレージでポッドキャスト、爆音のバイクに革のベスト、そして家族を置いてトルコで植毛。海外の掲示板に「今まで目撃した中で一番イタい中年の危機は?」という質問が立ち、身内や同僚の暴走を間近で見てきた人たちが次々と体験談を持ち寄りました。笑い話で済んでいるものから、5年後の答え合わせまで一気にどうぞ。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
うちの叔父。安定した会社勤めを辞めて、貯金を全部まとめて暗号資産に突っ込んで、ガレージで「マインドセットと資産形成」のポッドキャストを始めた。リスナーは12人。それなのに喋り方も着ているものも、完全に『アメリカン・サイコ』の主人公をやってる。
※ 『アメリカン・サイコ』=1980年代のウォール街を舞台にした2000年の米映画。高級スーツと名刺の紙質にこだわり、自分に酔い続けるエリート像で知られる。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
それ、うちの近所にもいる。36歳、高校生の娘が2人。エンジニアの職を辞めて、ポッドキャストに使う時間を作るために清掃の仕事に移った。同じような中年男が集まってポッドキャストの共同ネットワークを作っていて、全員リスナーは2桁。互いをゲストに呼び合って「コミュニティの牽引役」を名乗ってる。元締めはライフコーチで、参加するには金を払う仕組み。何を言われても「信じれば実現する」で押し切る空気で、見ているのが本当につらかった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
ただ「全財産を暗号資産に」は、それをやった年によって評価が180度ひっくり返るんだよな。十数年前なら語り継がれる伝説の男、去年なら…って感じで。叔父さんがどっちの年にやったのかで話が変わってくる。
4. 名無しのReddit住民
知り合いに、自分の投稿を全員に見せたいというだけの理由でSNSを丸ごと買った人がいるよ。恥ずかしい話だよね、うん。
※ 2022年にイーロン・マスク氏がTwitter(現X)を買収した件をなぞった冗談。次の返信もそのネタ。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
しかも綴りが面倒だからという理由で、サービスの名前を一文字に変えた。中年が思い切るときの決断の速さだけは毎回本物なんだよ。向かっている方向がおかしいだけで。
6. 名無しのReddit住民
40代後半の知り合いが、やたら音のでかいバイクを買って、どこへ行くにも革のベストを羽織るようになった。極めつけは、子どもの高校の友達に若者言葉で話しかけ始めたこと。話しかけられた側より、横で聞いているこっちの顔が赤くなった。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
バイクに乗る側として言わせてもらうと、バイクに乗っていて一番しんどいのは他のバイク乗りなんだよ。ああいう人のせいで趣味ごと同じ枠で見られる。
8. 名無しのReddit住民
うちの父はケモナーになった。今となってはイタいとも思わなくなったけど、最初に自作の着ぐるみが玄関に届いた日の、家族全員が黙り込んだ空気だけは一生忘れられないと思う。
※ ケモナー(ファーリー)=擬人化した動物キャラクターを愛好する層。自作の着ぐるみを着て集まる大規模なイベントが各国で開かれている。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
そこまで言っておいて詳細ゼロで立ち去るのは犯罪だと思う。こっちは被害者の気持ちだよ。別でスレを立てて最初から全部書いてくれ。
10. 名無しのReddit住民
2000年代の初め、40代半ばだった父が別人になった。それまではのんきに冗談ばかり言う人だったのに、悪魔がどうの、税金がどうの、若い世代が自分を狙っているだのと、部屋の空気を全部吸い取る勢いで喋り続けるようになった。今は共産主義が来る日に備えて弾薬と缶詰を積み上げてる。昔の父に戻ってほしい。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
スレ主が聞いてるのは「一番イタい」であって「一番しんどい」じゃないんだよ。それはさすがに重い。読んでいて笑うところが一つもなかった。
12. 名無しのReddit住民
高校のときの友達の母親の話。40代半ばで息子の友達(当時18歳)と付き合い始めて、そこからアヤワスカにのめり込んで、南米に渡ってシャーマンとして何年か暮らしてた。帰ってきた理由が「コロナで飛行機が止まったから」なのも含めて出来すぎてる。今は近所で音楽の先生をしているらしい。
※ アヤワスカ=南米アマゾン地域で儀式に使われる幻覚作用のある煎じ薬。近年は精神的な癒やしを求めて欧米から現地ツアーに参加する人が増えている。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
似た話を知ってる。音楽をやってる20代前半の子が40代の女性と付き合いだして、そこからアヤワスカに行き着くまでの流れが不気味なくらい同じだった。偶然なのか、思っているより数がいるのか、どっちなんだろう。
14. 名無しのReddit住民
服装や趣味が変わる程度なら実害はないし、正直に言うと見ていて楽しい。おじいちゃんが動画に出てくる若者みたいな格好をしていても、笑って終わる。きついのは、長年の伴侶と思春期の子どもを下取りに出して、若い相手と赤ん坊でもう一周やり直そうとするやつ。自尊心が満たされている期間より、そのあとに残る面倒のほうが確実に長い。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
しかも最終的に全方向から恨まれる。上の子は自分が下取りに出されたと受け取るし、下の子は下の子で、父親が友達の父親より一回り上で一緒に走れないと気づく年齢が必ず来る。
16. 名無しのReddit住民
知り合いの知り合いが、妻と子ども2人を置いて家を出た。本人いわく「他にいくらでも相手がいるから」。トルコで植毛と歯の治療を済ませて、百貨店で頭から爪先まで買い直して、オープンカーとバイクを両方そろえた。5年後の今は独り身で、2部屋の賃貸に住んでいて、車は止まったまま動かず、5年前の服をだましだまし着てる。一方の元妻は仕事が軌道に乗って、人生で今が一番いいと言ってる。
※ トルコは植毛や歯科治療の費用が欧州の数分の一で済むため、施術目的で渡航する人が非常に多い。「トルコで歯と髪をやってきた」は欧州ではそれだけで通じる言い回し。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
子どもを1週間交代で預かる取り決めにしたところが効いてる。彼女は自分の時間を丸ごと取り戻して、彼の手元にはガタの来た車と5年前の革ジャンだけが残った。落とし所として完璧すぎる。18. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
この手の話、男の側がうまくいった例を自分は一度も見たことがない。家を出るときは全員「ここから人生が変わる」という顔をしているんだけどね。
19. 名無しのReddit住民
総合格闘技のジムでコーチをしてる。40代半ばの人が入会するのはよくあることで、たいていは体を動かしたいだけで試合には出ない。でもその人は違った。筋肉こそついているものの動きは素人のままで、入会1ヶ月でジムのロゴと格言のタトゥーを入れて、毎週のように試合を組んでくれと言い続けた。半年で根負けして組んだら、これまで会ったことのある人全員にSNSで告知して回った。当日、最初の一発をもらった瞬間に泣き出して、相手に背中を向けて、1分で止められた。それ以来ジムには来ていない。対面したときの写真だけは今もプロフィールに残ってる。
20. 名無しのReddit住民
元同僚が社会人向けの修士課程に入った。夜間中心で、ここまでは立派な話。その次に大学のスカイダイビング部に入部した。飛んだ経験はゼロ。目的は学生と飲みに行くことと、10代の女子学生と仲良くなることだった。結局、修士のほうは中退したのに部活だけは続けて、ほぼ毎晩学生と飲み歩いてた。40代、既婚、子ども2人。
21. 名無しのReddit住民
40代後半の銀行員が、200万円を超えるピナレロ・ドグマとツール・ド・フランス級の機材、やたら高い補給ジェルまで一式そろえて、20キロ先のカフェまで走って、そこで表彰台に立った選手みたいな顔をしてる。自転車を25年やってきた身としては、この趣味がここ数年で消費自慢の場になっていくのを見ているのがきつい。
※ ピナレロ・ドグマ=ツール・ド・フランスの優勝車にもなったイタリアの高級ロードバイク。完成車で200万円を超えるモデルもある。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
そこは擁護したい。カフェまで走って写真を撮って帰ってくるだけの人は、家庭に火を付けて出ていく人より百倍まともだよ。金の使い道としても健全だし、少なくとも本人は日光を浴びて心拍数を上げてる。イタい中年のなかでは最上位の部類だと思う。
23. 名無しのReddit住民
71歳の知り合いが23歳の恋人を作った。年の差そのものに文句を言うつもりはないけど、あの二人は組み合わせがひどくて見ていられない。極めつけは彼のことを「ランボ」と呼ぶこと。理由が「ランボルギーニと同じだよ、ただし走行距離ゼロ」。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
いい話だけど、71歳はもう中年の危機じゃないだろ。人生の終盤に来た危機だよ。そろそろ別の名前を付けてやったほうがいい。
25. 名無しのReddit住民
大学に進まないまま事業で成功して、40歳で実質的に引退した人が、今から大学に通うと言い出した。しかも「学生生活を丸ごと味わいたい」という理由で寮に入居した。男女共用の寮に40歳の男性が住むことになって、18歳の子を送り出したばかりの親たちが一斉に青くなったらしい。
26. 名無しのReddit住民
女性と知り合いたいという理由だけでドゥーラになった男を知ってる。冗談で言ってるんじゃなくて本気で、しかも研修は真面目に最後まで受けていた。動機が最悪なのに手続きだけ律儀なのが逆に不気味だった。
※ ドゥーラ=出産の前後に妊婦へ付き添い、精神面と生活面を支える非医療の専門職。欧米では女性が務めるのが一般的。
27. 名無しのReddit住民
若い頃に付き合っていた元恋人が2人とも、それぞれ別の男性と結婚して子どもを産んで、離婚して、今はそろって自分は魔女だと確信してる。示し合わせたわけでもないのに、投稿の写真の雰囲気まで似てくるのが不思議でならない。
28. 名無しのReddit住民
たぶん自分のがそれ。ポップカルチャー系のグッズと版画の類に、気づいたら10万ドル、日本円で1500万円前後を使っていた。なぜあれだけ買ったのか自分でも今も説明できない。ここ何年か、少しずつ売って手放してるところ。
29. 名無しのReddit住民
うちのは方向が違って、悪くないほうの中年の危機だった。30代半ば、法律事務所勤めで、心のほうはとっくに削れてた。体重は増えて背広の前が閉まらない。12月の金曜の夕方、上司が机にボーナスの封筒を置いていった。車のなかでその封筒を眺めながら、自分は本当は何がしたいんだと考えて、頭に浮かんだのが大学時代のスキーだった。15年ぶりだし太ってるし金がかかる、と言い訳を全部並べたあと、そのままスキー用品店に向かった。金曜の夜にスーツ姿で現れて板もブーツもウェアも全部くれと言う中年に、店員は完全に面食らってた。心配されたのかビールまで出てきた。あの冬は20日以上滑って、それから毎シーズン続いてる。10年たって14キロ落ちて、18歳のときより確実にうまくなった。
30. 名無しのReddit住民(>>29への返信)
これは全然イタくない。むしろ一番いい使い方だよ。自分も今まさに適齢期なんだけど、危機を起こすための金がなくて、入り口の前で止まってる。
まとめ
並べてみると、笑い話で済んでいる中年とそうでない中年の差はかなりはっきりしていて、境目は「何を買ったか」ではなく「誰かに請求書を回したか」でした。バイクも革のベストもスカイダイビングも、本人の財布と時間のなかで完結している限りは、周りが少し赤面するだけで終わります。空気が変わるのは、家族の生活や子どもの信頼を原資にした瞬間から。5年後に手元に残っていたのが動かない車と着古した革ジャンだった、という結末が何度も出てきました。
もう一つ共通していたのは、変化そのものより「まったくの別人になろうとする」ほうが痛々しく見えるという点です。板を買い直した人が笑って終われているのは、新しい人格を手に入れようとしたのではなく、18歳の自分の続きを取りに行っただけだからでしょう。日本では中年以降の趣味の再開が「定年後の楽しみ」としてわりと穏やかに受け止められがちで、この温度差もなかなか面白いところです。
皆さんの周りには、笑って済ませられた中年の危機と、そうでなかったものはありましたか?

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