「世界の歴史で、いちばん大きな“PRスタント”って何だと思う?」――海外掲示板にこんな質問が投げられ、660件を超えるコメントが集まりました。PRスタントとは、話題を集めるために仕掛ける派手な演出のこと。いちばん支持を集めたのは「ダイヤモンドは珍しい石」という売り方そのもので、続いたのは、崩れるのではと怖がられていた開通直後のブルックリン橋を、サーカス王がゾウの行列で渡ってみせた話でした。ほかにも、レストランの星がタイヤ会社の作戦だったミシュラン、女性に煙草を吸わせた「自由のたいまつ」、成層圏からのダイブを生中継したレッドブル、ニンジンと視力の話まで。よく知られた話のなかには「実はそうでもない」というものも混ざっていて、コメント同士で訂正し合っているのも見どころです。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
ダイヤモンドを「めったに採れない貴重な石」ってことにして売ったこと。歴史上、これ以上うまくいった宣伝はないと思う。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
デビアスなんて何十年も供給をほぼ丸ごと握ってたうえに、光る石ころに給料3か月分を払うのが当たり前だって、世界中に信じ込ませたんだからな。
※ デビアスは南アフリカで生まれたダイヤモンド会社で、20世紀の大半、世界の原石の流通の大部分を握っていた。婚約指輪の予算の目安も同社の広告が広めたとされ、アメリカでは1930年代の「給料の1か月分」が、1980年代には「2か月分」になった。日本で昭和に言われた「給料の3か月分」も、1970年代の同社の日本向け広告が出どころとする説明が多い(宝飾会社の宣伝文句だという説もある)。3. 名無しのReddit住民(>>2への返信)
うちはいい人と結婚できたよ。妻が欲しがったのはモアッサナイトで、俺の給料1回分もしない値段。それなのに、見た人はみんな「いいの買ったな!」って褒めてくれる。見た目は完全にでっかいダイヤなんだよ。
※ モアッサナイトは炭化ケイ素でできた宝石。見た目がダイヤモンドによく似ていて、値段はずっと安い。4. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
本当にすごいのは、「一度買ったら絶対に手放さない」と思わせたことだよ。
「ダイヤモンドは永遠」のキャンペーンは、そもそも中古市場をつぶすのが狙いだった。遺産相続や離婚のたびにみんながダイヤを売りに出したら、市場にあふれて、実はどれだけありふれた石なのかバレてしまう。だから売ること自体を気まずいことにして、希少だっていう幻想を守ったんだ。
※ 「A Diamond is Forever(ダイヤモンドは永遠)」は、デビアスのために1947年に作られた広告コピー。日本では「ダイヤモンドは永遠の輝き」のフレーズで知られる。
5. 名無しのReddit住民
P・T・バーナムが21頭のゾウにブルックリン橋を渡らせた話。
1883年5月に開通したブルックリン橋は、当時世界一長い吊り橋だった。でも市民は「本当にこんなものがもつのか」と疑ってた。開通の6日後、歩道の階段で女性がかかとを引っかけて、誰かが「橋が崩れる!」と叫んだせいでパニックになり、押し合いで12人が亡くなった。それ以来、橋ごとイースト川に落ちると本気で信じて、渡るのを怖がる人が多かったんだ。
実はバーナムは開通前に、サーカスの行列を橋に通させてくれと市にお金まで出すと申し出てたんだけど、品がないって断られてた。1年たっても不安は消えず人通りも伸びないままで、市はとうとう折れた。
1884年5月17日、バーナムは6トンの人気者のゾウ「ジャンボ」を先頭に、ゾウ21頭とラクダ17頭の行列でマンハッタンからブルックリンまで橋を渡った。理屈は単純で、ゾウの行列が通ってもびくともしない橋なら、毎日の通勤客くらい余裕ってこと。不安は一晩で吹き飛び、橋の安全は証明され、バーナムはアメリカ史上最高のタダのサーカス宣伝を手に入れたってわけ。
※ P・T・バーナムは19世紀アメリカの興行師で、サーカスを大衆娯楽に育てた人物。映画『グレイテスト・ショーマン』(2017年)の主人公のモデルでもある。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
上から読んできて、質問にまともに答えてるコメントはこれが最初だな。ほかのは「宣伝がうまくいった話」であって、仕掛けた「スタント」じゃないんだよ。7. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
ゾウとラクダが渡ったお墨付きの橋があるんですけど、あなたにだけ特別にお安くお譲りしますよ……
※ 英語には「それを信じるなら、橋を売ってあげるよ」という、何でも信じる人をからかう決まり文句があり、その橋の定番がブルックリン橋。
8. 名無しのReddit住民
エドワード・バーネイズ。「プロパガンダ」の言い換えとして「パブリック・リレーションズ(PR)」って言葉を作った人。朝ごはんはベーコンと卵、っていうのを定番にしたのもこの人だし、ラッキーストライクを売るために女性のファッションで緑を流行らせたりもしてる。しかもそれが当たったんだから。
※ バーネイズ(1891〜1995年)はアメリカの広報の草分けで、精神分析のフロイトの甥。ただ、「パブリック・リレーションズ」という言葉自体は彼より前から使われていたとされる。ベーコンと卵の朝食もイギリスなどではそれ以前からあり、彼が広めたのは「医者も勧めるしっかりした朝食」というイメージだと言われる。緑の流行は、当時のラッキーストライク(煙草の銘柄)の箱が緑色だったため。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
バーネイズがどうやって女性に煙草を吸わせたか、これがまた面白いんだよ。
1929年当時、人前で煙草を吸うのは男だけで、女性が吸うのははしたないとされてた。そこで彼は、ニューヨーク五番街のイースター・パレードに女性たちを雇って参加させた。煙草はカメラの前に来るまで隠しておいて、そこで火をつける。名付けて「自由のたいまつ」。アメリカン・タバコ社の社長に雇われて、煙草の客を女性にまで広げるための作戦だった。要するに、第一波フェミニズムを一企業の煙草の売り上げのために利用した(武器にした、と言ったほうが正確かも)わけ。
で、PRの仕事をしてた身として言わせてもらうと、今との一番の違いは、クライアントも作戦もほとんど表に出さなくなったことくらい。ある種の(いや、たぶんどこの)代理店でも、長くいると魂をなくすよ。
※ 第一波フェミニズムは、19世紀末〜20世紀初めに女性の参政権などを求めた運動。10. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
この人、バナナ会社のために一国の政府を倒す手伝いまでしてるからね。
1950年代、グアテマラで選挙で選ばれた大統領が農地改革を始めて、ユナイテッド・フルーツ社の儲けが脅かされた。そこで雇われたのがバーネイズ。「グアテマラはソ連の足がかりになりつつある」とアメリカ国民とワシントンに思わせる大キャンペーンを張って、大手新聞に記事を仕込み、記者たちを段取りの決まった視察旅行に連れて行った。CIAがクーデターを後押しするための政治的な口実を、ほぼこの人が作ったようなもの。
ベーコンを売ってた人が、政権転覆の宣伝までやるようになるんだから、とんでもない話だよ。
※ 1954年、グアテマラのアルベンス政権がCIAの支援したクーデターで倒された件。ユナイテッド・フルーツ社は中南米でバナナ農園を経営していた会社で、現在のチキータの前身。
11. 名無しのReddit住民
1) ナポレオンは背が低かった、っていうイギリスの宣伝
2) ニンジンを食べると目が良くなる、っていうイギリスの宣伝
※ ナポレオンの身長は約168〜170cmで、当時のフランス人男性としては平均かやや高いほうだったとされる。小男のイメージは、イギリスの風刺画や、フランスとイギリスで「インチ」「フィート」の長さが違ったことなどが重なって広まったと言われる。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
うちの父親の口ぐせ。「ニンジンを食べなさい、目にいいから。メガネをかけたウサギなんて見たことないだろ?」🤓13. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
2つ目はドイツ軍をだますためだった、ってよく言われるけど、ドイツ側はレーダーのことを分かってたよ。バトル・オブ・ブリテンではレーダー基地を狙って攻撃してるくらいだし。ニンジンの話は、むしろ自国民向けだったんだと思う。レーダーが何なのか誰も知らなければ、基地も隠しやすいからね。
※ 第二次大戦中、イギリス空軍の夜間戦闘機が活躍した理由を「ニンジンで夜目が利くから」と宣伝し、新兵器のレーダーを隠したとされる話。バトル・オブ・ブリテンは1940年のイギリス上空での航空戦。ニンジンに含まれるβカロテンは体内でビタミンAになり、不足すると夜盲症の原因になるが、たくさん食べても視力が普通より良くなるわけではない。
14. 名無しのReddit住民
2012年のレッドブル・ストラトス。
3,000万ドルくらいかけて、フェリックス・バウムガートナーをカプセルに乗せ、巨大なヘリウム気球で高度24マイル(約39km)の成層圏まで上げて、そこから飛び降りて自由落下で音速を超えさせた。
YouTubeのライブ配信は800万人以上が同時に見て、当時の同時視聴の記録を軽々と塗り替えた。何日も世界中のニュースのトップを独占して、主要なテレビ局が軒並み流して、ほぼすべての映像のど真ん中にはでっかいレッドブルのロゴ。
スーパーボウルのCM枠を何本か買うくらいの費用で、本物の航空宇宙の偉業をやってのけて、「エナジードリンクも売ってる、スタントとメディアの会社」っていう評判を固めたわけだ。
※ バウムガートナーはオーストリアのスカイダイバー。費用は公表されていない。スーパーボウルはアメリカで最も多く見られるスポーツ中継で、CM枠の値段が毎年話題になる。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
しかも、そのあとすぐ別の人がもっと高いところから飛んで記録を破ってるんだよね。そっちの名前は、ほとんど誰も覚えてない。宣伝の力ってそういうことだよ。
※ 2014年、当時グーグルの幹部だったアラン・ユースタスが、高度約41kmから飛び降りて高度の記録を更新した。
16. 名無しのReddit住民
サンタクロースかな。あの「ボウルいっぱいのゼリーみたいに揺れるおなか」のおじさんをコカ・コーラが発明したわけじゃないけど、今のサンタのイメージは、ほぼ間違いなくあそこの広告のおかげだと思う。
これをPRスタントと呼んでいいのかは分からない。でも、ひとつのイメージを作り上げて大ヒットさせて、あとは自分で宣伝しなくても勝手に広まっていくようにしたのは確かでしょ。
※ 「ボウルいっぱいのゼリー」は1823年の詩『クリスマスのまえのばん』で、サンタのおなかが揺れる様子をたとえた一節。コカ・コーラは1931年から画家ハッドン・サンドブロムにサンタの広告画を描かせ、今の陽気な姿を定着させた一因とされる。ただ、赤い服のサンタはそれ以前の雑誌の表紙や広告にもすでに描かれており、「赤い服はコカ・コーラが作った」というのは俗説。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
今のサンタの姿を作ったのは、1860年代のトマス・ナストだよ。コカ・コーラがそれを大々的に広めたのは認めるけど、作ったのはコークじゃない。
※ トマス・ナストは19世紀アメリカの風刺漫画家。雑誌『ハーパーズ・ウィークリー』に、白ひげで太ったサンタを長年描いた。
18. 名無しのReddit住民
ミシュランの星付きレストランって、もともとは宣伝の仕掛けなんだよ。みんなにもっと車で遠出させて、もっとお金を使わせるため。何にって、そりゃもちろんミシュランのタイヤに。
※ タイヤメーカーのミシュランが1900年に、ドライバー向けの案内書として始めたのが『ミシュランガイド』。星による格付けは1920年代に始まった。一つ星は「近くに行ったら寄る価値あり」、二つ星は「遠回りしてでも行く価値あり」、三つ星は「そのために旅行する価値あり」という意味。日本では2007年に東京版が出ている。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
ちなみに、ミシュランのタイヤもかじってみたけど、ほかのメーカーのと比べて別においしくはなかったよ。星はゼロだな。
20. 名無しのReddit住民
いちばん大きいわけじゃないけど、俺は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の宣伝にまんまと引っかかった。当時はティーンで影響されやすくて、ネットも携帯もない生活だったからね。「見つかった映像」っていう仕掛けが、俺にも友達にも見事に効いたよ。
※ 1999年のアメリカのホラー映画。森で行方不明になった学生3人が残した映像、という体裁で作られ、公開前から公式サイトで実際の事件のように宣伝して話題を集めた。製作費はごくわずかだったが、世界的なヒットになった。
21. 名無しのReddit住民
よく誤解されてるけど、テキサス州のモットーは「ドント・メス・ウィズ・テキサス(テキサスをなめるな)」じゃない。信じられないかもしれないけど、あれは80年代後半から90年代初めごろにできたポイ捨て防止の標語なんだ。当時のテキサスはゴミのポイ捨てが本当にひどくて、州の交通局が「テキサスを汚すな」と呼びかけるために考えた。で、すごいのは、これがめちゃくちゃ効いたってこと。
※ 「mess with」は「ちょっかいを出す」と「散らかす」の両方の意味に取れる。キャンペーンは1986年に始まり、今ではテキサスの気風を表す言葉として広く使われている。州の正式なモットーは「Friendship(友情)」。
22. 名無しのReddit住民
コーヒーが熱すぎたって理由で何百万ドルも手にした女性の、マクドナルドへの訴訟。あれを「ばかげた訴訟」に仕立て上げたこと。
※ 1992年、79歳の女性がドライブスルーで買ったコーヒーを膝の上でこぼし、太ももの内側などに皮膚移植が必要な3度の火傷を負った件。1994年に陪審は約290万ドルの賠償を認めたが、判事が約64万ドルに減らし、その後は非公開の額で和解した。「熱いコーヒーで大金をせしめた」という話として広く笑いものにされ、訴訟で認められる賠償を制限すべきだと主張する側にも、ばかげた訴訟の代表例としてたびたび持ち出された。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
最初に求めてたのは、治療費の2万ドルと、必要もないのに沸騰寸前のお湯みたいなコーヒーを出すのはやめろってことだけだったんだよ。
マクドナルドが提示したのは800ドル。そのあとの裁判の賠償金は、要するに「ふざけんな」って意味のお金だったわけ。
24. 名無しのReddit住民
経済学者たちが自分たちの格を上げるためにノーベル賞を自前でこしらえて、ほかのノーベル賞と同じ扱いに紛れ込ませたこと。
俺もトランポリンのノーベル賞を始めようかな。
※ いわゆるノーベル経済学賞は、ノーベルの遺言にはなく、スウェーデンの中央銀行が1968年に創設した賞。正式名は「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」で、発表や授賞式はほかの部門と一緒に行われる。
25. 名無しのReddit住民
ノルド人がグリーンランドって名前をつけたやつ! 氷だらけの島に「緑の島」だよ。
※ アイスランドの古い記録によると、10世紀末にこの島へ入植した「赤毛のエイリーク」が、「いい名前なら人が行きたがる」と考えてグリーンランドと名付けたとされる。島の大部分は氷床に覆われている。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
まあ公平に言うと、最初の候補だった「氷とシロクマだらけの凍った地獄」は、モニター調査での評判が悪かったからな。
27. 名無しのReddit住民
テルモピュライの「スパルタの300人」は、かなり有力だと思う。昔書いたコメントを貼るね。
あの300人は、負けた話を宣伝で塗り替えた結果なんだよ。
前振り。スパルタには、期間中は戦争に出ないカルネイア祭みたいな祭りがあった。前にペルシアが攻めてきたとき、スパルタはアテナイから援軍を頼まれたのに、祭りの時期だからと間に合わなかった。そのマラトンの戦いはギリシャがペルシアに勝った伝説の一戦になって、スパルタの役回りは「全部終わってから来た人たち」。
それから10年。ギリシャ最強の軍隊だったはずのスパルタは、アテナイのせいで「たいしたことない」扱いされかけてた。
いいニュースと悪いニュースと笑えるニュースがある。
いいニュース:スパルタに汚名返上のチャンスが来た。
悪いニュース:ペルシアがまた攻めてきたから。
笑えるニュース:またカルネイア祭の時期。
何も送らなかったら一生言われるから、王と、どう見ても足りない兵だけを送った。レオニダス王はクセルクセスに出し抜かれ、軍の大半を帰して、2,000人ほどで峠に残って全滅。たいした戦果もなく、アテナイは焼かれた。
でも、アテナイの将軍テミストクレスがペルシアの大艦隊をサラミスの狭い海峡に誘い込んで大勝利。勝った船団はほとんどアテナイの船で、スパルタ本国の船は16隻だけ。うわぁ。
さてどうする? 話を盛るしかない!「スパルタは王と勇敢な戦士300人を送り、3日間ペルシアの全軍から峠を守り抜いた! 裏切りさえなければ負けなかった! レオニダスの犠牲のおかげでギリシャは守りを固められたのだ! スパルタ! スパルタ!」
テルモピュライは歴史上最高の偉業のひとつだよ。軍事史じゃなくて、プロパガンダ史のね。それがなければ、ザック・スナイダーが撮ってたのは、アテナイの中年のおじさんが、ほかの中年のおじさんたちに「船を全部ぶつけるなら今だ!」って説得して回る映画だったはず。
※ テルモピュライの戦い(紀元前480年)は、ペルシア王クセルクセスの大軍を、スパルタ王レオニダスらが狭い峠で迎え撃った戦い。映画『300〈スリーハンドレッド〉』(2007年、ザック・スナイダー監督)の題材になった。マラトンの戦いは紀元前490年。テルモピュライの評価は歴史家の間でも分かれ、ここに書かれているのは投稿者の見方。なお、テミストクレスが主人公の続編『300〈スリーハンドレッド〉~帝国の進撃~』(2014年)は実際に作られている。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
うーん。いい指摘もあるし、プロパガンダで話が盛られたのも確かだと思う。でも、あなたも逆方向にだいぶ偏ってない? 何が本当で何が盛られたかを見分けるんじゃなくて、全部をこき下ろしにいってる感じがする。
ペルシア軍の規模をいちばん少なく見積もっても、ギリシャ連合軍よりはるかに多かったのは変わらない。回り込まれる心配をせずに有利な地形で戦える場所なんて、ほかにはなかった。あの峠は守るにはいい場所だったんだよ。抜け道があることはレオニダスも知ってたし、それを地元の人間が敵に教えたのも本当。スパルタがそこを強調して何が悪いの?
29. 名無しのReddit住民
H・G・ウェルズの『宇宙戦争』のラジオ放送のパニック。ドラマを本物の火星人襲来のニュースだと思い込んで、アメリカ中が大騒ぎになったっていうやつ。
30. 名無しのReddit住民(>>29への返信)
それって、「パニックが起きた」っていう宣伝のほうのこと? 何十年もたった今でも、あれで大パニックが起きたってみんな本気で思ってるのは面白いよね。
※ 1938年、俳優のオーソン・ウェルズが、H・G・ウェルズの小説『宇宙戦争』をラジオドラマにして、火星人の襲来を臨時ニュース風に演出した。翌日の新聞が「全米がパニック」と大きく報じたが、実際に信じて逃げ出した人はごく一部だったとする研究が多い。広告を奪い合うライバルだったラジオの信用を落とそうと、新聞が話を大きくしたという見方もある。
まとめ
「史上最大のPRスタント」という問いに、いちばん多く挙がったのはダイヤモンドでした。じつは珍しくない石を「珍しい」と言い続け、「永遠」という言葉で手放しにくくし、婚約指輪の予算の目安まで広告で決めてしまう。日本で昭和に言われた「給料の3か月分」も、出どころをたどるとこの流れに行き着くという説明が多く、海の向こうの話とは言い切れません。ミシュランの星、テキサスのポイ捨て防止の標語、グリーンランドという名前のように、宣伝として始まったことが忘れられて、言葉や習慣だけが残っているものほど「うまくいったPR」なのだと分かります。
一方で、このスレッドが面白いのは、コメント同士の訂正です。サンタの姿はコカ・コーラより前からあった、ニンジンの話でだましたかった相手はドイツ軍ではなく自国民だったのでは、スパルタの300人をこき下ろすのも偏りすぎだ――「よく知られた裏話」自体が、また別の誇張だったりします。最後の『宇宙戦争』の一言は、その最たるものでしょう。パニックを起こしたラジオではなく、「パニックが起きた」という話のほうが何十年も信じられてきたのだとしたら、いちばん長く効いているPRは、私たちが疑わずに覚えている「豆知識」の中にあるのかもしれません。皆さんは、あとから宣伝だったと知って驚いた「常識」はありますか?

コメント
これも面白い話
昔、人工ダイヤ技術がまだお粗末だった頃
「こんな混ざり物の多い物は価値がない」と
ダイヤ業界は「無価値」と吐き捨てた
しかし、技術が上がって天然ダイヤよりも
不純物が少ない人工ダイヤが作れるようになると今度は
「こんな混ざり物の少ない物は不自然」と
ダイヤ業界は「綺麗すぎる!」と吐き捨てた
結局、最初から人工ダイヤの価値は認めないといっていたに過ぎなかった