「これ、たぶん違法だよね」と思い込んだまま、一度も確かめずに避けていること。r/AskRedditで警察官たちに聞いてみたら、ヘリコプターと火炎放射器、横断歩道の中で切られた切符、そして「黙秘権は口に出さないと使えない」という話まで飛び出してきた。
最初に断っておくと、以下はすべてアメリカ(一部はイギリス・カナダ)の話で、日本の法律とはかなり違う。しかもアメリカは州ごとに法律がバラバラなので、同じ行為が州境を越えた途端に違反になることも珍しくない。日本での扱いが大きく違うものには、そのつど注釈を入れた。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
正直に言うと、みんなが一番わかってないのはこれ。とにかく最後まで一言も喋るな、ということ。話術で逮捕を回避できた人間なんて一人もいない。逆に、余計な一言で罪状が増えたり有罪判決まで持っていかれたりするのは、笑えるくらい簡単。アメリカでは、自分を刑務所に入れようとしてる相手に協力しないのは合法どころか、こっちの権利なんだよ。
※ 修正第5条(自己負罪拒否特権)にもとづく黙秘権。逮捕時に読み上げられる「あなたには黙秘する権利があります」がいわゆるミランダ警告。日本にも憲法38条の黙秘権はあるが、取り調べに弁護人が立ち会うのは一般的ではなく、現場の空気はかなり違う。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
「あなたの発言は不利な証拠として使われます」はみんな知ってる。知られてないのはその先で、自分の発言は不利にしか使えない。被告人は、自分がした供述を自分の側の証拠として法廷に出せないんだ。使えるのは検察側だけ。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
あと最近の最高裁の判断だと、黙秘権は「行使します」と口に出さないと成立しないことになってる。ただ黙ってるだけだと、その沈黙自体を「やましいから答えられないんだろう」と検察に使われる。しかも質問を選り好みするのが一番まずい。途中まで答えて特定の一問だけ黙る、これをやると、その一問への沈黙が有罪の材料になる。
※ 米連邦最高裁の Berghuis 判決(2010年)と Salinas 判決(2013年)あたりの流れ。ここも州や状況で解釈が分かれるため、実際に止められたら「黙秘権を行使します、弁護士を呼んでください」とはっきり口に出すのが定番の助言とされている。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
え、待って。それって権利じゃなくて義務では? 黙る権利があるはずなのに、黙るためにわざわざ声に出さないといけないってこと? 冗談みたいな仕組みだな。
5. 名無しのReddit住民
変な豆知識だけど、アメリカでは動物をざっくり三つに分けてる(本当はもっとあるけど気にしないで)。渡り鳥、狩猟鳥獣、それ以外。渡り鳥の範囲がやたら広くて、たとえばキツツキに家を壊されていても、殺したら連邦犯罪になる。狩猟鳥獣は鹿や七面鳥みたいな想像どおりのやつと、リスみたいな意外なやつ。こっちは猟期も上限も猟法も決まってる。
で、「それ以外」はほぼ野放し。ヘリコプターから火炎放射器でコヨーテを焼くのは完全に合法。大半の人は、まさかできるとは思ってないやつだよね。
※ 渡り鳥は渡り鳥条約法という連邦法で保護されていて、州法より上に来る。一方で「それ以外」の扱いは州次第で、コヨーテのように害獣とされる動物の規制がゆるい州が多い。日本は鳥獣保護管理法で、許可なく野生鳥獣を捕獲・殺傷すること自体が原則禁止なので、この発想がまず出てこない。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
補足すると、うちの州の狩猟規則には、リス猟について「すべての装備が合法」と書いてある。散弾銃、ライフル、拳銃、クロスボウ、銛、火炎放射器、地雷。全部いける。誰も止めない。文章を書いた人は絶対に何も考えていない。7. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
フロリダの友達いわく、イグアナは撃つと違法なのに、バットで殴るのは違法じゃないらしい。本当かどうかは疑ってるけど、話としては面白いので信じたい気持ちもある。
8. 名無しのReddit住民
ほとんどの場所では、歩行者が横断歩道以外を渡ること自体は違法じゃない。いわゆるジェイウォーキングってやつ。条件は、交通を妨げないことと、他人や自分を危険にさらさないこと。それさえ守れば、普通に渡っていいんだよ。
※ ジェイウォーキングは州や市の条例レベルの話で、カリフォルニア州のように近年「危険がない限り取り締まらない」と法改正した地域もある。日本の道路交通法では、近くに横断歩道がある場所ではそこを渡る義務があり、歩行者用信号の無視も当然違反。ここは日米でかなり違う。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
人生で切られた数少ない切符のひとつがジェイウォーキングなんだけど、こっちは横断歩道の中にいたからね。交差点と交差点の間にある、ボタンを押すとライトが点滅するタイプのやつ。車は一台もいなかった。ボタンを押さなかっただけ。ロサンゼルスの白バイ警官が角で待ち構えてた。十九歳の女に絡む以外にやることはなかったのかよ。いまだに腹が立つ。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
切符は絶対に争ったほうがいい。自分ならその内容で法廷まで持っていってる。というか自分もロサンゼルスのダウンタウンで、手のマークが点滅し始めたあとに渡って切られたよ。あの街、歩行者に対してだけ妙に本気を出してくる。
11. 名無しのReddit住民
逆にラスベガスは、どんな形であれ道路を横断したら留置場行きになる。しかも歩道側にフェンスや柵が延々と立ってて、車道に降りるなと物理で主張してくるんだよね。歩道橋もあちこちに架かってるから、知らなかったという言い訳もしにくい。
12. 名無しのReddit住民
公共の場所で警察官を撮影するのは合法。これを知らない人が本当に多い。近づきすぎて捜査を妨げたり、退けと言われた場所に居座ったりすると別の話になるけど、歩道に立ってカメラを構えていること自体で捕まることはないよ。
※ 米国では修正第1条にもとづく権利として、複数の連邦控訴裁が公共の場での警察官の撮影を認めてきた。日本でも公道からの撮影自体を直接禁じる法律はないが、肖像権や各都道府県の迷惑防止条例の問題が出てくるので、まったく同じ感覚では使えない。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
そして「カメラを止めろ」と言われても、それは命令じゃなくてお願い。従う義務はない。ただ、その場で議論しても勝てないから、黙って一歩下がって撮り続けるのが正解だと弁護士に言われた。言い返した瞬間に、公務執行妨害の口実をこっちから差し出すことになる。
14. 名無しのReddit住民
警察はこっちに嘘をついていいからね。少なくともアメリカでは。防犯カメラの映像も、目撃者も、共犯者の自白も、まるごとでっち上げられる。
「どうせバレてるんだから話したほうが楽だよ。相棒はもう全部喋った」
「映像はもうこっちにある。君の言い分を聞く機会をあげてるだけだ」
どっちも百パーセント作り話でありうる。警察と話して得することは一つもない。全部法廷でやればいい。弁護士に感謝されるよ。
※ 取り調べで捜査官が虚偽の情報を示すことは、米連邦最高裁の Frazier 判決(1969年)以降おおむね許容されている。日本では偽計を用いて自白を得た場合、証拠能力が否定されうるとされていて、ここも扱いが違う。
15. 名無しのReddit住民
路上でやらされるシラフの検査、自分が知る限りどの州でも拒否できる。
運転者は化学的検査(呼気・血液・尿)に応じる義務があるけど、それは警察署の校正済みの機械か、医療機関でやるもの。路肩ではやらない。目で指を追わされるやつも、一本線の上を歩かされるやつも、携帯式の呼気検査も、全部断っていい。あれは全部、逮捕を正当化するための材料集めなんだ。
止められたら必要な書類だけ出して、あとの会話は最小限に。相手が持ってる材料が少ないほど判断は主観になって、法廷で崩せる余地が増える。実地検査に付き合うと、こっちの一挙手一投足を好きに解釈させることになるからね。
※ フィールド・ソブライエティ・テストと呼ばれる路上の簡易検査。多くの州には「暗黙の同意法」があり、署での正式な検査を拒否すると免許停止などの行政処分が来る。日本は道路交通法で呼気検査の拒否そのものに罰則があるので、この話はそのまま持ち込めない。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
大事な但し書き。二十一歳未満の人と、飲酒運転の保護観察中の人は、路上の呼気検査にも応じる義務がある。あと署に着いて逮捕されたあとは、もう拒否できない。路上で断ったところで、相手の判断次第で逮捕そのものはされうるからね。
17. 名無しのReddit住民
警官じゃなくて弁護士だけど、これは毎日のように見かける。信号のある交差点で左折するとき、青のうちに交差点へ進入していれば、対向車を待っている間に赤へ変わっても曲がり切っていい。ちゃんと合法。
なのに、車の先端を交差する車線に突き出したまま固まる人や、後ろに車が並んでるのに交差点からバックで出ようとする人が多すぎる。頼むからやめてくれ。対向車が赤で止まったら、さっさと曲がって交差点を空けてほしい。
※ アメリカは右側通行なので、日本でいう右折に当たる場面。日本の道路交通法でも、青のうちに交差点へ入っていれば右折を完了できるとされている点は近い。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
十六歳のときの免許試験でそれをやったら、試験官のおばさんに「そんなことは許されていません!」と怒鳴られたよ。ほかが完璧だったから合格はしたけど、ひたすら謝って「交差点を占有しろと父に教わったので」と言い訳した記憶がある。19. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
これは管轄によってかなり変わる。多くの州では、曲がれる状態になるまで交差点に進入してはいけないことになってる。交差点で待つこと自体が違反。ワシントンDCは全部の交差点にカメラがあるから、これで大量の観光客が切られてる。
20. 名無しのReddit住民
頭の中で牛を回転させるのは合法だよ。今この瞬間にやっても誰にも咎められない。角度も自由だし、裏側から眺めてもいい。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
ちなみに警察にこれを止める権限はない。……いや、止めること自体はできるらしいんだけど、そのあと書かないといけない書類の量が尋常じゃないから、実質やらないだけ。牛の回転は制度によって守られている。
22. 名無しのReddit住民
現金を大量に持ち歩くのは違法じゃない。うちの州でも、車に一万ドル積んでようが、それだけで罪になることはないよ。なのに「まとまった現金を持ってる=何かやってる」と思い込んでる人が多くて、銀行で下ろすときですら妙に挙動不審になってる。
※ 一万ドルは約150万円(1ドル150円換算)。ただし米国には民事没収という仕組みがあり、持ち主を起訴しないまま現金を押収し、取り戻すには持ち主側が正当性を主張しなければならない場面がある。合法であることと、安全であることは別だという話。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
合法なのは合法なんだけどね。空港の保安検査で現金を見つかって、そのまま民事没収に持っていかれた知り合いがいる。起訴すらされてないのに金だけ消えた。取り戻すのに弁護士費用のほうが高くつくって笑ってたよ。合法だからといって安全とは限らない。
24. 名無しのReddit住民
子どもを一人で留守番させたり、一人で歩いて学校に行かせたりするのに、最低年齢を法律で決めてる州はごく少数だよ。ほとんどの州は「合理的かどうか」としか書いてない。なのに近所の人が通報してきて、こっちが玄関先で説明する羽目になる。違法なのは育児放棄であって、九歳が一人で歩いてることじゃないんだよ。
※ イリノイ州やメリーランド州のように年齢の目安を条例で定めた地域はあるものの、大半の州には明確な下限がない。子どもをどこまで一人にしてよいかという論争は、フリーレンジ・ペアレンティングとして米国で長く続いているテーマ。日本にも留守番の最低年齢を定めた法律はない。
25. 名無しのReddit住民
裸足で運転するのは五十州すべてで合法。なのに、警察官を含めてかなりの人が違法だと言ってくる。自分は警官じゃないけど、どうしても言いたかったので答えさせてもらった。
※ 運転にまつわる米国最大級の都市伝説のひとつ。日本にも裸足の運転を直接禁じた法律はないが、都道府県の道路交通規則で「運転操作に支障を及ぼすはきもの」の使用が禁じられていて、サンダルなどが取り締まりの対象になることがある。
26. 名無しのReddit住民
夜、走行中の車で室内灯をつけること。子どものころに親から「あれは警察に止められる」と言われて育ったせいで、いまだに反射的に消してしまう人がいる。単に運転手の視界が悪くなるから消したほうがいい、というだけの話なのにね。
※ 日本でも室内灯をつけたまま走ること自体は違反ではない。前が見づらくなるので推奨されないだけ。
27. 名無しのReddit住民
これも意外と知られてないやつ。警察官に向かって「このクソ野郎」と言うのは違法じゃない。
ただし本気でやるなら、裁量の余地がない状況かどうかは確認しておいたほうがいい。暴行みたいな罪で逮捕されるとき、公然酩酊みたいな軽い罪を上乗せするかどうかは警官の判断次第だからね。まあ、そういう上乗せはたいてい後から取り下げられるんだけど、その日が最悪になることに変わりはない。
※ 米国では警察官への侮辱的な発言も修正第1条の保護範囲とされてきた(Houston 判決など)。日本では侮辱罪や、状況によっては公務執行妨害の話が出てくるので、事情がまったく違う。
28. 名無しのReddit住民
これは逆パターンだけど、他人の郵便受けにチラシやお知らせを直接入れるのは、アメリカでは連邦法違反になる。あの箱は郵便局のためのもので、住んでる人のものですらないんだ。子どもの誕生日会の招待状をご近所に配ってた母親が、配達員に真顔で注意されてるのを見たことがある。
※ 切手の貼られていないものを郵便受けに入れる行為を禁じる連邦法(合衆国法典18編1725条)がある。実際に起訴されることはまれだが、規則としては存在する。日本では郵便受けへのチラシ投函は原則として違法ではなく、「チラシお断り」の掲示を無視した場合などに問題になる程度。ここはほぼ真逆。
29. 名無しのReddit住民
自分はむしろ逆のほうが多いと思ってる。違法だと知らないまま日常的にやってることが山ほどあるんだよ。
たとえばオレゴンでは、駐車場から出るときに完全停止しないのは違反。うちらはこれを使って、夜中の二時にバーの駐車場から出てくる車を止めて、飲酒運転を探す。法律違反である以上、止める理由としては有効なんだ。昼の二時に同じことで止められることはまずないけどね。
もうひとつ? いいよ。オレゴンでは免許証を身につけずに運転するのは、れっきとした犯罪。財布を忘れたことに気づかないまま店まで走ったことがある人、おめでとう、犯罪者だ。
※ 日本でも免許証の不携帯は道路交通法違反で、反則金の対象になる。ただし無免許運転とは別扱いで、免許そのものがあれば軽い違反にとどまる。
30. 名無しのReddit住民
そもそもの話をすると、警官に法律を聞くのが間違いだと思う。彼らは条文を知らない。知ってたら弁護士をやってるよ。
うちの父は弁護士だった。警察嫌いどころか、自分が誰かと揉めたときは必ず向こうの味方をするような人でね。その父の助言が忘れられない。法律の意見を聞くなら、警官よりサーカスのピエロに聞いたほうがマシだ。少なくともピエロは、自分を専門家だと思っていないから。
※ 米連邦最高裁の Heien 判決(2014年)では、警察官が法律を誤解したうえでの車両停止でも、その誤解が「合理的」であれば停止は適法とされた。警官が法律を間違えていても止められる、ということでもある。
まとめ
並んだ答えを眺めていると、「違法だと思ってやらないこと」の正体は、法律そのものではなく、親や近所の人や警察官本人から刷り込まれた思い込みだとわかる。裸足の運転も、走行中の室内灯も、頭の中の牛も、誰も条文を確かめないまま「たぶんダメなやつ」で止まっていた。逆に、駐車場を出るときの一時停止や免許証の携帯みたいに、違法だと知らずに毎日やっていることのほうが多い、という指摘もあった。
もうひとつ目立つのが、州境ひとつで答えがひっくり返る点だ。左折で交差点に進入していいかどうかすら州で割れているし、ジェイウォーキングは町を越えた途端に留置場行きになる。「アメリカでは合法」と一括りにできる話は、このスレッドにほとんど出てこない。合法と言い切っているコメントにも、たいてい誰かが「うちの州は逆だ」と返信をぶら下げていた。
そして日本から読んでいて一番距離を感じるのは、やはり黙秘の扱いだろう。「ちゃんと話せば分かってもらえる」という感覚がまるで通じない社会で、とにかく喋らないことが最善手として全員に共有されている。日本にも黙秘権はあるけれど、ここまで日常の知恵として語られることは少ない。皆さんは、実は違法じゃないのに「たぶんダメだろう」と思い込んで避けていること、心当たりありますか?

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