離婚した人たちに「やり直してみて、一番意外だったことは何?」と聞いたスレッドが伸びていました。返ってきたのは「家が静かだった」「掃除した状態が翌日も続く」といった拍子抜けするほど日常的な話と、「三年経っても体があの人を怖がる」「手に入るはずだった人生のほうを悼んでいる」という、簡単には要約できない話が半々。晴れやかな声とまだ痛みの残る声が同じ場所に並んでいて、そこが妙に読ませます。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
人生って、こんなに良くなり得るんだって知ったこと。結婚してた頃は、あれが普通だと思ってたんだよ。しんどいのは自分の努力が足りないからだって。全然違った。ただ相手が合ってなかっただけだった。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
わかる。自分に対してわざわざ逆らってくる人が家にいない生活が、こんなに軽いとは思わなかった。理由もはっきりしないまま毎日ちょっとずつ足を引っ張られてたんだなって、離れてから気づいた。
3. 名無しのReddit住民
何かあるたびに相手の機嫌を取りにいかなくてよくなったこと。こっちが何を言っても「今の言い方は私を見下してる」と受け取られる暮らしだったからね。あとは単純に、家が静かだった。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
同じだ。自分がどれだけ言葉を選んで喋ってたか、やめてから分かった。家事の量はむしろ増えたのに、体は前より疲れてない。今日は何で怒り出すかを片目で見張り続ける作業に、あれだけ体力を持っていかれてたわけだ。趣味をいちいち馬鹿にされないだけでも精神状態が違う。「黒い犬」が来る日はまだあるけど、独り身より悪い状態はあるって今は知ってる。
※ 英語圏では気分の落ち込みやうつのことを「黒い犬(black dog)」と呼ぶ言い回しがある。元のコメントの表現をそのまま残した。
5. 名無しのReddit住民
家が片付いたままなこと。誰も散らかさないから、掃除し終えた状態が翌日もそのまま残ってる。あと財布に金が残るようになった。あれ何に消えてたんだろうな。
6. 名無しのReddit住民
帰ってきて「今度これをやろうと思う」と口にしたときに、ひと悶着起きないこと。自分で決める権利って、ある日いきなり取り上げられるんじゃなくて、少しずつ削られていくんだよ。だから失われたことには気づかない。戻ってきて初めて分かる。
7. 名無しのReddit住民
18歳で結婚して35歳で離婚した。人生の半分を誰かと暮らしてたわけで、一人でやっていけるのか本気で不安だったんだけど、やってみたら拍子抜けするくらい普通に生活できてる。
8. 名無しのReddit住民
やり直しの話とは少しずれるかもしれない。人生のいちばん大きな部分を占めてた相手と、離婚した途端に完全な他人になるのが本当に不思議だよ。しかも向こうがすぐ次の人と付き合い始めると、一緒に積み上げてきたはずの年月まで書き換えられた気分になる。自分は取り替えのきく部品だったのか、あの結婚は形だけだったのかって。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
それだよ。一度裏切られると、次の人を信じるのがどうしてもできない。頭では「この人は違う」と分かってても、体のほうが勝手に身構える。
10. 名無しのReddit住民
これから手に入るはずだった人生のほうを、こんなに長く悼むことになるとは思ってなかった。失ったのは相手じゃなくて、あの人と過ごすつもりだった十年後なんだよね。
11. 名無しのReddit住民
交際の場で離婚歴がここまで気にされないこと。41歳で再開したけど、その年齢だと相手も離婚経験者か、良くない関係にずるずる留まってきた人ばかりだった。理由は必ず聞かれるよ。でもそれで見下されたことは一度もない。むしろ同情と理解のほうが返ってくる。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
40代の出会いはむしろやりやすい。自分が何を求めてて何が絶対に無理なのかを、全員がはっきり口に出すから。20代の頃みたいに、探り合いだけで三か月溶かすことがない。
13. 名無しのReddit住民
42歳、子どものいる身で交際を再開するのがこんなに難しいとは思わなかった。子どもの予定が最優先だから、そもそも人と会える日が月に二回あるかどうかなんだよ。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
日程を組む以前に、知らない相手とメッセージをやり取りすること自体が変な感じだったな。十年以上ひとりの相手としか喋ってないと、何をどこまで書けばいいのか感覚がまるで残ってない。
15. 名無しのReddit住民
自分の足で立て直すのに、こんなに時間がかかると思ってなかった。最初の二年は前に進むというより、その日一日をどうにか終わらせるだけで精一杯。ようやく最近になって、未来のことを考えてもいいのかなと思えるようになってきた。
※ アメリカの離婚は裁判所を通すのが基本で、州によっては半年〜1年の別居期間や待機期間を経ないと成立しない。二人が合意して離婚届を出せば済む日本の協議離婚と違い、手続きそのものが年単位で続くことも珍しくない。
16. 名無しのReddit住民
離婚したあと、住む場所を確保するために時給の安い仕事を二つ掛け持ちしてた。食費を削るために肉をやめてベジタリアンになったくらい。住んでたのは海から三ブロックの安アパートで、仕事の合間に引き潮の浜辺を歩きながら自分に言い聞かせる言葉を唱えるのが日課になった。そのうち体まで引き締まってきた。
また誰かと会ってみようと思ったとき、元夫とは正反対のタイプを選んだ。年上じゃなくて年下。最初は浜を歩いて、そのあとどこかでコーヒーを飲むだけの約束にした。この方法、本当にふるいにかけられるよ。嘘つきも多かったし、二ブロックすら歩けない人もいた。
そのうち素晴らしい人に出会った。うちは離婚の多い家系だから同じ失敗はしたくなくて、時間をたっぷりかけた。十二年経ったある日、彼が「浜を歩こう」と言って、そこで片膝をついた。通算で二十五年になる。
あの頃は毎日泣いてた。人生でいちばん良い日々がまだ来てないってことを、当時の自分は知らなかったんだよね。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
自分もそうだった。全部崩れたと思ってたのに、気づいたら一人で全部回してて、ちゃんと向こう側まで出てた。あのときの自分に教えてやりたいよ。
18. 名無しのReddit住民
子どもがいなかったから、揉め事が終わった時点で連絡先を全部ブロックして終わりにできた。心のほうは普通にぼろぼろだったけどね。
忘れられないのは新しい部屋での最初の週末。外は寒くて雨で、誰にも起こされないまま寝坊した。ベッドの真ん中でヒトデみたいに手足を広げて、もう少しだけ寝た。朝食を配達で頼んでベッドの上で食べて、テレビをつけて一日中何もしなかった。
もちろん虹色の毎日じゃない。自分を布団から引きずり出さないと動けない日もあった。それでも誰にも報告義務がない生活で、学校に入り直して、貯金して、体を鍛えて、一人でも友達とも旅行に行くようになった。あの人と一緒だったら一つもできてない。
最近聞いた話だと、彼は相変わらず金にだらしないまま、養ってくれる彼女と暮らしてるらしい。同じことを次の誰かにやってるだけだね。
19. 名無しのReddit住民
自分がどれだけ怒っていて、その怒りがどれだけ長く消えないかに驚いた。悲しむことは覚悟してたんだよ。怒りのほうは想定してなかった。二年経った今でも、ふとした瞬間に腹の底が熱くなる。
20. 名無しのReddit住民
口座から勝手に金が減っていかないこと。週末を義理の家族と過ごさなくていいこと。意見が食い違っただけで「罰」を与えられないこと。「大きい借金を作ったから一緒に返して」の不意打ちが来ないこと。自分がATMだと感じずに済むこと。今の暮らしは最高だよ。
※ アメリカでは夫婦が共同名義の口座で生活費をまとめて管理するのが一般的で、片方が黙って使っても止めにくい。さらに州によっては、結婚中に片方が作った借金も夫婦の共同債務として扱われる。財布を分けている家庭が多い日本とは、この点の重さがかなり違う。
21. 名無しのReddit住民
幼い子どもがいる状態で親を分担するのが、こんなにきついとは思わなかった。とにかく段取りが厳しいし、複雑だし、金がかかる。今まで一軒分で済んでたものが、まるごと二軒分になる。
それに区切りが永久につかないんだよ。三年経ってもまだ痛い。この人から逃げたいのに、子どもがいる限り逃げられない。前向きな話じゃなくて申し訳ないけど、正直まだ次を考えられる段階じゃない。40歳・男
※ アメリカでは離婚後も両親が親権を分け合う「共同養育」が一般的で、子どもが週の前半と後半で家を行き来する取り決めも珍しくない。子ども部屋・衣類・学用品を二軒分そろえる必要が出るのはこのため。日本は長らく離婚後の単独親権が原則だったので、負担の形がかなり違う。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
うちは逆で、離婚してからのほうがはるかに楽になった。シングルマザーは、結婚してるシングルマザーより楽だよ。世話する子どもが一人減っただけなんだから。しかも本物の子どものほうが、あの大きいほうの子どもよりずっと手がかからない。
23. 名無しのReddit住民
「友達」がどれだけ速く消えていくか。あとは、こっちに一度も事情を聞かないまま、空白を勝手に埋めて判断してくる人の多さ。どっちの味方につくかを決めるゲームが周りで始まって、自分は景品みたいな扱いだった。
24. 名無しのReddit住民
自分は一人でいられない人間なんだと分かってしまった。ずっと選べることだと思ってたし、情緒的に人を追い詰めるタイプの元配偶者と別れた直後に、次を探す気なんてこれっぽっちもなかったのに。
家に帰ると静かなんだよ。音で埋めたくなるタイプの静けさじゃない。友達も家族もいるし外にも出てる。そうじゃなくて「今日の仕事の話をする相手がいない、うまくいったことを報告する相手がいない、頭の中を全部知ったうえでそれでも受け入れてくれる相手がいない」ほうの静けさ。
だから渋々また誰かと会わなきゃいけないらしい。やりたくない。何年もかけて人を知って、うまくいったらまた結婚して……それをもう一周するの? じゃああの二十年は何だったんだって話になる。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
自分は一人でいること自体は平気なんだ。しんどいのは、そこから誰かと繋がり直そうとする作業のほうなんだよね。
26. 名無しのReddit住民
悪い結婚生活のあいだに自分の心がどれだけ削られてたか、渦中では全然自覚できてなかった。あと、たとえ正当な怒りでも、怒りと責任追及の状態に居続けないほうがいい。次の関係に進む前に専門家のカウンセリングを受けて、最低でも一年は空けたほうがいいと思う。離婚した直後に「自分はもう大丈夫」と思ってる人は、だいたいまだ現実が見えてない。
※ アメリカでは離婚の前後にカウンセリングやセラピーに通うのがごく普通で、医療保険で費用の一部がまかなわれる場合もある。「まずセラピーへ」という助言が自然に出てくる背景にはこの事情がある。
27. 名無しのReddit住民
体のほうが、いつまであの人を怖がり続けるのかということ。三年経った今の生活は本当に幸せで、子どもは元気だし、仕事もやりがいがあるし、家は静かで気持ちがいい。それなのに彼からメールが一通届いただけで胃がひっくり返って、殴られる直前みたいな姿勢で固まってしまう。
通い続けてるセラピーと深呼吸には感謝してる。ゆっくりだけど確実に書き換わってきてる。まだびくつく癖が抜けない人がいたら、あなただけじゃないからね。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
自分はそこまで回復できてない。あの結婚で受けた仕打ちで頭の配線が変わってしまって、まともに機能しなくなった。誰かに何かを「渡す」気持ちがもう湧かないから、たぶん一生誰とも付き合わない。騒ぎが収まってから分かったのは、どれだけ壊されたのかということと、それを抱えたまま毎日生きるしかないってこと。
29. 名無しのReddit住民
合う相手となら、結婚は別に苦行じゃないと知ったこと。世の中には「結婚とはそもそもしんどいもの」という前提が転がってるけど、あれは嘘だった。自分は若いうちに離婚して、しばらくは誰とも付き合わないと決めてたのに、予定を全部裏切る形で今の相手に出会って、そのまま三十年続いてる。あの離婚は本当にきつかった。それでもここに辿り着けるなら、百回でも同じ道を通るよ。
30. 名無しのReddit住民
離婚経験者じゃなくて申し訳ないんだけど、今まさに九割方終わってる関係の中にいる。向こうは別れたいと言いながら、この関係も残したいと言う。自分はまだ何とかしたいと思ってた。
このスレをただ読むつもりで開いて、まさか自分が別れることに納得した状態で閉じるとは思わなかった。腫れ物に触るように気を遣わなくていい、どうでもいい言いがかりで喧嘩しなくていい——書いてあること全部が刺さった。先週なんて、買おうとしてた靴の感想を聞いただけで「私の意見を信用してないんでしょ」と延々やられたからね。
まとめ
驚くほど多かったのが「静けさ」の話でした。家が片付いたままだった、口座の金が減らなくなった、帰宅して自分の予定を口にしても揉めなくなった——挙がっているのは劇的な事件ではなく、ほとんどが生活のディテールです。裏を返せば、しんどい結婚生活で削られていたのは大事件ではなく日常の細部のほうで、失っている最中は本人にも見えないということなのだと思います。「自分で決める権利は一度に奪われるんじゃなくて少しずつ削られる、だから戻ってきて初めて気づく」という6番の言い方が、スレッド全体を言い当てていました。
もう一方で、明るい話だけで終わらないのがこのスレッドの誠実なところでした。三年経っても元配偶者のメール一通で体が固まる人、共同養育の段取りに追われて区切りをつけられない人、失ったのは相手ではなく「あの人と過ごすはずだった十年後」だと書いた人。同じ「やり直し」という言葉の中に、解放と喪失がきれいに同居しています。とくに子どもがいるケースでは、アメリカは離婚後も両親が養育を分担するのが前提なので、関係が完全に切れない代わりに負担も二軒分に増える。この構造の違いは、日本の感覚だと少し想像しづらい部分かもしれません。
それでも、いちばん読まれていたのは「離婚した理由」ではなく、その後を淡々と積み上げた話のほうでした。浜辺を歩き続けて十二年後にプロポーズされた人も、初めての週末にヒトデみたいに寝直した人も、語り口はやたら具体的で穏やかです。皆さんは、何かを終わらせたあとに「これがなかったのか」と一番驚いたことって、何でしたか?


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