玄関を開けた瞬間に、ふわっと鼻に届くあのにおい。香水とも石けんとも言い切れないのに、嗅いだとたん「おばあちゃんの家だ」とわかる。海外掲示板に投稿された「あの”おばあちゃんのにおい”って、どうやって身につくの?」という質問には、愛用の香水の名前を挙げる人、クローゼットの防虫剤を思い出す人、原因になる物質の名前を即答する人が集まった。「日本にはそのにおいを消す石けんがある」という話まで飛び出す一方で、亡くなった祖母の形見に残る香りや、最近は自分の親からも同じにおいがするという打ち明け話も続いている。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
おしろいやパウダーの粉っぽいにおいと、古い香水と、あとは家そのもの。この3つが混ざると、あのにおいになるんだと思う。
2. 名無しのReddit住民
エリザベス・テイラーの香水「ホワイト・ダイアモンズ」。あのにおいの正体を聞かれたら、自分はこの名前しか思い浮かばない。
※ ホワイト・ダイアモンズ:女優エリザベス・テイラーが1991年に発売した香水。発売から30年以上たった今も売られている定番。
3. 名無しのReddit住民(>>2への返信)
うちの祖母が亡くなって、もう6年になる。形見として取っておいた物は、今でも全部、古くなったホワイト・ダイアモンズのにおいが染みついたまま。このにおいは、たぶん私より長生きすると思う。
4. 名無しのReddit住民
最初の孫が生まれるとね、AARPの秘密工作員が家に忍び込んでくるんだよ。家具にビニールのカバーを掛けて、平らな場所にはほぼ全部レース編みの敷物を置いて、部屋にはあの「おばあちゃんの香水」をこっそり隠していくんだ。
※ AARP:アメリカの50歳以上を対象にした会員制の団体(旧称は全米退職者協会)。ソファにビニールカバーを掛けたままにしたり、棚やテーブルにレース編みの敷物を敷いたりするのは、アメリカで語られる「祖父母の家」の定番イメージ。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
クローゼットに防虫剤を入れていくのも忘れちゃだめだよ。あと、ポプリを盛った器もね。6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
それと、硬い飴を器に入れていくのも忘れずに。あの謎のイチゴ味のやつをね。※ イチゴ柄の包み紙に入った硬い飴のことと思われる。アメリカでは「祖母の家の器にいつも入っている飴」として、よくネタにされる。
7. 名無しのReddit住民
みんな間違ってるよ。あのにおいは、年を取るにつれて肌の化学的な性質が変わっていく、その副産物なんだ。
8. 名無しのReddit住民
答えは2-ノネナール。年を取ると、肌の表面の脂肪酸が酸化してこの物質ができるんだ。みんなが嗅いでるのは、そのにおいだよ。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
皮膚が年を取るにつれて脂質が分解されていく、っていう話で、清潔にしてるかどうかとは関係ないんだよね。ほとんど気づかない人もいる。でも一度おばあちゃんと結びついてしまうと、不思議と落ち着くにおいになるんだ。10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
それを聞いたら、気味の悪さがだいぶ減ったよ。つまり脳が勝手に「この化学物質のにおい=おばあちゃん=安全」って決めちゃって、もう嗅がなかったことにはできない、ってことでしょ(笑)
11. 名無しのReddit住民
化学をかじったことがあるから、本当にある物質だってことは知ってた。でもそれはそれとして、「2-ノナ・ナール」ってダジャレとして出来すぎだろ。
※ 物質名の「ノネナール(nonenal)」が、イタリア語で祖母を指す「ノンナ(nonna)」や、英語のくだけた呼び方「ナナ(nana)」に似ている、というダジャレ。
12. 名無しのReddit住民
ちなみに同じ物質が、古くなって酸化したビールを段ボールみたいな味にしてる犯人でもあるんだよ。初めて知ったときは本気でびっくりした。
13. 名無しのReddit住民
日本には、この原因物質だけを狙って中和して、「おばあちゃんのにおい」を消してくれる石けんがあるんだよ。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
柿の石けんのことだね! 柿の石けんで洗うとノネナールが落ちて、あのにおいがしなくなるって、自分も聞いたことがある。※ 日本で売られている、柿渋(柿のタンニン)を配合した石けんのことと思われる。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
じゃあ、今度は自分から柿のにおいがするようになったら、どうやって消せばいいんだ?16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
そのときは2-ノネナールを塗ればいい。これで元どおりだよ。
17. 名無しのReddit住民
柿の石けんは確かに効くよ。ただ、私は使ったあと肌がすごく乾燥しちゃってね。だから今はグリコール酸入りのボディソープを使ってる。こっちも私にはちゃんと効いてるよ。
※ グリコール酸:古い角質を落とす目的で、化粧品などに使われる成分。
18. 名無しのReddit住民
今日は予定がぎっしり詰まってるんだ。みんなで柿の石けんの店に駆け込む前に、その話の出どころを教えてもらえないかな?
19. 名無しのReddit住民
2001年に出た肌のにおいの研究だと、2-ノネナールが検出されたのは40歳以上の参加者だけで、においは「脂っぽい」とか「青臭い」と表現されてたんだ。だから、みんなが思い浮かべるパウダーやクリームのにおいは、それとは別の層として重なってるのかもしれないね。
20. 名無しのReddit住民
香水のにおいについては、2つの合わせ技だと自分は思ってる。年配の人は若い頃に流行った香水を今もつけてて、それがもう時代遅れになってる。そのうえ、文字どおり当時と同じ瓶を使い続けてることがあって、中身がすっかり変質してるんだよ。
大恐慌を経験した世代がほとんどいなくなった今は、それも変わっていくのかもしれない。でも、ルーズベルトが大統領だった頃に買った「ジョイ」の瓶をまだ大事にしまい込んでるおばあさんを、自分は何人か知ってたからね。
※ ジョイ:フランスのジャン・パトゥが1930年に発売した高級香水。フランクリン・ルーズベルトの大統領在任は1933〜45年。1930年代の大恐慌を経験した世代は、物を捨てずに取っておく人が多いと言われる。
21. 名無しのReddit住民
うちのおばあちゃんがつけてたのは、エスティ ローダーの「ユース・デュー」っていう香水。家のほうは、いつもおばあちゃんの作る料理のにおいがしてたな。
※ ユース・デュー:エスティ ローダーが1953年に発売した香水。濃厚でスパイシーな香りで知られ、今も売られている。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
祖母のにおいは、本人がいつもつけてた香水のせいだと、昔は家族みんなで思い込んでたんだ。だから今でも、よそのおばあさんから同じにおいがすると、家族のあいだでは「ユース・デューだ」って言ってる。
10年くらい前には、いつかその時が来たら使ってもらおうと思って、母のために日本の石けんを1個買っておいた。母は今81歳。ありがたいことに、まだ出番は来てないよ。
23. 名無しのReddit住民
4711のオーデコロンと、レモンのハンドソープ。うちのばあちゃんは、いつもこの2つのにおいがしてた。
※ 4711:ドイツのケルン生まれの老舗オーデコロン。18世紀末の創業とされ、柑橘系のさっぱりした香りで知られる。
24. 名無しのReddit住民
母ももう「おばあちゃん」と呼ばれる立場なんだけど、あの人のにおいの出どころははっきりしてるよ。家の中でタバコを吸って、それをごまかすために香水を二十何回もプッシュしてるからね。
25. 名無しのReddit住民
あのにおいって、リサイクルショップのにおいでもあるよね。古着や古い家具が並んでる店に入るたびに、会ったこともない誰かのおばあちゃんの家に上がり込んだような気分になるんだ。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
わかる。前に古着屋で、祖母と同じにおいのするコートを見つけたことがあってさ。買うつもりもないのに袖に鼻を近づけて、しばらくその場から動けなかったよ。
27. 名無しのReddit住民
うちの両親は、70歳になったあたりから、あの「おばあちゃんのにおい」がするようになったな。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
そうなんだよ。自分も最近、母からあのにおいがするんだ。とんでもなく年を取った人だけのものだと、ずっと思ってたにおいなのに。それが自分の母親と結びつくなんて、まだ頭が追いつかない。
29. 名無しのReddit住民
原因がどうこう以前に、うちのおばあちゃんはいつだっていいにおいがしてたよ。それだけは言っておきたい。
30. 名無しのReddit住民
みんな難しく考えすぎだよ。あのにおいの材料は、愛情とクッキー。それだけ。
まとめ
集まった答えは、大きく2つの層に分かれていました。ひとつは体そのものから出るにおいで、年を取ると肌の脂肪酸が酸化して「2-ノネナール」という物質ができる、という説明です。日本では「加齢臭」という言葉で知られているもので、清潔にしているかどうかとは関係がない、という指摘もありました。もうひとつは暮らしのにおいです。若い頃から使い続けている香水、パウダー、クローゼットの防虫剤、ポプリ、台所の料理、そして家そのもの。この2つが重なったものを、孫たちは「おばあちゃんのにおい」として覚えているようです。
印象的だったのは、原因を知ったあとでも、このにおいを嫌なものとして語る人が少なかったことです。「一度おばあちゃんと結びつくと、不思議と落ち着くにおいになる」という書き込みがあり、亡くなって6年たっても形見に残っている香水の話があり、最近は自分の母親から同じにおいがするという戸惑いもありました。においを消すという日本の柿の石けんに興味を示す人がいる一方で(話の出どころを尋ねる冷静な人もいました)、そのにおいを大切な記憶として語る人もいる。その両方が同じ場所に並んでいるのが、このスレッドの面白さでした。日本なら、タンスの防虫剤や線香、台所の煮物のにおいを思い出す人が多いかもしれません。皆さんにとっての「おばあちゃんのにおい」は、どんなにおいですか?


コメント