「法律では禁止されているのに、警察が実際には絶対に取り締まらないことは?」。海外掲示板のこの問いに、アメリカを中心とした各地の住民から「うちの地元ではこれ」という報告が寄せられた。ナンバープレートの登録ステッカーの期限切れ、追い越し車線の走り続け、窓のスモークフィルムと、まず多いのは車まわりの話。その一方で、「世帯主は全員、銃を持っていなければならない」という、持たないほうが違反になる街の法律や、1805年から残っている同棲禁止の法律、ジャガイモを50kgより多く持つことの禁止まで出てくる。「うちの警察は合法なことをしていても呼び止めてくる」という正反対の声もあって、法律と現場の距離は場所によってまるで違うらしい。なお、以下はあくまで住民それぞれの体感で、同じ行為でも地域や状況が変われば普通に取り締まられる。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
アメリカのデンバーから。ナンバープレートの登録ステッカーが期限切れのまま走るのは違法なんだけど、それを理由に警察に車を止められることは絶対にない。
※ 米国では、車両登録を更新済みであることを示すステッカー(通称タグ)をナンバープレートに貼る州が多い。登録は定期的に更新する必要があり、期限が切れたまま公道を走ると違反になる。デンバーはコロラド州の州都。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
うちの州とは正反対だな。こっちはステッカーの期限が切れて2週間もたたないうちに警察に車を止められて、その場で違反切符を切られたよ。住んでる場所が違うだけで、ここまで別世界になるのか。
3. 名無しのReddit住民
ラスベガスの話。期限切れの登録ステッカー、期限切れの販売店の仮ナンバー(切れたのは2022年だぞ)、そもそもナンバープレートが付いてない車。一般道でのスピード違反も、制限時速45マイルの道を75マイルで飛ばすようなレベルのやつだ。それを真っ昼間に、メトロのパトカーの目の前でやってる。なのに警察は……まるで気にしてない。
ベガスは、マフィアが仕切ってた頃のほうがずっとよかったよ。
※ 時速45マイルは約72km、75マイルは約120km。メトロはラスベガス都市圏警察の通称。仮ナンバーは、正式なナンバーが届くまで販売店が付ける期限つきのもの。最後の一文は、かつてマフィアがカジノに深く関わっていた街の歴史を踏まえた皮肉。
4. 名無しのReddit住民
ジョージア州のケネソーには、世帯主は全員、銃を持っていなければならないという法律がある。実際に取り締まられてはいないし、銃を持っていないせいで違反に問われたり逮捕されたりした人は、これまで1人もいない。この法律ができたのは1982年。よその市や町が銃を禁止したことに対する、政治的な対抗措置だったんだ。
※ ケネソーはジョージア州アトランタ近郊の市で、この決まりは市の条例。前年にイリノイ州モートングローブが拳銃の所持を禁止したことへの対抗として作られたとされる。
5. 名無しのReddit住民
誰のことも追い越してないのに、左車線をずーっと走り続けること……。あれ、違法なんだけどな。
※ 米国は右側通行で、高速道路ではいちばん左が追い越し用の車線にあたる。追い越しをしないまま左車線を走り続けることを、法律で制限している州が多い。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
こっちも同じ。高速道路の左車線は、右車線の車を追い越してる最中でなければ走っちゃいけないことになってるんだよ。なのに、隣の車と同じ速度でぴったり横に並んだまま、平気な顔で左車線を走り続けるやつらがいる。制限速度より遅いくせに追い越し車線をふさいでるんだから、これだけは本気で取り締まってほしい。
7. 名無しのReddit住民
前の座席の横の窓に貼るスモークフィルム。うちの地域では濃さに関係なく違法なんだけど、警察は本当に、一度も、何もしない。
うちにはいま車が4台あって、どれも前の窓にフィルムを貼ってある。この25年以上、問題になったことは一度もないよ。
※ 車の窓に貼る着色フィルムの規制は州ごとに違い、前席の横の窓には後部座席より厳しい基準を設けている州が多い。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
それは場所と相手によると思うな。うちのあたりだと、スモークフィルムを理由に警察に車を止められたって話はわりと聞くよ。同じような濃さでも、何年も何も言われない人と、何度も止められる人がいるんだ。結局は、その場の警官しだいって感じがする。
9. 名無しのReddit住民
中国から。VPNを使ってグレート・ファイアウォールを回避するのは、建前のうえでは規制されてる。それでも学生、研究者、会社員と、文字どおり何億もの人が毎日やってるんだ。YouTubeを見ただけで普通の人が面倒なことになったなんて話は、誰も聞いたことがない。(そもそも、自分がいまこれをどうやって書き込んでると思う?)
※ グレート・ファイアウォールは、中国のインターネット規制の仕組みの通称。YouTubeやこの掲示板(Reddit)を含む海外の多くのサービスには、中国本土からは通常つながらない。「何億もの人」は投稿者の言い方で、裏付けのある数字ではない。
10. 名無しのReddit住民
1939年にできたハッチ法の違反。違法は違法なんだけど、これで警察が誰かを捕まえに来るなんてことは絶対にないね。
※ ハッチ法は、米連邦政府の職員が選挙運動などの政治活動をすることを制限する法律。違反の調査は、警察ではなく連邦政府の専門機関が担当する。
11. 名無しのReddit住民
ニューオーリンズでは、フタを開けた酒を外で持ち歩いて飲んでもいい。これは有名な話だよね。でも厳密に言うと、ガラス瓶だけは例外でダメなんだ。
まあ、だからといって、近所を散歩しながら瓶のハイライフをちびちびやるのをやめたことは一度もないけどね。同時にほかの違法なことさえしなければ大丈夫。
NOPD(ニューオーリンズ市警)は「Not Our Problem, Dude(俺たちの知ったことじゃないぜ)」の略だからね。
※ 米国の多くの地域では、公共の場でフタの開いた酒類を持ち歩くことが禁じられている。ニューオーリンズは路上で酒を飲める数少ない街として知られる。ハイライフは米国のビールの銘柄。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
アメリカのほとんどの場所では、公共の場で酒を飲むこと自体が違法なんだよ。それでも、実際に何か問題を起こしてるのでなければ、たいていの警官はいちいち文句を言ってこない。
13. 名無しのReddit住民
うちの地元の警察は、彼らが言うところの「10代のちょっとした悪ふざけ」には目をつぶることが多い。たとえば大麻の匂いがしても、誰にも迷惑をかけていなければそのまま放っておく、みたいな感じだね。
14. 名無しのReddit住民
酔いをさますために、自分の車の中で寝ること。ドアをロックして、鍵はグローブボックスにしまって、後部座席で横になって眠るんだ。
そう、うちの地域ではこれが違法なんだよ。どこでも違法ってわけじゃないけどね。でも警察にしてみれば、ほろ酔いや泥酔のまま運転されて事故を起こされるくらいなら、寝て酔いをさましてくれるほうがいいんだよ。
※ 米国には、実際に運転していなくても、酔った状態で車を動かせる状況にあるだけで違反に問われうる地域がある。
15. 名無しのReddit住民
飲酒運転。冗談で言ってるんじゃないよ。こっちでは本当に誰も気にしてないんだ。ひどい話だよ。
16. 名無しのReddit住民
そんなものは一つもない。連中は、まったく合法なことをしてるだけの人まで呼び止めるからね。自分が偉くなった気分を味わいたい、っていうだけの理由で。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
マジで一つもないよ(笑)。こっちの警察は、どんなことでも理由にして取り締まってくるから。
18. 名無しのReddit住民
自分はヨーロッパ育ち。向こうでは、道を歩いてるだけの人を警官が理由もなく呼び止めて、身分証を見せろとか言ってくるのは普通のことなんだ。ただ顔が気に入らない、っていうだけでね。下着の中まで調べられるし、される側にはどうすることもできない。
アメリカに引っ越してきて、それがこの国では違法だと知ったときは本当に驚いたよ。
※ 投稿者個人の体験談。職務質問や身分証の提示をめぐるルールは、ヨーロッパでも国によって大きく異なる。米国では、不合理な捜索や押収を憲法(修正第4条)が禁じている。
19. 名無しのReddit住民
自分の住んでる地域では、結婚していない男女が同棲することが、法律のうえではいまだに違法なんだ。もちろん1805年にできた法律で、取り締まりなんてされてない。それでも、なぜかまだ法律として残ってる。
自分はゲイなんだけど、これがずっとおかしくてね。法律のうえでは、結婚前の男女の同棲よりも、男の自分がほかの男と同棲してるほうが「合法」だったことになるんだから。
20. 名無しのReddit住民
カリフォルニアだと、車の前側にもナンバープレートを付けなきゃいけない決まりになってる。でも付けてない車がたくさん走ってるんだよね。自分の車にも付いてない。
※ 米国では、ナンバープレートが後ろ1枚だけでよい州と、前後2枚の装着を義務づけている州に分かれる。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
テキサスも前と後ろの両方にナンバープレートが必要なんだけど、3割くらいの人は付けてない。ただ「警察はそれで絶対に車を止めない」とは言えないんだよね。自分は実際に、それで車を止められたから。
で、その違反の手続きをしに窓口へ行ったら、係の人に「そんなので切符を切ってるのは誰?」って聞かれた。彼女は切符に目を通すと、あきれた顔をしてこう言ったよ。「ああ、この警官は新人ね。判事のほうから、この人に話があるでしょうね」
22. 名無しのReddit住民
メンフィスの警察は、何があってもほとんど誰のことも取り締まらない。まあ、たまにスピード違反の取り締まりをやったりはするよ。薬物のおとり捜査を仕掛けることもあるかもしれない。
でも、すぐ隣の車の中で大麻を吸ってる連中を見たことがあるんだ。煙がもくもくと外に流れ出て、あたり一面に匂いが広がってるのに、その真後ろには警官がいた。何も起きなかったよ。
交差点を車で占拠して封鎖し、ドリフト走行をやる連中もいるし、とにかくありとあらゆる無茶がまかり通ってる。警官は見るだけ見て、そのまま行ってしまう。
※ メンフィスは米テネシー州の都市。車で交差点などを占拠してドリフト走行を見せ合う違法な集まりは、米国で「ストリート・テイクオーバー」と呼ばれる。
23. 名無しのReddit住民
制限速度を時速9マイル以内でオーバーするスピード違反。時速10マイルの超過からが法律上の「走行違反」の境目で、そこを超えると罰金がぐっと重くなる。それ未満なら金額もわずかだし、走行違反の扱いにもならないから、そのくらいで警察に車を止められる人はいないんだ。
※ 9マイルは約14km、10マイルは約16km。米国の交通違反には、運転記録に残って保険料にも響きやすい「走行違反(moving violation)」と、そうでない軽い違反の区別がある。どこで線を引くかは州によって違う。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
知らない人のほうが多いかもしれないけど、アメリカでは制限速度より速く走るのって、実は違法なんだよ。あれは上限、つまり「リミット」なんだ。まあ、警察が取り締まってるわけじゃないけどね。
25. 名無しのReddit住民
12歳を超えてからのトリック・オア・トリート。12歳を過ぎてお菓子をもらいに回ると、300ドルの罰金を取られて、クラス4の軽罪という扱いになるらしい。(自分が子どもの頃は年齢の上限が10歳だったんだけど、その後12歳に変わった)
※ 300ドルは1ドル150円換算で約4万5,000円。トリック・オア・トリートは、ハロウィンの夜に仮装した子どもが近所の家を回ってお菓子をもらう習慣。軽罪(ミスデミーナー)は、重罪より軽い犯罪の区分。
26. 名無しのReddit住民
大麻を燃やして吸うこと。うちの州では、許可証があれば買うことはできるんだ。なのに法律では、乾燥させた花の部分を燃やして吸うのはダメだってことになってる。ところが、その罰則が古い所持罪の法律にひもづいてるせいで、実際には適用のしようがないんだよね。
だから州内のどの警官も、1本吸ったくらいで違反切符を切ったりはしない……もちろん、こっちが嫌な態度を取って、そうするだけの理由を与えたりしなければ、だけど。
※ 米国の大麻の扱いは州ごとに違い、医療用に限って認める州、嗜好用も認める州、どちらも認めない州がある。国や地域によって法律がまったく異なる点に注意。
27. 名無しのReddit住民
ジャガイモを50kgより多く車に積んでいること。
追記:どうやら車に積んでなくても、持ってるだけでアウトらしい。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
50kgって、いったいどこから出てきた数字なんだ……。うちの実家は秋になると物置がジャガイモの箱だらけになるから、その決まりだと一家そろって常習犯だな(笑)
29. 名無しのReddit住民
信号無視や、横断歩道のない場所での道路横断(ジェイウォーキング)は、ほぼ世界共通じゃないかな。それで切符を切られることなんて、どこへ行ってもめったにない(ポーランドは別だけど)。
※ ジェイウォーキングは、歩行者が横断歩道のない場所を渡ったり、信号を無視して車道を渡ったりすること。米国などでは違反とされる地域が多い。
30. 名無しのReddit住民
うちの住んでるあたりまで警察にわざわざ車で来てもらうには、相当ヤバいことをやらかさないと無理だね。しかも、やるなら朝9時から夕方5時までのあいだにしないといけない。それを過ぎたら、保安官事務所はもうその日の業務を終えて閉まってるから。
※ 保安官(シェリフ)は、米国で郡ごとに置かれる法執行官。市の警察がない田舎では、保安官事務所が広い地域を受け持つことが多い。
まとめ
挙がった例を並べてみると、「違法なのに取り締まられない」にはいくつかの型がある。ひとつは、1805年の同棲禁止や1982年の銃の所持義務のように、作られたときの事情だけが残り、誰も使わなくなった決まり。もうひとつは、登録ステッカーの期限切れや前側のナンバープレート、数マイルの速度超過のように、違反ではあっても警察が手間をかける優先度の低いものだ。テキサスの窓口で係の人が口にした「そんなので切符を切ってるのは誰?」という一言は、現場の感覚をよく表している。
ただし、見逃されるのは「いつでも、誰でも」ではない。そのテキサスの投稿者は実際に車を止められているし、大麻の話にも「嫌な態度を取らなければ」という条件が付いていた。「こっちの警察は、どんなことでも理由にして取り締まってくる」という声まである。取り締まるかどうかが現場の裁量に任されているぶん、場所や相手によって結果が変わるということだろう。追い越し車線の居座りや飲酒運転については、取り締まってくれないこと自体への不満が混ざっていたのも見逃せない。
決まりとしては存在するのに、実際に注意されている場面をほとんど見かけない。そういうものは、国が違っても思い当たるのではないだろうか。皆さんの身の回りには、どんな「あるのに使われていないルール」がありますか?

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