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海外「デビアスはダイヤの婚約指輪が愛に欠かせないと全世界に信じさせた」人類史上もっとも成功したプロパガンダとは?

海外「デビアスはダイヤの婚約指輪が愛に欠かせないと全世界に信じさせた」人類史上もっとも成功したプロパガンダとは? 文化・習慣

婚約指輪はダイヤでなければいけない、朝ごはんはしっかり食べるもの、ニンジンを食べると夜目が利く。誰かが広めた宣伝が、いつの間にか「常識」になって残っているものは意外と多いようです。「人類史上もっとも成功したプロパガンダは?」という問いに、Redditの住民たちが広告の名作から戦争中の情報戦、歴史上の人物のイメージまで挙げていきました。

元スレッド:r/AskRedditより

海外の反応

1. 名無しのReddit住民
デビアスだろうね。ダイヤの婚約指輪が昔からの伝統で、愛には欠かせないものだって全世界に信じさせたうえに、値段は給料2か月分が当たり前だとまで思わせた。マーケティングとしては天才としか言いようがない。
※ デビアスは南アフリカ発祥のダイヤモンド企業で、20世紀の大半は世界のダイヤ原石の流通をほぼ握っていた。「給料2か月分」は1980年代の米国の広告で打ち出された目安。日本では「給料の3か月分」という言い回しが広まった。

2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
「ダイヤモンドは永遠の輝き」ね。あのコピー一本で、ダイヤの婚約指輪がないと結婚できないみたいな空気を何もないところから作っちゃったんだから恐ろしいよ。
※ 英語の原文は「A Diamond Is Forever」。1947年、デビアスの広告を手がけていた米国の広告代理店N・W・エイヤーのコピーライターが考えたもの。

3. 名無しのReddit住民(>>2への返信)
細かいことを言うと、ダイヤの婚約指輪そのものは昔からあるんだよ。1477年にオーストリアの大公が婚約者に贈った記録が残ってる。デビアスがやったのは、王侯貴族のぜいたくだったものを「普通の人も買うのが当然」にしたこと。そっちのほうがよっぽどすごい。
※ 1477年、のちの神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世がブルゴーニュ公女マリーにダイヤの指輪を贈った話は、ダイヤの婚約指輪の古い例としてよく挙げられる。日本でもデビアスは1960年代後半から広告を打ち、ダイヤの婚約指輪をもらう花嫁は5%未満から1980年代初めには約6割に増えたとされる。

4. 名無しのReddit住民
ここの回答を読んでると、プロパガンダが何なのか分かってない人がけっこういるな。自分が気に入らない考えを全部プロパガンダって呼んでるだけのレスがちらほらある。

5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
大学の授業で習ったのは「特定の考えや行動に人を誘導するために、意図して流される情報」って定義だった。だから広告も入るし、本当のことを都合よく切り取ったものも入る。嘘かどうかより、誰かが狙って流してるかどうかがポイントなんだと思う。

6. 名無しのReddit住民
ニンジンを食べると暗闇でも目が見えるようになる、ってやつ。第二次大戦中のイギリスが、夜間戦闘機のパイロットがドイツの爆撃機を次々に落とせるのはニンジンのおかげだって宣伝したんだよ。本当はレーダーを積んでたのを隠すためだったって話。
※ 英空軍の夜間戦闘機エース、ジョン・カニンガムは「キャッツアイ(猫の目)」のあだ名で新聞に紹介された。当時の英国情報省がニンジンを食べようと呼びかけていたのは事実。

7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
この話好きなんだけど、レーダー隠しのためだったっていうところは、はっきりした記録が無いらしいね。食料が配給制で、ニンジンなら国内でたくさん採れたから、国民に食べさせたかったっていう面のほうが大きかったとも聞いた。どっちにしても、80年たっても信じられてるんだから宣伝としては大成功だよ。
※ ビタミンAが不足すると夜盲症になるのは本当だが、足りている人がニンジンを多く食べても夜目は良くならない。レーダーを隠す目的だったという説は広く知られているものの、それを示す公文書は確認されていないとする指摘がある。

8. 名無しのReddit住民
「ジェイウォーキング」って言葉。1920年代に自動車業界が広めた言葉で、歩行者が車にはねられても、悪いのは車じゃなくて道を渡った人のほうだって空気を作った。道路はもともと人のものだったのに、今では渡るたびに謝ってるんだよね。
※ ジェイウォーキングは、横断歩道や信号を守らずに道を渡ること。「ジェイ」は当時の俗語で田舎者を指した。米国の多くの州では違反として罰金の対象になる。自動車関連の団体がこの言葉を広めた経緯は、歴史学者ピーター・ノートンの研究で知られている。

9. 名無しのReddit住民
「クリーンな国防軍」神話。ナチス・ドイツの内部について、今でも多くの人が持ってるイメージは、戦後に国防軍の元将校たちが書いた回想録から来てる。戦争犯罪も作戦の失敗も全部ヒトラー個人と親衛隊のせいにして、自分たちはまっとうな軍人だったことにした。保身のための話なのに、分かりやすい筋書きだからみんな飛びついたんだよ。
※ 国防軍(ヴェーアマハト)はナチス・ドイツの正規軍。戦後に元将校の回想録が広く読まれたが、その後の研究で、国防軍も占領地での虐殺などに深く関わっていたことが明らかになっている。

10. 名無しのReddit住民
ナポレオンは背が低かった、ってやつ。身長は5フィート2インチってよく言われるけど、あれはフランスの単位での数字で、イギリスの単位に直すと5フィート6〜7インチくらい。今の平均よりは少し低いけど、当時としては普通だった。なのに「ナポレオン・コンプレックス」なんて言葉まで残ってる。
さて、Oversimplifiedのファンが集まってくるのを待つとするか。
※ 5フィート2インチは約157cm、5フィート6〜7インチは約168〜170cm。当時のフランスの1インチ(プース)は英米のインチより長かった。ナポレオン・コンプレックスは、背の低い人がそれを気にして攻撃的になる、という俗な言い方。Oversimplifiedは、歴史をコミカルなアニメで解説する人気YouTubeチャンネルで、ナポレオンの回でもこのネタを扱っている。

11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
イギリスの風刺画家の仕事も大きいよね。ナポレオンを、すぐかんしゃくを起こすちびっ子みたいに描いた漫画が当時めちゃくちゃ出回ってた。敵国の漫画家が描いたイメージが200年残ってるんだから、本人も草葉の陰で怒ってると思う。
※ 英国の風刺画家ジェームズ・ギルレイらは、ナポレオンを「リトル・ボニー」と呼んで小柄に描いた。

12. 名無しのReddit住民
「朝食は一日でいちばん大事な食事」。子どもの頃から何百回言われたか分からないけど、大人になってから、これってシリアル会社の宣伝じゃないの?って思うようになった。朝は食欲がない派としては、ずっと罪悪感を植えつけられてた気がする。
※ シリアル会社の宣伝文句が始まりだとよく言われるが、はっきりした出どころは分かっていない。古い例としては、1917年に米国の健康雑誌に載った栄養学者の記事がある。この雑誌はシリアルで知られるケロッグ兄弟の兄が発行していた。

13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
朝食といえばベーコンエッグ、っていうのもそうだよ。1920年代にベーコンを売りたかった食品会社が、エドワード・バーネイズに頼んだ。バーネイズは医者に頼んで全国の医者に「朝食はしっかり食べるべきか」って手紙を出させて、賛成の返事を集めて新聞に載せた。「医者数千人がたっぷりの朝食を勧める」って記事と一緒に、ベーコンエッグが朝ごはんの代表になったってわけ。
※ エドワード・バーネイズは「PRの父」と呼ばれる米国の広報の専門家で、精神分析のフロイトの甥。1928年に『プロパガンダ』という本を出している。ただし、ベーコンと卵の組み合わせ自体はそれ以前からあった。

14. 名無しのReddit住民
タバコはかっこいい、っていうイメージ。人にタバコを吸わせるために、どれだけの手間とお金がかけられてきたか、調べると本当にびっくりするよ。映画のスターが吸って、医者が広告に出て、女性に吸わせるためのキャンペーンまであった。
※ 1929年、米国のタバコ会社の依頼を受けたバーネイズは、ニューヨークのパレードで女性たちにタバコを吸って歩かせ、「自由のたいまつ」と呼ばせた。当時の米国では、女性が人前でタバコを吸うのは良くないこととされていた。

15. 名無しのReddit住民
「メイン号を忘れるな、スペインなんかくたばれ!」。1898年にハバナ港でアメリカの軍艦メイン号が爆発して、新聞が一斉にスペインが機雷で沈めたと書き立てた。それで米西戦争になったんだけど、実際は艦内の石炭庫の火が近くの弾薬庫に燃え移った可能性が高いんだよね。設計の問題だったかもしれないのに、戦争の口実になってしまった。
※ 米西戦争は、キューバなどをめぐる米国とスペインの戦争。爆発の原因については、1976年に米海軍の提督が率いた調査が石炭の自然発火の可能性が高いとしたが、機雷説を否定しきれないとする分析もあり、今も確定していない。

16. 名無しのReddit住民
マリー・アントワネットが「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言った話。彼女がそう言ったっていう証拠はどこにもないのに、ぜいたくで世間知らずな王妃のイメージはこの一言で完成しちゃってる。死んだ人は言い返せないからね。

17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
しかも、似たセリフはルソーが彼女の来る前に書いてるんだよ。ある身分の高い女性の言葉として紹介してるんだけど、書かれた頃のマリー・アントワネットはまだオーストリアにいる子どもだった。誰の言葉か分からない話を、いちばん嫌われてた人にくっつけたんだと思う。
※ ジャン=ジャック・ルソーの自伝『告白』に、「パンがないなら、ブリオッシュを食べればいい」と言った「ある高貴な女性」の話が出てくる。この部分は1760年代に書かれたとされ、マリー・アントワネットがフランスに嫁いだ1770年より前にあたる。

18. 名無しのReddit住民
プラスチック業界が、自分たちの製品をリサイクルするのは消費者の責任だって世界中に思い込ませたこと。リサイクルマークを付けておけば、作る側は作るのを減らさなくて済む。分別をがんばってる自分が、ちょっとむなしくなるよ。
※ 米国では2020年に公共ラジオNPRなどが、プラスチック業界がリサイクルの採算が合わないことを知りながら、リサイクルを宣伝していたと報じた。米国はプラスチックごみのリサイクル率が低く、1割に満たないとされる。

19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
同じ手口だと「カーボンフットプリント」もそう。2000年代の半ばに石油会社のBPが、自分の生活で出してる二酸化炭素を計算できるサイトを作って、この言葉を一気に広めた。排出の責任が、石油を売る会社から、車に乗る個人に移っていったんだよね。
※ カーボンフットプリントは、生活や製品が排出する温室効果ガスの量のこと。BPが広告代理店と組んで2004年ごろに計算サイトを公開し、言葉を広めたことはよく知られている。ただし、言葉や考え方そのものは、それ以前の研究から来ている。

20. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
70年代のアメリカの「泣くインディアン」のCMを思い出した。ごみだらけの川辺で先住民の男性が涙を流して、「汚しているのはあなたです」って締めるやつ。あれを流した団体のお金を出してたのが、飲料や容器のメーカーだったっていうのが皮肉だよ。
※ 1971年に米国の環境美化団体キープ・アメリカ・ビューティフルが流したテレビCM。団体は飲料や容器の業界が支えていた。涙を流す男性を演じた俳優は、のちにイタリア系の移民の子だったことが分かっている。

21. 名無しのReddit住民
努力すれば必ず成功する、っていう考え。努力が大事なのはもちろんだけど、運とタイミングと、誰にチャンスが回ってくるかもものすごく大きい。なのに、うまくいかない人は自分を責めるように教えられてる。最初から不利な仕組みの中にいるのにね。
※ 米国には、生まれに関係なく努力すれば誰でも豊かになれるという「アメリカン・ドリーム」の考え方が根強くある。

22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
言いたいことは分かるけど、全部プロパガンダ扱いするのはちょっと違う気がする。努力しても報われないことはあるけど、努力しないで報われることはもっと少ない。自分は「頑張れば何とかなる」って思い込んでたおかげで、しんどい時期を乗り切れたよ。信じすぎて自分を責めるのが良くないってだけなんじゃないかな。

23. 名無しのReddit住民
うま味調味料のグルタミン酸ナトリウムは体に悪い、ってやつ。別にスーパーフードじゃないけど、普通の塩より悪いってこともない。60年代のアメリカで中華料理店の料理を食べると具合が悪くなるって話が広まって、そこから一気に毒みたいな扱いになった。中華料理への偏見も混じってたと思う。
※ グルタミン酸ナトリウム(MSG)は、1908年に日本の化学者・池田菊苗が昆布のうま味成分として発見し、「味の素」として商品化された。1968年に米国の医学誌に載った一通の投書から「チャイニーズ・レストラン・シンドローム」という言葉が広まったが、その後の研究では、普通に食べる量で害があるという結果ははっきり出ていない。

24. 名無しのReddit住民
ジャクソン・ポロックはすごい画家で、良さが分からないのは芸術が分かってないから。本物の芸術好きならあの天才ぶりが分かる。分からないのは、お前の共産主義文化がアメリカに劣ってるからだ……ん?最後のは何?
そう、ポロックはCIAの心理作戦だったんだよ。CIAが絵を買って有名にして、ソ連の連中に「自分たちには分からない」って劣等感を持たせようとしたってわけ。
※ ジャクソン・ポロックは、床に置いたキャンバスに絵の具をたらしたり飛び散らせたりして描いた米国の画家。

25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
CIAが関わってたのは本当らしいけど、CIAがポロックを有名にした、まで言うと盛りすぎだと思う。ポロックはそれより前から評判になってたし、CIAがやったのは、表向きは別の団体を通して、アメリカの抽象画の展覧会を海外で開くのを後押ししたことだって読んだよ。どっちにしても、絵が冷戦の道具にされてたっていうのは面白い話だけど。
※ CIAが文化団体「文化自由会議」などを通じて、米国の抽象表現主義の絵画を海外に紹介する活動を支えていたことは、1995年に英紙インディペンデントが報じて広く知られるようになった。

26. 名無しのReddit住民
ノーベル賞もかなり上位だと思う。ダイナマイトを発明したノーベルが、自分の評判を立て直そうとして作った賞だって言われてる。ダイナマイトの人だって知ってても、ノーベル賞って聞いたら科学のすごい賞、としか思わないもんね。
※ ノーベルの兄が亡くなったとき、フランスの新聞が本人と取り違えて「死の商人、死す」という記事を出し、それを読んだノーベルが賞を作る気になった、という話がよく知られている。ただし、この記事が賞のきっかけだったことを示す記録は確認されていない。ニトログリセリンを発明したのはノーベルではなくイタリアの化学者で、ノーベルはそれを安全に扱えるダイナマイトを作った。

27. 名無しのReddit住民
オーストリアが、ヒトラーはドイツ人でベートーヴェンはオーストリア人だって世界中に信じ込ませたこと。
※ 実際は逆で、ヒトラーはオーストリアの生まれ、ベートーヴェンはドイツのボンの生まれで、のちにウィーンで活躍した。昔からある定番のジョーク。

28. 名無しのReddit住民
オクタウィアヌスがクレオパトラについて流した宣伝。ローマのライバルだったアントニウスと手を組んだ彼女を、男をたぶらかすエジプトの魔性の女として描いて、ローマ人の敵にした。2000年たった今でも、クレオパトラっていえば美女で男を惑わす人ってイメージなんだから、これ以上の成功はないと思う。
※ オクタウィアヌスはのちのローマ初代皇帝アウグストゥス。クレオパトラは実際には何か国語も話した教養の高い君主だったと伝えられている。

29. 名無しのReddit住民
「自分たちは正義の味方で、あいつらは悪者」。どこの国の教科書でも、どこの国の映画でも、だいたいこの形になってる。一番シンプルで、一番長く使われてるやつだよ。向こうの国でも、まったく同じことを教えてるんだろうけど。

30. 名無しのReddit住民
本当にいちばん成功したプロパガンダなら、たぶん自分たちは気づいてすらいないと思う。ここに挙がってるのは、全部ばれた後のやつだからね。今まさに当たり前だと思ってることの中に、ひとつくらいは混じってるんじゃないかな。

まとめ

挙がった例は、大きく分けると三つでした。ダイヤの婚約指輪や朝食のベーコンエッグのように、企業が広告で作った「常識」。ニンジンと夜目、メイン号、国防軍の神話のように、戦争の中で流れて残った話。そしてナポレオンやマリー・アントワネット、クレオパトラのように、敵がつけたイメージが本人の評判として定着してしまった例です。共通しているのは、どれも「本当かどうか」より「分かりやすくて覚えやすい」ことが勝ったという点でしょう。日本でも「給料の3か月分」の婚約指輪は長く当たり前のように語られてきましたし、リサイクルやカーボンフットプリントのように、責任の置き場所をそっと変える言葉は今も身近にあります。最後のコメントのとおり、いちばん成功した宣伝は、まだ誰にも気づかれていないものなのかもしれません。皆さんが「これも誰かが作った常識では?」と思うものは何ですか?

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