ニュースで流れてくるアメリカと、実際に行ったときのアメリカは別物だ、とはよく言われる。r/AskRedditに「アメリカ人が意外と得意なのに、あまり評価されていないことって何?」という質問が立ち、7000を超える支持と6000件以上のコメントが集まった。挙がってきたのは軍事でも経済でもなく、災害のときの近所づきあい、車椅子で通れる歩道、そして無料の公衆トイレだった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
アメリカって、他の国と比べるとボランティアの参加率がかなり高いんだよ。ネットだとアメリカ人の悪い話ばかり流れてくるけど、実際に会う人の大半は普通に親切だと思う。画面越しの印象と現場の印象が、ここまでズレる国も珍しい。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
今まさにうちの地域で山火事が起きてるんだけど、家畜やペットを避難させる手伝いをするとか、しばらく家に泊まっていいとか、そういう申し出をしてくる人の多さがすごい。誰かに頼まれたわけでもないのに、勝手に手が挙がっていく感じ。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
自分は警察官なんだけど、何年か前に自閉症の男の子が家からいなくなって、住宅街を総動員で捜索したことがある。近所の人たちが事情を察して各家のドアをノックして、あちこちに電話をかけ始めたら、10分後には数十人が集まってた。庭から庭へ、林の中へ、懐中電灯と水を配りながらの捜索。見つかった頃には、手伝いに来た車が道の両側にずらっと並んでたよ。今思い出しても鳥肌が立つ。
4. 名無しのReddit住民
災害が起きたときの立ち上がりの早さ。竜巻やハリケーンが通った翌日には、近所の人がチェーンソーとトラクターと温かい飯を持って現れる。連邦の支援チームが現地にテントを張り終えるより先に、もう現場のほうが動き始めてる。
※ 連邦緊急事態管理庁(FEMA)— アメリカの災害対応を統括する連邦機関。大規模災害では現地に拠点を設営して支援にあたる。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
言いたいことはよく分かるし全面的に同意なんだけど、「温かい食事を配るボランティア」の隣に「チェーンソーを持ったよく分からんおじさん」が並んでる画が浮かんでしまって、ちょっと笑ってる。6. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
地元が洪水に遭った年、動物保護施設が水没して屋外のケージが膝まで浸かった。ドッグフードとキャットフードと猫砂を積んで、掃除でも里親でも何でもやるつもりで行ったんだよ。そうしたら建物の外まで行列ができてた。100人はいたと思う。中に入ったら支援物資が高さ2メートル近く積み上がってて、「もう手が足りてます」って断られた。人口数千人の町でこれだからね。
7. 名無しのReddit住民
ミネソタの1月、父の友人が食料品店に行く途中の凍った歩道で心臓発作を起こした。救急隊が着いたのは90分後。その間、20人が列を作って交代で心臓マッサージを続けていたそうだ。極寒の中で自分の番が来るのを待って、力尽きるまでやったら次に代わる。彼はそのあとヘリでメイヨー・クリニックに運ばれて、後遺症なしで回復したよ。
※ メイヨー・クリニック — ミネソタ州ロチェスターにある全米屈指の総合病院。重症例の搬送先として知られる。
8. 名無しのReddit住民
ADA、障害を持つアメリカ人法だな。正直、国内で暮らしてると空気みたいに当たり前すぎて、これが「アメリカのすごいところ」だと自覚してる人のほうが少ない気がする。
※ ADA(障害を持つアメリカ人法)— 1990年成立。公共施設・交通機関・職場などで障害のある人への配慮を義務づけた法律。段差の解消、車椅子で入れるトイレ、点字表示などがこれを機に全米で標準化した。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
家具の業界で働いてるんだけど、バリアフリー対応の基準でいうとアメリカは世界でもかなり手厚いほうだと知って驚いた。仕事で他国の規格を調べるまで、うちが特別だなんて思ってもみなかったよ。10. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
ジョージ・H・W・ブッシュが、大統領時代にやったことの中であの署名がいちばん良かったって後年語ってたはず。自分が歳を取って以前のように歩けなくなってから、あの法律に何度も助けられたって話でね。
※ ジョージ・H・W・ブッシュ — 第41代大統領(在任1989〜93年)。ADAはこの政権下で成立した。
11. 名無しのReddit住民
観光で来た人がいちばん驚くのがバリアフリーの徹底ぶりらしい。アメリカは法律が通ったのが早くて、国内の建物の大半はそのあとに建ってる。だからヨーロッパみたいに、数百年前からある街を後から作り直す必要がなかったんだ。結果として、街まるごと車椅子で移動できる場所がかなりある。住んでると本当に空気同然で誰も気づいてない。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
中国に住んでたとき足を折ったんだよ。5階住まいでエレベーターなし。もうどうしようもなくて、2か月間ひたすら耐えるしかなかった。あのとき初めて、母国のバリアフリーがどれだけありがたいものだったか分かった。13. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
ヨーロッパ側から一言だけ言わせてくれ。段差が多いのは事実だし、そこは負けを認めるよ。ただ、うちの街は道が石畳で建物が築400年、しかも景観保護のせいでエレベーターを1基つけるのに何年も許可待ちなんだ。怠けてるわけじゃない。そっちが更地から作れた幸運も、少しは計算に入れてほしい。
14. 名無しのReddit住民
バリアフリー設計についてひとつ言っておきたいんだけど、人間は運が良ければ全員いずれ体が不自由になる。歳を取るというのはそういうことだから。設計の段階でそこを織り込んでおけば、みんなが長く自分の足で生活できるんだよ。これを免れるのは、若いうちに事故で死んだ人だけだ。
15. 名無しのReddit住民
世間話と、あの気軽な親しみやすさ。他の国からは「表面的だ」ってよく笑われるけど、スーパーのレジ待ちで見知らぬ人と5分だけ機嫌よく喋る時間、日常としてかなり良いものだと思ってる。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
友人はずっとあれを上辺だけのものだと思ってたんだ。乳幼児4人を連れてフロリダに行くまではね。彼女が車を回してくる間、私は子どもと荷物を抱えて少し離れた場所で待ってた。到着ロビーは車を離れられない決まりで、ぐずり始めた子を乗せるのに慌ててたら、見ず知らずの二人が荷物を全部運んできて積み込んでくれた。「良い一日を」とだけ言って、そのまま歩いて行ったよ。彼女は完全に固まってた。私のほうは「ああ、いつものやつだ」としか思わなかったけど。17. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
北欧から来た身としては、あれが良いものだというのは認める。認めるけど、レジで急に「今日はどうだった?」と聞かれると、こっちは心の準備が要るんだよ。せめて3日前には予告してほしい。
18. 名無しのReddit住民
ドイツにいたとき、地下鉄の階段でお年寄りが転げ落ちるのを見た。エスカレーターを駆け上がって階段を駆け下りるまでの間、誰ひとり助け起こさなかった。それどころか、着いたときには倒れている人をまたいで通っていく人がいた。当のお年寄りは、自分が助けられたことのほうにびっくりしてたよ。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
ほぼ同じことが上海であった。地下鉄の階段で前を歩いてたお爺さんが最後の数段でつまずいて、そのまま壁にぶつかったんだ。座り込んで鼻血を出してたからティッシュを渡して「ニーハオ」と言った。当時の自分の中国語の3割がこれ。ずっと「シェイシェイ」って言ってたよ。他に誰も近寄らなかったけど、あれが中国だからなのか、単に大都市はどこもそうなのかは分からないままだ。
20. 名無しのReddit住民
国立公園と、無料で使える公衆トイレ。ワールドカップのときに海外から来た人たちが「トイレにお金がかからない」と驚いてるのを見て、逆にこっちが驚いた。あれ、そんなに珍しいことだったのか。
※ ヨーロッパでは駅や街中のトイレが0.5〜1ユーロ程度の有料になっていることが多い。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
公衆トイレの話は本当に大きいんだよ。アメリカで公衆トイレを広げる下地を作ったのは、女性参政権運動の人たちなんだ。当時は「膀胱の鎖」なんて言われてて、要するに女性が家から出ていられる時間はトイレまでの距離で決まってた。男は最悪その辺で済ませられるからね。トイレを増やせと粘り強く訴え続けたことで、女性が外で過ごせる時間そのものが延びた。投票権を勝ち取る前に地味に前進させたやり方のひとつだと思う。
※ 女性参政権運動(サフラジェット)— 20世紀初頭に欧米で女性の投票権を求めた運動。
22. 名無しのReddit住民
レストランに入ると、冷たい水が黙って何度でも注がれること。海外で文句を言いたくはないんだけど、あれだけは毎回恋しくなるんだよ。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
チップ制度は散々叩かれるけどさ、7〜8月の熱波のヨーロッパで、家族全員でぬるい水の小瓶を5ユーロ出して分け合った経験からすると、氷入りの水が飲み放題というだけでチップ15〜20%分の価値は普通にあると思ってる。
24. 名無しのReddit住民
公立図書館。誰でも情報にアクセスできるように、あの場所へ税金を入れ続けてるのは本当に良いことだと思う。家にネットもパソコンもない人はまだいるしね。うちの娘は放課後に友達と歩いて図書館に行って宿題をやってるけど、親としては安全だと分かってるから何も言うことがない。
25. 名無しのReddit住民
他人の変わったところを放っておけること。4つの大陸に住んだけど、無害な変人に対してここまで寛容な国は他になかった。誰も傷つけていないなら、よそなら村八分になりそうな格好や趣味でも、アメリカでは個人の自由で通る。食事のマナーひとつ取ってもそうで、飲み物の頼み方だのフォークの持ち手だのワインの合わせ方だので他国の人が延々と怒ってるのを見ると、他人の昼飯にそこまで熱くなれることのほうがすごいと思ってしまう。
26. 名無しのReddit住民
トウモロコシを別の何かに変える能力。食用油、甘味料、家畜の飼料、燃料、しまいにはプラスチックまで。同位体を調べるとアメリカ人の体を作ってる炭素はかなりの割合がトウモロコシ由来だ、なんて話まであるらしい。自分はコーン製品が全部好きだから文句はないけどね。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
それ、褒めてるのかどうか微妙なところだよね。とんでもない量のコーンシロップも同じ才能から出てきてるわけで。まあ、うちの国が同じ広さの畑を持ってたら同じことをやってた自信はあるけど。
28. 名無しのReddit住民
人生をやり直す機会を用意していること。アメリカの破産制度は世界でいちばん整備されていて、しかも債務者に優しいほうなんだ。破産法の弁護士を19年やってきて、そのうち15年は連邦破産法第7章の管財人だった。一度終わった人がもう一度働き始めるところを、それなりの数見てきたよ。
※ 連邦破産法第7章 — 資産を清算する代わりに残った債務が免除される個人向けの手続き。管財人は裁判所に指名されて清算を管理する立場。
29. 名無しのReddit住民
医学研究。世界の医学研究のかなりの部分をアメリカが担ってる。外からアメリカの医療制度を叩くのは自由だけど、その人の家族を助けた薬や機器が、実はここで生まれたものだったりするんだよ。
30. 名無しのReddit住民(>>29への返信)
そこは同意する。ただ、うちの医療が世界最高なのは「良い保険を持っているか、自費で払えるなら」という条件つきだからね。研究の話と、実際に病院にかかるときの話は分けて考えないとフェアじゃない。
まとめ
「軍事」でも「経済」でもなく、上位に並んだのが災害のときの近所づきあい、車椅子で通れる歩道、無料の公衆トイレ、公立図書館だったのが面白い。どれも他国から羨まれる派手さはないけれど、住んでいる本人たちが空気同然で気づいていない類のものばかりだ。スレッドの熱量が高かったのも、アメリカ人自身が「そういえばそうだった」と気づかされている側だったからだと思う。一方で、ヨーロッパ側からは「石畳の街を作り直すのとは条件が違う」、当のアメリカ人からも「医療が世界最高なのは払える人にとってだけ」という留保がきちんと入っていて、褒め一色で終わらないところがこのスレの読みどころだった。ほかにも長距離ドライブへの耐性、物流の強さ、人前で話すうまさといった答えが並んでいる。皆さんが「日本人が意外と得意なのに、あまり評価されていないこと」を1つ挙げるとしたら、何になりますか?

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