賞金は3000万ドル(約45億円)。条件はひとつだけで、自分で指名したホラー作品の悪役に24時間追われて、生き延びること。海外掲示板にこのお題が出ると、集まったのは度胸自慢ではなく「いちばん楽に逃げ切れる相手は誰か」という抜け道探しだった。夢の中でしか襲ってこない殺人鬼、海から出られないサメ、7日後まで姿を見せない貞子。ところが「その作戦、映画の中でもう失敗してるぞ」と水を差す人も次々に現れて、ホラー映画のお約束をめぐる知恵比べになっている。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
『エルム街の悪夢』のフレディ。24時間起きてればいいだけだろ。賞金つきの企画なんだから、狙われてるのは最初から分かってる。徹夜1回で3000万ドルなら、こんなに割のいい夜更かしはないよ。
※ フレディ・クルーガー:『エルム街の悪夢』(1984年〜)シリーズの殺人鬼。指先にナイフの刃を付けた手袋をはめ、眠っている人の夢の中に現れて襲う。夢の中で殺された人は現実でも死ぬが、起きている相手には基本的に手を出せない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
映画の高校生たちも同じことを考えて、コーヒーをがぶ飲みして粘ってたんだよ。それでも授業中や風呂の中でうとうとした一瞬を持っていかれる。徹夜できるかどうかじゃない。24時間、一度も舟をこがずにいられるかの勝負だぞ。
3. 名無しのReddit住民
1992年の映画版のドラキュラにする。日が出てるあいだは追ってこられないから、まず8時間は自由時間だ。夜になったら教会に入ればいい。あいつは神聖な場所には足を踏み入れられないからね。
※ 1992年の『ドラキュラ』:フランシス・フォード・コッポラ監督、ゲイリー・オールドマン主演の映画。ブラム・ストーカーの小説を原作に、ロンドンへ渡った吸血鬼ドラキュラ伯爵がひとりの女性を追い求める。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
残念だけど、あの映画の伯爵は昼間のロンドンを普通に出歩いてるんだよ。日光で灰になるわけじゃなくて、力が落ちるだけ。それに、あいつがロンドンで買い取った住まいの名前は「カーファックス修道院」。教会に逃げ込む作戦も、あまり当てにしないほうがいい。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
吸血鬼でいくなら、「招かれないと家に入れない」設定の作品から選ぶのがいちばん楽だよ。玄関を開けなければ済む。家にこもっていつもどおり過ごすだけで、つまり俺の普段の休日だ。
6. 名無しのReddit住民
飛行機に乗っていいなら、『イット・フォローズ』の「それ」が楽だろ。国の反対側まで飛べばいい。向こうは歩くしかないんだから。よほどのズルでもされない限り、勝負にもならない。
※ 『イット・フォローズ』:2014年の米国ホラー映画。正体不明の「それ」が、人の姿を借りて標的に向かってまっすぐ歩いてくる。呪いを受けた人にしか見えず、決して止まらないが、走ることはなく歩く速さでしか近づけない。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
飛行機代がもったいない。車で120マイル(約190キロ)離れれば十分。向こうが休まず歩き続けたって、1日でそこまでは来られないんだから。
8. 名無しのReddit住民
まずルールを確認させてくれ。悪役は「いつもの手順どおり」に来るのか、それとも開始の合図と同時に全力で追ってくるのか。前者なら『ザ・リング』のサマラ、日本のオリジナル版でいう貞子にする。7日たつまで姿すら見せない相手だから、彼女がやっと動き出すのは、こっちが賞金を受け取って1週間近くたった頃だ。7日目のことは、3000万ドルを手にした未来の自分に考えてもらう。
※ 『リング』:鈴木光司の小説を原作にした1998年の日本映画。見た者が7日後に死ぬ「呪いのビデオ」と、テレビ画面から這い出してくる貞子で知られる。2002年に米国で『ザ・リング』としてリメイクされ、貞子にあたる少女はサマラという名前になった。
9. 名無しのReddit住民
陸の上まで追ってこられるもんなら来てみろよ、『ジョーズ』のブルース。俺は海に近づかないだけ。で、賞金はどこで受け取れるんだ?
※ 『ジョーズ』:スティーヴン・スピルバーグ監督の1975年の映画。海水浴場に巨大なホホジロザメが現れ、人を襲う。「ブルース」は、撮影用に作られた機械仕掛けのサメにスタッフが付けた愛称。
10. 名無しのReddit住民
ペニーワイズ。うちはメイン州のデリーから遠く離れてるんだ。ジョーズを選ぶのと同じ理屈だけど、こっちのほうが縛りはもっとゆるい。海を避ける必要すらなくて、田舎町ひとつに近寄らなければ終わりだから。
※ ペニーワイズ:スティーヴン・キングの小説『IT』と、その映画化『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)などに登場する、ピエロの姿をした怪物。米国メイン州にある架空の町デリーに棲みつき、およそ27年ごとに目を覚まして子どもを襲う。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
しかもあいつが起きてくるのは27年に1回で、今年はその年に当たってない。眠ってるピエロの隣に座って、ポップコーンでも食べながら24時間つぶすよ。
12. 名無しのReddit住民
『キャンディマン』かな。名前を3回言わなきゃ出てこないんだろ? 24時間くらいなら、さすがに口を滑らせずにいられると思う。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
3回じゃなくて5回な。しかも鏡の前で言わないと来ない。条件はもっとゆるいから安心していいよ。心配なのはむしろ、賞金が入って気が大きくなった夜に、酔った勢いで洗面所で試すことのほうだ。※ 『キャンディマン』:1992年の米国ホラー映画(2021年にも新作が公開された)。鏡に向かってその名前を5回唱えると、右手が鉤(かぎ)になった男が現れて唱えた人を殺す、という都市伝説を題材にしている。
14. 名無しのReddit住民
ビートルジュース一択。なんでビートルジュースかって? ビートルジュースって3回言わなきゃいいだけだからだよ。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
……数えてたけど、いまちょうど3回言ったよな。後ろ、振り返ってみたほうがいいぞ。※ 『ビートルジュース』:ティム・バートン監督の1988年のホラーコメディ映画。ビートルジュースは、生きている人間を家から追い出す仕事を請け負う、下品ではた迷惑な幽霊。名前を3回続けて呼ぶと姿を現す。
16. 名無しのReddit住民
ジェイソン・ボーヒーズ。賞金を前借りして、ファーストクラスでオーストラリアまで往復する。ホッケーマスクの男だろうが、頭に麻袋をかぶった男だろうが、空港の保安検査を通してもらえるわけがないからね。
※ ジェイソン・ボーヒーズ:『13日の金曜日』シリーズ(1980年〜)の殺人鬼。ホッケーマスクとナタがトレードマークで、何度倒されても起き上がってくる。ホッケーマスクを着けるのは3作目からで、2作目では麻袋をかぶって顔を隠していた。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
保安検査で止められるのは、マスクより先にあの大ナタのほうだろ。それにあいつ、8作目ではニューヨーク行きの客船にこっそり乗り込んでたからな。乗り物を使ってこないとは言い切れない。18. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
同じシリーズなら、俺は母親のパメラ・ボーヒーズを指名する。1作目の犯人はジェイソンじゃなくてこの人で、怪力も不死身の体もない、普通の中年女性なんだ。24時間の体力勝負なら勝てる気がする。
19. 名無しのReddit住民
チャッキーだろ。相手は人形だぞ、人形。『チャイルド・プレイ』のあいつは超能力がないどころか、力は並の人間より下なんだ。身長は90センチくらいで非力。強みは、音を立てないことと、なかなか死なないことしかない。持ち味は不意打ちなんだから、来ると分かった上で、だだっ広い部屋の真ん中に座ってればいい。近づく前に全身が丸見えになる。用を足すためのボトルを持ち込んで、24時間そこから動かないよ。
※ チャッキー:『チャイルド・プレイ』(1988年〜)シリーズに登場する人形。撃たれて死にかけた連続殺人犯が、呪術を使って自分の魂を子ども向けのおしゃべり人形に移した。見た目はおもちゃのまま、刃物を手に人を襲う。
20. 名無しのReddit住民
自分もチャッキーだけど、作戦は逆。ピックアップトラックに乗って長距離ドライブに出る。簡単に近づけない場所にいる相手が、あいつはいちばん苦手なはずだ。ドアを蝶番ごと引きはがす力はないし、ロックしたドアも開けられない。給油が必要になる頃には400マイル(約640キロ)先にいるよ。万が一近づかれても、はんだ付け用のバーナーを積んでおくから溶かしてやる。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
出発する前に、後部座席と荷台だけは確かめておけよ。1作目で、あいつは刑事の車の後ろの席に潜んでて、運転中に背後から襲いかかってきたんだから。
22. 名無しのReddit住民
『スクリーム』のゴーストフェイス。どの作品でも、中身は特別な力なんてない生身の人間なんだ。2人組のこともあるけど、車までたどり着ければ、そのまま州の外に出て24時間やり過ごせる。魔法みたいな追跡装置でも持ってなければの話だけどね。
少なくとも、超常的な力を持ってる連中を相手にするよりは勝ち目がある。夢を支配する神だの、呪われた人形だの、死なない殺人鬼だのを選んでる君ら、あのさ……普通の人間にしておけよ。
※ 『スクリーム』:1996年に始まった米国のホラー映画シリーズ。白い幽霊のマスクに黒いローブ姿の殺人鬼「ゴーストフェイス」が登場するが、マスクの中身は作品ごとに違う人間で、複数犯のこともある。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
普通の人間だから怖いんだって。あのシリーズの犯人は、毎回主人公の身近にいる誰かなんだぞ。一緒に車で逃げてる友達が、助手席でポケットにマスクを忍ばせてるかもしれない。
24. 名無しのReddit住民
でかい岩の上で24時間ごろごろしてるだけでいいなら、『トレマーズ』のグラボイズだな。あいつらは土の中しか進めないから、岩の上までは来られない。水筒と日よけと、暇つぶしの本を持っていく。
※ 『トレマーズ』:1990年の米国映画。砂漠の小さな町の地中に、巨大なミミズのような怪物「グラボイズ」が現れる。地面の振動を頼りに獲物を探し、土の中は素早く進めるが、硬い岩は掘り進めない。作中でも住民たちが岩や屋根の上へ逃げる。
25. 名無しのReddit住民
ほかの人と被らない答えにしたいから、ヒッチコックの『鳥』。地下室でテレビを見ながら待つだけ。念のため、小さい窓には厚さ2センチ近い合板を2枚重ねで打ち付けておく。
※ 『鳥』:アルフレッド・ヒッチコック監督の1963年の映画。ある港町で、カモメやカラスなどの鳥が理由も分からないまま群れで人間を襲い始める。作中では、鳥が窓ガラスを割り、ドアをくちばしで突き破って家の中まで入ってくる。
26. 名無しのReddit住民
グレムリンを1匹。エサをやらなければいいだけだから、24時間抱っこして過ごせるモフモフの相棒ができるだけだよ。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
抱っこできるのは変身前のモグワイのほうで、お題は「グレムリン」なんだよな。指名した時点で、もう凶暴なほうが来るんじゃないか。まあ、あいつらは日光を浴びると死ぬから、昼間のうちは外にいれば安全だけど。※ 『グレムリン』:1984年の米国映画。モグワイというかわいい小動物を飼うには、「光に当てない」「水に濡らさない」「真夜中を過ぎたらエサを与えない」という3つの決まりがある。真夜中過ぎに食べさせると、凶暴でいたずら好きな怪物グレムリンに変身する。
28. 名無しのReddit住民
確認だけど、24時間たったらちゃんと追うのをやめてくれるんだよな? それなら『The Horribly Slow Murderer with the Extremely Inefficient Weapon』の殺人鬼にする。武器はスプーン1本。人生でいちばん簡単な選択だった。
※ 題名は「恐ろしくのろい殺人鬼と、極端に効率の悪い凶器」といった意味。2008年に公開された約10分の短編コメディ映画で、白塗りの不気味な男が、スプーン1本でひたすら主人公を叩き続ける。どこへ逃げても現れて決してやめないが、叩かれても痛いだけなので、命を奪うまでには途方もない時間がかかる。
29. 名無しのReddit住民
『アタック・オブ・ザ・キラートマト』のトマトで。なにしろ相手は、転がってくるだけのトマトだ。走れば余裕で振り切れるし、追いつかれたら最悪サラダにする。
※ 『アタック・オブ・ザ・キラートマト』:1978年の米国映画。トマトが突然人間を襲い始める、という筋書きのパロディコメディ。あまりのくだらなさで有名になり、カルト的な人気がある。
30. 名無しのReddit住民
『悪魔のいけにえ』なら、テキサスに住んでないってだけでチェーンソーの男からは逃げ切れるよな。でも俺が指名するのは、あの一家のじいちゃんだ。ただし、じいちゃん1人だけで来るなら、という条件つきで。お題には悪役を「1人」選べと書いてあるんだから、家族の付き添いはなしで頼む。
※ 『悪魔のいけにえ』:1974年の米国ホラー映画。テキサスの田舎で、若者たちが、人の皮で作ったマスクをかぶりチェーンソーを振り回す大男レザーフェイスとその一家に襲われる。一家の祖父は、ハンマーを自分で握っていられないほど衰えた老人として描かれ、続編にも登場する。
まとめ
「誰がいちばん怖いか」ではなく「誰ならいちばん楽か」を競うスレッドになりました。挙がった抜け道は、大きく3つに分けられます。ひとつは、条件を満たさない限り現れない相手。名前を唱えなければ来ないキャンディマンやビートルジュース、眠らなければ手を出せないフレディ、7日後まで来ない貞子がこれにあたります。ふたつ目は行動範囲が限られている相手で、海から出られないサメ、町を離れないペニーワイズ、岩を掘れないグラボイズ。3つ目は単純に遅いか弱い相手で、歩くだけの「それ」、身長90センチの人形、スプーン1本の殺人鬼が並びました。
ただ、返信では「映画の高校生も同じ作戦で眠ってしまった」「あの伯爵は昼間も出歩く」「後部座席を確かめておけ」と、作中の場面を持ち出した反論が続いています。ホラー映画の悪役には、たいてい「こうすれば助かる」というルールが用意されています。それでも登場人物がやられてしまうのは、ルールを知らないからというより、眠気や油断や好奇心に負けるからでしょう。日本生まれの貞子が「7日間は何もしてこない相手」として真っ先に攻略の対象にされているのも、日本の読者には新鮮かもしれません。皆さんなら、45億円のために誰を指名しますか?

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