「人類があまりに見事に解決したせいで、若い世代はそれが大問題だったことすら知らない問題って何?」——そんな質問が海外掲示板Redditに投稿され、800件近いコメントが集まりました。ポリオ、オゾン層の穴、紙の地図、写真の赤目。今の”当たり前”の裏に隠れた、忘れられた偉業の数々をどうぞ。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
ポリオ。今の子は「夏に間違ったプールで泳いだら一生麻痺が残るかもしれない」時代の空気なんて想像もできないだろうね。親は毎年夏が来るたびに怯えてたし、病院の病棟は鉄の肺でぎっしり。町ぐるみでプールも映画館も閉鎖してた。それがワクチンが出たら、みんな政治問題にもせず当たり前に接種して、一世代のうちに先進国からほぼ消えたんだ。「全親の悪夢」から「40歳以下は症状すら説明できない病気」になった。
※ ポリオ(小児まひ)は主に子どもが感染し、手足に麻痺を残すことがあるウイルス感染症。「鉄の肺」は呼吸筋が麻痺した患者を入れる巨大な人工呼吸装置で、かつて病棟にずらりと並んでいた。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
うちの祖母は、同級生が鉄の肺に入ったまま卒業式に出られなかった話を今でもする。あの機械がずらっと並んだ病棟の写真、ほんの70年前の光景とは思えないよ。
3. 名無しのReddit住民
天然痘。Wikipediaのページが「天然痘は〜だった」って過去形で始まるの、何回見ても謎の誇らしさが込み上げてくる。人類史上最悪クラスの殺し屋を、地球上から完全に消したんだぜ。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
人類の実績解除リストがあったら間違いなく最上段だよな。戦争も差別もやめられない種族が、ウイルス一種を根絶やしにするミッションだけは完遂したっていう。
5. 名無しのReddit住民
オゾン層の穴。80〜90年代はあれが究極の終末時計だった。「このままだと外を歩けなくなる」って本気で報道されてたのに、世界中がフロンガスを禁止して、今は実際に塞がりつつある。地球規模の協力が本当に機能した、めちゃくちゃ珍しい成功例だよ。
※ フロンガス(CFC)はスプレーや冷蔵庫に使われていた化学物質。1987年のモントリオール議定書で世界的に規制され、オゾン層は回復傾向にある。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
30歳以下であのパニックを覚えてる人、ほぼいないもんな。「完璧に解決された問題は、最初から存在しなかった扱いされる」っていうこのスレのテーマそのものだわ。
7. 名無しのReddit住民
写真の赤目。昔の夜のスナップ写真なんて、赤く光る目だらけだったのに、いつの間にか完全に消えた。誰も気づかないうちに解決されてた問題の代表だと思う。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
実家のアルバム開くと、親戚一同が全員悪魔憑きみたいな目で写ってるページあるわ。フラッシュが2回光るカメラが出てきたあたりから、急に誰も光らなくなった。
9. 名無しのReddit住民
国際電話の料金。母は海外の実家に電話するために、電話会社の週末割引をずっと待ってた。固定料金で1時間、今の価値で40ドル(約6,000円)とかだよ。ビデオ通話が無料の時代に育った子は、あれが贅沢品だったなんて信じないだろうな。
10. 名無しのReddit住民
道に迷うこと。GPSがない頃は紙の地図を車に積んで、道を間違えたら知らない人に聞くしかなかった。うちはMapQuestで道順を紙に印刷して持ち歩いてたけど、1回曲がり損ねたらもう終わり。次に人のいる場所まで自力でたどり着くしかなかった。
※ MapQuest:Googleマップ普及前に主流だった地図サイト。出発地と目的地を入力して、道順を紙に印刷して持ち歩くのが定番だった。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
助手席の地図係が「今の出口だったって!」って叫んで車内の空気が凍るやつ、うちの家族旅行の風物詩だった。あの喧嘩、GPSが全部この世から消し去ったんだよな。
12. 名無しのReddit住民
甲状腺腫。想像してみてよ、通りを歩く人のかなりの割合の首に、こぶし大の膨らみが突き出てる光景をさ。それがヨウ素を食塩に混ぜるっていう地味すぎる一手で、社会全体から消えた。費用対効果で言えば人類史上最強の公衆衛生政策かもしれない。
※ ヨウ素不足は甲状腺の腫れ(甲状腺腫)を引き起こす。欧米では1920年代からヨウ素入りの食塩が普及して激減した。海藻をよく食べる日本ではもともと少なかった。
13. 名無しのReddit住民
ちょっとした切り傷で死なないこと。抗生物質のおかげで、みんな小さな怪我がどれだけ危険だったかを完全に忘れてる。昔は庭仕事でトゲが刺さっただけで感染症で亡くなる人が普通にいたらしいからね。
14. 名無しのReddit住民
酸性雨。あと汚染で川が燃えてたこと。アメリカでは工場排水まみれの川が文字通り炎上する事故が実際に起きてる。水源のすぐ横に排水を垂れ流して、みんなで具合が悪くなってた時代から考えたら、今の環境規制は普通に偉業だよ。
※ 1969年、米オハイオ州のカヤホガ川が油や廃棄物で実際に炎上。この事故が環境規制強化の大きなきっかけになった。
15. 名無しのReddit住民
お湯とシャワー。うちの母と祖母は週に1回、公衆浴場に通ってた。それ以外の日は家で濡らした布で体を拭くだけ。今なんて1日シャワーをサボっただけで不潔扱いされるんだから、基準の上がり方がすごい。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
蛇口をひねったら無限にお湯が出てくるの、冷静に考えたら魔法だからな。ほんの数世代前まで、お湯は「薪をくべて沸かす重労働の成果」だったわけで。
17. 名無しのReddit住民
そこらじゅうにあった受動喫煙。レストランもバーも、昔はガチで煙で霞んでた。それが今じゃ、すれ違う人からタバコの匂いがすることすらほとんどない。あの変わり方のスピードはすごかったと思う。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
飲みから帰ると、吸ってない自分の服と髪が灰皿の匂いになってたのを思い出した。あと飛行機に喫煙席があった事実、若い子に話すと大体嘘だと思われる。
19. 名無しのReddit住民
Y2K問題。「2000年になった瞬間、コンピュータが誤作動する」ってやつ。世間では「結局何も起きなかったじゃん」って笑い話にされてるけど、実際は世界中のエンジニアが何年もかけて修正しまくったから何も起きなかったんだよ。あれは思われてるよりずっと複雑な問題だった。
※ Y2K問題(2000年問題):年数を下2桁で管理していた古いシステムが、2000年を1900年と誤認する恐れがあった問題。各国が膨大な費用と人員を投じて事前に修正した。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
完璧に解決された問題ほど「最初から大したことなかった」扱いされる、って皮肉の教科書みたいな例だよね。あれを担当したエンジニアたちが一番報われてない。
21. 名無しのReddit住民
食料。人類史のほとんどの期間、飢饉は「たまに起きる災害」じゃなくて「数年おきに来る日常」だった。今は先進国なら食べ物が安く大量にあるのが当たり前で、むしろ食べすぎの方が問題になってる。ご先祖が見たら卒倒するレベルの豊かさだよ。
22. 名無しのReddit住民
氷と冷蔵。食べ物を凍らせて保存できるようになったことと、食品を清潔に保てるようになったこと。この2つで救われた命は数百万どころじゃないはず。冷蔵庫のない真夏を想像してみ? 肉も牛乳もその日のうちに勝負だぞ。
23. 名無しのReddit住民
自動車が発明された頃、「馬糞と馬の死骸で埋まった道路をきれいにするクリーンな乗り物」として売られてたって知ってた? 当時の大都市は馬糞の処理が本気で行き詰まってて、車は環境問題の解決策側だったんだよ。
24. 名無しのReddit住民
国際民間航空システム。あれは人類史上最高レベルの国際協力で、あまりに高い信頼性で淡々と動いてるから、誰もその存在に気づいてすらいない。毎日何万便も、別々の国の空をまたいで飛んでるのにだよ。
25. 名無しのReddit住民
子宮頸がん。かつては本当に多くの女性の命を奪ってきた病気だけど、HPVワクチンのおかげで撲滅が視野に入ってきてる。あとHIVもね。俺が10代20代の頃は死の宣告だったのが、今は治療しながら長生きできる病気になった。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
90年代のHIVの扱いを知ってると、今「薬を飲みながら普通に暮らせます」って言われるの、ほとんどSFなんだよな。医学の進歩って派手なニュースにならないだけで、とんでもない距離を進んでる。
27. 名無しのReddit住民
糖尿病。インスリンが実用化される前は、1型糖尿病と診断された子どもは長く生きられないのが普通だった。今は管理しながら何十年も生きられる。「不治の病」が「付き合っていく病気」に変わった代表例だと思う。
28. 名無しのReddit住民
出産。昔は母親にとっても赤ん坊にとっても、人生でいちばん死に近いイベントだった。感染症も含めて、現代の医学と衛生観念がどれだけの命を救ってきたか、正直みんな軽く見すぎてるよ。
29. 名無しのReddit住民
有鉛ガソリン。排気ガスと一緒に鉛が空気中にばら撒かれてた時代が普通にあって、健康被害も指摘されてたのに、いつの間にか静かに消えた。若い世代は存在自体知らないんじゃないかな。ガソリンスタンドで「レギュラー?ハイオク?」の前に「有鉛?無鉛?」って聞かれてた時代があるんだよ。
30. 名無しのReddit住民
天然痘、はしか、ポリオ、甲状腺腫、感染症…人類は全部見事に解決した。でも安心してくれ、バカだけは治せなかったから、ワクチンを打たない人が増えて今どれもじわじわ戻ってきてる。
まとめ
並べてみると、挙がった答えは大きく4系統に分かれます。ワクチンと抗生物質とインスリンの「医療」、上下水道とお湯と冷蔵の「生活インフラ」、オゾン層・酸性雨・有鉛ガソリンの「環境」、そして地図と国際電話の「情報通信」。どれも共通しているのは、完璧に解決されたせいで解決されたこと自体が忘れられている、という皮肉な構図です。Y2K問題のコメントが指摘していた「うまくいった対策ほど『大騒ぎしすぎだった』と笑われる」現象は、その最たるものでしょう。
そして最後のコメントが刺すように、忘却の先には逆戻りが待っています。実際、ワクチン忌避によるはしかの再流行は日本でも他人事ではありません。蛇口のお湯、光らない赤目、燃えない川——皆さんの身の回りの「当たり前」で、実は誰かが必死に解決してくれた問題、何か思い当たりますか?


コメント
非科学的な反HPVワクチン報道で接種率激減してる日本がバカみたいじゃん