映画は最初の数分で勝負が決まる。開始10分で心をつかまれたら、その2時間はもう持っていかれたも同然。海外の掲示板で「史上最高の映画のオープニングは?」と聞いたら、名作のタイトルが洪水のように押し寄せた。鳥肌が立つ一発目、笑いっぱなしの一発目、開始5分で泣かされる一発目——どれを名作と呼ぶかで人柄が出るのが面白い。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
これより速く、これより完全に心を奪われた映画はない。『マトリックス』だよ。「二部隊を送り込んだ。今、確保中だ」「いや警部、君の部下はもう全員死んでいる」——この立ち上がりだけでもう降参。
※『マトリックス』(1999) — 仮想現実SFアクション。冒頭、黒服の女性トリニティが警官隊を空中静止のスローモーション(バレットタイム)で蹴散らし、エージェントから屋根を飛び越えて逃げる。「世界の見え方が変わった」と言われた革命的な映像。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
公開初日に何の予備知識もなく劇場で観たけど、あれは本物の魔法だった。バレットタイムが起きた瞬間、館内全員が一斉に息をのむ音が聞こえたんだ。「これはとんでもないものを観てるぞ」ってその場の全員が確信した。
3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
これな。一切説明しないんだよ。意味不明なものを次々ぶつけてきて「ついてこられるか?」って挑発してくる。最後に電話ボックスをゴミ収集車が粉砕して終わるあたり、何が起きてるのか分からないのに続きが知りたくてたまらなくなる。
4. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
制作秘話を読むと震えるよ。スタジオの重役たちは話が難解すぎると渋ってたんだけど、ウォシャウスキー監督が一番先にこのオープニングだけ撮って見せたら、それで黙って好きに作らせてくれたらしい。冒頭の説得力がそのまま映画の運命を決めたわけだ。
5. 名無しのReddit住民
もう一度だけ記憶を消して観たい映画ナンバーワンが『マトリックス』。トリニティが逃げ切った後、地面で銃を構えながら震えてる場面が忘れられない。警官隊を数秒で全滅させた彼女が、スーツの男たちにあそこまで怯えてる。「こいつらは一体何者で、どれだけヤバいんだ?」って観客に突きつけてくる導入。
6. 名無しのReddit住民
『イングロリアス・バスターズ』のあの牧場のシーン。ナチス将校が農夫の家で、ミルクを一杯飲みながら穏やかに世間話をするだけ。なのに床下に隠れたユダヤ人一家のことが頭をよぎって、観てるこっちの胃がキリキリしてくる。銃声ひとつ鳴る前から空気が殺気で満ちてるんだ。
※『イングロリアス・バスターズ』(2009) — タランティーノ監督のWWII戦争劇。冒頭はフランスの片田舎、ナチ親衛隊のランダ大佐が農夫を尋問する約20分の会話劇。直接の暴力を見せずに、会話だけで張りつめた恐怖を作り上げる。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
あのシーンのクリストフ・ヴァルツは本当に化け物。ニコニコしながら「君は国家の敵を匿っているね?」って言う一言の冷たさよ。この役で一躍世界に知られて、笑顔がこんなに怖い俳優っていないと思った。
8. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
正気の沙汰じゃないのは、あの導入が20分もあるってこと。緊張感がすごすぎて、体感だと5分くらいに感じる。一秒も中だるみしないんだから狂ってる。
9. 名無しのReddit住民
『レイダース/失われたアーク』だな。クモだらけの洞窟、隠し壁から飛び出す死体、ムチで穴を飛び越える、最後にあの巨大な岩が転がってくる。冒険映画の見どころを全部冒頭の数分に詰め込んでくる。これ以上のものはないよ。
※『レイダース/失われたアーク』(1981) — スピルバーグ監督のインディ・ジョーンズ第1作。冒頭、ジャングルの神殿で黄金像を盗み出した直後、巨大な丸石が転がり追ってくる名場面。主人公のキャラクターを台詞より先に「行動」で見せきる。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
史上最高のキャラ紹介だよね。本編とは全く関係ない冒険なのに、それ一本で別の映画が作れるくらいの密度。たった数分で「こいつは何があっても切り抜ける男だ」と観客に刷り込んでくる手際が見事。
11. 名無しのReddit住民
『カールじいさんの空飛ぶ家』の冒頭。台詞ほぼゼロ、音楽だけでカールと奥さんの出会いから死別までの人生を数分で描く。うちの妻は開始5分で号泣してた。アニメであんなに容赦なく泣かされるとは思わなかった。
※『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009) — ピクサーのアニメ。冒頭の約4分間、台詞なしの映像と音楽だけで老夫婦の出会い・結婚・流産・老い・死別を描く。「映画史上最も泣ける数分間」と評される名シーン。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
うちの「妻」も赤ん坊みたいにわんわん泣いてたわ(もちろん隣で俺も)。子供向けと油断して観に行った全国の親をまとめて泣かせにきたシーンだと思う。
13. 名無しのReddit住民
「物心ついた頃から、俺はずっとギャングになりたかった」——『グッドフェローズ』のこの一文から始まる導入が完璧。トランクの中で半殺しの男にとどめを刺すショッキングな場面に、あのナレーションが重なる。映画の世界観を一行で叩き込んでくる。
※『グッドフェローズ』(1990) — スコセッシ監督のマフィア映画。主人公の人生をスピーディーなナレーションとロックで畳みかける手法が後続作品に多大な影響を与えた。
14. 名無しのReddit住民
『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』だな。「世界は変わってしまった」という女声のナレーションから、指輪を巡る壮大な前史を一気に見せられる。本編が始まる前にもう泣きそうになってる自分がいる。
※『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』(2001) — トールキン原作のファンタジー大作三部作の第1作。冒頭で指輪の来歴と大戦の歴史をナレーションと戦闘映像で語り、観客を一気に中つ国の世界へ引き込む。
15. 名無しのReddit住民
『スター・ウォーズ エピソード4』に決まってる。あの黄色い文字のオープニングクロールが流れた瞬間、たった1分で宇宙のど真ん中に放り込まれる。あれを劇場で初めて体験した世代がうらやましい。
※『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) — ルーカス監督のスペースオペラ。冒頭、宇宙空間を巨大な帝国の戦艦が画面いっぱいに覆いながら反乱軍の小型船を追う。スケール感を一発で叩き込む象徴的なショット。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
小さな反乱軍の船を、頭上から覆いかぶさるように帝国のスター・デストロイヤーが延々と通過していくショットね。あれだけで「敵がどれだけ巨大か」を台詞なしで分からせてくる。何度観ても背筋がゾクッとする。
17. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
1977年当時、誰もあんなクラシックな大編成オーケストラの復活なんて求めてなかった。それを冒頭のファンファーレでねじ伏せた。追う側が大きくギザギザの形、追われる側が小さく丸い形——形の対比だけでドラマを語ってるのが天才的なんだよな。
18. 名無しのReddit住民
『トゥモロー・ワールド』の冒頭一択。カフェで世界最年少の人間が殺されたニュースを見た直後、店を出た主人公の背後でその店が爆発する。手持ちカメラで全部ワンカット風に見せるから、観客もあの混乱の真っ只中に放り込まれる。
※『トゥモロー・ワールド』(2006) — キュアロン監督のディストピアSF。人類が子供を産めなくなった近未来が舞台。長回しのワンカット撮影で知られ、冒頭の爆破シーンからその緊張感で観客を引きずり込む。
19. 名無しのReddit住民
『ライオン・キング』(1994)の冒頭を忘れるな。日の出とともに「サークル・オブ・ライフ」が流れ、サバンナ中の動物が王の誕生を見届けに集まってくる。あの一曲とアニメーションだけで、もう壮大な物語が始まる予感に鳥肌が立つ。
※『ライオン・キング』(1994) — ディズニーのアニメ。アフリカの草原を舞台にライオンの王子シンバの成長を描く。冒頭、日の出と楽曲「サークル・オブ・ライフ」に乗せて動物たちが集結する圧巻のオープニングが有名。
20. 名無しのReddit住民
映画の冒頭で劇場全体を25分間しーんと静まり返らせるって、もう反則だよ。『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸作戦。退役軍人がPTSDを再発させて途中退場したって話があるくらい、戦場の地獄をそのまま叩きつけてくる。これに一票。
※『プライベート・ライアン』(1998) — スピルバーグ監督のWWII戦争映画。冒頭、オマハ・ビーチの上陸作戦を約25分間にわたり生々しく描く。あまりのリアルさに、実際の退役軍人が動揺して席を立ったと報じられた。
21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
あれは「観る」じゃなくて「巻き込まれる」だった。水中で銃弾が兵士を貫く音、外れた手足、泣き叫ぶ若者。戦争映画の冒頭はあれ以前と以後で完全に分かれたと思う。比べられる導入が他にない。
22. 名無しのReddit住民
『グラディエーター』の冒頭の戦闘シーン。霧の立ち込めるゲルマニアの森で、ローマ軍が火矢を一斉に放つ。マキシマスが部下に静かに檄を飛ばす姿だけで、こいつが本物の英雄だと一瞬で分かる。あの荘厳さは唯一無二。
※『グラディエーター』(2000) — リドリー・スコット監督の古代ローマ史劇。将軍マキシマスが奴隷剣闘士に転落し復讐に挑む物語。冒頭の森の大規模戦闘で主人公の威厳と統率力を一気に印象づける。
23. 名無しのReddit住民
なんで『トレインスポッティング』が挙がってないんだ。「人生を選べ。仕事を選べ。キャリアを選べ。家族を選べ。クソでかいテレビを選べ……」ってあの怒涛のモノローグ。主人公が街を全力疾走しながら、消費社会への呪詛をまくし立てる。あのテンポと音楽がもう中毒性の塊。
※『トレインスポッティング』(1996) — ダニー・ボイル監督。スコットランドの若者たちの退廃的な日々を描く。冒頭、主人公が店から逃走しながら「人生を選べ(Choose Life)」と社会を皮肉るモノローグを叫ぶ場面が伝説的。
24. 名無しのReddit住民
俺は『ウォッチメン』。ボブ・ディランの曲をバックに、ヒーローが存在する世界の裏の歴史をスローモーションで見せていくタイトルシークエンスが最高なんだ。ケネディ暗殺やら戦争やら、歴史の改変が一枚絵のように流れていく。
※『ウォッチメン』(2009) — ザック・スナイダー監督。アメコミ史に残るダークなヒーロー漫画の映画化。冒頭、ボブ・ディランの楽曲に乗せて「ヒーローのいる別の20世紀史」をスローモーションで畳みかけるタイトルが秀逸。
25. 名無しのReddit住民
誰も『ジョーズ』を挙げてないのが信じられない。せめて俺が一番乗りで言わせてくれ。夜の海で女性が一人泳いでると、あの「デュン……デュン……」って低音が忍び寄ってくる。サメ本体を見せないのに、観客全員が海に入れなくなった。
※『ジョーズ』(1975) — スピルバーグ監督のパニック映画。巨大な人食いザメと人間の闘いを描く。冒頭、夜の海で泳ぐ女性が水中から襲われる。サメを映さず音楽と水面下の視点だけで恐怖を煽る演出が金字塔となった。
26. 名無しのReddit住民
真面目路線なら『ダークナイト』。ジョーカーが銀行強盗を仕切る冒頭で、仲間に互いを殺させて取り分を独り占めさせる。一切顔を見せないのに「こいつは桁違いに狂ってる」と分からせる脚本がすごい。
※『ダークナイト』(2008) — ノーラン監督のバットマン三部作の第2作。冒頭、ピエロの仮面の強盗団が銀行を襲い、計画通り仲間を順に始末していく。最後に残るのが黒幕ジョーカーで、そのカリスマ的狂気を鮮烈に印象づける。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
ふざけた路線なら『スーパー・トラブル』を推す。あんなに長時間笑い続けて肋骨が痛くなったのは後にも先にもない。警官たちが運転中の若者をからかうだけの導入なのに、もうずっと笑ってる。真面目と不真面目、両極端で一番ってのが映画の面白いところだ。
※『スーパー・トラブル』(2001) — アメリカのコメディ映画。退屈した田舎の州警察官たちのおふざけを描く。原題『Super Troopers』。日本での知名度は低いが、英語圏ではカルト的人気を誇るバカ騒ぎ系コメディ。
28. 名無しのReddit住民
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だろ。所狭しと並んだ大量の時計、博士の研究室、ギターアンプを轟音で吹き飛ばす導入、車の後ろにつかまってスケボーで登校するマーティ。そこにヒューイ・ルイスの『パワー・オブ・ラブ』。あれぞ完璧なイントロだ。
※『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985) — ゼメキス監督のSFコメディ。高校生マーティがタイムマシンで30年前に飛ぶ物語。冒頭、無数の時計のカットと主人公の登校風景でキャラと世界観をテンポよく紹介する。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
個人的なイチオシは『ポイント・ブレイク』のオープニングなんだよな。豪雨の射撃訓練と荒波のサーフィンを交互に見せるだけで、刑事とサーファーの二つの世界が一気に立ち上がる。あの対比の作り方が痺れる。
※『ポイント・ブレイク』(1991) — キャスリン・ビグロー監督のアクション。FBI捜査官がサーファー集団の銀行強盗団に潜入する。原題『Point Break』。冒頭、雨中の射撃訓練と大波のサーフィンを交差させて二人の主人公を対照的に描く。
30. 名無しのReddit住民
誰も言わないけど『ターミネーター2』の最初の45分が完璧。未来の戦争の地獄絵図から始まって、液体金属のT-1000が現れる。あの不気味な金属の質感を初めて観たときの衝撃は、当時の技術とは思えなかった。冒頭からアクセル全開で離してくれない。
※『ターミネーター2』(1991) — キャメロン監督のSFアクション。冒頭、機械が支配する荒廃した未来の戦場を見せ、最新型の殺人ロボットT-1000が登場する。当時最先端のCG技術で描かれた液体金属の表現が話題を呼んだ。
まとめ
挙がった作品を眺めると、名オープニングには大きく二つの型があるのが見えてくる。ひとつは『マトリックス』『レイダース』『ターミネーター2』のように、いきなり全力のアクションで「この映画はヤバい」と体に叩き込む型。もうひとつは『カールじいさんの空飛ぶ家』『プライベート・ライアン』『イングロリアス・バスターズ』のように、台詞や音楽、間(ま)だけで観客の感情を一気に揺さぶる静かな型。派手さと静けさ、両極端のどちらにも「史上最高」が存在するのが面白い。共通しているのは、どれも「説明しすぎない」こと。観客に問いを投げ、続きを観ずにいられなくさせる。皆さんが記憶を消してもう一度だけ観たい、最高のオープニングはどの映画ですか?


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