「20年前なら、これは死の宣告だった」——そう言われた病気や怪我が、今では普通に生きていける。r/AskRedditに、医療の進歩を自分や家族の身で実感した人たちが集まって、それぞれの実体験を語り合っていた。希望の話ばかりじゃなく「まだ課題は残る」という現実的な声も混じっていて、そこが逆にリアルだった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
友達の友達が、恋人は嚢胞性線維症なんだとサラッと言ってて正直ゾッとした。昔「この病気は26歳を超えて生きた人はいない」って聞いた記憶があったから。でも調べ直したら、今は寿命が60代、70代、80代まで延びてるって書いてあって、目を疑ったよ。この20年で何が起きたんだ。
※ 嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう):肺や消化器に粘り気の強い分泌物がたまる遺伝性の病気。欧米では比較的多く、かつては成人まで生きられないことが多かった。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
20年くらい前に看護学校にいたけど、小児科の実習で成人の嚢胞性線維症の患者さんが子ども用の病院に入院してたんだよね。それまで大人になるまで生きる人がほとんどいなかったから、専門医が全員小児科医で、大人の病院じゃ誰も診方を知らなかった。今思うとすごい時代だった。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
まさにこれを書きに来た。俺は42歳で、両肺移植をしてから10年経つ。20年前ならこんなの絶対に無理だったよ。今こうして普通に生きてキーボードを叩いてること自体、当時の常識ではありえなかった。
4. 名無しのReddit住民
知り合いに嚢胞性線維症の男がいて、20代の頃はもう終活を考えてたんだ。働けないし、ずっと家にいて、未来がないって。でも一番新しいCFの薬が承認されて使えるようになったら、今は仕事もあるし、スポーツもやってるし、普通の寿命を見込めるようになった。薬さえ飲み続ければちゃんと生きていける。信じられないよ。
5. 名無しのReddit住民
やっぱりHIV/AIDSでしょ。昔はほぼ死の宣告扱いだったのに、今は治療のおかげで多くの人が普通に長く生きられる。ほんの20〜30年でここまで医学が変わるって、冷静に考えるとめちゃくちゃすごいことだと思う。
6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
いとこが15年くらい前に診断されたとき、家族全員で「もうダメだ」ってパニックになったんだよ。それが今は朝に1錠飲むだけで、めちゃくちゃ元気。相変わらず家族の食事のたびに憎まれ口を叩いてくるし、何も変わってない。あのときの絶望は何だったんだって思う。7. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
オーストラリアだと当時、死神がボウリングをして、ピンの代わりに人間が倒されるっていうHIV啓発CMが流れてた。それくらい当時は完全に死の宣告扱いだったってこと。今の若い子に見せても、たぶん意味がわからないと思う。
※ 1987年にオーストラリアで放送された「Grim Reaper(死神)」CM。ボウリングの球を投げる死神が、ピンに見立てた人々をなぎ倒す衝撃的な内容で、当時の恐怖の大きさを象徴している。
8. 名無しのReddit住民
うちのパートナーがHIV陽性なんだ。医学のおかげで、発覚する前も含めて自分は一度もうつってないし、彼は1日1錠飲んでウイルスは検出限界以下になってる。この時代に生まれて本当に運がいいと思う。30年前なら、こんなの想像もできなかった。
※ 検出限界以下(undetectable):血液中のウイルス量が測定できないほど下がった状態。これを保てば性行為で他人にうつすこともほぼ無くなるとされ、「U=U(検出されない=うつさない)」と呼ばれる。
9. 名無しのReddit住民
何年も体調が悪くて、口内炎や皮膚のできものを繰り返して、風邪の治りも遅かった。特にリスクの高い生活はしてなかったけど、救急の看護師にすすめられて性感染症の検査を受けたらHIV陽性で、AIDS寸前だったらしい。すぐ薬を始めたら1週間で口も肌も綺麗になって、上がらなかった重量まで挙がるようになった。奇跡みたいだったよ。
10. 名無しのReddit住民
乳がんで亡くなる確率は90年代からほぼ半分になったんだよね。もちろんまだ十分じゃないけど、それでも昔と比べたら本当に大きく良くなった。検診と治療の両方が進んだのが効いてるんだと思う。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
私はステージ4の乳がんだけど、完全に普通の生活を送ってる。言わなきゃ誰も私ががんだって気づかない。再発を抑える薬を数種類飲んでるだけ。ステージ4のがんがここまで抑え込めること自体、科学の理解がまだ追いついてないくらいなんだって。12. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
私はHER2陽性っていうタイプの乳がんだった。昔は生存率が本当に低くて絶望的だったけど、ハーセプチンっていう薬のおかげで、私みたいな患者でも普通に生きられる。25歳で診断されたときはステージ3で、今32歳、ずっと寛解が続いてる。
※ HER2陽性乳がん:がん細胞の増殖に関わるタンパク質が多いタイプ。ハーセプチン(一般名トラスツズマブ)という分子標的薬の登場で予後が大きく改善した。寛解=症状が抑えられ落ち着いている状態。
13. 名無しのReddit住民
C型肝炎。20年前も治療自体はあったけど成功率が低くて、しかも見つかる頃には進行してることが多かった。当時の治療は抗ウイルス薬をお腹に直接注射するもので、副作用が抗がん剤並みにキツかった。それが今はDAAっていう飲み薬が出て、1日1錠を12週間飲むだけで、事実上「治る」。自分は生まれてから23歳までこの病気と付き合って、リアルタイムでこの変化を体験できた。
※ DAA(直接作用型抗ウイルス薬):C型肝炎ウイルスに直接効く飲み薬。従来の注射治療に比べて副作用が軽く、多くの人で治療が完結するようになった。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
うちの父は90年代に輸血でC型肝炎をもらって、気づいたのは2002年頃。治療して肝移植も2回したけど、2005年に亡くなった。今なら簡単に治せると知っても、不思議とそこまで辛くはないんだ。少なくとも、これからの人は父と同じ苦しみを味わわなくて済むから。
15. 名無しのReddit住民
子どもの頃から関節リウマチを患ってる身としては、自己免疫の病気の薬の進歩を挙げたい。30年以上前にかなり重いタイプだと診断されたとき、自分も周りも「この子は車椅子で重い障害を抱えるだろう」と思ってた。でもエンブレルやヒュミラみたいな生物学的製剤が出て、その後JAK阻害薬も来た。完璧にコントロールできてるわけじゃないけど、10代の頃に夢見た以上に今はずっとマシに暮らせてる。
※ 生物学的製剤/JAK阻害薬:免疫の異常な働きをピンポイントで抑える新しいタイプの薬。従来のステロイドなどより関節の破壊を抑えられるようになり、関節リウマチの治療が大きく変わった。
16. 名無しのReddit住民
意外かもしれないけど、ダウン症。80年代は平均寿命が25歳くらいって言われてたのに、今は60代まで延びてる。倍以上だよ。心臓などの合併症のケアが進んだのが大きいんだと思う。数字で見ると、この変化の大きさに改めて驚かされる。
17. 名無しのReddit住民
メラノーマ(悪性黒色腫)。早期に見つければ昔から治る確率は高かったけど、ステージ4まで行くとほぼお手上げだった。それが新しい免疫療法のおかげで、転移したメラノーマの5年生存率が、昔の4割くらいから7〜8割くらいまで上がったらしい。医学って本当にすごい。
※ メラノーマ(悪性黒色腫):皮膚などにできる悪性度の高いがん。免疫の力を利用してがんを攻撃する「免疫療法」の登場で、進行例の見通しが大きく改善した。
18. 名無しのReddit住民
クローン病。生物学的製剤が出てくる前は、治療といえばステロイドと免疫抑制剤と手術くらいしかなかった。これが体に本当にきつくて、しばらくすると効かなくなるし、手術を繰り返して栄養失調になったり、抑えきれない炎症や免疫抑制で感染症を起こして亡くなる人も多かった。今の薬は副作用がずっと少なくて、何年も寛解を保てる人がたくさんいる。まさに奇跡の薬だよ。
※ クローン病:消化管に慢性の炎症が起きる難病。原因は完全には分かっていないが、生物学的製剤の登場で症状を長期間抑えられるケースが増えた。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
クローン病、薬に命を救われたと思ってる。本当にみじめで、もう生きるのを終わらせてもいいって思うくらい追い詰められてた。それが薬で変わった。同じ病気で苦しんでる人には、どうか諦めないでほしいと心から思う。
20. 名無しのReddit住民
HPVワクチンは、あるタイプのがんを9割くらい減らしたって言われてる。「がんのワクチンなんて存在しない」って言う人がいたら、これを見せれば一発で反論できる。治すんじゃなくて、そもそも発症を防げるがんがあるって、冷静にとんでもないことだよ。
※ HPVワクチン:子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐワクチン。治療ではなく「発症を予防する」タイプで、がん対策として世界的に広がっている。
21. 名無しのReddit住民
脊髄性筋萎縮症のI型。2歳になる前に亡くなることが多い遺伝性の病気で、10年前は診断イコール死の宣告だった。でも新生児スクリーニングと、症状が出る前の遺伝子治療のおかげで、今は生きて、しかも歩けるようになる子までいる。自分の仕事人生で見た中でも、これが一番の進歩だと思ってる。
※ 脊髄性筋萎縮症(SMA):運動をつかさどる神経が弱っていく遺伝性の病気。特に重いI型は乳児期に命を落とすことが多かったが、遺伝子治療の登場で経過が大きく変わった。
22. 名無しのReddit住民
数十年前は、早産で生まれること自体が今よりずっと危険で、命を落とす可能性も高かった。肺サーファクタントみたいな治療がすごく進んだんだよ。自分はちょうどその薬がアメリカで承認された翌年に早産で生まれた。もう20年以上前の治療だけど、医学の進歩の分かりやすい例だと思う。
※ 肺サーファクタント:肺がしぼまないように働く物質。未熟な早産児は自前で作れないことがあり、これを補う治療の普及で早産児が助かる確率が大きく上がった。
23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
うちの子も生まれてすぐ新生児脳症で危なかったとき、体を冷やす治療(低体温療法)で脳のダメージから救ってくれた。冷たいタコみたいに包まれてる姿は見ていて不安だったけど、あれのおかげで今こうして元気にしてる。
※ 低体温療法:出産時の酸素不足などで脳がダメージを受けた新生児に対し、体温をわざと下げて脳を守る治療。後遺症を減らす効果があるとされる。
24. 名無しのReddit住民
心筋梗塞の治療で、昔はただの金属ステントを使ってて、25%くらいの確率でまた詰まってた。それが薬剤溶出ステントっていうのが20年ちょっと前に出て、その確率が5%くらいまで下がった。心筋梗塞になる人の数を考えると、これはとんでもない改善だよ。
※ ステント:血管の詰まりを広げて内側から支える金属の筒。表面から薬を少しずつ出す「薬剤溶出ステント」の登場で、再び詰まる確率が下がった。
25. 名無しのReddit住民
高齢者の大腿骨(足のつけ根)の骨折は、昔は「そろそろお迎えが近い」サインだった。あとうっ血性心不全もそう。昔は自分の体液で溺れるみたいに亡くなっていったのが、今はちゃんと管理すればずっと長く、それなりに普通の生活を送れる。地味だけど、これも大きな進歩だと思う。
26. 名無しのReddit住民
人間じゃないけど、猫の伝染性腹膜炎(FIP)。少し前まで、これにかかった猫はほぼ助からなかった。それがGS-441524っていう薬で8〜9割くらい治せるようになった。しかも面白いことに、この薬はもともと新型コロナの治療用に開発されたものなんだよね。COVIDが猫を救うことになるとは思わなかった。
※ 猫伝染性腹膜炎(FIP):猫コロナウイルスの変異で起きる、かつては致死率の非常に高い病気。抗ウイルス薬GS-441524の登場で治療できる例が増えた。
27. 名無しのReddit住民
確実な死の宣告ってわけじゃないけど、1型糖尿病。昔は寝てる間とか、病院に間に合わないときに低血糖を直せなくて命に関わることがもっと多かった。今はCGMとインスリンポンプのおかげで、高すぎ低すぎをかなり早く正確に補正、というか予防できるようになった。安心感が全然違うよ。
※ CGM(持続血糖モニター):皮膚に付けたセンサーで血糖値を常時測る機器。値が下がりすぎる前に気づけるため、就寝中などの危険な低血糖を防ぎやすくなった。
28. 名無しのReddit住民
多発性硬化症(MS)の薬。今も一生付き合う病気ではあるけど、以前みたいに「いずれ確実に障害が残る」ものではなくなった。本当に薬が進歩したんだよ。昔MSになった年配の人たちと、今診断される人とでは、これから送る人生がまるで違うと思う。
※ 多発性硬化症(MS):神経を覆う部分が繰り返し傷つく病気。以前は進行を止めにくかったが、再発や進行を抑える薬が増え、経過が改善した。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
逆のことを言うようで悪いけど、麻疹(はしか)を挙げたい。せっかくワクチンでほぼ抑え込めてたのに、接種率が下がって最近また戻ってきてる。進歩した病気の話で盛り上がるのは嬉しいけど、油断すると簡単に逆戻りするってことも忘れちゃいけないと思う。
30. 名無しのReddit住民
20年前は、前十字靭帯(ACL)やアキレス腱を断裂したら、スポーツ選手としては選手生命の終わりだった。今でももちろん重い怪我だけど、スポーツ医学とリハビリと整形外科が進んで、昔ほど「これで引退」にはならなくなった。断裂から復帰して活躍する選手を見ると、時代が変わったなって思う。
※ 前十字靭帯(ACL):膝の中で骨と骨をつなぐ重要な靭帯。断裂するとかつては競技復帰が難しかったが、手術とリハビリの進歩で復帰例が増えた。
まとめ
並んだのは、嚢胞性線維症、HIV、乳がん、C型肝炎、クローン病、脊髄性筋萎縮症……どれも一昔前なら「覚悟してください」と言われた病気ばかりだった。共通していたのは、単なる医学の年表ではなく、「昔は26歳までと言われた友達が、今は結婚して子どももいる」といった、一人ひとりの具体的な人生の話だったこと。一方で、麻疹のように「進歩に油断すると逆戻りする」という現実的な声もあって、そこがこのスレッドを地に足のついたものにしていた。あなたの身近にも、昔なら助からなかったかもしれない人が、今は普通に笑っている——そんな人はいませんか?


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