「昔のネットには、その日の終わりがあったんだよ」——r/AskRedditに立った「ネットの古参たちよ、今の若者が聞いたら驚く昔のインターネットの話を1つ教えてくれ」というスレッドが、しみじみとした思い出とわりと本気の愚痴で埋まっていた。回線の遅さ、家族が受話器を上げた瞬間の絶望、そして「あの頃は良かった」に容赦なく冷や水を浴びせる人たちまで。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
その日のネットが「終わる」感覚かな。ログアウトしてPCの電源を落とす、あるいは家族の誰かに順番を譲る。そうなったら自分の分はもう終わりで、次に繋ぐまで何日かネットのことを思い出しもしない。今の子にこれを言っても、たぶん意味が通じないと思う。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
それと、友達と一緒にネットを見る文化な。みんなで椅子を引っ張ってきて画面の前に集まって、思いついた単語を適当にURLに打ち込んで何が出てくるか試すの。検索エンジンがまともに使えるようになる前の話だよ。
3. 名無しのReddit住民
ページには終わりがあったんだよ。下までスクロールするとフッターにぶつかって、それ以上見たければ自分で「次のページへ」を押す。野蛮だろ?でも当時はそれで普通に生きてた。
4. 名無しのReddit住民
家の誰かが受話器を上げた瞬間、問答無用でネットから叩き落とされるやつ。あれが一番きつかった。母さんに何度「今つないでるから!」って階段の下に向かって叫んだかわからない。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
そもそも電話とネットは同時に使えなかったからな。姉が友達と長電話を始めた時点で、自分の夜は終わり。回線が1本しかないってそういうことなんだよ。
※ 当時は電話回線をそのまま使うダイヤルアップ接続のため、通話中はネットに繋げなかった。日本でも深夜だけ通話料が定額になるテレホーダイの時間帯(23時〜翌8時)を待って一斉に繋ぐ人が多かった。
6. 名無しのReddit住民
ダイヤルアップのAOL時代は、単純に「今ネットに繋いでる人が多すぎます」という理由で接続できないことがあった。何度もかけ直して、やっとあの接続音が鳴った時は本気でガッツポーズしてたよ。
※ AOLは90年代アメリカ最大手の接続サービス。加入用のCD-ROMが雑誌の付録や郵便で大量にばら撒かれ、それを入れるところからネットが始まる、という入り口だった。
7. 名無しのReddit住民
あのダイヤルアップの接続音、今でも口で再現できる自信がある。しかも繋がった後は分単位の課金だからな。ファイル共有ソフトで自分より桁違いに速い回線の相手を見かけると、本気で嫉妬した。こっちは56kのモデムで、曲1つを毎秒5キロバイトで落としてるんだぞ。
※ 56kモデムは理論上でも毎秒7キロバイト程度が上限。曲を1曲手に入れるのに十数分から数十分かかるのが普通だった。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
写真1枚が上から順にじわじわ表示されていくのを5分待つ、あの時間な。半分出たところで「あ、これハズレだわ」と分かって閉じるまでが日常だった。
9. 名無しのReddit住民
ゲームの攻略を無償で、しかもテキストだけで書いて公開してる人が大量にいた。画像は一切ないのに、売り物の公式ガイドより明らかに出来がいいことがザラ。そのうえ読んでる間に広告が1つも出てこない。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
あれメモ帳で開いてCtrl+Fで探すんだよな。文字だけで描かれたダンジョンの地図とか、今思うと正気じゃない熱量だった。書いた人が誰かも知らないまま、何十時間も世話になってたよ。
11. 名無しのReddit住民
「本名は絶対に書くな」「住んでいる場所を教えるな」「どこの学校か言うな」って、耳にタコができるほど警告され続けてた。今は本名も勤務先も自分から載せてるんだから、不思議なもんだよな。
12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
匿名であること自体に価値があったんだよ。しかも当時のネット民は、匿名とプライバシーが別物だということをちゃんと理解してた。今はその区別が丸ごと消えてる気がする。
13. 名無しのReddit住民
驚くかどうかは分からないけど、あの頃は話してる相手が人間だってことは99.9%確信できた。性別も年齢も住んでる場所も嘘かもしれないけど、向こうに生身の人間がいることだけは確実だった。今は相手がbotかどうかすら分からない。
14. 名無しのReddit住民
やたら多かったよな、蛍光ピンクの背景に黄色い文字っていう目が潰れる配色のサイト。しかもだいたい、意味不明な量のアニメGIFが画面中を飛び回ってる。昔のネットは美しかったみたいに言う人がいるけど、見た目は本当にひどかったからな。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
一時期フレームってやつがサイト設計を支配してたことも忘れないでくれ。全員が「これ最悪だな」と気づくまでの短い期間な。黒歴史すぎて記憶から消去されてるだろうけど。
※ フレームは画面を分割して別々のページを同時に表示する仕組み。目次と本文を分けられる反面、目的のページに直接リンクできない、戻るボタンが変な挙動をするなどの欠点があった。
16. 名無しのReddit住民
たいていのページの一番下に、そこが何回見られたかを表示するアクセスカウンターが付いてた。数字が回るだけなんだけど、あれを見に行くのが妙に楽しかったんだよな。
※ 日本の個人サイトでもカウンターは定番で、10000など区切りのいい数字を踏むことを「キリ番」と呼んだ。踏んだ人が掲示板に報告し、管理人がお祝いのイラストを描いて贈る、といった文化もあった。
17. 名無しのReddit住民(>>16への返信)
最初の頃は企業だけじゃなく個人まで、全員が自分のサイトを持ちたがってたよな。で、何を載せればいいのか誰も分かってない。有名な店が立派なサイトを構えてるのに通販機能は一切なくて、「詳しくは店舗までお越しください」で終わってたりした。
18. 名無しのReddit住民
ジオシティーズやMySpaceの自分のページをいじりたいがために、誰に教わるでもなくHTMLの断片を覚えていったやつ。あれが人生で唯一のプログラミング経験だって人、けっこういると思う。
※ ジオシティーズは無料で個人ホームページを作れたサービス。日本でもYahoo!ジオシティーズとして長く親しまれ、2019年に終了した。MySpaceはプロフィールを自分好みに飾れたSNSの先駆け。
19. 名無しのReddit住民(>>18への返信)
90年代後半のFlashは本当に格好良かったんだよな。デザインもアニメーションも、あそこから一回後退した感すらあるよ。
※ Flashは音や動きのあるコンテンツを手軽に作れたソフト。個人制作のアニメやゲームがネットに大量投稿された時代を支えたが、2020年末にサポートが終了した。
20. 名無しのReddit住民
アニメーションのハムスターの群れが、一時期ネットを完全に支配してた件。意味なんて何もない。ただ延々ハムスターが踊ってるだけのページが、世界中に転送されまくってた。
※ ハムスターダンスは1998年頃に広まった、踊るハムスターの画像が並ぶだけのページ。中身のないものが一気に拡散する現象の、かなり初期の例として知られている。
21. 名無しのReddit住民
自分向けに何かを流し込んでくるアルゴリズムが存在しなかった。フィードは全員共通で、同じサイトを開けば同じニュースが並んでる。あれの方が良かったよ。自分と違う意見が、何もしなくても普通に目に入ってきたからな。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
そこは美化しすぎだと思うぞ。当時だって結局は自分の好きな掲示板しか見てなかったし、気に入らないやつは普通に叩いてた。単に選択肢が少なかっただけで、人間の性格は今と何も変わってないよ。
23. 名無しのReddit住民
メールが手紙と同じくらい遅かった話をしていいか。最初に触ったのはダイヤルアップとDOSで繋ぐBBSで、まず専用ソフトで文章を書いて保存する。夜にBBSへ繋いでそのファイルを送ると、深夜2時か3時頃にBBS側がまとめて外へ送信してくれる。返事は次に繋いだ時にまとめて受け取るから、相手が即返信してくれても手元に届くのは2日後だった。
※ BBSは電話回線で直接ホスト側のコンピュータへ繋ぐ掲示板システム。日本では「パソコン通信」と呼ばれ、ニフティサーブなどが広く使われていた。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
あの時代はネチケットがちゃんと機能してたよな。長文に返信するとき、全文引用して上に一言だけ足すのはかなり嫌われた。ファイルが無駄に重くなって、みんなの接続時間つまりお金を食うから。必要な部分だけ切り出して、その下に自分の返事を書くのが礼儀だった。
25. 名無しのReddit住民
一番古いネットの記憶は、電話帳みたいに分厚いディレクトリ本をおじと二人でめくって、行き先のホームページを探してたこと。紙で、だぞ。
26. 名無しのReddit住民
とにかく距離が近かった。今みたいな巨大で匿名の群衆じゃなくて、話す相手は特定の掲示板かメーリングリストかIRCの中にいる人だった。政治の話で誰かを罵倒しても、そいつは次のスレッドにも普通にいる。だから本物の友情も生まれたけど、その分、揉め事も現実の人間関係と同じ重さで降ってきた。
※ IRCはリアルタイムに文字で会話する仕組み。チャンネルと呼ばれる部屋ごとに常連が集まる形で、今のDiscordのサーバーに近い。
27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
その話、いい面ばかり語られがちだけど、実際は地獄もセットだったからな。荒れたときの燃え方は今の比じゃないし、仲裁するモデレーターが10代の子供だったりする。おまけに人力しかいないから、モデが寝てる真夜中に誰かがひどい画像を貼り続けても朝まで放置だった。
28. 名無しのReddit住民
何をダウンロードしてるのか、最後まで分からなかったよな。映画や曲の名前が付いてても、開けたら全然違うものが入ってる。しかも1日がかりでダウンロードした末にそれだ。ウイルスも今よりずっと身近で、常に何かに怯えてた気がする。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
知らないリンクを踏んだら、いきなり化け物の顔がドアップで出てきて絶叫が流れるやつ。深夜に食らって心臓が止まりかけた。あれを牧歌的な時代と呼ぶのは無理があるだろ。
30. 名無しのReddit住民
昔は正解を知りたければ、わざと間違った答えを書き込めばよかった。必ず誰かが訂正しに来るからな。だいたい態度は最悪なんだけど、答えだけは正確なんだよ。今それをやると、訂正されるどころか賛同者がついて、そのまま広まっていくけどな。
まとめ
並んだ思い出を眺めていると、驚かれているのは回線の遅さそのものではなく、ネットに終わりと境界があったことだと分かる。ページには最後があり、家に帰らないと繋げず、受話器1本で全部が消える。不便さがそのまま歯止めになっていた時代の話だ。日本でもテレホーダイの23時を待って一斉に繋ぎ、個人ホームページのキリ番を踏んで掲示板に報告する、といった風景があった。一方で、配色のひどさやウイルスの恐怖、モデレーターが寝ている間の無法地帯を挙げる人も少なくない。あの頃が良かったというより、選択肢が少なかっただけなのかもしれない。皆さんは、昔のインターネットに戻れるとしたら戻りたいですか?

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