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海外「船の板を全部替えたあと、外した古い板でもう一隻組んだらどっちが本物?」考えるほど頭が壊れる問い…

海外「船の板を全部替えたあと、外した古い板でもう一隻組んだらどっちが本物?」考えるほど頭が壊れる問い… その他

「考えれば考えるほど頭が壊れる論理パラドックスは?」海外の掲示板でそんな質問が投げられ、テセウスの船や砂山、抜き打ちテスト、無限の大きさ比べまで、夜中に思い出すと眠れなくなる問いがずらりと並びました。面白いのは有名どころが出そろったあとで、「それ論理が壊れてるんじゃなくて、人間の言葉が雑なだけだよね」という冷静なツッコミが入り、そこからスレッドの空気が一段深くなっていくところです。

元スレッド:r/AskRedditより

海外の反応

1. 名無しのReddit住民
海岸線のパラドックス。ある国の海岸線の長さを測るとき、10キロの物差しで出した答えと、1メートルの物差しで出した答えがまるで違う。細かい物差しにするほど入り江や岩の凹凸を拾うから、長さがどんどん伸びていく。しかも伸び方に上限がない。無限に細かく測れるなら、海岸線の長さは無限になる。地図帳に堂々と載ってる「海岸線の総延長」って、あれ結局なにを測った数字なんだよ。

※ 1967年に数学者ブノワ・マンデルブロが「イギリスの海岸線の長さは?」という論文で示した話。国が公表する海岸線の長さが資料によって食い違うのは、測る物差しの細かさが揃っていないことが一因とされる。

2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
Benoit B Mandelbrot の真ん中の B は Benoit B Mandelbrot の略。この人の名前が出るたびにこのネタが貼られるんだけど、何回見ても笑う。定義の中に自分が入ってるから、展開しようとしても永遠に終わらない。

3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
原子の間隔くらいの精度で測っても、それは有限の長さを細かく刻んでるだけだから合計は有限じゃないの、とずっと思ってた。でも「無限に細かく」を本当に認めるなら、確かに際限なく伸び続けるわ。あと、そこまで細かく測ると砂粒がひとつ動くたびに測り直しになる。答えが一生確定しない。

※ マンデルブロはフラクタル幾何学を築いた数学者。図形の一部を拡大すると全体と同じ形が現れる「自己相似」の研究で知られる。上のジョークは、その自己相似を本人の名前でやったもの。

4. 名無しのReddit住民
テセウスの船。船の板を一枚ずつ新しいものに取り替えていって、最後に元の板が一枚も残らなくなったとき、それはまだ同じ船なのか。理屈だけで考えると別の船と言いたくなるのに、毎日その船に乗ってる人間は絶対に同じ船だと言い張る。どっちの直感も譲らないのが本当に厄介なんだよ。

5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
もっと意地が悪いのが続きの部分。外した古い板を全部とっておいて、それを組み直してもう一隻仕立てたらどうなるか。目の前に船が二隻ある。片方はずっと同じ船として使われ続けてきたもの、もう片方は元の材料が100パーセント残ってるもの。どっちが本物のテセウスの船なんだ。

6. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
この前タコスを食べてて完全に同じ状態になった。具がぼろぼろ落ちるから空のシェルをもう一枚下に敷いて、落ちた具ごとそれを食べた。自分は結局タコスを何個食べたことになるんだ。誰か真面目に答えてくれ。

7. 名無しのReddit住民
人間の細胞は数年で入れ替わるってやつ。今の自分の体に、生まれたときの部品はほとんど残っていない。それでも自分は自分だと思ってるし、10年前にやらかした恥ずかしいことは今でも自分の記憶としてちゃんと痛い。船の板の話が急に他人事じゃなくなる。

8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
7年で全部入れ替わるって話はかなり雑らしいよ。腸の内側みたいに数日で交代する場所もあれば、脳の神経細胞や目の水晶体みたいにほぼ一生ものの場所もあると聞いた。むしろ入れ替わらない部分があるほうが問いとしては厄介で、じゃあ自分らしさはそこに入ってるのか、という話になってしまう。

9. 名無しのReddit住民
砂山のパラドックス。砂を山盛りにして、そこから一粒ずつ取り除いていく。一粒減っただけで山が山でなくなるなんてことは起きない。それを繰り返して最後に一粒だけ残っても、さっきの理屈だとまだ山ということになる。どこで山じゃなくなったのか、誰にも線が引けない。風呂でも同じで、40度の湯は熱い。そこから1度ずつぬるくしていって、何度になった時点で熱くないんだ。

※ ソリテス・パラドックス(砂山のパラドックス)と呼ばれる古代ギリシャ由来の問題。「山」「熱い」「若い」のように境界がはっきりしない言葉すべてに、同じ穴が開いている。

10. 名無しのReddit住民
ここまで並んでるやつ、実は論理が壊れてるわけじゃないのが多いよね。人間の使う言葉の定義がもともとぼんやりしてるから、そこを本気で突かれると答えが出せないだけ。山とか熱いとか同じ船とか、日常で困らない程度の雑さのまま運用されてる言葉ばかりだよ。矛盾してるのは世界じゃなくて、こっちの語彙のほう。

11. 名無しのReddit住民
1、2、3と数えていけば無限に数を並べられる。でも1.1、1.2、1.3と小数で刻んでいっても無限に並べられる。同じ無限のはずなのに、どう考えても後者のほうが多い気がしてならない。無限にも大きい無限と小さい無限があるって聞いたとき、頭の中で何かが折れる音がした。

12. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
残念ながらその例だと両方まったく同じ大きさなんだ。0.1刻みの数は1番目、2番目と番号を振り切れるから、自然数ときれいに一対一で対応してしまう。本当に自然数より大きいのは実数のほう、つまり小数点以下が無限に続く数まで全部ひっくるめた集合だよ。

13. 名無しのReddit住民(>>11への返信)
もっとひどいのは、0と1の間にある数のほうが整数を全部集めたものより多いってこと。仮に0と1の間の数を漏れなくリストにできたと仮定しても、1番目の数の小数第1位、2番目の数の小数第2位と一桁ずつずらして新しい数を作れば、それはリストのどれとも必ず違う数になる。どう並べても取りこぼす。

※ カントールの対角線論法。自然数のように「1番目、2番目」と番号を振り切れる無限を可算無限、実数のようにどんな並べ方をしても漏れが出る無限を非可算無限と呼ぶ。

14. 名無しのReddit住民
「この文は偽である」。これ一行で終わり。真だとすると書いてあるとおり偽になるし、偽だとすると「偽である」のほうが間違いということで真になる。どっちに転んでも自分で自分を否定する。文字数のわりに破壊力がありすぎるんだよ。

15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
考えるな考えるな考えるな。夜中にふと思い出すと本当に寝られなくなるやつだから、見なかったことにして次のコメントに進んだほうがいい。俺はもう手遅れだけど。

16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
プログラマ的にはコンパイルエラーを吐いて終わり。真偽が確定しない文は評価せずに弾いて次へ進める。人間の脳はこのエラー処理が甘いから、無理やり実行しようとして無限ループに入る。

17. 名無しのReddit住民
光は見られているときと見られていないときで振る舞いが変わる。二重スリットの実験で、どっちの隙間を通ったかを調べようとした瞬間に、波のような縞模様が消えて粒っぽい結果に切り替わる。宇宙がこっちの視線に気づいてるとしか思えない挙動なんだよ。

18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
それはパラドックスじゃなくて物理の問題だし、観測という言葉の意味がだいぶ誤解されてる。何かを観測するには必ずそれに触らないといけない。車の速度をレーダーガンで測るのは、電波を車にぶつけて跳ね返りを拾ってるだけ。車は重いから電波が当たっても何も起きないけど、相手が光の粒くらい小さければ、当てた時点で振る舞いが変わって当たり前だよ。誰かが見ているかどうかを光が気にしてるわけじゃない。

19. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
風呂の湯なら温度計を突っ込めば温度が分かる。でも水滴一粒の温度を測ろうとすると、温度計そのものが水滴の温度を変えてしまう。知りたい相手が小さくなるほど、測る道具の影響を無視できなくなるだけの話だと思ってる。光はその極端版。

20. 名無しのReddit住民
予期せぬ絞首刑のパラドックス。「来週の月曜から日曜のどれか一日に処刑する。ただし当日まで、その日だと分からないようにする」と告げられる。まず日曜はあり得ない。土曜まで何も起きなければ、残りは日曜しかないと前日に分かってしまうから。じゃあ土曜も無理だ、日曜が消えた時点で土曜が最終日になるから。同じ理屈で金曜も木曜も順番に消えて、結局どの日も実行できないという結論になる。そうやって安心しきったところで水曜に執行されて、しかも本人は完全に予期していない。

※ 日本では「抜き打ちテストのパラドックス」の名前で知られる問題。来週のどこかで抜き打ちテストをやると宣言された時点で、論理的にはどの日にも実施できないはずなのに、実際には普通に成立してしまう。

21. 名無しのReddit住民(>>20への返信)
高校のとき、まさにこの理屈で「抜き打ちテストは論理的に不可能」と友達と結論を出して、二人とも一切勉強せずに登校した。火曜の一限で普通に配られた。論理より先生のほうが強いとあの日に学んだよ。

22. 名無しのReddit住民
青い目の島民の問題。島に100人が暮らしていて、全員が青い目をしている。ただし鏡も水面もなくて、自分の目の色だけは絶対に確かめられない。自分の目が青いと分かった者はその日の夜に船で島を出る、という掟がある。全員がお互いの青い目を見ているから、青い目の人がいること自体は最初から全員が知っている。そこへ訪問者がやってきて「この島には青い目の人が少なくとも一人いますね」と言う。誰も知らなかった情報はゼロのはずなのに、100日目の夜に100人全員がまとめて島を出ていく。

23. 名無しのReddit住民(>>22への返信)
あれの肝は、情報が増えたんじゃなくて、全員が知っているという状態が、全員が知っていることを全員が知っている状態に格上げされたところ。この入れ子を100段積み上げるのに100日かかる、という話なんだよ。理屈は最後まで追えるのに、追えたあとも納得できないのが一番気持ち悪い。

24. 名無しのReddit住民
バナッハ=タルスキーの定理。球を有限個の部品に切り分けて、それを回したり動かしたりして組み直すと、元とまったく同じ大きさの球が二つできる。引き伸ばすわけでも隙間を作るわけでもなく、ただ組み直すだけで体積が倍になる。しかも数学的にはきちんと証明されていて、間違いは見つかっていない。

25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
あれは選択公理を認めた場合の話で、切り分けた部品が「そもそも体積を測ること自体ができない」異常な形をしてるのがミソだよ。体積の定義できない物を足し合わせてるんだから、合計が合わなくても矛盾はしていない。だから厳密にはパラドックスじゃなくて定理。とはいえ、認めた瞬間に球が二倍になる公理ってなんなんだよという気持ちは残る。

26. 名無しのReddit住民
光速に近い速度で飛んでいる状態から減速すると、前方にある物体がどんどん遠ざかっていく。速く動いているあいだは進行方向の距離が縮んで見えていて、減速するとその縮みが解けるからなんだよね。ゴールに向かって速度を落としたらゴールが逃げていく。

※ ローレンツ収縮。光速に近い速度で移動すると、進行方向の距離が縮んで観測される。減速するとその効果が薄れ、目標までの距離が伸びて見える。

27. 名無しのReddit住民(>>26への返信)
もっとすごいのは光の側から見た景色。120億光年先の銀河を望遠鏡で覗くとき、こっちは120億年前の姿を見ている。でも飛んできた光にとっては、銀河を出た瞬間にもう望遠鏡に届いてる。移動時間はゼロ。光は距離も時間も経験しないんだよ。

28. 名無しのReddit住民
自由意志が本当にあるなら、何かに引き起こされたわけではない出来事が、宇宙のどこかに存在しないといけない。でも、何の原因もなく勝手に起きたことを思い浮かべようとすると、それはもう選択ではなくただのランダムなんだよね。原因があるなら決まっているし、原因がないなら偶然。どっちにも自由の置き場所が残らない。

29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
自由意志を信じるかどうかは自分で選べる、というのが一番効く。選べるなら自由意志はあることになるし、選べないならその結論も自分で選んだわけじゃないことになる。

30. 名無しのReddit住民
今の宇宙がこうなっているのが、原因の無限の連鎖の果てだとはどうしても想像できない。かといって、どこかに始まりがあってそこから全部が転がり出したというのも、同じくらい想像できない。理由なしにただ在るものと、何にも動かされずに最初に動いたもの、どっちも同じ量だけ意味不明なんだよ。ここまでスレを読んだけど、寝る前に一番効くのは結局これ。

まとめ

並んだパラドックスを眺めていると、頭が壊れる理由が三つに分かれているのが見えてきます。ひとつめは、テセウスの船や砂山、海岸線のように言葉のほうが雑なもの。同じ船、山、海岸線の長さといった日常語は、境界を厳密に決めないまま便利に使い回されてきただけで、そこを正面から突かれると根拠が出てきません。10番のコメントが「矛盾してるのは世界じゃなくてこっちの語彙のほう」と言い切っているのは、かなり的を射ています。

ふたつめは、「この文は偽である」や抜き打ちテスト、マンデルブロの名前ジョークのように自分自身を含んだ瞬間に壊れるもの。定義の中に定義される側が入り込むと、展開しても展開しても終わりません。そして三つめが、無限の大小や二重スリット、光速、バナッハ=タルスキーのように数式のほうは正しく、人間の直感だけが置いていかれているもの。ここで壊れているのは世界でも言葉でもなく、こちらの想像力のほうです。

このスレッドが読ませるのは、有名どころが出るたびに「それパラドックスじゃないだろ」と切り込む人が必ず現れるところです。0.1刻みの無限を訂正する人、観測という言葉の意味を説明し直す人、バナッハ=タルスキーは定理だと釘を刺す人。おかげで、ただ不思議がって終わる流れにならず、どこが本当に分からない部分なのかが少しずつ削り出されていきます。皆さんが夜中にふと思い出して眠れなくなるパラドックスは、どれですか?

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