「人生で一度は味わっておくべき、10点満点の体験って何?」――海外掲示板にそんな質問が投げられ、4,000件を超えるコメントが集まりました。いちばん支持を集めたのは、オーロラでも絶景でもなく「その道を分かっている人から、分かってるねと認められること」。尊敬する機長に昇格を勧められたパイロットや、とっさの応急手当を医者に褒められた元ライフガードの話が続きます。ほかにも、嫌な上司への最後のひと言、皆既日食、南極のキャンプ、東京の深夜カラオケ、そしてペットを最後まで飼いとげることまで。お金のかかる大冒険から、毎日の中にある小さな幸せまで、答えの幅がとにかく広いスレッドでした。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
その道をちゃんと分かってる人に、「君はちゃんと分かってるね」って言われること。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
旅客機のパイロットをしてるんだけど、ちょうど最近これがあった。心から尊敬してる機長に「なんでまだ機長に上がってないんだ? 君ならもう十分やれるだろう」って言われたんだ。
すごく誇らしい瞬間だったよ。
※ 航空会社では、副操縦士が訓練と審査を経て機長になることを「昇格(アップグレード)」と呼ぶ。いつ昇格するかは、会社の制度や本人の希望によって人それぞれ。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
17歳のとき、みんなで湖に遊びに行ってたら、友達が足の側面をかかとから親指のところまでざっくり切っちゃったんだ。自分はライフガード(水辺の監視員)をやってたけど、応急手当で絆創膏より上のものを使ったことなんて一度もなかった。
田舎だったから、病院までは1時間かかる。それで、出発する前に少し時間をとって、傷をきれいにして、バタフライテープで留めて、包帯を巻いてから向かうことにした。
そしたら看護師さんにも医者にも、すごくよくできてるって褒められたんだ。医者なんか、自分がやってる応急手当の講習で使いたいから写真を撮らせてもらえないかって、友達に頼んでたくらい! 救急箱の補充用にって、道具を一袋分もらったし!!
※ バタフライテープは、傷口の両側を引き寄せて留めるための、蝶のような形をした小さなテープ。
4. 名無しのReddit住民
クソみたいな上司に「くたばれ」と言い放って、そのまま辞めること。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
前もって休みを申請して承認ももらってたのに、直前になって上司に「出てこい」と言われて、行かなかったらクビにされたことがある。
10年後、まったく別の業界で働いてたら、うちのビルでその元上司を見かけた。就職の面接を受けに来てたんだ。
採用担当の人に当時の話をして、こいつがどれだけクズかを伝えたら、そいつは採用されなかった。
めちゃくちゃスッキリしたわ笑6. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
ずいぶん昔、アメリカの上院で議員スタッフとして働いてた。その事務所の首席補佐官は、ある大統領候補が当選したらその人の首席補佐官になると目されてた人だった(結局、その候補は負けた)。下っ端のスタッフには本当に感じが悪かった。いつもね。
1年で議会の世界にうんざりして、コンサルの仕事に移ることにした。
出勤最終日、上院の駐車場から電話がかかってきた。「首席補佐官の車が、議員専用の区画に停まってます。10分以内に動かさないとレッカー移動します」
彼女のオフィスに行くと、電話中だった。駐車場から連絡があったことを伝えたら、「電話中なんだよ、失せろ」。一瞬固まった。
「ちょっと〇〇さん、その言い方はないでしょう。こっちは必死にあんたを助けようとしてるんですよ。レッカーされないように、わざわざ言いに来てるんだから」
「今ここでクビになりたいの? 仕事を失いたいわけ?」
「知ったこっちゃないですよ、〇〇さん。もうよそで仕事が決まってるんで」
彼女は固まったまま、こっちをじっと見てるだけだった。
自分はスタッフの部屋に戻った。
数時間後、彼女はビールの6本パックを持ってやってきて、さっきの態度を謝ってきた。許したけど、「人への口の利き方、本気で直したほうがいいですよ。ひどいもんです」とは言っておいた。
彼女もそれを認めてた。今どうしてるかは知らないけど、たぶん何も変わってないと思う。
※ アメリカの連邦議員の事務所では、議員の下にいる首席補佐官(チーフ・オブ・スタッフ)がスタッフ全体を取り仕切っている。大統領の首席補佐官は、ホワイトハウスのスタッフのトップにあたる。
7. 名無しのReddit住民
誰かを好きになって、相手にも好きになってもらえること。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
その延長で言うなら、親友と結婚して、子どもの頃から夢見てた人生を生きること。それを実現するために死ぬ気で働いて、朝に二人でコーヒーを飲む時間を楽しむんだ。
9. 名無しのReddit住民
自分の国とはまるっきり違う国に旅行すること。言葉も食べ物も当たり前も、何もかも違うようなところにね。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
12歳のとき、母がオーストリア出身の男性と結婚して、1年くらいオーストリアで暮らしたんだ。
おかげで世界の見方、とくにアメリカの見方がものすごく広がった。
オーストリアでは、アメリカの憲法が署名されるより前に建てられた古い家に入ったりもしたよ。
アメリカに戻ってきていちばんカルチャーショックだったのは、どこを見てもゴミが落ちてて汚いこと。オーストリアの人たちは、自分たちの住む地域をずっと大事にしてる。
※ アメリカ合衆国憲法が署名されたのは1787年。つまり築240年近い家ということ。11. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
メキシコシティの空港に着いたとき、カボ・サン・ルーカスに着いたときみたいな歓迎のお祭り騒ぎが何もなくて、そこで気づいたんだ。自分はとんでもなく遠くまで来たんだ、もういい大人なんだから自分でなんとかしなきゃいけないんだって。
人生最高の1週間だった。
※ カボ・サン・ルーカスは、メキシコのバハ・カリフォルニア半島の先端にあるリゾート地。アメリカからの観光客が多い。
12. 名無しのReddit住民
サバティカルを取ること。
大人になってから、まとまった時間をただ好きなことだけして過ごすこと。
働いてる人は少なくとも15年に1回くらい、丸1年なにもせずにぼーっと過ごしていい権利をもらえるべきだし、それを法律で決めるべきだと思う。
※ サバティカルは、大学などの研究職や一部の企業にある長期休暇の制度。勤続年数に応じて、数か月から1年ほど仕事を離れられる。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
6か月これをやった。正直、最高すぎる。のんびり好きなことをする時間って、他の何にも代えられないよ。うちの犬と6か月ずっと一緒に過ごして絆を深められて、あれは私たちが一緒に過ごした中でいちばんいい時間だった。
14. 名無しのReddit住民
一人旅をすること。たった2、3日でもいい。一人で何かをするのが苦手な人って本当に多いけど、あえてその居心地の悪い状況に身を置いてみると、怖がることなんて何もなかったってすぐに気づくから。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
それは場所と状況によるかな。残念だけど、人によっては安全面が本気で心配なんだよ。16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
来年40歳になるんだけど、これまでの一人旅の最長記録はたったの2日。で、あと数日したらスイスからメキシコに飛んで、南部を5週間、一人で旅して回る予定なんだ。スペイン語はかなりできるし、人付き合いや友達作りで苦労したことは一度もない。あの冷たい母国にいたときでさえね。
なのに、ひとりぼっちになるのが死ぬほど怖い。周りが静かになるたびに、全部キャンセルしようかと本気で考える。しないけどね。でも、このちっぽけでバカな脳みそが、慣れた環境の安心感を欲しがって仕方ないんだ。
とりあえず、幸運を祈っててくれ 🙂
17. 名無しのReddit住民
人里離れた土地で見るオーロラ。本当に息をのむほどきれいだった。
追記:肉眼だと写真みたいには見えないって言う人がこんなに多くてびっくりしてる。ちゃんとあの通りに見えるよ……だからこそ「人里離れた土地」が必要なんだ。街明かりがまったく無いところでね。ほんとに息をのむから。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
じゃあ、うちの台所で見るオーロラじゃダメってこと?
※ アメリカのアニメ『ザ・シンプソンズ』の有名な場面が元ネタ。台所の火事をごまかそうとしたスキナー校長が、漏れてくる光を「オーロラです」と言い張り、教育長に「この時期に? この時間に? この地域で? しかもお宅の台所の中だけで?」と聞き返される。ネットでは定番のネタ。
19. 名無しのReddit住民
皆既日食。
何年か前にアメリカのバーモント州で見たんだけど、言葉にすらできなかった。誰もが一度は体験すべきだよ。
※ 皆既日食は、月が太陽を完全に覆い隠す日食。見られるのは地上の細い帯状の地域だけで、昼間なのに空が暗くなり、太陽のまわりにコロナが広がって見える。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
日食を見るなら、その前の数分間も含めて見てほしい。言葉や動画じゃ、本物のほんの一部しか伝わらない。生で見るチャンスを逃さないで。
追記:ちゃんと書いとけって何人かに言われたので。皆既日食の話です。
21. 名無しのReddit住民
街の明かりにじゃまされない夜空を見ること。10年以上前、休暇で家族の田舎の島に行ったんだ。町の中心はそれなりににぎやかなんだけど、夜8時にはほとんどの人が家に帰って寝てるような所でね。
町はずれまで車で出ると、明かりといえば自分たちの乗ってる車のライトくらいしかない。で、道ばたに車を停めることにした。ほかに走ってる車なんてまず無いから、すぐに道路の上に寝っ転がったんだ。
頭の上に何千もの星が広がってるのを見てると、本当にいろんなことを考える。いいことも悪いことも、人生ってきれいだなってことも、自分たちがどれだけちっぽけかってことも、ほかにも全部。
追記:似たような体験を書いてくれたみんな、本当にありがとう <3
22. 名無しのReddit住民
東京で夜中の1時に、日本のウイスキーでベロベロに酔っぱらって、カラオケで熱唱すること。
23. 名無しのReddit住民
手術をしない科の医者なので、テレビで見るような「命を救う」場面にはあまり縁がない。でも、たまに患者さんから「先生に命を救われた」と言われることがある。マンモグラフィや大腸カメラ、心臓の検査を受けるように、私がしつこく勧めたおかげだって。
長く診ている慢性疾患の患者さんを担当するのが大好きだし、それが自分の本領なんだけど、「ねえ先生、先生は私の命の恩人だよ」って本当に言ってもらえると、やっぱりすごく嬉しい。救急医療ドラマみたいな派手さはないけど、間違いなく私の10点満点の体験のひとつだよ。
24. 名無しのReddit住民
自分の子どもと、初めてちゃんとした会話ができた瞬間。この子がこの先どんな人間になっていくのか、その片鱗が見えるんだ。
25. 名無しのReddit住民(>>24への返信)
それと、仕事から帰ってきたら、子どもが初めて大喜びで出迎えてくれた日。あれも10点満点。
26. 名無しのReddit住民
父親に「お前を誇りに思う」って言ってもらうこと!!!
27. 名無しのReddit住民
スカイダイビング。ただし、自分が本当にやりたいと思ってるならね。正直、めちゃくちゃ怖かったから。でも、人生でいちばん最高で、いちばんスリルのある体験だった。
何かを「自分には無理だ」と思うたびに、いや、飛行機から飛び降りたことがあるんだから、たいていのことはできるはずだって思い出すようにしてる。
28. 名無しのReddit住民
2024年に南極に行けたのは、本当に運がよかった(まあ、必死に働いてお金を貯めたんだけど)。人生が変わった、なんて言葉じゃ全然足りない。これまでも恵まれていて旅行はたくさんしてきたけど、南極のことは毎日考えてる。
誰にでも現実的な話じゃないのは分かってる。でも、行けるなら行って。
追記:どう変わったのかってたくさん聞かれたので。正確に言葉にするのは難しい。ただ、会社に雇われて資本主義の歯車として生きるのがどれだけクソか、死ぬまでデスクにかじりついて働くのは人間のあるべき生き方じゃない、って思いは間違いなく強くなった。きれいな朝日で目を覚ますのもいいけど、キャンプ地をペンギンが歩いて横切っていく朝は、それとはまた別物なんだ。そのキャンプ地っていうのも、雪に掘った6×6フィート(約1.8メートル四方)、深さ2フィート(約60センチ)の穴で、出発する前には痕跡を残さないように埋め戻さなきゃいけないんだけどね。
29. 名無しのReddit住民
魂まで軽くなるような、最高のうんこをすること。
この宇宙に浮かぶ岩の上で40年生きてきて、そんな体験は数えるほどしかないけど、毎回本当に最高だった。生き物の営みの中でも、あれは間違いなく史上最強。
30. 名無しのReddit住民
ペットを、その一生まるごと飼いとげること。小さいうちに迎えて、一緒に大きくなっていくのを見て、自分と同じように年を取っていくのを見て、最後にお別れを言う。一つの命が始まって終わるまでを、まるごと見届けるのって特別なことだと思う。10年ちょっとって、自分の人生のせいぜい12%くらいかもしれないけど、あの子にとっては人生の100%なんだ。そう思うと、何もかもがもっと大事に思えてくる。
とはいえ、全体としてはすごく楽しい経験だったけど、やっぱりうちの犬に会いたいよ。
まとめ
いちばん支持を集めたのが「分かっている人に認められること」だったのは、ちょっと意外かもしれません。尊敬する機長からの一言や、医者に褒められた応急手当の話を読むと、絶景や大冒険よりも、自分のしてきたことをその道のプロに認められる瞬間のほうが、何年たっても胸に残るのだと分かります。患者さんに「命の恩人」と言われた医者の話や、父親の「誇りに思う」も、同じ種類の喜びでしょう。
答えは大きく二つに分かれていました。オーロラ、皆既日食、南極、一人旅のように、お金と時間をかけて遠くへ行く体験。そして、子どもとの初めての会話、帰りを大喜びで出迎えてくれる子ども、最後まで飼いとげたペット、最高のお通じのように、毎日の中にある体験です。派手な体験には、一人旅は人によっては安全が心配だ、スカイダイビングは本当にやりたい人だけでいい、という但し書きも付いていました。それでも、メキシコへの5週間の一人旅を前に怖がっている40歳の書き込みからは、怖くても行くと決めた人の気持ちがよく伝わってきます。日本で暮らしていると見落としがちですが、旅行者にとっては東京の深夜カラオケも「一生に一度」の側に入るようです。ちなみに日本の陸地で次に皆既日食が見られるのは、2035年9月2日の予定です。皆さんにとっての「10点満点の体験」は何ですか?

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