離婚を決めるきっかけは、大事件よりも「あ、もう無理だ」と腹に落ちる小さな一瞬のほうが多いらしい。英語では、限界を超えさせる最後のきっかけを「ラクダの背骨を折る最後の藁(last straw)」と言う。海外の掲示板で「離婚しようと決めた最後のひと押しは何だった?」と聞いたところ、子どもが描いた家族の絵、トコジラミ、ワインとビールの取り違えまで、妙に具体的な「その瞬間」が集まった。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
友達とディナーに行って、そのあとバーで飲んだ夜のこと。店はかなり本格的なレストランで、当時の夫は好き嫌いが多いからほとんど食べなかった。なのにバーではオールドファッションド(ほぼバーボンそのもののカクテル)を次々にあおってた。空っぽの胃に強い酒なんて、どう考えてもろくなことにならない。そう思ってたのは私だけで、止めようとするたびに「楽しいところを邪魔するな」って不機嫌になる。おまけに、きょうだいがそのバーのオーナーだっていう友達が、どんどんおかわりを持ってくるし。
はいはい、わかりましたよ。
で、私以外はみんな驚いてたけど、案の定、記憶が飛ぶほどの泥酔。私に腹を立ててるベロベロの男をホテルまで連れて帰る羽目になった。交差点で、そのまま歩道から車道に踏み出しそうになったから腕を引っぱって戻したら、振り向いて、心底憎らしそうな声で「なんでお前はいつもいつも、そうやってクソ女なんだよ」って。
部屋に連れ帰ってベッドに寝かせて、どうせ朝には何も覚えてないんだろうなと思った。関係はずっと下り坂だったけど、あれが最後のひと押し。身の安全を守ろうとしただけで「クソ女」なら、この人は私のことなんて大して大事に思ってないんだって、そこで腑に落ちた。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
こういう話を読むと、深酒に言い訳する人の気持ちがほんとにわからない。付き合いの場だろうと、あそこまで泥酔するのは絶対にアウト。それがしょっちゅうな人は、本人が問題を抱えてるし、周りにとっても問題そのものだよ。3. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
で、元夫は「そんな、急に離婚だなんて」って、びっくりしたピカチュウみたいに口をぽかんと開けてたんだろうな。
4. 名無しのReddit住民
息子の学校の宿題で、「ぼくの家族」っていう絵を描くことになった。
料理してる私、公園に連れていってくれるおじいちゃんとおばあちゃん、一緒に遊んでくれるきょうだい。
で、父親は、パソコンのモニターに縁取られた後ろ頭だけ。横には「パパはパソコンであそんでる」って書いてあった。
うん、もう終わりだなと思った。何か月かかけて段取りを全部整えてから、「話がある」って声をかけた。そしたら邪魔されたことに激怒して、「ああクソッ!」って叫びながら電源ボタンを拳で叩いて切って、マウスを投げつけて、こっちに向き直って「電源まで落とさせるほど大事な話って何なんだよ!?」
「あなたと別れる」
そしたら一気にしぼんで、そこは本人の名誉のために言っておくけど、「……理由は聞くまでもないよな」って言ってた。
5. 名無しのReddit住民(>>4への返信)
うちの祖母が最近、父が子どもの頃に描いた似たような絵の話をしてくれた。家事をしてる祖母、ピアノを練習してる父の妹、勉強してる父本人、そしてソファで新聞を広げて寝そべってる祖父。祖父の横には「皇帝」って書いてあったそう。
祖父も食料品の買い出しは分担してた。ソ連時代だから、買い出しといえば何時間も行列に並ぶ大仕事。でもそれは祖母もやってたし、祖父がやってたのは本当にそれだけ。ちなみに二人は同じ職業だったんだって。
定年後、祖父はだいぶ楽になった買い出しに加えて、家事もいろいろ引き受けるようになった。でも、その頃にはもう、祖母は祖父を愛していなかった。
6. 名無しのReddit住民
私の場合は、夫が何時に帰ってくるのか、そもそも帰ってくるのかどうかすら、本気でどうでもいいと思ってる自分に気づいたとき。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
似たようなもんだ。夫が出かけてるときのほうが、子どもたちも私もずっと幸せだって気づいた。あの人が家にいると、生活の中のいいものを全部吸い込んでいくブラックホールみたいだった。
8. 名無しのReddit住民
妻はいつもスマホばっかりで、俺なんかそこにいないみたいだった。ある日曜日、何年も伸ばしてたモジャモジャのあごひげを剃って、口のまわりとあご先だけ残すヤギひげにしてみた。気づかない。数時間後、さらに剃って口ひげだけにした。気づかない。そこで口ひげを左右から少しずつ削っていった。ヒトラーみたいなちょび髭になってることに妻が気づいたのは、翌朝だった。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
ヤギひげの時点で気づかれなかったら普通はあきらめるのに、そこから一日かけて「あの形」まで仕上げる執念よ。翌朝の奥さんの第一声が知りたすぎる。
10. 名無しのReddit住民
妻の実家が、どっぷり絡み合った家族だとわかったとき。義両親が私たちの生活の何もかもを仕切ろうとしてきた。祝日も誕生日も夏休みも、何をするにも二人のお伺いを立てないと始まらない。妻は問題があることを頑として認めなくて、私の気持ちは完全に冷めた。
※ 原文は enmeshed(エンメッシュ)。家族どうしの心理的な境界があいまいで、大人になっても互いの生活に干渉し合う状態を指す心理学の言葉。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
無神経な質問だったらごめん。でも、付き合ってるときには気づかなかったの?結婚前でも、休みのたびに向こうの実家の予定が最優先になるとか、何かしら兆しはありそうだけど。
12. 名無しのReddit住民
検査で、がんの疑いがあるって結果が出た。パニックになって、夫には結果を隠した。看病しなきゃいけないこと、置いていかれること、私が死んだら自分の世話を自分でしなきゃいけないこと。私のがんをめぐる夫の気持ちを全部なだめながら闘うなんて無理だって、わかってたから。
その考えが頭から離れなかった。前に1〜2か月ほど半分寝たきりになったことが2回あったけど、その間ずっと夫は怒ってたのを思い出した。無理だ。もう一緒にはいられないと思った。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
それはつらいね。私も長いこと同じ心配をしてたんだ。私自身はわりと健康なんだけど、夫はいわゆる「男の風邪」(ちょっと風邪をひいただけで死にそうに大騒ぎする男の人を茶化す言い方)の見本みたいな人で、家のこともほとんど把握してない。だから私が日々の生活から抜けたら、この人は溺れるだろうなって思ってた。でも立て続けにいろいろあったとき、夫はちゃんと踏ん張ってくれた。あれは嬉しかったな。
14. 名無しのReddit住民
なぜか家にトコジラミが出た。このあたりじゃ珍しくないらしいから、うっかり持ち込むのは恥じゃない。恥なのは放置すること。
元夫は物をため込んで捨てられない人で、寝室の床と壁と木のベッドフレームをスチームで処理したいから、ため込んだ物の一部を片づけさせてほしいと頼んでも、絶対に許してくれなかった。で、肩をすくめるみたいな口調で「俺は刺されてないから問題ない」。
こっちはイラクサ(触るとかぶれる草)の茂みで転げ回ったみたいな有様だったのに。
それで私が出ていったら、ショック!びっくり!って顔してたよ。
※ トコジラミ(南京虫)は人の血を吸う虫で、刺されると強いかゆみが出る。熱に弱いため、高温のスチームで駆除する方法がよく使われる。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
トコジラミと暮らすほうを選ぶって、このスレで一番どうかしてる話かもしれない。物を手放すくらいなら虫と寝るってことでしょ。16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
刺された跡がなかったなら、単にアレルギー反応が出ない体質だっただけかもしれないよ。ソースは私と、別れた相手。同じベッドで寝てたのに、腫れたのは片方だけだった。
17. 名無しのReddit住民
妻が私に隠れて、クレジットカードで莫大な借金を作ってた。妻は自己破産して、もう二度とクレカには手を出さないって誓ったんだ。
5年後、妻はまた新しいクレカを作った。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
依存症は関係を壊すよ。破産するところまで行って、5年でまたカードを作るのは、もう本人が「気をつける」でどうにかなる段階じゃない。
19. 名無しのReddit住民
最初は、お互い苦労してきた者どうしってところに惹かれたんだ(ひどい境遇ってほどじゃないけど、まあ要するに貧乏だった笑)。でもだんだん、夫は苦しいときに状況を変えようと自分から動くことがまったくない人だとわかってきた。ただ落ち込んで、誰かが助けに来てくれるのを待ってるだけ。そういう人を尊敬し続けるのは難しかった。
決定打は、人生でしんどかった時期のことを勇気を出して打ち明けたとき。夫は「少なくともお前は○○まではしなくて済んだだろ。俺はしたけどな」って、こっちを下げてきた。その瞬間、終わりだとわかった。
20. 名無しのReddit住民
ベッドで妻がこっちを見て言ったんだ。「早くあなたの親が死なないかな。そしたら自分たちの家が持てるのに」
※ 欧米の多くの国では近年住宅価格が高騰していて、若い世代が自力で家を買うのは難しく、親の家を相続してようやく持ち家に手が届くという話も珍しくない。
21. 名無しのReddit住民
元妻と旅行中、カフェで一杯やろうってことになった。僕はワイン、妻はビールを注文した。
飲み物を持ってきたのは別の店員で、ビールは僕のだと思い込んで「ビールはこちらの男性の方ですね」って。
僕は「いえ、そちらの女性のです」と答えた。
すると元妻が即座に「そこは”妻のです”でしょ?」
……え、今の何がまずかったの?
その瞬間、結婚生活の正体がはっきり見えた。妻はいつも僕に批判的で、僕はそれにまったく気づいてなかった。そばにいるといつも自分が劣ってる気がしてたのに、自分の気持ちから目をそらしてたんだ。翌日、離婚を切り出した。
離婚してからずっと幸せになったし、今は再婚して幸せに暮らしてるよ。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
正直、最初は「この一言で離婚?」って思った。でも本人も書いてるとおり、言い回しの問題じゃなくて、何年分もの小さいダメ出しがそこで一本の線につながったんだろうね。そういう瞬間って、外から見ると本当にささいなんだよな。
23. 名無しのReddit住民
1週間前に子どもが入院したときの救急外来の診療記録を、私が受け取ってこなかったからって夫に怒鳴られたとき。夫は自分の父親に記録を見せたかったらしい。その1週間、夫はずっとゲームしてて、肺炎になった1歳半の子の世話は全部私がやってたのに。そこで、もう終わりだとわかった。
それから1年かけて準備を全部整えて、最後にもう一度だけカウンセリングも試した。見てられないくらいひどかったみたいで、子どもの2歳の誕生日に父が私をそっと呼んで、弁護士費用を出すよって言ってくれた。そのほぼちょうど1年後、離婚を申し立てた。
今の人生は本当にずっといい。
24. 名無しのReddit住民
好きなバンドのライブを観に、2時間くらい離れた街まで行ったことがある。夫は、誰と行くのかもどこに泊まるのかも聞いてこなかった。そのライブが最高すぎて、翌日の地元公演のチケットも買っちゃった。
夫には「無理に来なくていいよ、ほかに一緒に行く人を探すから」って言ったのに、どうしても行くと言い張る。で、前座が始まって20分で文句たらたら、理由もなくひたすら私に意地の悪いことを言ってくる。挙げ句、「お前は観てていいよ、俺は車で待ってるから」とこれ見よがしに出ていった。
夫が出ていった瞬間、もう終わったなとわかった。
25. 名無しのReddit住民
夫がスマホを画面を上にしてテーブルに置いたまま、トイレに行った。
そこに通知が来た。彼女から「なんで早く別れてくれないの?」って。
「この女いったい誰なの」って聞いたら、最初はただの職場の友達だと言い張って、次に「前に全部話しただろ、お前が忘れてるだけだ」ってガスライティングしてきた。
それで頭の中で結婚生活を早送りで振り返って、どれだけ有害な関係だったか気づいた。
4か月後に離婚した。
※ ガスライティング:事実をねじ曲げて「お前の記憶違いだ」と思い込ませ、相手に自分の認識を疑わせる心理的な手口。
26. 名無しのReddit住民
浮気はもう終わったと言っておきながら、夫が22歳の彼女を私の家に泊めてたとわかったとき。夫は44歳で、19歳の娘もいるのに。
私はしばらく女きょうだいの家に身を寄せてたけど、夫を信用してなかったし、浮気をやめるとも思ってなかったから、弁護士に書類を全部準備してもらってた。夫はアルコール依存症でもあった。
まず自分の馬を移して、次に荷物を全部運び出して、それから弁護士に電話して「進めてください」と一言。夫はいまだに、なんであんなに一瞬で全部終わったのか首をかしげてると思う。
27. 名無しのReddit住民
軍の新兵訓練の修了式に、元妻は来ないと言い出した。元妻が来ないってことは、娘たちも来られないってこと。電話で理由を聞いたら、ケンカばかりだったし、もう愛してないし、離婚したいからだって。
死ぬ間際には人生が走馬灯みたいに目の前を流れるって言うでしょ。結婚生活のためにまた戦う覚悟を固めようとしてたら、目の前を流れたのは私の「これから」の人生だった。何年も何年も、あの人のゴタゴタに付き合い続ける未来。それで心が折れた。もう無理だった。だから一言だけ「そうだね、離婚しよう」って言った。
※ 新兵訓練(ブートキャンプ)は、入隊直後に数週間〜数か月かけて受ける基礎訓練。最後に修了式があり、家族が見に来るのが一般的。
28. 名無しのReddit住民
最後の藁なら、もう何本も背中に乗っかってる。なのに、まだ踏み切れてないんだよ。なんでだよ。
29. 名無しのReddit住民(>>28への返信)
背中に最後の藁が何本も乗ってるのに、まだ立ってるラクダか。ある意味このスレで一番タフだよ。あんまり無理はしないでな。
30. 名無しのReddit住民
10日間の海外出張から帰ってきたら、妻はこっちが帰ってきたことに反応すらしなかった。
それが最後のひと押し。10年たった今思えばささいなことだけど、当時はそれまでの全部がその一瞬に詰まってたんだ。
翌日、2人でジムまで歩いてるときに「お互い考えてるけど、怖くて口に出せないことがあると思うんだけど……」って切り出したら、妻に先を越された。「別れたほうがいいと思う」って。
冗談抜きで、8年の結婚生活の重さが全部、不安もストレスも不幸せも自信のなさも、肩からふわっと消えていった。今までの人生で一番忘れられない日のひとつだよ。
まとめ
挙がった「最後のひと押し」は、泥酔した夜の暴言、スマホに届いた浮気相手の通知、トコジラミ、ヒゲ、ワインとビールの取り違えと、どれも一つだけ取り出せば離婚の理由としては小さく見えるものが多かった。ただ、それまでずっと関係が下り坂だったと書いている人が多いとおり、決め手になったのは出来事そのものより、相手が自分をどう見ているかが一瞬で見えてしまったことだ。守ろうとしたら罵られる、病気のときに面倒がられる、帰ってきても顔も上げない。「この人にとって自分は大事ではない」と腹に落ちた瞬間が、多くの人の分かれ目になっている。
もう一つ目立つのは、決めてから動くまでの冷静さだ。何か月もかけて段取りを整えた人、弁護士の準備を済ませてから馬を移した人がいて、離婚後は肩の荷が下りた、人生がずっとよくなったと振り返っている。一方で、つらい時期に夫が踏ん張ってくれた人や、限界が何度も来ているのにまだ踏み切れない人もいて、同じ藁が乗っても折れるかどうかは夫婦ごとに違う。ソ連時代の祖父母の話は、定年後に家事を始めてももう遅かったという点で、日本でいう熟年離婚の話とよく似ている。皆さんにとって、「あ、もう無理だ」と線を越えてしまう一瞬は、どんな場面だと思いますか?

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