「もう二度とお金を払わないと決めた会社はどこ? そしてその理由は?」。Redditにこんな質問が立ち、7500件を超えるコメントが集まった。
答えているのは主にアメリカのユーザーで、挙がるのはサブスクの解約地獄、レンタカーを返したあとに届く謎の請求、ネット回線の値上げ交渉と、日々の暮らしで積もっていくイライラの数々。その一方で、たった15ドルの手数料や店員ひとりの態度のせいで、何十年分もの客を失った会社の話も少なくない。恨みの年季が長い人ほど、話がおもしろい。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
Adobe。これは今もこの先もずっと変わらない。あそこは笑っちゃうくらい一貫して、俺が未来永劫あの社名を呪い続けるよう全力を尽くしてくれた。世の中にもっと本物の悪徳企業があるのはわかってるよ。でもそういう会社だって、世間体や広報くらいは気にするじゃん。Adobeは、ただ純粋に嫌われたかったとしか思えない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
仕事で使うから抜けられない側だけど、気持ちは痛いほどわかる。一度本気で腹が立って解約しようとしたら、「年間契約の月払いプランなので、途中解約には解約金がかかります」。月払いって書いてあったら、月単位でやめられると思うだろ普通。引き止めの画面を何枚もくぐった末にそれだったから、結局やめるのをやめた。取引先からPhotoshopのデータが普通に飛んでくる業界だと、客が逃げられないのを向こうもわかってるんだよな。今日も恨みながら払ってる。
※ Adobe=PhotoshopやIllustratorで知られる米国のソフト会社。現在は月額・年額のサブスク販売が中心。2024年には米司法省が、解約金の存在をわかりにくくし、解約手続きも妨げているとしてAdobeを提訴している。
3. 名無しのReddit住民
HPと、あのクソみたいなインクのサブスク。月5ドル払わないと、もう家に届いてるカートリッジで印刷させてくれない。お金を払って手に入れた物のはずなのに、使うたびに利用料を取られてるようなもんだよ。タイムシェアから抜け出すほうが、まだ簡単だと思う。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
うちはサブスクが始まる前の話。インクが切れたから、店でちゃんとHP純正のインクを買ってきたんだよ。そしたらプリンターの画面に「HP純正品ではありません」。いや純正だが? 1時間あれこれ試してもダメで、最後はプリンターも、封も切ってない新品のインクもまとめて捨てた。今は印刷なんてめったにしないから、たまにオフィス用品店の印刷サービスに行けば済んでる。HPはもう二度と買わない。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
このスレが立つたびに誰かが言うやつ、今回は俺が言う。ブラザーのモノクロレーザーを買え。うちのは今年で10年目、トナーを替えたのは2回だけで、純正がどうこうで文句を言われたことは一度もない。カラー印刷が要らないなら、人生の悩みがひとつ減るぞ。
※ HPのインクのサブスク=「Instant Ink」という月額制のインク定期便。カートリッジが自動で届くが、届いたカートリッジはサービス専用で、解約すると使えなくなる。タイムシェアは、リゾート物件を毎年決まった期間だけ使える権利を買う契約で、米国では強引な勧誘と「一度買うと抜け出せない」ことで悪名高い。
※ ブラザー=名古屋に本社を置くブラザー工業。英語圏の掲示板では、プリンターの愚痴が出るたびに「ブラザーのレーザープリンターにしとけ」と返されるのがお約束になっている。
6. 名無しのReddit住民
AT&T。何年も前、メキシコとの国境の近くにいたら、国際ローミングの料金を請求された。メキシコには一歩も入ってないのに。問い合わせたら、スマホが一度でも向こう側の基地局につながった時点で、自分の意思で使ったのと同じ扱いになるんだって。まあ、そういうこともあるか、とそこまでは思ったよ。でも請求は取り消せないの一点張り。その場で解約して、それっきり戻ってない。それまで10年以上AT&Tだったのにな。
※ AT&T=米国の大手通信会社。携帯の電波は国境を越えて届くため、国境付近では隣の国の基地局につながり、海外ローミング扱いになることがある。
7. 名無しのReddit住民
スペクトラム。20年以上契約してた。最初の1年はキャンペーン価格で、それが切れたら値上げ。電話で「解約する」とちらつかせないと何もしてくれない。前回それをやったら「キャンペーンは新規のお客様限定です。既存のお客様向けのものはございません」。いったん解約して1か月空ければ新規扱いで入り直せますよ、だって。お得に使いたければ1か月ネットなしで暮らせってこと? マネージャーを出してと言っても「同じご提案をするだけですよ」。それでAT&Tの光回線に乗り換えたら、ずっと安いし段違いに速い。特に上りの速度。で、スペクトラムに解約の電話を入れたら引き止め担当に回されて、「20年もご利用いただいてるんですね、もっとお安いプランをご用意できます」と来た。遅いよ。2週間前は何もないって言ってたじゃん。あのとき値段を据え置いてくれてたら、何も考えずにあと20年払い続けてたのにな。
※ スペクトラム=米国の大手ケーブル回線会社。米国では住んでいる地域で引けるネット回線が1〜2社しかないことも珍しくない。新規向けの割引は1年ほどで切れるのが普通で、そのたびに電話で「解約する」と伝えて値下げを引き出す交渉がよく知られている。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
乗り換え先があるだけうらやましいよ。うちの地区で引けるネット回線はコムキャストしかない。月に何回も回線が落ちるし、サポートに電話すれば毎回40分待ち。それでも他にないから、今月もきっちり払ってる。「もう二度と使わない」って言えるのは、選べる場所に住んでる人の特権なんだよな。
※ コムキャスト=米国最大級のケーブル回線会社。サービス名は「Xfinity」。
9. 名無しのReddit住民
Booking.comは、もう詐欺と変わらないと思ってる。600ドル以上が返ってこないまま、もうすぐ5か月。何回電話しても担当者は「お客様に代わって調査を依頼しておきます」と言うだけで、その後は何も起きない。このやりとりを、もう何回繰り返したかわからない。二度と使わないし、人にも勧めない。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
自分は出張でもう何十泊も予約してるけど、一度もトラブルはなかったな。返金で揉めるのって、ホテル側が返金を渋ってて予約サイトが板挟みになってるケースも結構あると思う。ただ、「調査を依頼します」とだけ言って5か月放置はさすがに擁護できない。そこを何とかするのが仲介サイトの仕事だろ。
11. 名無しのReddit住民
レンタカーのハーツ。受け取った車がタバコ臭かったから、その場で係員に伝えた。返事は「自分は何も匂いませんけど、メモしておきますね」。他に空いてる車がないって言うから、仕方なくそのまま出発。返したら、車内の徹底クリーニング代として1300ドル請求された。何度も異議を申し立てたら、向こうは受け取りのときの防犯カメラ映像を送ってきた。なぜか音声なしで。そのうえで「音声がないので、もう退職した係員に匂いを伝えたことは証明できませんね」だと。最後はカード会社(チェースのサファイア)にチャージバックを申し立てて取り戻した。カード会社は本当に話が早くて、そこは感謝してる。あれだけの額でチャージバックしたから、もうハーツでは借りられないんじゃないかな。借りる気もないけど。
※ ハーツ=米国の大手レンタカー会社。1300ドルは日本円で20万円近く。チャージバックは、カード払いの請求に納得できないときにカード会社へ申し立てて支払いを取り消してもらう仕組みで、米国では「店と揉めたらカード会社へ」が定番の自衛策になっている。チェース・サファイアは米大手銀行チェースのクレジットカード。
12. 名無しのReddit住民
レンタカーならバジェットも二度と使わない。係員がフロントガラスにヒビの入った車を持ってきて、「これくらい大丈夫なんで、そのまま乗ってってください」。しかも出口の通路に車を停めて急かしてくるから、写真を撮る暇もなかった。返してから数週間後に350ドルの請求。向こうは貸し出し前と返却後の点検記録すら出せなかったくせにね。SNSで騒いだら「返金します」って手紙が来たのに、お金は結局来ない。その手紙のコピーを付けてカード会社にチャージバックを頼んだら、あっさり通った。今はどこで借りても、傷の横に自分の腕時計を置いて、時刻がわかるように写真を撮ってる。エンタープライズの兄ちゃんがそれを見て冷や汗かいてたよ。
※ バジェット、エンタープライズ=どちらも米国の大手レンタカー会社。
13. 名無しのReddit住民
Uber。降りたあとに料金が倍になってた。サポートに電話したら「増えた分はチップなので変更できません」。いや、領収書にはチップの額がちゃんと別の行で載ってるんだよ。堂々と嘘をつかれた。結局、これもカード会社に頼んで取り戻した。
※ 米国のUberは、降りたあとにアプリからチップを上乗せできる仕組みになっている。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
自分は逆に、Uberにはちゃんと対応してもらえたことがあるな。空港からの料金が見積もりのほぼ倍になってて、アプリで「遠回りされた」って報告したら、10分もしないうちに差額が戻ってきた。電話で人と話すより、アプリの報告ボタンのほうが話が通じる会社なんだと思う。電話窓口は正直あてにしてない。
15. 名無しのReddit住民
バス&ボディワークス。12歳のとき、友達と一緒に万引きを疑われた。言われるままカバンの中を見せて、ようやくわかった。私たちが商品を店の小さなカゴに入れてたのを、店員はカバンに入れたと見間違えてたんだ。でも店員はもう警備員を呼んでて、警備員とうちの母がちょうど同時に店に着いた。店員は自分の間違いは認めたけど、謝るつもりはないと言い切った。紛らわしいことをしたあなたたちも悪い、って。警備員はなんでひと言謝れないのか信じられないって顔で、店員の代わりに私たちに謝ってくれた。今29歳だけど、あれ以来あの店では一度も買ってない。
※ バス&ボディワークス=ボディソープやハンドクリーム、ルームフレグランスなどを扱う米国の香り雑貨チェーン。ショッピングモールの定番店。
16. 名無しのReddit住民
セルフレジで自分で会計するのは別にいいんだよ。でもウォルマートさ、急いでるときに出口で手に持ってる商品をひとつずつレシートと突き合わせるのはやめてくれ。そこまで客を信用できないなら、最初からレジ係を雇えばいい。会計の仕事はこっちにやらせておいて、泥棒扱いまでついてくるのは納得いかない。
※ 米国のウォルマートやコストコなどでは、万引き対策として出口に係員が立ち、レシートと購入品を照らし合わせることがある。
17. 名無しのReddit住民
20年前、車を売って、買い手から個人小切手を受け取った。振出元はウェルズ・ファーゴの口座。すぐ現金にしたかったから、その足で買い手の銀行、つまりウェルズ・ファーゴの窓口に持っていった。そしたら手数料15ドル。自分の口座がある銀行に入金すれば、処理が回ってきたあとで全額受け取れますよ、とのこと。自分のところの客が振り出した小切手を受け取るのに金を取るのかよ、と唖然とした。マネージャーに「15ドルは払う。でも二度とあんたたちとは取引しないし、みんなにもやめとけって言って回る」と伝えたら、ニコニコしながら15ドルを受け取って肩をすくめただけ。向こうが知らなかったのは、俺の職場がこの地域に引っ越してくる人を相手にする会社で、1日に何回も「どこの銀行がいい?」って聞かれる立場だったこと。そのたびに地元の信用組合を2つ勧めてきた。数千回はくだらないと思う。いまだにウェルズ・ファーゴは嫌いだし、いまだにこの話をしてる。
※ ウェルズ・ファーゴ=米国の4大銀行のひとつ。米国では今も個人小切手が使われていて、車の個人売買などでも登場する。信用組合(クレジットユニオン)は地域や職場の会員が出資してつくる協同組合型の金融機関で、手数料の安さから選ぶ人が多い。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
口座を持ってない人が窓口で小切手を現金化するときに手数料を取るのは、ウェルズ・ファーゴに限らず大手銀行ならわりと普通なんだけどね。ただ、その15ドルで数千人分の口座を取り逃がしたんだとしたら、あの銀行の歴史でいちばん高くついた15ドルかもしれない。マネージャーも、まさか目の前の客が歩く広告塔だとは思わなかっただろうな。
19. 名無しのReddit住民
どうしても観たい映画があって、ピーコックに一番高いプランで入った。いざ再生しようとしたら「この作品は現在のプランではご覧いただけません」ってエラー。いや、これが一番高いプランなんだけど? 結局解約して、その映画はAppleで買った。ピーコックのサポートに返金を頼んだら断られて、「そういうことはたまにあります」だと。あそこには二度と1セントも払わない。
※ ピーコック=米NBCユニバーサル系の動画配信サービス。
20. 名無しのReddit住民
スタブハブは、売る側にとっても買う側にとっても、ほとんど詐欺みたいな商売だと思ってる。こっちはチケットを一度も受け取ってないって証拠を十何件もそろえてたのに、電話口では「チケットはお客様のアカウントでご覧いただけるはずです」の一点張り。FIFAの試合のチケットだったから米国サッカー連盟にまで問い合わせたら、それはスタブハブに出品された偽造チケットです、って言われた。スタブハブご自慢の購入者保証なんて、何の役にも立たなかったよ。
※ スタブハブ=チケットを個人間で転売するための仲介サイトの大手。
21. 名無しのReddit住民
Amazon。2000年から使ってて、プライムもプライム・ビデオも入ってた。そしたら一番下のプランにまで広告をばらまき始めた。おまけに、解約をわざと面倒にしてたって政府に訴えられてもいる。四半世紀の付き合いだったけど、もういいや。ベゾスとヨットによろしく。バイバーイ。
※ 2023年、米連邦取引委員会(FTC)は、プライム会員の解約手続きをわざと複雑にしていたなどとしてAmazonを提訴した。米国のプライム・ビデオは2024年から、追加料金を払わない限り広告が入るようになっている。ジェフ・ベゾスはAmazonの創業者で、超大型ヨットの持ち主としても知られる。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
言いたいことはわかる。町の本屋を次々に潰していったのもAmazonだしね。でも田舎に住んでると、Amazonなしで暮らすのは現実的じゃないんだ。近所の店に置いてない物は、車で1時間かけて買いに行くかAmazonで頼むかの二択。潰された地元の店が戻ってくるなら喜んでやめるけど、もう戻ってこないんだよ。
23. 名無しのReddit住民
地元のゲームズワークショップの店。ウォーハンマーに興味を持ち始めたばかりの頃、友達と店に行ったんだ。友達がゲームで使ってるアプリの話をしたら、店長に「それは公式が認めてないアプリだ」って注意された。それはまあいい。問題はそのあと。店の反対側にいた俺がコデックスを買わなかったら、今度はこっちに来て説教が始まった。「お前もあのアプリを使ってるのは知ってるぞ」って。何のアプリかすら知らなかったのに、嘘をつくな、盗んでおいて恥ずかしくないのか、とまで言われた。店長一人の話だってわかってるけど、あの日でウォーハンマーへの熱が一気に冷めた。本当に変なやりとりだったよ。
※ ゲームズワークショップ=英国のミニチュアゲーム会社で、直営店も各地に構える。『ウォーハンマー』は、組み立てて色を塗ったフィギュアを盤上で戦わせるゲーム。コデックスは陣営ごとの有料の公式ルールブックで、店長はそれを買わずに済ませるアプリを「盗み」とみなしたらしい。
24. 名無しのReddit住民
ネスレ。好きな商品もいくつかあるから、正直つらい。コーヒーもチョコもペットフードも、裏を見たらだいたいネスレなんだよな。でも、水を必要としてる人たちから水源を取り上げて、その水をまた本人たちに売りつけるのは、どう考えても悪だと思う。
※ ネスレ=スイスに本社を置く世界最大級の食品・飲料メーカー。各地で地下水をくみ上げてボトル水として売る事業が、干ばつに苦しむ地域の住民などから長年批判されてきた。1970年代には、途上国での粉ミルクの売り込み方をめぐって国際的な不買運動も起きている。
25. 名無しのReddit住民
チポトレ。いや、「客を失った」って言い方は正しくないかも。初めてキュードバに入ったとき、店長がメニューを一から案内してくれて、みんな普段何を頼むのか、何が美味いのかまで教えてくれたんだ。で、レジで会計したら「これであなたはチポトレの敵です。もう向こうには行けませんよ」と宣告された。世界の終わりに企業同士の最終戦争が始まったら、俺はキュードバ側で戦うしかない。徴兵されちゃったんだ、ごめんな。
※ チポトレとキュードバは、どちらも米国のメキシカン系ファストフードチェーン。カウンターで具材を選んでブリトーやボウルを作ってもらう形式で、客層も重なるライバル同士。
26. 名無しのReddit住民(>>25への返信)
チポトレのワカモレには、アボカドの皮とかヘタとか、ひどいときはアボカドに貼ってある小さいシールまで入ってる。ただの手抜きだよ。昔はもっと具がたっぷりで、作る人も丁寧だった気がするんだけどな。学生の頃は本気で一番好きな店だったから、余計に寂しい。
27. 名無しのReddit住民
問い合わせるとAIとしか話させてくれない会社は、避けられるなら全部避けてる。「オペレーターにつないで」って何回言っても、「ご用件をもう少し詳しく教えてください」しか返ってこない。こっちは、詳しく話せる相手を出せって言ってるんだよ。
28. 名無しのReddit住民(>>27への返信)
正直、住所変更とか残高確認くらいならAIのほうが楽じゃない? 30分保留音を聞かされるよりずっとマシ。問題はAIそのものより、人間につなぐ道を完全に塞いでる会社のほうだと思う。「担当者と話す」ボタンさえ残してくれれば、別に文句はないんだけどな。
29. 名無しのReddit住民
EXTRAのガム。何年も前から、音楽配信の広告でひたすらガムを噛む音だけを流してくる。ヘッドホンでSpotifyを聴いて気持ちよくノってたら、いきなり耳元で激しいクチャクチャ音だよ。広告に心理戦を持ち込む会社に払う金はない。ガムを買いに店に入って、EXTRAしか置いてなかったら、ガムなしで帰る。
※ EXTRA=米国の定番ガムブランド(リグレー社)。
30. 名無しのReddit住民
自分じゃなくて親父の恨みなんだけど、ちゃんと引き継いでる。子どもの頃、親父はいつも角のシェルのスタンドで給油して、ついでにコーヒーを買ってた。店を持ってたのは叩き上げの移民のおじさんで、少しでも稼ぐためなら何でもやる人。それで実際うまくやってたんだ。ある日親父が行くと、整備場がタイヤであふれて中に入りきらなくなってた。エンジニアの親父が詰め込むのを手伝ってたら、おじさんが打ち明けたらしい。フランチャイズを続けたければこのタイヤを買えと言われた、貯金を全部はたいたけど時間をかければ売れるはずだ、って。ところが結局フランチャイズ契約は打ち切られて、タイヤを売る手段もなくなった。何とか売ろうとしたけど、最後は全部競売にかけられたそうだ。あの人の人生はそれで壊れた。親父は死ぬまで二度とシェルに寄らなかった。いい伝統だと思うから、俺も続けてる。
※ 米国のガソリンスタンドは、石油会社のブランドを掲げた個人経営の店が多い。ここでの「フランチャイズ」も、店主がシェルの看板を借りて営業する契約のこと。
まとめ
並んだ社名はバラバラでも、客が離れていく理由はおおよそ3つの型に収まる。ひとつめはサブスクと解約の罠だ。Adobeの解約金、HPのインク定期便、スペクトラムの「割引は新規のお客様だけ」。入るのは簡単なのに、出ようとした途端に壁が立ちはだかる。日本でも携帯電話の「2年縛り」と高い解約金が長く批判され、2019年のルール改正でようやく上限が設けられたから、この手の怒りは海の向こうだけの話ではない。
ふたつめは、身に覚えのない請求。レンタカーの清掃代、Uberの倍額、国境近くのローミング料金。何人もがカード会社のチャージバックで取り返しているのを見ると、「店と揉めたらカード会社を味方につける」が米国では当たり前の自衛策になっているのがわかる。
そして三つめが、いちばん根が深い「人」の問題だ。15ドルの手数料を笑顔で受け取ったマネージャー、12歳の子どもに謝らなかった店員、買わなかった客を泥棒呼ばわりした店長。会社にとっては一瞬の出来事でも、客の側は17年、20年、ときには親子二代にわたって覚えている。スペクトラムの人の「あのとき据え置いてくれたら、あと20年払い続けていた」は、その裏返しでもある。
一方で、回線会社が1社しかない地域の人や、仕事でAdobeを手放せない人のように、嫌いでも払い続けるしかない客もいる。「二度と使わない」と言い切れるのは、実は選択肢を持っている人だけなのかもしれない。
皆さんには、たった一度の対応で「もうここでは買わない」と決めた会社やお店はありますか?


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