「知っていれば、いつか命が助かるかもしれない事実は?」という質問に、海外の掲示板Redditで3000件を超えるコメントが寄せられた。火事で逃げるときの階段の見分け方、手術前の問診で隠してはいけないこと、離岸流に流されたときの泳ぎ方、揚げ物の油に火がついたときの対処。聞いたことはあっても、いざというときに思い出せるかどうかで結果が変わりそうな話が並んだ。
※ コメントは海外ユーザーの体験や意見を訳したもの。医療や安全に関わる判断は、医師や公的機関の情報で確認してほしい。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
火事で商業ビルから避難していて、階段の途中にゲートや柵が付いていたら、そこで階段から出ろという合図。あのゲートは「この先は地下に降りるだけで、外には逃げられないぞ」と知らせるために付いてるんだ。
※ アメリカの建築基準では、外に出られる避難階より下へ階段が続いている場合、そのまま地下へ降りてしまわないよう柵やゲートで区切ることになっている。日本の建物が同じ作りとは限らない。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
消防士を25年やって、この7月に引退したばかりなんだけど、これは知らなかった。建物の立入検査だってやってたのに。でも、これまであのゲートをどこで見かけて、その先の階段がどこに続いてたかを思い返すと、全部つじつまが合う。病院とか高齢者向けの住宅とかね。
3. 名無しのReddit住民
手術の前に、大麻を使ってることを医者に隠すと、まだ手術台の上にいるうちに目が覚めてしまうかもしれない。気まずいからって黙ってる場合じゃないよ。
※ アメリカでは嗜好用の大麻が合法な州も多い。日本では違法。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
麻酔科医です。その通り!
これは違法薬物ならどれでも同じ。使ってること自体は、こっちはどうでもいいんだよ。ただ、ああいう薬は体にとっては毒だから、(大量に使って肝不全にでもなってない限り)肝臓が毒の処理に「慣れて」しまって、麻酔薬まで早く分解するようになる。鎮静をかけて処置してる最中に目が覚める人がいるのは、これが理由。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
生まれつき赤毛の人も、ほかの人より麻酔が多く必要なんだって。多いと2割くらい増えるらしい。原因は遺伝子の変異。6. 名無しのReddit住民(>>5への返信)
自分は正直に全部話したうえで、前に親知らずを抜いたとき途中で目が覚めたことも伝えた。そしたら医者たちがこっちの髪を見て「そりゃ目も覚めるよ!赤毛と麻酔の話は本当なんだ。今回はちゃんと気をつけるから心配しないで」だって。
※ アメリカでは、親知らずの抜歯を点滴の鎮静や全身麻酔で眠った状態で行うことが多い。
7. 名無しのReddit住民
離岸流につかまったら、岸と平行に泳いで流れの外に出てから、岸に向かうこと。岸へまっすぐ戻ろうと流れに逆らうと、それだけで力尽きてしまうんだ。
8. 名無しのReddit住民(>>7への返信)
オーストラリア人だけど、これは子どもの頃に真っ先に教わることのひとつ。離岸流につかまったら、流れから解放されたと感じるまで、岸と平行に泳ぐ。岸に向かってまっすぐ泳ごうとしても消耗するだけで、最後は海に引きずられて溺れてしまう。
海と戦って勝てる人間はいない。落ち着いて岸と平行に泳いで、疲れたら浮いて息を整えて、流れが体を吐き出してくれるのを待つ。岸に向かうのはそれからでいい。
毎年、この基本を知らない観光客がこっちのビーチで大勢溺れてる。離岸流とは戦うな、だよ。
※ 離岸流:岸から沖に向かって流れる、幅の狭い強い流れ。日本の海水浴場でも起きる。日本の着衣泳の授業などで教わる「浮いて待て」(あおむけに浮いて救助を待つ)も、水と戦わずに体力を残すという点では同じ考え方。
9. 名無しのReddit住民
人がたくさんいる場所で緊急事態が起きたら、「誰か救急車を!」と叫ぶだけじゃダメ。特定の人を指さして「そこのあなた、救急車を呼んで!」と言うこと。ほかにやってほしいことも、同じように一人ずつ割り振る。そうしないと、全員が「きっと誰かがもう呼んでる」と思い込む。みんながやるはずのことは、結局誰もやらないんだ。
10. 名無しのReddit住民(>>9への返信)
これは主にアメリカ人向けなんだけど。ほかの国の人はテレビで「911に電話しろ!」って台詞を嫌でも聞いて育つから、911は知ってる。でも911は北米の番号で、緊急通報の番号は国ごとに違うんだよ。イギリスなら999。日本や中国みたいに、通報先ごとに番号が分かれてる国もある。たとえば日本なら、警察が110番で、消防と救急が119番。旅行の前には、行き先の国の番号を必ず確認しておいて。
11. 名無しのReddit住民
倒れて意識のない人にAED(自動体外式除細動器)を付けても、その人を傷つけることはない。AEDで頭をぶん殴りでもしない限りね!今は公共の場所にたくさん置いてあって、心停止から助かるかどうかに大きな差を生んでる。
※ AEDは心臓のリズムを自動で解析し、電気ショックが必要なときだけ音声で指示を出す。日本でも駅や学校、商業施設などに設置されている。
12. 名無しのReddit住民
喉に物が詰まったとき、ハイムリック法は自分にもできる。椅子の背もたれみたいな硬いものが必要で、そこにお腹を押し当てるんだ。
知り合いに、家で一人で硬いキャンディをなめていて、喉に詰まらせて亡くなった人がいる。そのときどれだけパニックだったかと思うと、想像するのもつらい。
※ ハイムリック法(腹部突き上げ法):へその少し上を強く突き上げ、喉に詰まった物を吐き出させる応急処置。
13. 名無しのReddit住民(>>12への返信)
本当かどうかは知らないけど、前にRedditで「窒息で亡くなる人の多くは、怖さや恥ずかしさからトイレとか一人になれる場所に行ってしまう」って読んだことがあった。
で、ちょっとしたBBQに友達を呼んでたとき、一人でキッチンにいたら食べ物が喉に詰まったんだよ。それを思い出して、大急ぎで外の友達のところに出ていったら、30秒くらいで何とかしてくれた。あれを読んでなかったら、パニックになって取り返しのつかないことになってたかもしれない。
14. 名無しのReddit住民
一度でも殴ってきた男は、また殴る。「もう二度としない」と泣いて謝られても、その謝罪まで含めてワンセットだと思ったほうがいい。
15. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
付け加えると、首を絞められたなら迷わず逃げて。首を絞める行為は、将来パートナーに殺される危険と強く結びついてる。命までは奪わない首絞めは、相手を支配する力を見せつける究極の行為だと研究者は考えていて、「殺人の予行演習」と表現されることも多いんだ。16. 名無しのReddit住民(>>14への返信)
5年前、Redditでまさにこの一文を読んだおかげで命拾いした。トラウマとは今も付き合ってるけど、こういう書き込みに本当に救われてる。❤️
※ 日本では、DVの相談を「DV相談ナビ」(#8008)などで受け付けている。身の危険が迫っているときは、迷わず110番を。
17. 名無しのReddit住民
揚げ物の油に火がついたら、絶対に水をかけるな。水が油の熱で一瞬で沸騰して、火のついた油のしぶきが四方に飛び散り、小さな火の玉みたいになる。まばたきする間もなく、手がつけられない状態になるよ。まずコンロの火を止めて、フタや消火用のブランケットをかぶせて空気を断つか、水を使わないタイプの消火器を使うこと。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
消火用ブランケットがあればそれを使う。重曹をかけて火を覆うのも手。
大事なことだから追記しておくと、重曹の代わりに小麦粉やベーキングパウダーを使うのは絶対ダメ。燃えるから、事態がはるかにひどくなる。使うなら重曹。鍋の中の火ならフタをする、オーブンの中の火ならオーブンの扉を開けない、あとは電気機器にも使える消火器を使うこと。みんな気をつけて!
※ 火が天井近くまで上がったり、消せないと感じたりしたら、無理をせず避難して119番を。
19. 名無しのReddit住民
炭を燃やすのは、屋外で料理するときだけにして!煙突がちゃんと通ってる暖炉で燃やしたとしても、家の中が命に関わる量の一酸化炭素で満たされることがあるんだ。
※ 一酸化炭素は色もにおいもなく、吸っても気づきにくい。日本でも、室内で七輪や練炭を使ったり、テントの中で暖房器具を使ったりして中毒になる事故がたびたび起きている。
20. 名無しのReddit住民(>>19への返信)
一酸化炭素の濃度って、驚くほどあっという間に上がるんだよ。自分は一酸化炭素の検知器を買って、そのほんの数週間後に、たぶんそれに命を救われた。ガスコンロの火を何口も使って、何時間も料理してたときのこと。慌てて対処してる間にも、表示される数値がみるみる跳ね上がっていくのが見えた。
21. 名無しのReddit住民
漂白剤とアンモニアは絶対に混ぜるな。クロラミンっていう有毒なガスが発生する。
どっちも家庭用洗剤によく入ってる成分なんだけど、ひとつの製品に両方が入ってることはまずない。それだけ危ない組み合わせってこと。成分を完全に把握してない限り、洗剤同士は混ぜないのが一番だよ。風呂場の洗剤の中には、酢みたいな身近なものと合わさっただけで、かなり危なくなるものもあるから。
※ 日本の「まぜるな危険」の表示でおなじみなのは、塩素系の漂白剤・洗剤と、酸性タイプの洗剤や酢・クエン酸との組み合わせ。こちらは塩素ガスが発生する。
22. 名無しのReddit住民
エピペンを使ったら、そのあと必ず病院へ行くこと。エピペンの効き目は時間がたつと切れるけど、アレルギー反応はそのあとも続くことがある。エピペンは、ちゃんとした治療を受けるまでの時間を稼いでくれるだけなんだ。
実際、それで夜中に亡くなった小さな男の子の話がある。エピペンを打ったあと大丈夫そうに見えたから、家族はそのまま全員寝てしまったんだって……
※ エピペン:重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起きたときに、太ももに打つ自己注射薬。日本でも、食物アレルギーのある子どもが学校に持って行くことがある。
23. 名無しのReddit住民
脳卒中の見分け方は「BE FAST」で覚えて。
B(Balance):めまい、頭痛、ふらつき
E(Eyes):目がかすむ
F(Face):顔の片側が垂れ下がる
A(Arms):片方の腕や脚に力が入らない
S(Speech):言葉がうまく出ない
T(Time):すぐに救急車を呼ぶ
あと、うちの母みたいに、鍵をかけたトイレにこもって、鏡で自分の脳卒中チェックをするのはやめてね!
※ 日本では、顔・腕・言葉の異変に気づいたらすぐ119番、という「FAST」の形で紹介されることが多い。
24. 名無しのReddit住民(>>23への返信)
補足すると、目がかすむのは脳卒中の典型的な症状じゃないよ。見えている範囲の一部が欠けたり、物が二重に見えたりするのは、脳卒中の可能性がある。
25. 名無しのReddit住民
女性の脳卒中や心筋梗塞は、みんながよく知ってる症状とは違う出方をすることが多い。よく語られる症状は、たいてい男性に出るものだから。
女性の心筋梗塞は、ひどい疲れや筋肉の痛みとして出ることがあって、働きすぎたとか筋を痛めたとかで片付けてしまいがち。うちの母も、庭仕事で筋を痛めたと思って、家に帰って寝てしまった。また目を覚ませたのは、運が良かっただけ。
26. 名無しのReddit住民
海辺にいて、急に潮が沖のほうへ引いていくのが見えたら、そのあと津波になって戻ってくる。すぐに高いところへ逃げて。
※ ただし日本の気象庁は、津波が必ずしも引き潮から始まるとは限らないと注意を呼びかけている。海の近くで強い揺れを感じたら、海の様子を見に行かず、すぐに高台へ避難を。
27. 名無しのReddit住民
プールで子どもが静かになったら、そこが一番危ない。本当の溺水は映画みたいじゃないんだ。
体は縦のまま、ほとんど動かず、口が水面すれすれ。息をするのに必死で、叫ぶことも手を振ることもできない。バシャバシャ騒いでる子は助けてもらえるけど、静かな子は気づいてもらえない。
ただ立ち泳ぎしてるように見えて、呼びかけても返事がないなら、向こうが助けを求めるのを待たずに水から引き上げて。
28. 名無しのReddit住民
人混みの中で、群衆全体が波みたいにうねり出して、押されたり引っぱられたりし始めたら、すぐにその場を離れて。それは群衆雪崩の始まりだ。人がぎっしり詰まりすぎると、群衆が液体みたいに流れ出す。その流れが狭い場所に差しかかると、人は壁や周りの人に押しつぶされて息ができなくなる。転んだ人は踏みつけられる。
すぐに抜け出せないなら、腕とひじで肋骨のまわりにすき間を作って、息ができるようにする。腕を上に伸ばすのはダメ。胸が縮んで、肺がまた膨らみにくくなる。押し寄せる波のたびに足を踏ん張って、できれば流れに対して横方向に動くこと。
なんでこれが大事なのか気になるなら、ラブパレードとヒルズボロの惨事を調べてみて。最近だと、韓国の屋外のパーティーでもあったはず。人が大勢集まって狭い場所に流れ込むイベントなら、どこでも起こりうる。
※ ラブパレード:2010年にドイツの大型音楽イベントで起きた群衆事故。ヒルズボロ:1989年にイングランドのサッカー場で起きた群衆事故。韓国の件は、2022年にソウル・梨泰院(イテウォン)のハロウィンで起きた事故のこと。日本でも2001年に兵庫県明石市の花火大会で、歩道橋の上で群衆事故が起きている。
29. 名無しのReddit住民
車が線路の上で動けなくなって列車が近づいてきたら、すぐに車から降りて、列車が来る方向に向かって、線路から斜めに離れるように走れ。逆に思えるけど、列車と同じ方向に逃げると、衝突で飛び散った破片がこっちに飛んでくる。列車の来る側へ走れば、破片が飛ぶ範囲から外れられるんだ。
※ 日本の踏切の多くには非常ボタン(踏切支障報知装置)があり、押すと近づいてくる列車に異常を知らせられる。車が動けなくなったら、まず車から降りてボタンを押すこと。
30. 名無しのReddit住民
流砂にはまったら、パニックにならず、なるべく暴れず、体を平らにして横へ「泳ぐ」ように抜け出すこと。この知識のおかげで命拾いした回数は、数えきれない……いや、数えるほどもない。ゼロ回だ。子どもの頃は、大人になったら流砂なんてしょっちゅう出くわすものだと本気で思ってたんだけどな。
まとめ
並んだ知識を見ていくと、大きく2つの型に分かれる。ひとつは「直感の逆が正解」になる知識だ。離岸流では岸に向かわず平行に泳ぐ、油の火には水をかけない、線路で立ち往生したら列車の来る側へ走る。とっさの場面では体が勝手に動いてしまうので、知っているかどうかがそのまま結果を分ける。
もうひとつは、「遠慮や恥ずかしさが命取りになる」という教訓だ。医者に大麻のことを隠す、喉に物が詰まってもトイレに隠れる、鍵をかけたトイレで一人で脳卒中チェックをする、エピペンが効いて「もう大丈夫」と寝てしまう。どれも、大ごとにしたくない、周りに迷惑をかけたくないという気持ちが裏目に出ている。DVの書き込みに「5年前にこの一文で命拾いした」という返信が付いていたように、知っているだけで逃げ道が見えることもある。
日本にも「浮いて待て」や「まぜるな危険」、踏切の非常ボタンのように、同じ発想の知恵がある。一方で津波のように、海外でよく言われることと日本の防災の常識が少しずれている話もあるので、いざというときは住んでいる地域の公的な情報を優先したい。皆さんが「知っていて本当によかった」と思った命を守る知識はありますか?


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