「有名人に会って最悪だった体験は?」という質問に、レストランの店員、警備員、テーマパークのVIP担当、元レコード店主が次々と名乗りを上げた。面白いのは、最悪の話をしに来たはずのコメント欄が、途中から「でもあの人は本当にいい人だった」という証言で埋まっていくところ。冷たい一言と、その裏で誰かがそっと払っていた勘定書きの話をどうぞ。
元スレッド:r/AskRedditより
海外の反応
1. 名無しのReddit住民
ロサンゼルスのレストランで働いてるから有名人はしょっちゅう来るんだけど、皮肉なことに一番ひどかったのは大して有名でもない人たちだった。プログレッシブ保険のCMに出てる「フロ」は、こっちを見もしないし口もきかない。全部付き添いの人に喋らせるんだ。しかも決められないからって注文を3回突き返した。店の誰ひとり彼女に気づいてないのに、超A級スターみたいな態度なんだよ。ゲイリー・ビュージーは会計を踏み倒して出ていって、俺が上司に怒られた。あれはまだ根に持ってる。
逆に最高だったのはウォルトン・ゴギンズ。常連でチップも気前がよくて、テーブルに話しかけに来る見ず知らずの客にも丁寧だった。他の客の食事代を自分が払うと言い出すことも多くて、結婚50周年を祝いに来てた老夫婦のディナー代を出したうえに、高いワインまで贈ってた。ここ数年で一気に売れたのが自分のことみたいに嬉しいよ。
※ フロ=米プログレッシブ保険のCMに長年出ている店員キャラ。CMの中だけで有名なタイプの「有名人」。ゲイリー・ビュージーは奇行エピソードで知られるベテラン俳優。ウォルトン・ゴギンズはドラマ『フォールアウト』のグール役などで近年ブレイクした俳優。
2. 名無しのReddit住民(>>1への返信)
ゲイリー・ビュージーに関しては、単純に払うのを忘れただけの可能性が本気であると思うぞ。あの人の脳みそ、もうほとんどオートミールみたいなもんだろ。悪意より先に記憶が消えてる。
3. 名無しのReddit住民
自分の体験じゃなくて、すぐ隣で見てた話。2000年代の初め、弟が難病の子の願いを叶える団体(メイク・ア・ウィッシュ)の対象になった。同じタイミングでもう一人の子も願いを出してて、その子は「憧れのスポーツ選手に会いたい」、弟は「KORNに会いたい」だった。弟はメンバー全員に会えて、サインも写真ももらえた。演奏まで聴かせてもらった。
もう一人の子のほうは、スケジュールが合わないという理由で断られたと聞いた。その子は進行の速い脳腫瘍で、そのまま亡くなった。担当者はすごく申し訳なさそうにしていて、せめてサインだけでもと動いてくれてたけど、間に合わなかったのか、そこもうまくいかなかったらしい。誰が悪いのかは正直わからない。ただ、同じ団体で、同じ時期で、片方だけが叶ったという事実だけが残ってる。
ちなみに弟は生きてます 🙂
※ メイク・ア・ウィッシュ=難病の子供の願いを叶える国際的な団体。日本にも支部がある。KORN=90年代に流行したヘヴィな音楽ジャンルを代表する米バンド。
4. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
ここで恒例のリマインドをさせてくれ。メイク・ア・ウィッシュの願いを一番多く叶えてるのはジョン・シナで、しかも二位を大きく引き離してる。前に自分で数字を追いかけたことがあるんだけど、プロレスラーとして人気絶頂だった時期、彼はだいたい5日に1回のペースで願いを叶えてた。あの過酷な巡業スケジュールの合間に、ボランティアで、だよ。しかもそこで止まらず、他のレスラーまで巻き込んで、団体のアンバサダーにまでなった。ジョン・シナ、あんたは本物だ。5. 名無しのReddit住民(>>3への返信)
KORNは、がんで余命わずかの少年が「自分たちに会いたい」と言ってくれたことに心を打たれて、その子のことを歌った曲まで書いてる。切ないけど、いい話だよ。
※ ジョン・シナ=米プロレス団体WWEのトップスターで、現在は俳優としても活躍。
6. 名無しのReddit住民
バーでカイル・ムーニーにウイスキーのショットをぶちまけてしまったことがある。完全にうっかりだよ。あの人、殴りかかってくるんじゃないかってレベルでキレてて、正直ビビった。運が良かったのは、ビリー・ゼインが一部始終を見てたこと。彼は俺の肩に腕を回して、ムーニーを手で追い払って、そのまま俺と雑談を続けてくれた。ムーニーが完全に立ち去るまでずっと。最悪の有名人体験と最高の有名人体験が、同じ夜に同時に起きた。
※ カイル・ムーニー=米の人気コント番組サタデー・ナイト・ライブ出身のコメディアン。ビリー・ゼイン=映画『タイタニック』でヒロインの婚約者を演じた俳優。
7. 名無しのReddit住民(>>6への返信)
そいつは友達のビリー・ゼインの言うことを聞いたほうがいいな。あと余計なお世話だけど、よほど小柄じゃない限り、平均的な体格の男なら普通にカイル・ムーニーは止められると思うぞ。
8. 名無しのReddit住民
20年くらい前、学校の旅行でニューヨークに行って、ブロードウェイの芝居を観た。アラン・アルダ主演の舞台だった。休憩時間に何人かでトイレに立ったら、通路で誰かがジェリー・サインフェルドを見つけたんだ。「あ、見て! すごくない?」と小声で言っただけ。トイレから戻る途中、その本人が通路を歩いてきて、こっちに向かって「放っておいてくれ」と言った。近づいてもいないし、話しかけてもいない。有名人が客席にいるのがただ嬉しかっただけなのに。彼の大ファンだった友達は完全に冷めてた。
で、終演後。その友達と劇場の外でタバコを吸ってたら、知らないおじさんが「ライター貸してくれる?」と声をかけてきた。アラン・アルダだった。ライターを返しながら「いい夜を過ごしてね」と言って去っていったよ。
※ ジェリー・サインフェルド=米の国民的コメディアン。アラン・アルダ=軍医コメディドラマ『M*A*S*H』のホークアイ役で知られる大御所俳優。
9. 名無しのReddit住民(>>8への返信)
サインフェルドはたしかに愛想がない。エレベーターで一緒になったことがあるけど、二人きりで無言なのも気まずいから「どうも」と声をかけたら、睨まれた。それだけ。降りるまでの十数秒がやたら長かった。
10. 名無しのReddit住民
昔ロバート・デ・ニーロの警備をやってた。とんでもないクソ野郎だったよ。彼の店の前、ラ・シエネガとウィルシャーの角で怒鳴り合いの喧嘩になったこともある。
一方で共同経営者のジョー・ペシは、今まで会った有名人の中でいちばん感じのいい人だ。顔を合わせるたびにわざわざこっちに寄ってきて「よう、このデカブツ!」と声をかけてくる。当時の俺は身長203センチ、体重135キロ。あの一言で毎回いい気分になれた。本物のいい人だよ。
11. 名無しのReddit住民(>>10への返信)
親父の会社が有名人を招いたゴルフ大会を主催した年、くっついて行ったことがある。ジョー・ペシとジェームズ・ウッズが同じテーブルに座ってて、親に「プログラムにサインしてもらっておいで」と背中を押された。人見知りでもじもじしてたら、ペシのほうから「こっち来いよ坊主、サインしてやる」って。想像通りのあの声で。ウッズはこっちを見向きもしなかった。まあいいさ、あの人は『ホーム・アローン』に出てないし。
※ ジョー・ペシは『ホーム・アローン』の間抜けな泥棒コンビの片割れ役で日本でもおなじみ。ジェームズ・ウッズは米のベテラン俳優。
12. 名無しのReddit住民
オーランドの大手テーマパークで働いてた。VIP対応と接待の担当だ。態度のでかい客なんていくらでもいたけど、ロザンヌ・バーとブライアント・ガンベル、この二人を超える人はいなかった。不機嫌で、意地が悪くて、ただただ人を傷つけてくる。あの二人を担当した日は、帰りの車の中で一言も喋れなかったのを覚えてる。
※ ロザンヌ・バー=自分の名を冠したシットコムで80〜90年代に国民的スターになったコメディアン。ブライアント・ガンベル=米の朝の情報番組の看板キャスターを長年務めた人物。
13. 名無しのReddit住民
エルトン・ジョンに心をぶっ壊されて、そのまま放置された。2000年代初めのツアーのとき、開演前にステージの下にいたんだ。彼は自分をステージまで上げるリフトの動作確認に降りてきてた。スタッフの作業が遅れてて、60秒くらい、俺と彼が1メートルも離れずに二人きり。俺は「大ファンです」みたいなことをボソボソ言った。そしたら彼は、無言のまま30秒間まっすぐ俺の目を見つめて、それからくるっと背を向けて歩いていった。ひと言も発さずに。あの30秒、いまだに夢に出てくる。
14. 名無しのReddit住民(>>13への返信)
エルトン・ジョンに絡むなら、全力で振り切るか、いっそ存在しないものとして扱うかの二択だと思うんだよな。いちばんダメなのがその中途半端なやつだよ。あの人はためらいを一番嫌う。
15. 名無しのReddit住民
ハートフォードの空港で小便してたら、隣の便器にマイク・ディトカが来た。トイレはガラガラなのに、わざわざ真横。動揺した俺は、ちらっと横を見てこう言った。「あなたのBBQソース、好きです」。その瞬間に思いついたのがそれだけだったんだ。彼の返答は「小便してる最中に言うことじゃないな」。
いや、隣に来たのはあんただろ。
※ マイク・ディトカ=NFLの元名選手・名監督。自分の名前を冠したBBQソースを売っている。
16. 名無しのReddit住民(>>15への返信)
両方とも正しい。隣に立ったのはあの人のほうだけど、小便器で他人に話しかける第一声としては、やっぱり相当おかしいぞそれ。
17. 名無しのReddit住民
自分の体験じゃないけど、こっち(北東部)ではわりと知られてる話。エレン・デジェネレスの件だ。がんで闘病していた男の子がメイク・ア・ウィッシュの対象になって、願いは「テレビの中のヒーローであるエレンに生で会うこと」。体調が悪い中、彼は大陸を横断して番組の収録まで来た。収録後、スタッフが彼女に伝えたそうだ。この子はがんで、あなたに会うためにここまで来た、数分でいいから話してもらえないかと。彼女は断った。それだけ。その子はその後亡くなったと聞いてる。
18. 名無しのReddit住民(>>17への返信)
それが本当ならひどいし、彼女には他にもいろいろ言われてることがあるから擁護する気もない。ただ一応言っておくと、メイク・ア・ウィッシュは普通は事前にきっちり日程を組んでやるもので、当日いきなり本人に振るものじゃないんだ。誰かの段取りミスが挟まってる可能性は残ると思う。
19. 名無しのReddit住民
何度か書いてる話だけど。ヘンリー・ウィンクラーの件。当時12歳、ニューヨーク住まい。俺は『ハッピーデイズ』のフォンジーの大ファンだった。ポスター、弁当箱、Tシャツ、全部フォンジー。ある日、西90丁目のブロックパーティーで、歩いてるウィンクラー本人を見つけた。走って行って「ウィンクラーさん、サインください!」と言った。彼は歩きながらこっちを振り向いて「あっち行け!」と吐き捨てて、そのまま去っていった。俺はその場で固まった。
一緒にいた女性が立ち止まって住所を聞いてくれて、家に帰った俺はフォンジーのポスターを剥がし、母さんにもうTシャツは着ないと言った。2週間後、サイン入りの大きな写真が郵便で届いた。俺はその写真をしばらくじっと見つめてから、破って捨てた。
今は大人だし、人には機嫌の悪い日があるって分かる。彼と仕事をした知り合いは全員、素晴らしい人だと言う。でも12歳の俺は一生忘れない。
※ ヘンリー・ウィンクラー=70年代の国民的シットコム『ハッピーデイズ』の不良キャラ「フォンジー」役で一世を風靡した俳優。当時の子供にとってはヒーローそのもの。
20. 名無しのReddit住民
ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのジョーイ・マッキンタイア。10代の頃から大ファンで、彼らがツアー初日をうちの田舎町でやったとき、リハで数週間滞在してて、小学校の合唱の先生に「合唱団をステージに上げないか」と声をかけてくれたんだ。本当に一緒に歌った。夢みたいな体験だった。
それから35年以上ファンを続けて、2年前、思い切って高額のミート&グリート(本人と会える有料枠)に申し込んだ。長蛇の列で流れ作業みたいに押し出されていく感じではあったけど、他のメンバーはみんな親切で、あのツアーの合唱団の話も覚えててくれた。
そしてジョーイの番。当時の話をひと通り説明したら、彼は皮肉でも何でもない真顔でこっちの目を見て、こう言った。「そりゃよかったねぇ」。それで終わり。席に戻ってから、どれだけ失礼で、どれだけ気持ちを削がれる言葉だったかがじわじわ来た。笑って頷くだけでよかったのに。路上で話しかけたわけじゃない、数千ドル払って2分間そばに立つ権利を買った場でだよ。
※ ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック=80年代末から90年代初頭に世界的人気を誇った米ボーイズグループ。近年も再結成ツアーを続けている。
21. 名無しのReddit住民
何年か前にファレル・ウィリアムスに会った。何がひどかったって、彼の取り巻きたちが本人の悪口を言いまくってたことだよ。要するに完全にディーバで、その日その場にいた全員にそれを見せつけた。噂では真逆の評判を聞いてたから不思議なんだけどね。単に機嫌の悪い日だったのか、それともカメラが回ってなかったからか。どっちにしても最悪だった。
22. 名無しのReddit住民(>>21への返信)
2007年ごろ、留学中にリオで開かれた大型ライブでファレルのステージを見たけど、観客に対してめちゃくちゃ失礼だったよ。客が英語を話さないというだけで、マイクでずっと文句を言い続けてた。あれで一気に冷めた。
23. 名無しのReddit住民
俺のはエドワード・ジェームズ・オルモス。コミコンでサインの列に並んで、順番が来たときにこう言ったんだ。「『GALACTICA』も大好きでしたけど、『American Me』の演技が本当にすごかったです」。彼の返事は「だろうね」。
……いや、どういう意味だよエドワード・ジェームズ・オルモス! 何年経っても分からん!
※ エドワード・ジェームズ・オルモス=映画『ブレードランナー』のガフ役やSFドラマ『GALACTICA』の艦長役で知られる俳優。『American Me』は彼が監督・主演したメキシコ系ギャング映画で、刑務所内の暴力描写が生々しいことで有名。「あれが特に好きなのか、お前」という含みに取れなくもない、という話。
24. 名無しのReddit住民
トム・ウェリング。『ヤング・スーパーマン』のクラーク・ケント役の人ね。撮影期間中バンクーバーのウエストエンド(海沿いのおしゃれな地区)に住んでて、近所のスーパーによく来てた。ファンにも店員にも態度が悪いことで有名だったよ。
で、レックス・ルーサー役のマイケル・ローゼンバウム。こっちは完全に真逆で、誰にでも気さくだった。演じてる役柄と実際の人格がきれいに逆転してるの、なかなか味わい深いだろ。
※ 『ヤング・スーパーマン』=スーパーマンの青年時代を描いた米ドラマ。クラーク・ケントが主人公、レックス・ルーサーは後の宿敵。
25. 名無しのReddit住民
子供の頃、NFLのジャイアンツとペイトリオッツの合同キャンプを見に行った。伝説的なラインバッカーのローレンス・テイラーがいて、ロッカールームに戻る彼を子供たちが取り囲んでサインをねだった。俺もペンと紙を渡したんだけど、緊張しててキャップを外すのを忘れてたんだ。書けないと気づいた彼は、これ以上ないくらいイラついて、俺のペンをフィールドの向こうまで放り投げた。あれはさすがにひどいと思ったよ。
※ ローレンス・テイラー=80年代のNFLを代表する守備の名選手。
26. 名無しのReddit住民
昔レコード店をやってた。アーティストが来店イベントやサイン会をしに来ることがあったんだけど、うちは小さい店で客足も少なかった。ある日、カントリーの3人組が来た。2人は信じられないくらい感じが良くて、丁寧で優しかった。3人目は徹頭徹尾自己中で、真っ昼間なのに酒とよく分からない悪臭をぷんぷんさせてて、その場にいた全員を居心地悪くさせた。帰り際にそいつとはひと悶着あったよ。まあどうせ売れずに消えるだろうと思ってた。
その後トリオは解散、そいつはソロで成功し、テレビのオーディション番組の審査員になり、ニコール・キッドマンと結婚した。
27. 名無しのReddit住民
いちばん恥ずかしかった有名人エピソードはジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク。当時タレント事務所で働いてて、上司が彼と契約したがってた。向かいのバーに連れていって口説いてたんだけど、書類を忘れたと言うので、俺が駐車場の無料認証(バリデーション)シールと一緒に届けに行った。「ドーソン」本人がこんな近くにいる、と思った瞬間、頭が完全に飛んだ。書類を渡しながら、俺は彼にこう言ったんだ。「あなたをバリデートしてもいいですか?」
彼は例の眉を上げて「俺に承認が必要かな?」と返してきた。完全にジョークだよ。なのに俺は固まって「駐車場の話です。でもあなたは素晴らしいし最高だと思ってます」。上司の「こいつ何なんだ」という視線を浴びながら、俺は追い打ちで「もし承認が必要になったら、いつでも私にお任せください!」と言い、くるっと振り返って、そのままガラス扉に真正面から突っ込んだ。顔面が跳ね返った音、いまだに覚えてる。
あとで上司が言うには、ウェイトレスも彼を見て同じくらい取り乱してたらしくて、それで契約する気になったんだと。以来、彼が電話してくるたびに「大至急バリデーションが必要だ!」が合言葉になった。いい人だったよ。
※ 英語のvalidateには「駐車券に認証印を押す」意味と「(人の存在や価値を)認めて肯定する」意味の両方がある。完全な言い間違い。ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク=90年代の青春ドラマ『ドーソンズ・クリーク』の主人公ドーソン役で知られる俳優。
28. 名無しのReddit住民
業界に長くいたから、もう本当に山ほどある。ダントツで最悪だったのはニコラス・ケイジ。ただし息子のウェストンは最高にいいやつだった。2014年ごろ、たまたま『ハンガー・ゲーム』の男性キャスト勢と丸ごと同席して食事する羽目になったこともある。ウディ・ハレルソンとジョシュ・ハッチャーソンは礼儀正しくて優しかったし、サム・クラフリンはもう魔法でできてるのかってくらいいい人で、うちの赤ん坊と遊んでくれた。リアム・ヘムズワースだけは信じられない態度だったけどね。
あと15〜16歳の頃、後ろから来たヒラリー・ダフに気づかずにドアを押さえなかったら、走ってきて怒られた。「私が誰だか分かってる!?」って叫ばれたよ。分かってたけど、肩をすくめて「分かるべきですか?」と返しておいた。今の彼女については友人たちから良い話しか聞かないから、単にお互い子供だっただけだと思う。
ちなみに聞かれてないけど、最高だったのは文句なしでソフィア・ベルガラ。あれは本当に素晴らしい人だ。
※ ヒラリー・ダフ=ディズニー系ドラマ出身の元子役アイドル。ソフィア・ベルガラ=コロンビア出身、米の人気コメディドラマで国民的スターになった女優。
29. 名無しのReddit住民
モハメド・アリは、俺が彼の詩を暗唱するのを最後まで聞くために、ボディーガードに「その子を放っておけ」と言ってくれた。しかも詩に合わせて自分で身振りまでつけてくれたんだ。終わったあと、彼のほうから「きみの写真を撮らせてくれ」と言ってきた。地元紙に取材までされたよ。30年以上前の話だけど、いまだに人生で最高の有名人体験だ。あの人は、遊び心のある優しさがそのまま人の形になったような人だった。
30. 名無しのReddit住民
数年前、仕事のイベント帰りにガラガラのニューヨークの地下鉄に乗ったら、目の前にマイケル・マッキーンとアネット・オトゥールが座ってた。驚きと嬉しさで車両の空気を全部吸い込むみたいに息をのんだら、彼の顔が一瞬こわばって、それから小さく笑った。「あーはいはい、また『これは11まで上がる』って言われるやつね」って顔だった。
その一瞬で我に返れた俺は、話題を変えてオトゥールさんのニット帽を褒めた。手編みだという。俺もバッグから毛糸とかぎ針を出して見せたら二人とも大笑いして、彼女は編み棒と毛糸玉を見せてくれた。そこから毛糸の話、二人がさっき観てきた芝居の話、俺のイベントの話、何時間も当たり障りのない世間話をさせられる仕事のつらさ、お互いの子供のこと、俺の帰り道の話まで、えんえん喋った。
ペン駅で降りるとき、彼はわざわざドアまで一緒に来てくれた。車内が閑散としてたから、俺が階段まで無事にたどり着くのを見届けたかったんだって。ウインクして「こちらこそありがとう、気をつけて帰るんだよ」。
……しまった。最悪の体験を聞かれてたんだった。
※ マイケル・マッキーン=架空のロックバンドを描いた伝説的コメディ映画『スパイナル・タップ』で「このアンプは10じゃなく11まで上がる」という名セリフを生んだ俳優(ドラマ『ベター・コール・ソウル』のチャック役でも知られる)。アネット・オトゥールは彼の実生活での妻で、『ヤング・スーパーマン』ではクラークの母マーサを演じている。
まとめ
読んでいて気づくのは、最悪の話がほとんど「サービス業の現場」から出てくることだ。レストランの店員、警備員、テーマパークのVIP担当、レコード店主。相手が自分に何の得ももたらさないと分かった瞬間の態度に、その人の素が出る。逆に評判の良い名前が挙がるときも、決まって同じ構図になる。老夫婦の勘定をこっそり払うウォルトン・ゴギンズ、見ず知らずの客に絡まれてる若者をかばうビリー・ゼイン、階段まで見届けてから別れるマイケル・マッキーン。誰も見ていない場面で、何の見返りもないのに親切だった人たちだ。
もうひとつ面白いのは、いちばん偉そうだったのが必ずしも大スターではないこと。CMの中でだけ有名な人が誰よりも重役出勤みたいな態度を取る一方で、モハメド・アリはボディーガードを下がらせて子供の暗唱を最後まで聞いた。地位の高さと態度の悪さは、どうやら比例しないらしい。日本でも「あの人、現場での態度がね……」という話は業界の飲み会の定番だけど、結局のところ評価を決めるのはカメラが回っていない数十秒なんだろう。皆さんは、憧れの人に会って幻滅した経験はありますか?

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